小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月13日

 

 

 

【お白州】

 

 

奉行「ーーー以上  何か申し立ては有るか」

 

家康「事実無根です。」きっぱり

 

 

 

粋(仮にも将軍が なんでしょっぴかれてんだよ!)ひそひそっ

テオドール(見た目が胡散臭う御座いますからねえ
身分を知らない方々からすれば 怪しくてしゃーないのかと) ひそひそっ

 


家康「あのー 私はホントに辻斬りとかしてないんで

そもそも被害者と面識も無いし」そのー。

役人「辻斬りとは 縁も所縁も無い者を 通りすがりに斬る事だが?」

家康「Σあ」

 


粋(完全無罪なのに 有罪にされそうな気がしてきた) うわ。

 

 

千様「その時間って 殿、アタシ達と一緒に晩御飯食べてたじゃない
物理的に出来るわけが無いわよー」ぷんすかっ

彬羽「だな。
しかし、居候仲間となると 家族の証言と同じ扱いで 証拠能力はないそうだ」

挿音「つーか。
その時間メシ食ってたのに なんで夜中にんな其処らウロついてんだよ」やれやれっ

 

 

家康「くっ!天海の言い付け無視して
夜中におでん屋で1杯やろうとしたばっかりに!!」くううっ

 

千様「あんの生臭坊主
特大のバチ ぶち当てたわね」うわー。

彬羽「バチは坊主がぶつける物だったか?」

 


挿音「あーこらヤベえな
マジで有罪にされかねねえ。

しゃーねえ。最悪の場合は」懐のクナイちゃきっ

千様「Σちょ!
普通に揉み消せるでしょうが!何物騒な事考えてんの!!」ひえっ


挿音「解ってねえな
権力でねじ曲げらんねえ様に
犯罪系は たとえ親父でも職権乱用出来ねえ仕組みになってんだよ」


粋「Σえ。て 事は」

 

彬羽「ここで死罪とで判決が出たら
いくら家康でも打ち首待ったなしか」うわ。

粋「Σうわああ!!誰か!誰か目撃者とか居ねえの!?」ひええっ


石燕「深夜の出来事っすからねえ
このクソ寒い時期っすし
普通皆外歩かんしょ?」うーん。

粋「Σ時期が悪い!!」

 

 

彬羽「いっそあいつが正体バラして
お忍びで城下を見てたとか言えば済む事なんだが」うーん。

 


家康「とにかく身に覚えがありませーん。
私はただの第一発見者です」ふんぞりっ

一同(何がなんでも正体バラす気ないな。)ああうん。

 

 

役人「そうか。ならば何故に 
身分を偽って 役所に籍を置いている?」ほー。

家康「Σえ」

 

 


石燕「あ。家康さんって
身分を隠す為に 経歴詐称して役所に勤めてたんすね。そいや」あちゃー。

千様「サボり倒して グズグズになったまんまだったけど
まだ籍有ったのね」あらー

 


家康「え。えっと それは」冷や汗だらだらっ

役人「お奉行殿、
経歴詐称の理由を言えぬ辺りからも こやつが犯人で間違いないかと。
更に言うなら 役人の立場を利用し、獲物を物色していた疑いすら有ります」

家康「Σええええ!!」ひえっ

 

 

粋「あああもう 正体バラせば良いのにっ」あわあわっ

彬羽「まあ。これだけ傍聴人が居れば 
やりにくいのも解らなくは無いが」周りチラッ


挿音「しゃーねえ
千様「Σアンタは もちょい待ちなさいっての!!」ひええっ

 

 

テオドール「ふむ。
やはり弁護人が必要に御座いますね。」

粋「弁護?」へ?

 

テオドール「日本のお白州には無い制度の様で御座いますが、
裁判のプロ達相手に 被告本人だけで戦えと言うのも無理が御座います」


彬羽「おい、まさかと思うが
今回やたら静かなのは」

 

 

 

白「意義有り。

蕎麦屋のオッサンにげんしつ?は取ったのか?」はいっ

お奉行「蕎麦屋でなく おでん屋じゃなかったのか?」ん?

 

 

彬羽「寄りによって なんでアレを選んだ」おい。

テオドール「屁理屈なら最強の方に御座います故。」

 

 


代官「こらそこの!
お前 被告と知り合いだろう
知り合いの証言は証拠になら
白「知ってるから言える事もあるし
犯人と決めつけないから見える物も有るだろ

俺は こうじゃないか?って言うだけ。
お前等がちゃんと調べられれてるなら答えられるだろ。
それとも何か 答えられない理由でも有るのか?」つらつらっ

 


お奉行「よし。弁護人の参加を認めます」うむ。

役人「Σうおお真面目!!」ひえっ

 


白「大船に乗った気で居ろ」どやっ

家康「・・あ。うん」

 


粋(泥船に乗せて流された気分だろうなあ)

 

 


千様「白君のごり押し口先三寸が プロに通用するのかしらー?」うーん。

石燕「ビミョーな所っすねえ
ん?」

 

 

傍聴人A「Σきゃああ!やっぱあの白い髪!桔梗ちゃんよおお!!」きゃー!

傍聴人B「Σマジで!? ホンット神出鬼没!え!弁護!?頑張ってー!!」きえええっ

 


粋「Σうっお 兄貴のファンも何処にでも居る」びくっ

テオドール「さすが人気お役者様。
これでお役人方も 適当な事は出来なくなりまして御座いますね」ほほう。


挿音「悪い。おもしれえわ。」ぷぷっ

石燕「あ、こっちの殺気は当分大丈夫ぽいっす」ああうん。

 

 


お奉行「して、弁護人。
おでん屋の主人の話からすると
この者が屋台を立ち、そこから被害者を発見するまで そこそこの時間が有る。

この二つは非常に近所
そんな長時間 寒空の下、被告は夜間に何をしていたと言うのか?」

 

白「解ってないな。
屋台で酒だぞ
寒い中。」

役人「Σはっ!まさか!!」

 

 

白「立ちションだ。

する場所探してウロウロしてたに決まってるだろ!」どやっ

 


家康「Σあああ!他の前科が着いた!」ひえっ

白「大事の前の小事って言うんだろ?

あれ?・・小だよな?」えっと

家康「Σやめて!人前で追及やめて!
小です!!」ひええっ

 

お奉行「うむ、軽犯罪法違反な。」帳面さらさらっ

 

家康「うううっ」ずーん。

 

 

 

石燕「また しょーもない前科が。」あーあ。

挿音「・・っ!」ぷるぷるっ

千様「コイツはコイツでツボってるし」あーあ。

 


彬羽「ふむ。確かに前科はついたが、これなら軽い罰金で済むだろ

あの野郎 何処まで計算か解らんが 案外上手く行くかもしれんな。」ほう


粋(今回のは完全に結果オーライじゃないかな) うーん。

 

 


代官「し、しかし 
目撃者の話では 物音に気がつき駆けつけた所
ガイシャの隣には被告が居たとの事でっ

あの辺りは見通しも良く、わずかな時間に隠れる場所など 」


白「意義アリだ。

そんな 見通しの良い所なら証拠隠滅に斬った刀放り投げても解るだろ。

こいつの刀に 少しでも血が着いていたのか?」

役人「Σくっ!」

 


お奉行「血の方は?」


役人B「それが、
何処にもそれらしき物は」


白「その感じだと 血を拭いた紙も見付かってないのか。

ほら見ろ 仮に拭いててもこの刀に人の脂が着いて見えるか?」刀ちゃきっ

 

 

お奉行「弁護人
勝手に 証拠の品を持ち出さない」めっ。

白「Σあ、ごめん。」

 


彬羽(調子に乗りすぎだ 馬鹿野郎。)あちゃー

 

 

 

白「えっと
刀はごめん
そこに有ったからだ ちゃんと管理しろ。

で、証拠は無い。犯人が数秒で逃げられないと言うなら
その目撃者も大概怪しいんじゃ無いのか?」どやっ。

 

役人「いや それはない!」

白「なんだ。言い切るな」


役人「被害者は刃物で1刀の元に斬られている
つまり、相手は刀の扱いに長けた者

つまり そこらの町人では無理なのだ!!」びしっ


家康「Σ近くに居た二本差ってだけで 返り血全く浴びてない私が犯人は無理があると思うけど!?」えええっ

 

役人「喧しい!

あの日は風が強かった!!
なんか羽織とか盾にしてたら 飛ばされて終わりだろ!」

家康「Σせめて物的証拠持ってきてよ!!」えええっ

 

 

白「ん?刀の扱いに長けてそうだから犯人と思ったのか?」

役人「長けてなくても侍だ
多生の心得は有るだろ」ふんっ

 

白「そっか。

じゃ 試してみよう」

縄ぶつっ!


役人B「Σあっ こら何を勝手に!!」

 


白「ほら 良く見ろ

抜き身の刀だ。
しっかり持て」がしゃっ

家康「Σえ。ちょっ」あわわっ

 

 


挿音「Σあ。ヤベ」はっ

千様「あら?殿って確か 
戦国で人斬りすぎた後遺症で」あらー?

 


石燕「死人出るんじゃねえすかコレ」うわ。

 

役人「Σちょっ
目付きが変わっ 

Σぎゃああああ!!!」ひいいっ

役人B「ちょこら つつつ罪をかさね

Σぎゃああこっち見た 
うわああ来るなああ!!」ひいいっ

 

 

 


お奉行「べ、弁護人?」こそっ


白「な?あいつ刀使えないんだ。

万一 刀使ってたとしたら

目撃者も今頃詳言なんて出来てない。」どやあっ


お奉行「Σ確かに!!」おおっ

 


粋「Σえ!納得すんの!?」えええっ

彬羽「普通に考えたら
更に危険人物として 疑われそうな物だがな」うーん。

 


役人「おおお、お奉行!!
コイツ絶対危ないですって!
丸め込まれないで!!」ひいいっ

お奉行「いや。しかしな

こんなんで生存者が居るの方が不思議と言うか」

役人B「Σすんません!それより助けて下さい!!」うわああっ

 

 


白「まだ疑うのか
仕方ないな。

うりゃ。」扇子がいんっ!


刀かららんっ!


家康「Σはっ!」我に返りっ


白「よし。戻ったな

んでこれだ」懐に手突っ込み!

 

家康「Σあ!ちょっと!!」

 

 


白「見ろ。舶来物の銃だ。

コイツはマトモに刀を使えないし、使いたくないから 護身用に銃を持ってる

万一誰かに危害加えるなら
こっちを使うのが自然だと思わないか?」

銃じゃこっ!

 


お奉行「ふむ。

確かに。」うむ。

 


粋「お! これってつまり!!」

テオドール「さすがは我が主に御座います!!」おおおっ

 

 

お奉行「それはそれとして

それ 御禁制の品じゃないかな?」

白「Σあっ」

 

 

 


彬羽「大馬鹿野郎。」頭かかえっ

 


千様「御禁制の品って
持ってたらどうなんの?」

挿音「・・流罪辺りじゃね?」

石燕「あ。ダメっすね」ああうん。

 

 


晴明「こんな事も有ろうかと
ほれ 幕府よりの所持許可証。

申請済みじゃい問題ないぞ!」許可証ぴらっ

役人「Σなんだと!!」

 

 

千様「あ。あの生臭
出来る限りの 手を打ってきてるわ」あらー

 


お奉行「ふむ。
この審議 もう少し取り調べをしてからやり直す必要が有るな」ほう。

家康「Σ一先ず助かった!?」おおおっ

 

 


お奉行「とりあえず そなたの罪状は
立ち小便と経歴詐称。

残りは後日改めて と言う事で。
まあ 証人として来て貰う事になるであろうがな」はっはっは。

家康「Σうおおこんだけ恥かいて また後日!?」ひえっ

 

 


白「ん?後日 また俺も来なきゃダメなのか?
面倒だな」えー。

粋「こんだけ引っ掻き回して 放り出してやんなよ」苦笑。

 

家康「Σこれ以上軽犯罪掘り出さないでね!」ひいっ

晴明「いや、掘り出される様な事しとんのがいかんのであろ?」引。


千様「うっわ。晴明さんに言われちゃったわー」あらあらっ

 

 


テオドール「えーと。
勝訴に御座いますね!!」ひゃっほうっ

挿音「むしろ ボロ負けじゃね?」キセルすっぱー。

 

 

 

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