小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月14日

 

 


【芝居小屋】

 


テオドール「うおおいそがしっ!

ちょっ!粋さん 何をボサッとしているので御座いますか!
お客さんが列成しておられますっ受付受付っ!!」


粋「Σうおマジ!?もうそんな時間

あ!こらテオ あんまバタバタすんなよ その辺小道具」

 

 

テオドール「Σあああああ゛ーーーっ!!!!」

どがしゃんがんがらごんごんずじゃーー!!

 

ざらっ。

 


粋「Σうっお綺麗に全部なぎ倒した!!
あああ小道具灰だらけっ!」ひええっ

 


酒呑童子「受付って 金受け取って入って良し で良いんだよな

おっしゃ人間共 一列に並べー」


お客「Σ!?」どよっ

 


皐月「手伝いありがたいんやけど
客寄せクマの毛皮脱いでくれへん?」うわ

酒呑童子「Σやべ 忘れてた」はっ

 

 


つつじ「幕空くけど 大丈夫やろか?」困惑っ

見習い「おい雑用 ちゃんと働けよー!」


粋「Σはいっ!すんませんしたっ!」テオ灰ちり取りでざかざかっ

 


白「テオの回収はやっとくから お前は客さばく方行け

ほら、皐月の手回ってないぞ」

ちり取りざかざかっ


粋「Σらじゃ!!」だっ

 

見習い「Σちょ!桔梗さん 自分等がやりますんで
誰かゴミ箱ゴミ箱!」あわあわっ

白「いやこれ、捨てちゃダメな奴だから」ざかざかっ

 

つつじ「アンタまた舞台衣裳フル装備で座り込んで 。
しゃーないけどなあ」苦笑。

 

 


間。

 

 

粋「12月キッツ!」べしょっ


テオドール「雑用は 特にキッツう御座いましょうねえ」苦笑。

粋「おうよ
あいつ等俺より後輩の癖にこき使ってくるしっ」ううっ

 

皐月「言うてもあっちのが 業界的には上やからな
あの子等デビュー決まっとるし そこはしゃーない」うん。


つつじ「はよ1人前なって見返したり」肩ぽんっ

粋「ちっくしょおおお!!ド正論!!」うおおおっ

 


白「煩いな
昼寝出来ないだろ」あくびっ

粋「Σうお お疲れの所すんません兄上っ」ひえっ


白「?

なんか卑屈だな。」

皐月「下っ端あるあるや
ほっといたって。」


白「・・ふーん。

どうにか出来るのは自分だけだぞ
おやすみ」すたすたっ


皐月「午後の部あんねんから ガチ寝はやめてやー?」

 

 


テオドール「芝居小屋のシステム的に、
我が主にも見習いの時期があったので御座いますよね?」ふむ。

粋「あー。なんか
最短でトップに上り詰めたとか聞いたけど。

 

兄貴目立つから 嫌がらせも凄くて、その分仕返し万倍返しにして 誰も文句が言えない見習いだったとか」えーと。


テオドール「さすがに御座いますが、
それで見習いとはどういう」困惑っ

 

粋「さあ? 仕返しで茶菓子の上にまきびし山盛りトッピングとかは聞いたけど」えーと。

 

 

皐月「あったな そんな事。」うん。

つつじ「せやな 
あん時ゃ うち潰れるか思たわ。」うんうんっ

 


テオドール「あ。お二人は見ておられたので御座いますよね?
潰れるかとはどのような?」興味津々っ

粋「Σえ。聞いちゃうの?」


皐月「あれはなあ えーと
あれ?どんくらい前や?

ともかくこの見世が軌道に乗ってきたばっかの頃の話でなあ」遠い目っ

粋「Σさらっと話しちゃうの!?」えええっ

 

 

 

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【●年前】

 


当時の売れっ子「おいこら!そこの見習い
見習いの分際で キャラ作りとか100年早えぞ!何だその頭っ!」


白「生まれつきの白髪だ。

人の見た目をあれこれ言っちゃダメって教わらなかったのか?」圧ッ!


当時の売れっ子「Σうおすんませ

じゃない! なんで下っ端の癖にこんな偉そうなのコイツ!!」ひえっ

 

 


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皐月「まあ、終始こんなんでな」

粋「Σいやこれ絶対モメる奴!!」ひえっ


つつじ「揉めたなあ。

基本上下関係ガチガチ世界やからなあ
いくら白はんでも ある程度は従わなあかん
そこは業界のルールやから わて等もどないも出来んしな」


テオドール「顔に出にくい御方に御座いますが、
おそらく内心はブチギレ倒しておられましたので御座いましょうねえ」

 


皐月「せやな。

で、まきびし事件の後で
とうとう 当時の売れっ子のがキレよってなー」

 

 


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【再び●年前】

 


白「なんだ 呼び出しにしては人通り多いぞ此処?」


当時の売れっ子「Σうっさい余裕か!

お前自分の立場が解ってるのか!!」うがあっ

 

白「下っ端だけど文句有るのか?

先輩。」圧ずーん。

当時の売れっ子「Σお前のそう言う所が嫌いなんだ!!」ひええっ

 

 

見習いA「あの、 良いんですか?
コイツ 見習いの癖に目立つもんで
お客さんも結構期待してるってか 既にファンみたいのついてるみたいなんですが」ひそっ

見習いB「この業界じゃ珍しくないだろそんなの。
それで気がついたら消えてく奴も少なくないのが この業界だろ?」

見習いC「そうそう。

でもってこの業界で上下関係は何より大事。
この新入り その辺が理解できてないみたいだから 先輩が教えてやらねえと」うんうんっ

 

 

白「大勢で何かと思ったら
これが新人虐めって奴か」手ぽん。

見習いトリオ「Σ他人事!?」えええっ

 

当時の売れっ子(こいつのこう言う所ホンット嫌だ) 引。

 

 

 

白「で? 人通り多いけど良いのか?ホントに
こう言うの見られたら それこそ瓦版に書かれるんじゃないのか?」

当時の売れっ子「Σそ、そこはそのっ

新人が余りに態度悪いから その何だ、揉めた的な 「揉める気ないぞ。面倒臭い」

 


見習いトリオ(Σあ、これ公衆の面前で恥かかせる事しか考えてなかったパターン) 

 

 

白「ひょっとして バカなのか?
怒られる覚悟も無いのに 騒ぎ起こす気なのか?」えー。


当時の売れっ子「Σ何も考えてないよな顔して ド正論を!

だああ面倒臭い!ただの喧嘩だ 喧嘩!
有名人だって喧嘩の1つ2つやる!それの何が悪い!!」くわっ

 


白「俺はそっちのが解りやすくていいけど

本当にそれで良いのか?」

当時の売れっ子「Σ何が!?」いらっ


白「んっとな。
解りやすく言うと


山の猿なら 自分より強いのには喧嘩売らないのに。
人間って だから無駄に戦とかするんだなって」

当時の売れっ子「Σいやお前何目線!?」

 

 

見習いA「山の猿とか言われても」困惑っ

見習いB「ひょっとしてコイツ すっごいおのぼりさん?

色々解ってないのってそのせいとか?」ぷぷっ

見習いC「あーそう言う。

え? お前いったい何処で育ったんだよ」へらっ

 


白「山。」真顔っ


見習いC「・・体験談  ですか?」冷や汗っ
白「うん。」頷きっ

 


見習いA「あのー。ひょっとしてコイツ
野生動物より強いんじゃ」ひそっ

当時の売れっ子「ハ、ハッタリだろ?」冷や汗っ

 

見習いB「あの、何でんな下がってんですか?

え?俺嫌ですよ こんなのと代わりに喧嘩とか 怪我したらデビューどころじゃなくなるんで」


当時の売れっ子「Σ此処に来て裏切り!?」ひえっ

見習いB「Σいえ裏切りも何も
袋叩きとか聞いてませんし!」

当時の売れっ子「Σ一緒に来といてそれ言う!?
解ってたよね!最初から絶対解ってたよね!?」えええっ

 

見習いA「Σちょっ なんでそこで揉めてんですか!」

見習いC「ああもう!シメるならさっさとシメちゃいましょうよ!!
ムカついてたのはこっちっしょ!」ほらほらっ

 

 


白「うん。そっか袋叩きな。」へー。

 

当時の売れっ子「Σいえそれは あのっ!」ひえっ

 

 

白「そういや 俺の白髪が目立って目障りって言ってたよな?」

当時の売れっ子「そ、それが何」冷や汗だらだらっ

 

 

白「知ってるか?
普通の黒い髪の奴等も めちゃめちゃ怖い目にあったら
一晩で白髪になれるらしいぞ」にやあっ

 


見習いトリオ(Σ表情変わったの初めて見た!!)ひええっ

当時の売れっ子「Σ邪悪にも程がある!!」うわあああっ

 

 

 


見習いトリオ「すんませんしたあっ!」土下座ずざっ


当時の売れっ子「Σえ。おいっ」えええっ

 

 

 


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皐月「ま、こんなんやったらしくな。変な派閥出来てもて

当時の売れっ子は居場所無くして田舎帰ったわ」お茶ずずーっ

 

テオドール「成る程っ お役者は上下関係大事に御座いますもんね!」さすがっ

粋「Σ思ってた数倍通常運転だった!!」ひええっ

 

 


つつじ「下克上どころか 内側を恐怖で支配するとは 恐ろしいお人やわ」苦笑。

白「ん?」目こすりっ

 

テオドール「お目覚めに御座いますか
お茶淹れて参りますっ」すたたっ

白「なんだテオ
キゲン良いな」あれっ?

皐月「話の途中でキレそうになっとったからな。」うん。

 


白「じゃ、昼からも頑張るか

あれ?何処からやるんだっけ?」寝ぼけぼーっ

皐月「まずは顔洗ってき」茶ずずーっ


つつじ「アンタ あんだけドギツイ役やっとんのに 毎度良う忘れられんなあ」苦笑。

 

 

 

粋「なんか

え? 見習いの時点でそんくらいパンチねえと やっぱダメなの?」


つつじ「んな泣きそうな顔で言われてもな。」

皐月「お宅の兄ちゃんは異常や。
気にすんな

ほれ 幕開くでー!」あーもうっ

 

 

 

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