小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

2月27日

 

 

 

江戸城

 


魄哉「また 城の備品が盗まれたんですか!?」はああっ

 

家老「はあ、情けない話です。

天海様が質素倹約をモットーにされているとは言え
それでも城の中の物は 外よりは良い物になってしまいますし
あー。いやはや何とも情けない。」溜め息っ


魄哉「だからって 普通盗りますかねえ
城の関係者って事でだいたい絞れるでしょうに。

で、何を持ってかれたんです?」

 


家老「厠の紙です」

魄哉「全て紙ヤスリと取っ替えてやりますか」ちっ


家老「Σいやダメでしょ!関係無い者達まで被害が及びますぞ!!」

 


魄哉「なっさけない話ですねえ。
国の象徴とも言える城の中で 厠の紙泥棒とか

どんだけ皆 平和ボケしてるんですかねえ」ふかーい溜め息っ

 


家老「良い紙は売れますからなあ
と言うか、紙も毎日使うと結構な値段になりますし
下々は 古い瓦版等を使用して居ると聞きま Σあ」

 

魄哉「拭く物があるなら問題ないですね」うん。

家老「Σうおお!今度は紙を配りましょうとか言い出すのかと思った!」ほっ

 

魄哉「何でもかんでもお上がくれると1度思い込んだら
貰えたかった時に キレるのが民ですんで

ホントにどうにもならん時しか 基本バラマキはしまさん。

そもそも うちの幕府にんな金ありません!!」くわっ

 


家老(ホンットにカツカツだから この方がやりくり頑張ってるってのに。

その脇で便所紙盗む輩 不届き過ぎますなあ) うんうんっ

 


魄哉「いっそ 厠の紙、有料にしますかねえ」うーん。

家老「・・食中毒でも出たら皆散財ですな」うーん。

 

 


間。

 

 


魄哉「ーーと言う事があったんですがね」はーやれやれっ

 

 

粋「Σ暇なら相談乗れって 便所紙の話の相談かよ!!」えええっ

 

テオドール「わざわざ伝書鳩まで飛ばしてに御座いますか。」苦笑

白「バカラス、政務が大変だと勘違いして 
バイト半休取ったのにな」

彬羽「・・だな。」

 


蒼月「ちえー。俺はバイトのチャンスと思ったのにー」ぶー。

粋「働きたくないの権化の癖して
たまにやるバイトが政務って 無茶苦茶だよなお前」

 

魄哉「と言う事で何か良い案ありませんか?」

テオドール「ではトイレの紙に酸でも「その手のは他の人にも危険なのでダメです。」

白「外で売れない紙にすれば良いんだよな?

 

江戸城って 名前書いてたらどうだ?」な?

魄哉「もしそれでも売り捌かれちゃった場合
江戸城の権威 地に落ちません?」えー。


蒼月「便所紙盗まれてる時点でとっくに地べた這いずってる様なもんだろ。」

 


彬羽「ならば紙の横にでも注意書きをしてみてはどうだ?」

魄哉「注意書き ですか?
盗んでるのは解ってますよ。的な?」ふむ


彬羽「いや 弱いな
相手は 言わばこの国のトップの目の前でコソ泥する様な奴だ

常に見ているぞ。くらいは書いておくべき「厠でそれ 嫌すぎませんか?」

 

彬羽「・・これも、何もしてない奴等にまである意味被害か」ふむ。

魄哉「そうなんですよ
他の人にノーダメでって意外と難しくて。

こんな事を大真面目に考えなきゃいけないとは情けない。」とほほ

 

蒼月「えー。もうノーダメじゃなくて良いじゃん?

むしろその方が 犯人捕まった時に皆から恨まれるじゃん?
お前のせいでってフルボッコになるでしょ? 願ったり叶ったりじゃん」あははっ

 

魄哉「厠の紙盗んで怒られるだけで 普通の人なら相当ダメージと思うんですけど?」

蒼月「知らないよ。
アンタもムカついたんなら 徹底的にやりゃ良いんだよ」ははんっ

 

白「蒼月、今回自分がやらかしてないから ノリノリだな。」

彬羽「魄哉がそんな性格なら
今頃破滅してるのは自分だって解ってないな この阿呆蛇。」うむ。

 


粋「しかし紙かあ

俺なら 1枚 いくらとか値段書いとくな。」うん。

魄哉「いえ それやると何もしてない人がですね」

粋「実際は取らねえよ?
けど、泥棒しようとしてる奴が見たら

あれ?バレたらいくら払わせられんの?ってなって気が引けちゃうんじゃね?」

魄哉「Σ一理ありますね!」おおっ

 

蒼月「俺ならむしろ え?こんな金額するの?
いくらになるじゃんって 喜んで皮算用して持ってくけど?」

魄哉「犯罪者側から見るとこうだそうなんで 却下で。」ふっ。

 

 

蒼月「つか何? この城のって こんな会議するくらいの品なの?
そんな高く売れんの?」ほう。


彬羽「犯人増えるんじゃないのか。」おい

 

 


白「もう、紙として使われるのが嫌なら お前の人相書でも書いとけ」なげやりっ

魄哉「Σ嫌に決まってんでしょうが!!
何に使う紙か解って言ってんですか!?」ひええっ

 


テオドール「そうで御座いますよ。
むしろ それでは目下の人は喜んで無駄に扱ってしまわれ 紙のロスが
魄哉「Σすみません!僕そんな嫌われてるんですか!?」

 

 

粋「まあ、女中の姉ちゃん達は 普通に嫌だろなあ」

蒼月「だね。女の子も使うよね

うわ。ジジイへんたーい」ぷーくすくすっ


魄哉「ぶっ飛ばしますよ。」イラッ

 


彬羽「ふむ。厠の前に見張り置いとくのも何だしな

やはり、紙を盗ってる奴
バレてるぞ。くらいの貼り紙が無難か?」

白「厠に入る時は 持ち物置いて全裸で入れ。とかにしたら 盗むに盗めないぞ」どやっ。

 

粋「うん。兄貴のは 
普通に全うに生きてる人等に迷惑過ぎるから ちょい黙ってて」

 


テオドール「うーん。
犯人が内部に居る限り
今後 ずーっと続けねばならない事を考えると

可能な限り経費のかからない方法で行かねばならぬので御座いましょうが」むう

粋「ずっとてなると
紙代よりそっちがかかりそうだよなあ」うっわー。

 

 

魄哉「ん?

あ。そうか」はっ

彬羽「何か思い付いたか?」お。

 

魄哉「ええまあ

成る程成る程。 いや やはり皆さんに相談して正解でした」にこにこっ


白「ん?
じゃあ、解決か?」

魄哉「はい。お陰さまで

あ、蒼月君 君はちょいバイトしてって下さい。
小銭稼ぎたいんでしょう?」

蒼月「へ? 良いけど。

何するの?」


魄哉「このメンツなら君にしか頼めない事  ですかねえ?」にこにこっ

 


テオドール「?

何をするかは 教えて下さらないのですね」おや。


彬羽「成功してからしかネタバラシしたくないんだろ

良し。 帰るか」やれやれっ

 

 


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侍A「あー 今日も疲れた」あくびっ

侍B「だなあ。登城の日は肩凝るわー。

あ、いつものアレ行く?」

侍A「だなだな。
じゃあ またお手軽に軍資金をっと」辺り見渡しっ


侍B「よしゃ 大漁。

こんなもんでも 町に行きゃー売れるからありがた

Σん!?」

 


侍AB(Σ便所紙に びっしり写経がしてある!!) 鳥肌ぞわあっ!!

 

侍B「・・えっと。

何コレ 売れなくねえ?
え?天海様が写経した後のをリサイクルとかしてんの?」冷や汗っ


侍A「し、白い紙としては使えなくても

ほれ、普通に 厠の紙としてなら「Σいや経書いてるんだよ!?これをそんなんに使える!?」えええっ


侍A「下々の奴等は字も読めねえのが居るんだろ?
なら何か解んねえだろ平気平気

値は落ちるが 二束三文くらいにゃなるだろ」がささっ


侍B「えー・・

バチ当たんね?」

侍A「当たんねえ当たんねえ。
ほら良く見ろよ
実際書いてんじゃなく こりゃ版画だぞ?

何の嫌がらせなんだか。ったく紙を無駄にしやがって」すたすたっ

 

侍B「(いや わざわざ版画とか意味が解んなくて 更に怖いんですけど。
え? 盗んでるのバレてないよな?)

あー  ・・きっと 偉い方の中での流行りとかなんだな うん。」

 

 

 

番兵「お疲れ様です。」ぺこりっ


侍A「はーい。お疲れ様」すたすたっ

侍B(よし。今回もバレて無

 


カチッ!

 

侍AB「ん?」

 

 


どむっ!!!

 

 

番兵「Σうおおおお!?」びくっ

番兵B「Σうお何だ テロか!?

皆の者 出あえ出あええええーーっ!!」笛ピイイッ!

 

 

 

 

蒼月「あの?

ジジイ?」冷や汗っ

 

魄哉「この城内は 晴明さんの特別結界が張られてますからねえ

そこから出したら そりゃ爆発くらいしますよね。
言わば量産発火符ですから」ふふふっ


蒼月「Σいやデリケートなもんに何て仕掛けさせてくれんの!!」ひええっ

魄哉「だって、普通は城から出す事有りませんもん。
なら 爆発も起きません


今後延々対策するとかごめんですからねえ
さっさと 犯人のみ、爆発して貰うに限ります」ふっ

蒼月(Σ生臭坊主 こっわ!
知ってたけど!!)ひええっ

 

 


家老「あの、天海様

陰陽師の秘術か何かを用いられたのは 把握致しましたが

経を書く必要は?」

魄哉「フェイクです。
むしろ あそこで思い留まってくれれば 此処までする気は有りませんでしたがねえ」

 


城内一同(Σしばらく厠の紙が写経!!)

ギロッ!


侍AB「Σあああ!皆の視線が痛い!!」ひええっ

 

家老「当たり前じゃ
不心得者共がっ!」

 


   

 

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