晴明「ーーと言うわけでだな
幕府として 正式に依頼して来よったんじゃが」
家康「良かったねー 孫にお小遣いあげられるよ」へらっ
晴明「正確には孫ではない
降って湧いた子孫じゃ」けっ
千様「降って湧けないでしょ
男ってやーね。」けっ
土御門 泰澄「幕府から直々にとはっ さすがですお師匠様！」きらきらっ
晴明「ふん。私を誰と思っておるか。
よし、此処からはトップシークレットぞ
向こうに行っておれ」しっしっ
泰澄「Σあ、見習いごときには聞かせられぬ話と！
了解しましたっ」だっ
晴明「あ。ちと待て」
泰澄「はい？」
晴明「ちいと長くなるかもしれん。
外行って遊んでこい。
半日程 時間潰して来るがよいぞ」小銭ちゃりんっ
泰澄「Σうわ！
ありがとう御座いますっ！」わーい。
家康「あ、既にお小遣いはあげてるんだね」ああうん。
千様「孫の可愛がり方解んないんで とりあえずお小遣い。
不器用なお爺ちゃんあるあるねー」
蒼月「つかさー
孫めちゃ素直じゃん
ホントにあんたの遺伝子入ってるの？」にやにやっ
家康「Σこらっ！」
晴明「間違いなく 入っとるよな？」
九尾「僅かじゃが 狐のにおいがしおるぞえ」にょきっ
蒼月「・・判断基準 そこなんだ」ああうん。
晴明「まあ、動物だしのう」
九尾「至って普通ではないかえ？」こんっ
千様「てか、九尾ちゃん いつから床下に居たの？」
九尾「いやー。小腹が空いてのう
ぷりぷり育ったネズミが 床下に逃げ込んだので ほほほっ」
蒼月「うん。野生の王国だね」うぷ。
間。
白「ん？ それで蒼月が陰陽師って事にして
偉い奴等の前でアレコレやる事になったのか？」
蒼月「らしいよ。
報酬たんまりだから良いけどさあ
無理なら断れよ あの古狐っ」あーさむっ
粋「え？なんでまた
つか偉い奴等の前って 晴明じゃなくても良いのかよ」えー。
蒼月「よく考えて物言えよ
『安倍晴明』は平安時代の『人間』だろ？」
粋「Σあっ」
テオドール「つまりあの方は 世間的にはとっくに天寿を全うした人となっておられると
ん？ ならば何故 晴明さんにそんな依頼が？」おや
蒼月「別にあの人じゃなくても良いんだよ。
お偉方が見たいのは
近頃あちこちで 化物絡みのアレコレを解決しまくってる幕府秘蔵の陰陽師
って事になってる アンタ等なんだよ。」
粋「Σ俺等 そう言う事になってたの！？」えええっ
白「まさかの俺達のせいか。」うわ
テオドール「まあ、結構派手に
もののけ相手にドンパチやっておりますしねえ」苦笑。
蒼月「で、孫の手前 断るのもなーって引き受けた物の
後で 無理じゃね？てなったぽいよ
で、俺によろしくと」はーやれやれっ
粋「へ？無理って？」
蒼月「あの人の術って
基本 防御とか呪い返しとかじゃん
基本攻撃されないと 何も出来ないんだよ」
テオドール「防御特化の悲しみに御座いますねえ」納得。
白「そんなら魄哉がやれば良いのに
あいつ元陰陽師だろ」
蒼月「いや 偉いさん達がゴネて ジジイに陰陽師見せろっつってんの。
そこでジジイが 実は陰陽師もやってました。とか出てったら ややこしくなるでしょ？」
テオドール「天海様なだけでも大概に御座いますしねえ」
蒼月「で、俺に白羽の矢って奴。
見よう見まねで 色々出来るからね」ふふんっ。
粋「お前 ホント器用だよなあ」へー。
テオドール「というか 人前で派手な事するなら
それこそ我が主に御座いましょうに
晴明さんも 見る目が御座いませんねえ」はーやれやれ。
蒼月「いやその人のは
モロ人外バレするだろ。
つか なんでバレてないの？」真顔っ
白「揉み消してるからな」どやっ
蒼月「Σ俺に記憶消させてる他にも 何かやってんの！？」怖っ
粋「Σん！？
じゃあ蒼月 俺より先に主演やんの！？」はっ
テオドール「言われてみればそうかも。
粋さんも 早く見習い卒業致しましょうね」
粋「マジかあああ！！」頭かかえっ
蒼月「いや俺 舞台役者じゃないから
ん？ 舞台？え？まさか見に来るつもり
白「当たり前だろ。」きっぱり。
ーーーーーーーーーーー
【江戸城 庭園内会場】
蒼月「さあて。お立ち会い
何の変哲もない こちらの人形
皆様 とくとご覧あれっ」じゃんっ！
白「あれ。うちの呪い人形だよな？」
テオドール「Σヒルデ！いつの間に！！」ひえっ
麻呂A「おお！動いた
人形が1人で動いておじゃるっ」
麻呂B「なんと不思議な
これが徳川秘蔵の陰陽師」ほおおっ
粋(いや 詐欺師です。)
魄哉(なんでこうなったんでしょう？)うーん。
蒼月「はい！お次はこちら
さあ 箱の中のお人形ちゃんの運命やいかにー？」ノリッノリッ
麻呂C「なんか
西洋の 手品みたいじゃのう」ボソッ。
蒼月「Σう」ぎくっ
テオドール「あ。次は手品のターンだったので御座いますね。」ああうん。
粋「つーか、見よう見まねって
陰陽術じゃなくて そっちかよ」苦笑。
白「ん？そもそも蒼月の陰陽術って
素質は有るって 晴明が教えようとした奴だろ？ 蒼月やる気無いけど
って事は」えーと。
粋・テオドール(Σコイツも 防御、サポート特化か！！) はっ
白「晴明 ホントに他に頼める奴が居なかったんだな」しみじみ
テオドール「うわ。あの偉そうな晴明さんが 一気に気の毒な感じに」
粋「つか 蒼月の方も気の毒な感じになってね？
公家の奴等 ザワついてんじゃねえかよ」冷や汗っ
蒼月(やっべ。箱入りの公家とか 珍しい物見せときゃ良いだろって思ってたけど
思ったより目端利くじゃん 生意気だな
んー どうしよ。)
ブリュンヒルデ桃子「ギギッ」
蒼月「ん？ 何 ヒルデちゃん」
ブリュンヒルデ桃子「ぐがっ！！」じゃきんっ！
蒼月「Σうおお！何々！
ちょ！ハサミ危ない危ないいい！！」ひええっ
麻呂軍団「Σ！？」ざわっ！
魄哉「ああっと これは危険です！
多数の人の気に当てられて呪い人形が暴走したようです！
陰陽師殿！早く調伏をっ ケガ人が出る前に！！」
蒼月(Σあ！そう言う事！？)はっ
ヒルデ桃子「グガッ！！」四つん這いじりじりっ
蒼月(ヒルデちゃんありがとう
人形だけど 俺ヒルデちゃんなら愛せるかもしんない。
よし！ここはヒルデちゃんの為にも
ド派手に鎮めましたパフォーマンスをっ！！)くわっ
テオドール「・・ ん？
固まりまして御座いますね？」おや。
粋「あの まさかと思うんだけど」冷や汗っ
蒼月(やっべ。陰陽師って どうやってモノノケ調伏すんだっけ？) 汗だらだらっ
白「いつも晴明の話 普段全然聞いてないもんな」察し。
蒼月(え？ええー 御札とか？
ジジイなら数珠で喝！とかって ぶん殴ってるけど
現役陰陽師は違うよね？
えええ。うっそ また変な事したらさすがにっ)ちらっ
麻呂A「動かんのー？」
麻呂B「大丈夫か？あの陰陽師。
天海殿よ、 ホントにアレが 幕府のお抱えの凄腕陰陽師なのかえ？」
魄哉「か、風邪でもひいたんですかねえ」冷や汗っ
テオドール「向こうも辛そうに御座います」うわ。
魄哉(最悪。舞台ごとふっとばして 大技炸裂しました！とかってやりますか。)ちっ
白「早くどうにかしないと
蒼月 偉い事になりそうだな。」うん。
陰陽師『ったく。
なんでそれで 出てきたんだか』ずいっ
蒼月「ん？ 誰だよアンタ
Σえ。ちょっ
陰陽師「奥義・画竜点睛の術。」
掛け軸ばっ！
麻呂軍団「Σおお！？」わくっ
紙から羅刹ずぞぞぞっ ぶわっ！！
麻呂A「Σおおおお これぞ陰陽師！！」ぱちぱちぱちっ！
がしっ！
ヒルデ桃子「Σぐがっ！？」じたばたっ
陰陽師「しー。
大丈夫っすよ
無体な事はしねえっす」
蒼月「あ、やっぱモヤシ
何でお前が？」ええー。
石燕「アンタが不甲斐ないから
彬羽さんに 無理やり捩じ込まれたんすよ
あっしは人前嫌いなんすからね 適当に太鼓持ちお願いしやす！」 筆ばばっ！
紙から蝶の群れぶわっ！！
公家軍団「Σおおおおおおー！！」スタンディングオベーションっ！
テオドール「まさかの石燕さんで御座いました。」わお。
粋「確かに 陰陽師ぽいちゃぽいけど」うわー
白「石燕 前髪下ろすと 糸目隠れて誰か解らないな」うん。
テオドール・粋「確かに」うん。
与一「良し！上手くいったぞ！」物陰っ
彬羽「顔出すの嫌だ嫌だとゴネてたが
石燕の奴、アレなら良いのか」困惑っ
与一「あやつは 人の間で顔が知れるのが嫌なのだ
だから 顔が隠れてれば問題ない」わははっ
彬羽(なんだかんだで コイツのオリジナルなだけは有るな。)ああうん。
麻呂C「いや 驚いたのう
1人目は いわゆる前座。
上手く構築しておるわ」うんうんっ
麻呂D「そうでおじゃるな。
後から出てきた ガリガリの方の陰陽師。あれは手練れぞ
醸し出す雰囲気がまるで化物じゃ」うむ。
泰澄「晴明様の 弟子の皆さんは凄いのですね」うわー。
晴明「う、うむ。
(よっしゃあ！ 誤魔化せたーーっ！！)」ガッツポーズ！！
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