彬羽「処暑 か。」ふむ
千様「彬羽君 また日めくり見ながら不満そうだわー。」あらあ
家康「そろそろ暑さも和らぎますよって日が処暑だからね
どの辺が和らいでんだとか 釈然としないんでしょ
暑がりだからねえ。」苦笑
彬羽「暑さ寒さも彼岸まで か。」ぼそり すたすたっ。
家康・千様(あ。新しい目標を見つけた)
小太郎「彼岸っていつだっけ?」わおんっ
蒼月「9月末。」せんべいぽりぽりっ
千様「後1ヶ月の我慢って事で 自分の中で折り合いつけたのね。」
家康「その頃には さすがに涼しいよねそりゃ
指折り数えてそうだねえ」
白「じゃ やっぱまだまだ夏なんだな」ふむ。
テオドール「日本の夏キッツう御座いますよ
彬羽さんじゃなくても辛う御座います」うちわパタパタっ
家康「だねえ、物は腐るし虫は出るし
お盆過ぎて オバケの出現率だけは下がったけどね」へらっ
粋「え?町の方ですっげえ化物が出るって噂流れてるけど?」
家康「Σ閻魔さーん!回収忘れが居るううう!!」ひええっ
白「え?なんだそれ 俺聞いてないぞ」きょとんっ
粋「あれ?
あー 居るだけで悪さしないタイプじゃね?
兄貴のお膝元で 目立つ真似する様なバカばっかじゃねえだろし」
テオドール「霊体だろうがお構い無しに 殴るわ燃やすわの方に御座いますからねえ」成る程っ
白「ふーん。
けど そんな騒ぎになってるなら1度見に行ってみるか」
粋「Σ普段 あんだけ動きたがらない癖に!?」えええっ
白「騒ぎになってからだと面倒だし
でもって 今バカラスあれだしな」
テオドール「あー この暑い中ややこしくなってから相談したらブッ飛ばされそうに御座いますし
何より気の毒で御座いますからねえ」にこにこっ
白「八つ当たりが嫌なだけだぞ?」むっ
テオドール「存じております」にこにこっ
粋「え。いや
そんな大事になんねえと思うけど
ほら 噂になってる割にマジで被害とかそう言うの聞かねえしっ」
白「で、その噂ってどんなのなんだ?」
粋「Σえ
えっと。確か
その、ある場所に近寄ると 化物がぬうっと出てきて見下ろしてる的な
良くある奴?」えーと
白「そんな噂になってるなら何で今まで言わなかったんだ?」
粋「Σえ!? あ 知ってるかと思って」ぎくっ
白「ふーんそうか。
お前オバケ嫌いなのに今回は良く知ってるな それ誰に聞いたんだ?」
粋「Σえ? あのっその」冷や汗だらだらっ
家康「ん? ひょっとして知り合いとか?そのオバケ」おや。
粋「Σんなワケねえだろ!俺を誰だと思ってんだよ!!」
千様「そうよねー。毎度殿と一緒に うらめしや系の人達見て叫んでるしー」うんうんっ
蒼月「あ、さてはその怪異って女幽霊?
アンタ女に甘いからさー
恐怖心より助平心が勝っちゃったとか?」にやっ
粋「Σ手前と一緒にすんなよ!!」
蒼月「ちなみに俺は 幽霊だろうが悪鬼羅刹だろうが
人型の女の子なら 全てストライクゾーンど真ん中だよ。
見習えよ 軟弱野郎共」どやあっ
テオドール「いえそれ むしろ恥じて下さいませ。」
粋「と、とにかく 俺はこれ以上知らねえからっ
あ、やべ 買い出し頼まれてたんだった 行ってきまーす!」すたたっ
家康「Σえ!?まだ日が高いよ!
暑いから夕方とかにした方が良いよ ねえちょっと!!」
千様「あらあら 足が速いわー」
蒼月「疑って下さいと言わんばかりだね 大将。」チラ見っ
白「だな。
テオ。」
テオドール「お任せ下さい。
この前編み出した 己の血液を糸状にする小技。
先程 粋さんの袖に着けて置きまして御座います」真っ赤な糸しゅるるっ
家康「Σいつの間に!」ええっ
テオドール「基本血液に御座いますから
指先ちょっと切って 袖先に触れればオッケーに御座います」どやっ
小太郎「へー。器用だなあ」尻尾ふりふりっ
テオドール「せっかく吸血鬼なので御座いますから
うまく血を使わねば損に御座いましょう。
では 追いかけると致しますか」
家康「Σあ。ちょっと待っ
灰ざらあああっ!
千様「なんで吸血鬼なのに 毎度堂々と日光の下に出ちゃうのかしら」あーあ。
小太郎「追いかける。 しか考えてないんだろうなあ」わおんっ
蒼月「これ追える? 血干からびてない?」
白「どうだろ?」うーん。
ーーーーーーーーーー
【町はずれ 墓地】
ひゅー ドロドロドロドロっ
テオドール「Σあ。ちょっ 日傘に何かべちょっとしまして御座いますっ」うわっ
白「こんにゃくだ。」鷲掴みっ。
小太郎「うん、沢山仕掛けてるな 物凄い生臭い。
でもって暑さで干からびてカサカサになってるのも何個かブラブラしてるな。」わんっ
こんにゃくぽそっ。
テオドール「あの方 トラップ仕掛けるのド下手なので御座いますねえ」うわ。
白「芝居小屋では大道具や小道具とかの手伝いやってるのにな」
小太郎「手伝いと1から作るのは違うからなあ」わおんっ
テオドール「芝居小屋。そう言えば
町で噂になってるとの話で御座いましたが 私、全く知らないので御座いますよね。
昼間は同じく芝居小屋で下っ端しておりますし 居候先も同じ。
いったい何処で噂を耳にしたので御座いましょう?」はて
白「デマじゃないのか?
下手くそこんにゃくしかけるくらいだし」
こんにゃくぶにゅっ。
小太郎「Σえ! なんでそんな事する必要が有るんだよ!」わんっ
白「さあ? この先に見られたく無い物が有るとかじゃないのか?」
テオドール「Σあ。 それでオバケが出ると言う噂を広めて人を近寄らせない様にと目論んだと!」
白「実際広まってるかは知らないけど
俺等に言ったら 絶対様子見に行こうってなるから内緒だったんだと思う」
小太郎「多分そうなんだろけど
とことん作戦ガバガバだなあ。」うわー。
白「俺の弟が作戦なんて立てれるわけがない。
良し。そんな必死になって 何を隠してるのか
キッチリしっかり見てやろう」わくわくすたすたっ
テオドール「こう言う方に御座いますよね。
ん? 何か引っ掛かったような」
足元に縄びんっ
ぎいいっ
大っきなハリボテがたーん!!!
一同(Σうわ下手くそ!)
小太郎「ひょっとして コレ。」
テオドール「ぬうっと出てきて 見下ろしてくる化物に御座いますかね?」うわ。
白「下手くそなお化け屋敷か。」
ーーーーーーーーーー
【一方 その頃】
彬羽「・・・ 鳥の羽?」ん?
千様「彬羽君?
お掃除してたんじゃなかったー? 殿が 暑いからお茶飲みましょうよーって。」
彬羽「いや。掃除はもう終わるんだが
何であいつの洗濯物にこんな羽が?」はて?
ーーーーーーーーーー
【墓地奥 廃寺】
鶴「Σあ!ちょっと覗かないで下さい!
こう言う時は見たらダメでしょ!空気読んで!!」くわっ!
小太郎「Σうおおごめんなさいっ!」ぎゃいんっ
粋「Σっぎゃー!見つかった!」ひええっ
テオドール「見つかったって
何で御座いますか。アレ」困惑っ
白「そうかお前 鳥が好みだったのか
その、別に 茨木とかも 四つ足の肉食動物しか無理って言ってたし
蒼月もあんなだし
・・自由じゃないかな?」
粋「Σ目反らしながら言うなや!!
違う違う違う!特殊性癖じゃねえから!!!」
白「隠さなくて良いぞ。
俺等も元はと言えば 親片方化物で片方人間だし
そう言う物だって思えばどうって事無い無い」にこっ。
粋「Σやめて!言い返せない事実やめて!!
つか 表情筋死んでる癖に営業スマイルやめろや怖えええっ!!」うわああっ
白「そこはプロだからな。
どれだけムシズ走ってても 必要なら顔くらい作れる」スッと真顔
粋「Σ顔は作れても本音駄々漏れなんですけど兄上!!」
テオドール「で、貴女はどちら様なので御座いましょう
あ、見てません見ておりませんよー」
ついたて越しっ
鶴「えーと。私実は
沼地で干からびた藻に絡まって動けなくなってた所を助けて頂きまして
それで私の一族は 昔から恩はきっちり返すもの
という事で 此処ではた織りをしております。」
小太郎(説明で正体バレバレだけど良いのかな。)
粋「恩返しするまで帰らないって、
でもって途中で姿見られたら恩返し出来なくなるから絶対邪魔すんなって言うから仕方なく」とほほっ
白「それ取り憑かれてるって言わないか?」
テオドール「あのー
色々モロバレと言うか 恩返し云々の話でつける辺りで正体バレておられますよね?」えーと。
鶴「そこはしきたりですので。
問題は織ってる時に見るか見られないかだけです
見られたらアウト だから見ないで。見たらつつきます。」きっぱり
白「もうほとんど儀式なんだな。」ほー。
粋「Σマジで意味解らねえんだよおおっ!!」頭かかえっ
小太郎「あれ? でも鶴の恩返しなら 姿見ないと居なくならないから
このまんまだと鶴と末長く幸せに暮らす事にならないか?」わおんっ
粋「Σえ。」
テオドール「はい。ガッツリご覧下さい」
ついたて蹴りっ
鶴「Σなんの!反物ガード!!」
ばさあっ!
粋「Σうおお反物長え!見えねえ!!
どんだけ織ってんの!?」ひええっ
白「こいつ 化物にめちゃモテるの忘れてた」成る程。
テオドール「Σあ、そう言う事なので御座いますか!?」
粋「Σごめん俺鶴はちょΣあだあ!」反物びすっ!
鶴「いやー!帰らないっ
ほらほら姿を見れる物なら見てごらんっ!」
反物ばっさばさっ!!
小太郎「なあ。こんだけ織ったらハゲてないかお前?」わおんっ
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