小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

11月18日

 

 


晴明「鬼とは『陰』。

つまり本来この世の悪き物全てを指す言葉での」


酒呑童子「前から思ってたけど
それで何で俺等なんだよ
確かにろくな事しねえけど。」

茨木童子「確かになあ
俺も お偉いさんの牛車に蛇やカエル投げ込んで遊んでたけどさ
いやあの頃は若かった。」うんうん

 


大嶽丸「確かに図体のでかい悪ガキみたいな物だが。
悪そのものと言われると」うーん。

 

晴明「じゃろ?
だから 人の言う鬼と種族としての鬼は別物なのじゃ

人間がこんなでこんなに違いないと思い描いたのに 良く似とったから
こ奴等が鬼と呼ばれとるだけよ」しれっ


酒呑・茨木童子「Σ知らなかった!!」がーん!

 

 


家康「何?大嶽丸の陰陽道の授業?」おや

千様「そうよー。
晴明さんが暇だといきなり始まるのよねー。

 

確かにねえ あ、でも酒呑童子君 虎の腰巻きしてないのにねー」あははっ


酒呑童子「俺腹弱いんだぞ?

そんなで居たら腹冷えんだろ」真顔っ

晴明「いやお前裸族であろ。」

 


大嶽丸「うん、邪悪には程遠いな。」納得

 


粋「つーか 2人共
鬼なのに 鬼のルーツとか知らなかったのかよ」ええー。

白「そんな言ったら 俺も小さい頃は『小鬼』だぞ?」


テオドール「成る程、確かに人外全てを悪として呼んだ言葉に御座いますね」ぴくっ

白「昔の話だから
イラつくな」うん。

 

 

晴明「更にぶっちゃけて言うとな
『鬼』と言う化物は お前とは別に 全く違う物が居るのだ」

酒呑童子「Σへ!?」

 

茨木童子「あ、平城京辺りで俺見たかも

アレだろ? 人が恨み辛みや呪いで化け物になった系の」

晴明「お。良く知っておるな

それよ。 それが人で有るのに額から角が生え
口は裂け牙がはみ出す。
其処らから混同されたのがお前等よ」

酒呑童子「俺 口裂けてねえけど?「誤差じゃ。」

 

 

大嶽丸「ん?では
よくある鬼退治的な話は?」

晴明「大概は人同士のいさかいよ。

相手が鬼であったとか言っとけば 何しても責められる事はなかろ?」


酒呑童子「俺等濡れ衣じゃねえかよ。」うええっ

茨木童子「野生動物と同じで ただ生きてるだけなのになあ」うんうんっ


粋「そこ人と同じじゃねえんだ。」

 

酒呑、茨木「縄張り荒らされたら普通に襲うし」ふっ。

晴明「動物じゃな。」うむ。

テオドール「動物に御座いますね。」うん。

 


白「妖怪ってそんな物だろ」

粋「魔王からコレだしなあ。」

 


大嶽丸「そうか。
実は幼い頃 大江山には鬼が住むと聞いて 恐ろしく思っていた事も有るんだが

実際見てみりゃ何だこれ?となったのは そう言う」成る程っ

 

茨木童子「今や回覧板回すくらいなのになー」苦笑。

酒呑童子「鬼族の風評被害半端ねえな」憮然っ。

 

 

 

白「ん?じゃあ 人間が鬼だ鬼だって怖がってるのは
つまり 全部人間って事か?」あれっ

晴明「左様。

自覚しておらんのがタチ悪いな」くっくっく。


千様「何で楽しそうなの?」引。

 

 

晴明「と言う事で覚えておけ大嶽丸。

この世で一番恐ろしいのは 匙加減1つで龍脈暴走させ国を滅ぼせる魔王でもない、
全てを無に帰す神でもない。

恨みで己をも変貌させる人間よ。 ほれメモれ。」


大嶽丸「いやどれも恐ろしいわ」


家康「くしゃみした反動で龍脈ボン!とかやめてね?」冷や汗っ

白「家康の尿漏れじゃないから大丈夫だ。」うん

家康「Σ漏れてませんけど!
誰この子にまた要らん事教えたの!!」

 

 

彬羽「・・・すまん。」小声っ

家康「Σまさかの!!」


粋「なあ。兄貴とカラスって 毎度どこをどうして そう言う話題になってんの?」うわー。

 

 


ーーーーーーーーー

 

 


酒呑童子「何だなあ。

人間ってのは 弱くて数だけ多い癖に 面倒な生き物だよな」てくてくっ

茨木童子「ホントになー。
種族さえ変わる程の怨みってどんなだよ
俺等にゃ想像つかな  半裸やめろまた腹下すぞ

ん?どしたよ 大嶽」


大嶽丸「しっ!」耳ぴくっ

 

 

こそっ。

 

 

 

役人「で、ですから 拙者の父はそのようなっ」

ちんぴら「ほー
違うのか。なら良いんだな?

将来有望な熱血新人同心様の本当のお父君は 処刑された盗賊の頭でした!

ってなー」へらっ

 

 

 

酒呑童子「なんぞ問題あんのかよ?」こそっ

茨木童子「人間ってのは 家柄や血筋に拘るんだよ」しーっ

大嶽丸「まして同心となると。
罪人を捕まえるのが仕事だ。

子に罪はないが 周りに知れれば最後

あの侍、 己から退くか 上から切られるか何方が早いかと言う事になるだろ」

 

 

役人「で、ですからっ
私の父は既に亡くなっていて」そのっ

ちんぴら「あー そんでも良いよ?
人の口に戸は建てらんねえからなあ。

父君亡くした後 母上が盗賊連れ込んでましたーって事になっちゃうだけだしな?
そうなりゃアンタはどっちにしろ終わり

はい。嫌なら 御用改めの際に口利きよろしくー」わははっ

 

 

 

茨木童子「うっわムカつく。
役人程度にビビるんなら 盗賊なんぞやめちまえってんだ」けっ

酒呑童子「お前 ちょいちょい論点がベテランのチンピラだよな」ああうん。

 

 

大嶽丸「おい。あの人間 まずいぞ」

酒呑童子「へ?」

 

 

役人「こんの・・っ !

人がどんな思いで食うや食わずの下級武士から 此処まで這い上がってきたかっ!」


ちんぴら「へ?何? お坊っちゃん?」へらっ

 

 

茨木童子「あれ?アレって」うわ。

酒呑童子「妖気出てんな 人間なのに」あちゃー

大嶽丸「Σあれが晴明の言ってた

おい! お前そんな者の為に 役職どころか人間やめる気かっ!」だっ!

 

ちんぴら「Σえ。何このガキ

Σうおお何なになに!?」ひええっ

大嶽丸「フッシャアアッ!!」がるるるっ!

 

ちんぴら「Σうおお妖怪!た助け

Σひいっ!?」

 

役人「お前のような奴をこの世から無くすため 私と母上は清く正しく生きてきたのにいいっ!」

ツノめりめりめりっ!


ちんぴら「うおおこっちもーーっ!!」うぎゃああっ!!

 

 

 

茨木童子「根っこから。」

酒呑童子「こうか?」

ツノべきょっ!!


役人「Σ痛ったあああ!!」あだだっ

大嶽丸「Σ!?」びくっ

 

 

酒呑童子「お。綺麗に取れた
タケノコみてえ」おお。

茨木童子「な?晴明が言ってたろ?
鬼になった直後なら結構どうにかなるって」

大嶽丸「Σいや力業過ぎ!!」ひええっ

 

 

酒呑童子「へー。怨念凄い癖に其処らガバッガバなんだな

 

で、疑問なんだけどよ?
この世の悪い物が『鬼』なんじゃねえの?
なんでこっちのは 鬼にならねえんだよ?」チラッ

ちんぴら「Σひいっ!」びくっ


茨木童子「あーそりゃ


そいつにゃ怨念も憎しみも無いだろ
純粋に楽しくやってるだけなんだから。」

酒呑童子「堕ちる材料は
他のは 絶望、恐怖に えーと何だっけよ?」ふむ。

 


大嶽丸「Σえ。おい 」嫌な予感っ

 

 

 

酒呑・茨木童子「鬼に堕としとまえばこっち側だ
 『人間』苛めた事にはならねえよな?」にやりっ

ちんぴら「Σえ。ちょ」

 

 

 

役人「Σ良いんですか! アレ良いんですか!?」ひええっ

大嶽丸「あー その
あの2人は俺じゃどうにもならんし

えっと、
見なかった事で良いか」うん。


役人「Σ良いの!?」えええっ

 

 


大嶽丸(しかし やはりこっちの鬼も鬼なのだなあ。
敵と見なすと容赦せんと言うか

文字通り 悪意の無い童。うわ直視キッツ)うぷ。

 

 

 

 

 

彬羽「湯呑みが割れた」嫌な予感っ

千様「あらあらー。

また何処かで妖怪が悪さしてるのかしらー?」やーねえ。

 

 

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