小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

2月23日

 

 

 


【某 山村】

 


大嶽丸「縄張り内を見回りしてて偶然見つけたんだけどな」うーん。

 


村長「山神さまああー!!!」うおおおっ

村民「我等の願い 叶えたまえええええ!!」ははーっ!

 

 

粋「Σ神事と悪魔崇拝混ざってねえ!?」ひえっ

テオドール「なーんで、この手のって皆動き揃えて 拝むので御座いましょうねえ」うわ。

 


大嶽丸「この通り どう見ても異質なんだが。」

彬羽「ビビるのも無理は無いが いちいち俺等に報告せんで良いぞ」

大嶽丸「Σどう見ても確実にヤバイの崇拝してるのに!?」えええっ

 


白「崇拝するのは 人の勝手だし。
そもそもあそこに何も居ないだろ」


粋「Σそうなの!?」えええっ

テオドール「仮に何か居たとしても
あの儀式で喜びそうなのは ろくな物ではないかと。
神と言うより悪魔寄りで御座います」

 


彬羽「な?仮にも神と悪魔がこう言ってるんだ。

心配せんでも何も起きん
何かあったとしたら そりゃ人間が勝手にやった事だ」

大嶽丸「うっわ。説得力凄っ」

 


粋「しっかし 凄っげえなあ。
何そんなに願いたい事が有るんだろ」こそっ

テオドール「関わらない方がよろしいのでは?」怪訝っ

 


村長「街道を通る者を襲う 豊臣の残党に鉄槌を!!」くわっ

村民「鉄槌を!!」うおおおっ

 

粋「Σいや 幕府に言いつけろよそこは!!」えええっ

 

 

村長「米の出来が良くなりますように!」くわっ

村民「なりますように!!」

 

大嶽丸「お。普通」ほっ

 


村長「田んぼから金が出ますように!!」

村民「出ますように!!」

 


彬羽「おい、風向きおかしくないか?」

 

 

村長「出来たら楽して暮らしたい!!」

村民「暮らしたい!!!!」おおおっ

 


テオドール「もはや只の魂の叫びに御座いますね」ああうん。

 

白「よし。帰るか」くるり

粋「Σえ!豊臣の残党は放置しちゃまずくね!?」えええっ


白「俺等の仕事じゃないし。
家康達が困るだろから 帰ったらチクるくらいはしとくけどな」

粋「あ。いや そうじゃなく
俺等なら 今すぐどうにかしてやれるんじゃ?」

 


白「で、 神頼み成立か?

此処でなりますように なりますように してたら
思いどおりになった。とかって思うだけだぞ コイツ等」 

粋「へ?」えーと。

 

大嶽丸「確かに。
今後何か有っても 此処で拝めばどうにかなる。 と言う他力本願な成功体験はまずいな」ふむ。


テオドール「この方達が 自分でどうにかしよう と思われておられるなら 
また答えも変わろう物に御座いますが。」チラ見っ

 

白「何処の神も ただ願望叫んでるだけの奴なんて 助けたくないだろ」ふんっ

彬羽「この破壊神に至っては むしろ嫌悪してるな」ああうん。

 

 


大嶽丸「お前の兄、ひょっとして表情読めんだけで
結構性格はハッキリしてるのか?」ひそっ

粋「Σ今頃?

確かに好き嫌いハッキリしてるし
結構真っ直ぐ馬鹿だけど
白「お前に言われたくない。
お人好しの考え無しのヘタレ真っ直ぐ馬鹿。」

 

粋「な? キッパリハッキリ容赦ねえ」ふっ。

大嶽丸(すまん。的確だ) うん

 

 

白「神様なんか拝むより 自分で喧嘩した方が早い

人にばっかやってくれやってくれは嫌いだ」つーん。

彬羽「一理有る
帰るか」うむ。

 

粋「えー。でも」あのっ

大嶽丸「いや俺見るな
俺にお前の兄貴に逆らう根性無いぞ」真顔っ

 


テオドール(ん? 今そこに何か居たような
鳥で御座いましょうかね)

 

 

 


ーーーーーーーーー

 

 

 

村の子供(よく解んねえけど
神様に愛想つかされたー!!) ずーん!

 

 

子供B「たろちゃん どうしたの?」

子供A「Σどうしたのじゃねえよ!
大人達が 神様あれもこれもよろしくって ワーワー言ってるの見て 神様ぽい人がすっげえ嫌がってたんだよ!

俺等の村 神様に見捨てられたかもしんねえぞ!!」半泣きっ


子供C「いや神様って
そんなんホントに居るのかよ
つか どんなんだよ神様って」苦笑

 

子供A「白くて なんか凄っごい偉そうで
表情動いてなくて、
お着きの人達?に淡々と話してた」えーと。


子供C「・・なんか 凄いそれっぽいな」うわ。

 

 

子供D「てか何で?
あんなに大人達が拝んでるのに なんで神様怒ってる?」ええー。

子供A「拝んでるだけだから嫌 みたいな事言ってたような?」うーん。

子供B「え。神様って拝めば助けてくれるんじゃないの?」ええー。

 

子供A「確かに うちの父ちゃんみたいに
ゴロゴロしてて あー、神様が金放り込んでくれねえかなー。とか言ってるのは 殴りたくなるけど」ぼそっ

子供B「・・たろちゃん」うわあ。

 

子供C「確かに 拝んでる間に働こうぜ。ってなるなあ」うん。

子供D「だなあ。
大人達も あんな大勢居るなら その間に畑耕せよって 俺も思ったし」うん。

 


子供A「けど、今回の奴ってアレだろ?
道に出る 元お侍みたいな野党の奴等。

あれは村の者じゃどうしようもねえし
神様にまで見捨てられたってなあ」とほほっ


子供B「やっぱ 江戸の偉い人にお願いするしかねえんじゃねえの?」うーん。

子供C「そんな事しに行ったら それこそ斬られちまうって話だろ?

下手な事すると 危ないから神様にお願いするんだろ?」

 

 

 

子供D「・・でも、神様

この村が 何もしないから怒っちゃったんだよな?」ボソッ。


子供A「だよな。
俺が神様なら

何も言わなくても 父ちゃんが働くようになりますように。って お願いされたらキレるかも」ふっ。

子供B「たろちゃん どんだけ。」

 

 

子供C「・・なあ、神様に頼めないんなら
俺等で 江戸行かねえ?」

 

子供一同「Σえ!?」

 


子供C「だってよ。大人達は怖がって動かないんだろ?

でもって あのお侍達、腹減らしたら いつ村襲ってくるかも解んねえし
何もしねえまんまだと どっちみち俺等ヤバくねえ?」

 

子供B「んー確かに?」むう

子供C「子供なら 道通っても大丈夫じゃねえかな?

俺等みたいのが 歩いて江戸まで行こうとしてるとか 思わねえだろ?」

 

子供D「それはそうだけど
えー。 行けんの?」困惑っ

 

 

子供A「よし!俺は行くぞ!
大人達が頼りになんねえなら 俺等がどうにかしなきゃ!!」すくっ

 

子供B「Σうわ。説得力凄っ!」

子供C「よっしゃ!じゃあ子供らしく 遊んでるふりして通り抜けるぞー!!」おおーー!

 

 

 

間。

 

 

豊臣残党「えーと、
なんだこのガキ共は」困惑っ

子供A「Σだああ!子供なのに通してくれないっ!!」じたばたっ

 
豊臣残党B「そりゃあな。
子供に斥候させるとか 戦国あるあるだったしなあ

あの村のガキか。残念だったな。」


子供B「Σたろちゃーん!」うわああっ!


豊臣残党C「ほれほれ お前さん等もこっちにおいで!ー。
痛い事しないから」手招きっ


子供C「Σ嘘つけ!
痛い事しかしないだろ!!」


豊臣残党D「どっちにしても そろそろこの辺に潜伏すんのも限界有ったんでなあ
お前らの村から色々貰って逃げようって話してたんだよ。

さして変わらん変わらん」刀すらりっ


子供D「Σおにー!!」うわーん。

 

 

 

 

白「あれ また同じ道に出た。」

豊臣残党D「Σごぶっ!!」べしゃっ


子供一同「Σ鬼出たああーーっ!!!」ひいいっ

 


子供A「Σ じゃ ねえよ!
ほらさっき話した神様神様!」ほらほらっ

 

白「ん?」


子供D「いや確かに白いけど」えええっ

 

白「ごめん。江戸どっちだっけ?」はて?

 

 

子供B「角の生えた

迷子?」えーと。

 

 

豊臣残党B「Σなんだお前!」ひええっ

白「なんだって言われてもな。

ん? お前らがアレか
この辺に居る 豊臣の?」あれっ

豊臣残党A「Σ化物が なぜ我等の事を!?」ひえっ

 

白「そっかそっか。
じゃ、お前等 あの村の奴らか」

 

子供A「へ? あ、そのっ

神様がうちの村の大人達に怒って居なくなるの見たんで そのっ
自分達でどうにかしなきゃって

白「ちょっと待て。俺あんなアホな奉られ方してる神様と勘違いされてるのか?」

 

子供A「違うんですか?」へ?

 

 

子供B(Σあ、無表情かと思ったら 露骨に嫌な顔した)

子供D(Σ意外と解りやすいな 神様!)

 

 

白「何となく嫌だけど

まあ、細かい事は良いか。」ふむ

 


豊臣残党A「Σおいこら!我等を無視するな化物!!」

豊臣残党C「江戸とか言っていたな!
おのれ徳川 さてはまた化物共を味方につけたかっ」

 

白「あ。忘れてた

よし、チビ共 今回は特別だ。
何よりお前等自分で動いたしな」


子供A「Σへ!?」

 

 


白「さっさと大人になって お前等の世代はちゃんとやりたい事は自分でやれ。
守れるな?」

子供一同「Σはい!!」おおおっ

 


豊臣残党A「Σだから無視すんなと言うに!!」ああもうっ

豊臣残党D「もういい! 皆の者やってしま

 

 

 

 

大嶽丸「Σあ。火柱」にゃっ!


テオドール「解りやすう御座いますねえ」おやまあ。

粋「結局 手出してんじゃねえかよ兄貴。」苦笑

彬羽「どうだろうな

気が変わる何かが有ったんじゃないか?」

 

 

 

 

 

 

白「ーーそうか。住み込みで 剣術修行か。
子供でも どこかで住み込みで働いて 道場に通うとかなら有るかも?」うーん。

 

子供A「Σマジですか!
江戸凄え! 」

子供B「あ!俺も俺も
神様その手のツテ有りますかっ!?」

 

白「ツテ? 」えーと。

子供C「大人になるまで待ってらんねえです!
今すぐ動きたい!」はいっはいっ

子供D「大丈夫!俺等 野良仕事で体鍛えてますっ!」

 

 

テオドール「なんで仲良くなられておられるので御座いますか。」

白「お前等 住み込みの仕事紹介してやってくれ」困惑っ

粋「うん。 なんでそう極端から極端に行くの?」

 

 

彬羽「奉公先の斡旋をしてる店も有るが

本気でやる気なら 口聞いてやろうか?」

子供一同「お願いします!!!」

 

大嶽丸「Σこっちまで!?」えええっ


白「あ、察したな」良し。

 

 


彬羽「次の世代に望みが託せるなら 
嫌悪する必要は何処にも無いからな。」ふっ。

大嶽丸「要するに
まとめて 極端なお人好しなんだな。お前等。」

 

 

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