小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月11日

 

 

町娘A「最近この辺 出るらしいよ?」ひそっ

町娘B「ええ!冬なのにオバケ!」ひえっ

町娘A「なんでもー 夜になるとそこの路地から
『オカアサン オカアサン』って」

町娘B「Σえ こわっ!」ひえええっ

 

 

 

甘味屋「おや。今日もお使いお疲れ様です
いつもので?」にこにこっ

テオドール「あ、はい。
いつもの我が主のお好み詰め合わせセットでお願い致します」ほー。

 

 

 

 

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テオドール「確かに お話したのは私なので御座いますが」うーん。

 

粋「だって! こんな所にガキの幽霊が居るって事だろ!?
母ちゃん探してんだろ!?
可哀想じゃねえか!!」


白「怖がりなのに根性有るな お前。」
粋「て事で 兄貴ゴー」後ろに隠れっ

白「自分で行け。」

回し蹴りべしっ


粋「Σあだあっ!!」

 


どしゃーん!

 

テオドール「Σあ ゴミ捨て場に!」

白「ん?

なんでゴミ捨て場なんかに居るんだ?その子供の幽霊」あれっ

 

 

 

テオドール「・・・ゴミ捨て場。」ふむ?

 

粋「・・・Σあっ」ゴミまみれっ

 

 


彬羽「何か居るのか?
虐めんから出てこい」おーい。

白「うん。 考えないで言ってごめん」

 

 

テオドール「それは確かに気の毒なっ

出てきて大丈夫で御座いますよ!
あなたの恨みつらみ悲しみっ
私には手に取るように解りまして御座いますー!!」ゴミざかざかっ

粋「Σあああコイツも大概 育ちがアレだったそういや!
こら素手やめなさいって!!」

 


白「なあ、此処にオバケの気配あるか?」えっと。

彬羽「いまいち解らんな。

そういう系統なら もう少し強い妖気なり殺気なり放ってそうな物だが」ふむ。

 

 


白「ひょっとして今留守かな?」


テオドール「Σまさかの!?」えええっ

粋「普通そう言うのって地縛霊になんじゃねえの!?
動けねえだろ!」

白「お前 怖がりなのにホント詳しいな」

 

 

彬羽「案外 今はその母親を探してさ迷ってるのかもな。
子供故に 大人しくこの場所で待ってると言う発想が無いのかもしれん。」

粋「Σう。成る程っ」ぎくっ

テオドール(あ。さ迷う系はさすかに怖いんで御座いますね)

 

 


白「何時くらいに出るとか聞いてないのか?」

 

テオドール「娘さん達の話を盗み聞きしただけに御座いますので
申し訳御座いません」苦笑。

 


彬羽「大概の霊は夜だろうが

ガキ霊なら夜は寝てるかもしれんな。」うーん

 

粋「オバケってんな 所帯染みてんの?」

彬羽「与一を見てみろ
夜はその辺で浮いたまま寝てるだろうが」

テオドール「あの方を参考にして良いので御座いましょうか?」困惑っ

 


白「じゃ夜もっかい来い
俺寝ちゃうから 自力で頑張れ」

粋「Σえ」

 

白「俺明日 芝居小屋だからな。

寝坊したら お前が監督不行き届きで皐月に怒られるんだぞ?」

粋「Σう゛ が、頑張りますうっ!」うううっ

 


彬羽「いや いい加減自分で起きろ 手前は。」

 

 

 


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【日没】

 


粋「着いてきてくれるのはありがたいけど

お前かあ」うーん。

テオドール「彬羽さんは夜目が利かない鳥類に御座います故。
私なら吸血鬼ですので 全く問題御座いませ    ふぁ」あくびっ


粋「うんごめん。

夜寝るタイプの吸血鬼駆り出して ワガママ言ってすんませんした

さて、 例のゴミ捨て場は」おそるおそるっ

 

 


テオドール「?

 

やはり、何もおらませんね?」

ゴミ箱かぱっ


粋「Σうおお開けんな開けんな!
中入ってたらどうすんだよ!!」ひえっ

 

テオドール「あの、オバケを捜しに来たんで御座いますよね?
なら 入っていた方が良いのでは

あ、良くみれば奥にも」よいせっ

 


粋「Σお前も大概ビビりなのに やる事大胆だよなあ!!」ひいっ

 

 

テオドール「ごちゃごちゃ煩い方に御座いますねえ
私とて 我が主にお願いされねばこんな

よいせっと。」

蓋かぱっ。

 

おじさん「Σ!」はっ!

 


灰ざらあっ!

 


粋「Σ確かに怖いけど なんか違う!!

つかオッサン! 夜露しのぐにもそこはやめとけよ!
病気になるぞ!!」ああもうっ

 

 

 

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白「で、結局居なかったのか?」あくびっ

 

テオドール「ももも申し訳御座いませんっ
赤ん坊系ホラーを想定していたので まさかの目見開いたオッサンショックで しばし蘇生不可に」あわあわっ


粋「テオが戻らねえんで パニック起こして叩き起こしてごめん。」

白「うん。パニックで踏んで起こされたの初めてだ「マジすんませんした。」

 

 


彬羽「しかし、夜も手がかり無しか。

そもそもあそこに本当に何か居るのか?」

テオドール「どうなので御座いましょうね?
良くある噂話ってだけの可能性も御座いますし」うーん。

 


粋「Σえ。そうなの!?」ええっ

白「そりゃ俺等誰もオバケ自体見てないし」

粋「えー マジか

 


・・でも、居ないって決まったわけでも無いんだよな?」ちらっ


テオドール「どんだけ気になるので御座いますか
このお人好し」

 


白「お前 明日ちゃんと皐月に怒られろよ」はーやれやれっ

粋「Σお! もちろん!!」おおおっ

 

彬羽・テオドール(Σ意外と甘い!)

 

 

白「オバケには坊主だろ

魄哉ごめん。子供の霊かもしれないから助けてやってくれ」


襖すぱんっ!

 

魄哉「Σは?へっ!?

あ。おはよう御座いますっ?」あたふたっ

 

粋「Σだああ政務で疲れてるのにごめーん!!」


テオドール「さすが的確な判断に御座いますね」わお。

彬羽「俺等でごちゃごちゃやるより万倍早いな 確かに。」

 

 


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【再びごみ捨て場】

 

 

魄哉「ほうほう

これは。」ふむ。

 


粋「お。さすが本業
見ただけで解んのか」おおおっ

彬羽「坊主の本業は対魔師じゃないがな。」

 

 


魄哉「あーはいはい。
確かにいらっしゃるみたいですねえ

てか、彬羽君 気が付かなかったんですか?」

彬羽「ん? なぜ俺だ?」


魄哉「あー。夜見えないタイプでしたか そう言えば」成る程っ

 

粋「へ?どういう事?」

テオドール「私の目で見ても 赤ん坊も子供も見つかりませんでしたが?

居たのはこちらのオッサンだけで御座います」

蓋かぱっ。

おじさん「Σ!?」びくっ


粋「Σまだ居た!!」

 

 


魄哉「いえ、そっちではなく」

テオドール「はい?」

ぱたんっ


粋「Σ蓋閉めんの!?」ええっ

 

 


白「あ。上か」はっ

魄哉「当たりです。
物喋るのは 人だけじゃありませんから

はーい。怖くありませんよー」とーとととっ

 

ばささっ。

 

 

 

九官鳥『オカアサン?』ぴょいっ

 

魄哉「残念ながら人違いですね」よしよしっ

 

テオドール「いえ。よく解ってる鳥さんに御座いますよ」うんうんっ

魄哉「え。」

 

 

粋「Σオバケはオバケでも 九官鳥の幽霊!?」えええっ

魄哉「ですねー。

九官鳥はカラスの仲間ですから

食べ物漁りに 生前ゴミ捨て場に住み着いてたんでしょうねえ」

 

彬羽「Σう。確かに俺は気付くべきだった!」くっ

魄哉「あーまあ。他のカラスの羽も落ちてますし
しゃーないですよ」

 

白「えっと、食べ物捜しにゴミ捨て場にって事は」

 

テオドール「捨てられたか 迷子かどちらで御座いましょうかね?」

彬羽「いや 九官鳥は高いはずだぞ?
捨てるくらいなら 誰かに譲渡するだろ」

魄哉「ですねえ、

と言う事は」ふむ。

 

九官鳥『オカアサン?』きょろっ

 


粋「死んでからまで 飼い主捜してんだから 会わせてやんねえと!!」うおおっ

テオドール「言うと思いまして御座います。」はいはいっ

 

魄哉「乗り掛かった船ですしねえ」あくびっ

彬羽「同じカラスとして放ってもおけんか

おい、立ったまま寝るな」


白「ぐう。」

魄哉「白君は置いてきた方が良いかもしれませんねえ」苦笑。

 

 


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つつじ「なんや白はん

寝不足かいな。あくびばっかして」ほんまにもー。

白「俺のせいじゃないし」うとうとっ

つつじ「そんなで本番いけるんかいな

シャキッとしいや。
ほれ 皐月はんにドヤされんで」

 


皐月「いや 今日は怒る気せんわ」

つつじ「Σえ゛」

 

皐月「私も鬼やないし。
ほれ、あれ見てみ?」

つつじ「へ?

Σうっお なんであんな泣き腫らした顔しとんのあん人!!」ひえっ

 


粋(寝不足トドメで 目の奥いってえええ。)よろろっ

 

 

テオドール「まさか、
九官鳥と飼い主のお別れで あそこまで号泣されるとは。」

白「夜中ってテンションおかしくなるからな」うん。

 

 

皐月・つつじ(何があったんか 聞いたらアカン気がする。) 遠巻きっ

 

テオドール「・・結果オーライ
と致しますか」うん。

 

 

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