小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月21日

 

 

【幕府公営診療所】

 

 

飛天「はい。今日も採血お疲れさん
はいはい威嚇しない 茶菓子食って のんびりしてこうな?」どうどう。

 

 

白「がるるるっ」

粋(今日もすっげえ痛かったんだな採血) 察し。

 


テオドール「申し訳ございません
春先は食欲が増してっ」ううっ

彬羽(飢えさせて 他の誰かの血を吸われるよりはマシと考えるべきだろうな。)うーん。

 


飛天「結構取ったからしっかり休んでけよ

あ。ちゃんと増血剤混入しといたから」

粋「Σぶふぉ!」茶菓子ぶーっ!


白「薬混入してるのは 何か嫌だな」饅頭じっと見。

テオドール「そもそも、この診療所で出てくるのって 原材料マトモなので御座いますかね?」ひええっ

彬羽「・・飛天だしな」悩っ

 

 

 

常連の婆ちゃん「おや、お兄さん達
いつも四人一緒で仲良しだねえ」にこにこっ

 

彬羽「引率だ。」真顔

常連の婆ちゃん「あー。黒いお兄さんは なんか納得」うん。

 

粋「俺はその
注射嫌いな兄貴の付き添い?
暴れたら何だし」

テオドール「その御方は 私のせいで 大嫌いな採血をしょっちゅうせねばならなくなっておられます故 大人しく留守番など無理で御座います!

そりゃ着いてこずには居られないので御座いますよっ!」くううっ

 


常連の婆ちゃん「・・うん、ばばあ頭おっ着かないわ」困惑っ

白「それが正解だと思う」

 


常連の婆ちゃん「でも こっちの白髪の兄ちゃんが 沢山血を抜いたってのは理解したよ。

先生の饅頭たくさん食べてきな
ワシ等もそれ食うと元気モリモリになるんだよ」ほれ。

 


常連の爺ちゃん「よっしゃ まだまだ若い者には負けんぞおお」饅頭ひょいぱくひょいぱくひょいぱくっ


粋「Σマジで何が入ってんの!?」ひえっ

彬羽「Σ爺さん せめて茶を飲め茶を!
窒息するぞ!!」

 

 

白「やめとこ。」引。

テオドール「我が主が甘味に手を付けられない

相当ヤバ気に御座いますね。」うわ

 

 

彬羽「全く あの非常識はいくつになったら治るんだ」ぶつくさっ

粋「つか、飛天の方が母ちゃん人間だし 人間に近いはずなのに
100%カラス天狗のお前のが常識有るってどういう事だよ」ひそっ


彬羽「普通に父親似なんだろ
おじ上も大概無茶苦茶だったしな」遠い目っ

テオドール(カラス天狗一族が やたら逞しいのも納得に御座いますねえ。)

 

白「血とかそう言うのあんま関係ないだろ。
俺も飛天と同じ半分は


ん?」ぴくっ


粋「どしたの?兄貴」あれっ

 


テオドール・彬羽「・・・。」


粋「え? あれっ
二人共どしたの?」え?ええっ

 

 

 

一同(今のは ネズミの足音っ!!) 

 


白(病院って そう言うの居たらダメなんじゃなかったっけ?)
竜神ハーフ。爺ちゃん譲りの五感(地獄耳)


彬羽(そうか 春先かっ!
あの野郎 さてはまた診療所の奥をゴミ溜めにしてるな)冷や汗っ

※カラスの聴力は人間と同程度。
しかし 物を聞き分ける力は人間の数倍


テオドール(此処は幕府直轄の医療施設に御座いますよ!?
お婆さん達にバレたら さすがにヤバいのではっ) ひええっ

※コウモリ(吸血鬼)=哺乳類トップクラスの聴力

 

 


粋「あのー?おーい。」

※勾陣にならなきゃ五感は基本人間と同等。

 

 

彬羽「衛生面を考えると
さっさと駆除すべきか?」ひそっ

テオドール「しかし、公営の医療施設に御座いますよ?
居るのがバレてしまうと
お婆さん方がドン引きして目安箱に投書なんて事になるのでは?」ひそっ

白「そんな適当な事してるのバレたら大変だな

『天海』サマか ハゲそうだ」うん。

 

 


白・彬羽・テオドール(よし、誤魔化そう。)頷きっ

 


粋「マジで何?」あのー。

 

 

テオドール「私ちょっと おトイレに

Σああっ!蹴躓いたっ!!」よろり 壁に手ばんっ!

粋「Σうお いきなりどした!」びくっ

 

テオドール「いやこれは失礼致しました

貧血に御座いましょうかね」ふっ

粋「状況的に血足りてねえの兄貴の方じゃね?」

 

白(ここのネズミ 根性有るな
まだ居る) 耳ぴくっ

 


常連の婆ちゃん「あー 外国のお兄さん。日焼けしてないからねえ

そう言う子は外に出て遊んだらええんだよ。

ほれほれ 春の日差しじゃ 存分に浴びて来るが良い」ぐいぐいっ

テオドール「Σえ。日差しって あのっ!」ひええっ


粋「Σだああ人前で 『ざらあっ!』はヤバイ
カラスっ」わたわたっ

 


彬羽「じ、実は そいつな日光に当たると火傷をしてまう
その、特異体質でな

症状を緩和させるには 白髪の血が特効薬になるって事で その
此処でその処置をしていたんだがっ」しどろもどろっ


白「バカラス お前それでも物書きか。」

テオドール(Σ相変わらず 嘘のド下手な方に御座いますっ!)ひええっ

 


婆ちゃん「え? 白髪の兄ちゃんの生き血って健康にいいの?」きらーん!

白「Σ!?」びくっ

 

粋「Σうおお まさかの兄貴にヤバイフラグ!!」ひいっ

彬羽「Σしまった!年寄りは 良く解らん健康食品にハマりがちだ!」

 

 


白「えーと。俺の血は薬になるくらい特殊だから

健康な年寄りが飲んだら 血管ぶっちぎれて 全身から血噴射して
カラカラになってくたばるから 体には良くないぞ」さらりっ

粋「こっちはこっちでとんでもねえ事 真顔で言ってるし!」

 

婆ちゃん「なんじゃ そうか
薬は用法用量守らんとなあ」ふーん。

粋「Σ納得した!!」

 

テオドール「この手のは 言ってる内容より 言ってる方の態度が大事に御座いますねえ。」しみじみっ

 


粋「あのマジでどしたの三人共。
なんかおかし

 

白「おい。
そう言う事なら この菓子下げた方が良いんじゃないか」

テオドール「で、御座いますねえ
状況的に ただの危険物に御座います」

粋「Σそこまで言う!?」えええっ

 


彬羽「いや 食い物に罪は無いんだが」そのっ

粋「つか何カラスまで
さっきから何がどうしたんだよ!!」

彬羽「それはその

Σん?」 はっ

 


粋「今度は兄貴 何してんの!!」ひいっ


圧ずおおおおおっ!!

 

彬羽(Σ壁の向こうのネズミに 殺気と妖気を当てて追っ払う作戦か!
成る程 これなら多少違和感は感じても 人間には何か解らな

 

 

常連の爺さん「か、かはっ!」

常連の婆ちゃん「Σだああ 一気食いなんてするからっ」背中ばんばんっ

 

テオドール「ストップで御座います!
お爺さんがビックリして お饅頭をノドに詰められまして御座います!!」ひええっ

粋「うおお!じいさーん!!」あたふたっ

 

 

飛天「Σうおお何この圧!

いったい何してんだ!!」

 

ふんっ!


ぽんっ。

 


常連の爺さん「な、なんかいきなり 体がガクンって」けほっ

常連の婆ちゃん「私も 体こわばったからねえ
何だろ? 冷えかね」

 

 


白「此処が医者で良かった」ほっ。

テオドール「医者だから困ってるので御座いますがねえ」うーん。

 


飛天「で、お前等は何してんの?」むすーっ

彬羽「いやその

話すなら奥にだな。」その


飛天「何でだよ」えー。

 

 


白「何で偉そうなんだお前」むかっ

飛天「いやそれ俺のセリフ
何してくれてんの お前こそ」


粋「マジで何がどうなってんだよおっ!」ああもうっ

 

 

彬羽「隠しても事実が変わるわけでもないしな」うーん。

テオドール「で、御座いますね
事実不潔なのは不潔でよろしくないかと

 

ん?  不潔?こう言う事にならない様に ダミアンが清掃バイトをしていたのでは?」おや?

 

 

 

ダミアン「Σうおおすまん!

うっかり日向に出てしまって1週間程戻れんかったわ!!」入り口ばんっ

大嶽丸「どこかで見た灰だと気がついて良かった」ほっ。

 

 

粋「Σえ。

ひょっとして お前大嶽丸が回収するまで」ひえっ


ダミアン「うむ。灰になっては蘇生しかけ そして日光を浴びて灰になりを繰り返しておった
地獄かアレは」げんなりっ


粋「え?え? 何時間くらい?」

ダミアン「・・おそらく

1週間くらい か?」


粋「Σ毎度よく精神持つな  お前等!!」ひえええっ

 

 


白「ん?じゃ つまり」

テオドール 「2日から3日置きに清掃バイトが来ていても
常に汚部屋のこの奥は」冷や汗っ

 

粋(Σあ。腐海隠そうとしてたのか!?) 察しっ

 

 

 

彬羽「いっそ。1度燃やして消毒した方が良いのかもしれんな」真顔っ

飛天「Σえ。なんで!?」


白「一言で言うと お前のせいだ。」うん。

 

 

 

常連の爺さん「何話しとるんかのー。」

常連の婆ちゃん「さあ? 最近耳が遠くなったんで 解らんわー」

 

 

 

 

ネズミ避難ちゅーちゅー。

 

大嶽丸「ん?」にゃんっ

 

 

 

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