小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月17日

 

 


江戸城

 

魄哉「Σまたですか!?」げっ

家老「またです。
この手のは乱世に増える物だと思っておりましたが
天海様がこれだけ尽力しておられるのに 暇でも増える物なので御座いましょうかなあ?」うーん。

魄哉「まあ まだ戦国の痛手から快復して無い面もありますし

うわこのやり口えぐっ。人間てこういうのホント好きですねえ」しみじみっ

 

 

 

間。

 

 

 


魄哉「と言う事で 君達をお呼びしたのは他でもありません

ヤバ気な新興宗教をぶっ潰して下さい」さらりっ。

粋「Σ真顔でまた物騒!!」

 


蒼月「えー。誰が何信仰しようと自由じゃないの?
権力者の椅子に座り続けてる間にふんぞり返る癖でもついたのクソジジイ
あ?それともボケた?」ごろーん。


魄哉「他所で寝っ転がるんじゃありませんよクソガキ様。
まともな物なら多少考え方の違いは有れど 人の信仰に口出しする気はありませんよ

まあ統一した方が 上としてはやりやすいですがね」ボソッ


テオドール「あー・・
彬羽「それ以上はやめとけ。デリケートな問題だ」

 

白「って事はマトモじゃないのか?」ふむ。

魄哉「一見マトモそうに見せてますが
『教祖様』の奇跡を目の当たりにした直後 願いの叶う系の高額グッズ販売コーナーが始まると言う」

粋「Σうわ わかりやす」

 


蒼月「てかそれホントに偽物なの?
俺等の存在自体が怪奇現象だし 超常現象だしさあ
人間の中にそういうの使える奴がいても不思議じゃないじゃん?

俺等の専売特許じゃないんだよ?」ごろーん。


テオドール「蒼月さん 何がなんでも反抗する気に御座いますか」うわあ

彬羽「コイツは万年反抗期だからな」うむ。


魄哉「発情期の間違いでしょう。

そこはもちろん そんな思い上がった真似は致しません

ちゃんと バリバリ人間の霊能力者 石燕さんに霊視して貰い
『ガラクタ』のお墨付きを頂きました」

石燕「金の印鑑とか言いながら それっぽい色塗った粘土っすね これ」派手な印鑑っ

 

彬羽「色々と酷いな」うわ。

石燕「顔料の塗り方も荒いっすねえ 
商品として 普通に売るのもはばかられる出来っす」うーん。

 


魄哉「お分かり頂けましたか?」

蒼月「・・うん。潰して良いよ」ああうん。

 

 

白「じゃ何だ?
俺自身が神だとかやればいいのか?」

彬羽「冗談でも言うな破壊神。
本気で教団作りそうな奴が居る」

テオドール「Σえ。ダメなので御座いますか!?」がーん。

粋「潰して更にヤバイ団体作ってどうすんだよ。」引。

 

 

彬羽「しかし潰せはいいが 無いものを無いと説明するのは面倒だぞ?

ましてや団体となるとな」

魄哉「ですねえ 悪魔の証明です。

ですんで蒼月君を連れてって下さい」

蒼月「Σは!? 何で俺?」

魄哉「何で驚いてるんです
だから呼んだんでしょうが」


蒼月「いやだって
そんなん潰しても俺には何のメリットも

魄哉「今朝また新しい請求書が届いたんですが こちらの支払いの目処は立って「行けばいいんだろ行けば。」

 


テオドール「悪魔の証明とは?」

彬羽「存在しない物を 居ないと証明するのは至難の技だと言う例え・・Σあ」

テオドール「あの、悪魔は実在するので御座いますが?」


粋「またややこしいなあ」うーん。

 

 


ーーーーーーーーーー

 

 

【某教団 屋敷】

 

 

粋「ヤベえ。ここの教祖様 本物かも知れない」大真面目っ

蒼月「秒で取り込まれてんなよ 大馬鹿野郎。」

 

 

粋「Σだってあの奇跡!お前も目の当たりにしてみろよ!」うがあっ

 

テオドール「人を信じやすい方はこう言うの騙され易う御座いますからねえ」あちゃー。

彬羽「お前が言うか

で、何がどうしてそうなった?」


粋「教祖様。俺が生まれ育った場所の事バッシバシ言い当てたんだよ。知るはずねえのに
あれはマジで心が読めるんだよ」

白「お前 目が怖いぞ」


彬羽「仮に本物のサトリだとして

妖怪にも居るしな。普通ここまで一気に取り込まれんとは思うんだが」うーん。

蒼月「普段は火出せるだけの人間みたいな物だからねこの人

つか まだあのモヤシのが霊能者として色々出来るよね」

 

粋「Σあ。ひょっとして俺はまず石燕を崇めるべき?」はっ

テオドール「おや、ライバル出現に御座いますか?
それならガチ神の我が主を先に崇めるのが筋と言うもの

彬羽「やめろそこの信者共。」

 

 

白「じゃバカラス 次教祖と話してみろ
新入りは皆見てる中でタイマンで話せるらしいし」

彬羽「だな。 そこで言いくるめて洗脳してって事だろうしな
前もって全て疑って行けば 問題は無いだろう」

 

 


間。

 

 


彬羽「・・本物 かもしれんな」ボソッ。

蒼月「大馬鹿野郎。」

 


白「バカラスもやられたか」うーん。

彬羽「いや待て あれは本当に本物の可能性もあるぞ
もし本物なら 俺等がここに居る事自体が間違いなんじゃないのか
そもそも潰す必要がだな

蒼月「うっさい頭でっかち

あーコイツが口喧嘩弱いの忘れてた
黙って思考してりゃマトモなのにちょいちょい間が抜けてるし あーもうマジで馬鹿っ!」頭がりがりっ

彬羽「否定は出来んが、酷い言われ様だな」むっ


白「入って見てて良いって言うから居たけど
なんかこう・・

うまく言えないけどなんか変だったぞ?あれ信じるのはやめとけ」な?

粋「それで納得しろって言われても」困惑っ


蒼月「大将はボキャブラリーが何だし
やっぱ俺行くか」はーやれやれっ

 

テオドール「大丈夫なので御座いますか?
それで洗脳されたら指差して大笑い致しますよ?」えー。

蒼月「心配要らないね

俺はあの教祖様と同じ能力が有るから」すたすたっ


テオドール「ヘ?」

粋「Σえ。蒼月 読心出来るの!?」えええっ

 

彬羽「Σ初耳だぞ!手前それでなんでしょっちゅう女にビンタ食らってんだ!?」えええっ

蒼月「うっさいそっちじゃないよ
つか んな便利なの有ったら悪用しまくってるに決まってんだろ!!」くわっ

 


白「コレ 安心して任せて良いのか?」むう。

 

 

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【教団 謁見の間】

 

 

教祖「私はあなたの全てを読み取る事が出来るのです
安心して本音を吐いて良いのですよ
元から私には全て解っています」ふふふふふっ


蒼月「解ってるならわざわざ言う事無くない?」

教祖「あなたも御友人と同じく半信半疑。
ですから少しでも警戒を解いて頂こうと 丁寧に1から話して居るのですよ」

 

蒼月「ふーん。

じゃその御友人から聞いたんだけど
お宅 相手の思い浮かべた、知るはずの無い場所の事とか言い当てられるんだよね?
それ やってみてよ
当てたら信じてやるから」ふふんっ

教祖「おやこれはまた 挑発的な。

良いでしょう」

 

 

 


テオドール「ガンガン行かれておりますが大丈夫に御座いますかねえ?」うーん。

 

彬羽「俺は半信半疑だが。
お前はここに居て大丈夫か?
下手すりゃ1発で信者になりそうだが」

テオドール「何を仰います
私そんな尻軽では御座いません。
信仰対象をんなポンポン変えたり致しませんよ」むっ

粋「だってよ?」

白(なんで俺 信仰されてるんだろう)  むう。

 

 

 

教祖「では。


おや 見える見える
幼い頃の貴方が
幼い頃に 紅葉した山を見た事は?」うーん。

蒼月「あるね
山の中に居たからね」ほう。


教祖「ほうそれはそれは おや峠に茶屋?いやあれは 休憩処?

そこそこ古い様に見えます」うーん。

蒼月「ああ茶屋が有ったねボッロいの」へー。


教祖「ん?記憶の中にある人達は ここのお子さんですか?」

蒼月「どれか解んないけど 確かに可愛い女の子が居たね
茶屋の子だったのかなあ?懐かしっ」

 

 


粋「あれ ヤバくない?」あれれっ

白「大丈夫だろ
蒼月だぞ。」

彬羽「だから信用できないんだが」冷や汗っ

テオドール「もう少し様子を見てみましょう」ふむ。

 

 


教祖「ふむ、貴方は様々な旅人と出会いますね

そして その眼帯の下の片目。
そこに関する事も」指先びしっ

蒼月「そこ覗かないでくれる?プライバシーの侵害」

教祖「あ、これは失礼

えーでは」こほんっ

 


粋(Σいややっぱ ホントに本物なんでないの!?)ひええっ

彬羽「・・・。」ふむ。

 

 


教祖「じゃ 話変えまして女性でお悩みですね?」まじめっ

蒼月「それこそ見えても言うなよ」おい。

 

テオドール「あれ?本物に御座いますか?」

蒼月「Σ判断する所そこかよ!黙ってろヘタレ!!」

 


教祖「いえ 判断も何も
実際見えておりますのでね

ではやり方を変えてみましょうか?」ごそごそっ


蒼月「? 何これ 西洋式の封筒?」ん?

教祖「これに文字を書き、封をするのです。
それを開かず 中の文字を当ててみせましょう

さあ、漢字でも平仮名でもお好きに。
これなら 書く文字の検討をつけるのは無理でしょう?」

 

一同(Σ一気に手品ぽくなった!!) えええっ

 

 

粋「え?え? あんなん見えないだろ
マジで透視とか出来ないと もし当てられたらもう本物間違いなしだろ」おろおろっ

白「お前1人で来てなくて良かったな」ああうん。

 


蒼月「ふーん。
これで良いのかな? 当てられるかなー?」

教祖「まだそんなにお疑いですか

まあ奇跡を見れば 気も変わりましょう」封筒の表撫で撫でっ

 

テオドール「Σああやって墨の凸凹を読み取って居るのでは!?」はっ

彬羽「そんな薄さなら 物入れた時点で解るだろ」

 


教祖「はい!貴方が書いたのはズバリ『疑』の文字!!

まだ私を信じられないのは解ります!
しかし これこそが真実っ!」おりゃあっ!

 

蒼月「いや ちゃんとギャラリーに中身みせないと
ちょっと失礼」封筒奪い取りびりっ!

教祖「Σあ。ちょ」

 


蒼月「はい残念
中に入ってたのは この通り『嘘』でしたー」

嘘の紙ぺらっ。


教祖「Σんな馬鹿な!!」えええっ

蒼月「そしてあれれー?

この封筒変わった匂いがするなあ
何だろうなあ?」


白「あ、それの匂いか
ここの水と同じ匂い

教団員「Σちょっとそこ!うろうろしないで!!」ぎくっ

 


蒼月「はい大将 ナイスウロウロありがとう
なるほどね

じゃあ試しに この水を封筒にちょいちょいっと
あー 『疑』の文字が浮き出たねえ」

教祖「Σげ」


蒼月「あれれ?なんで言わないの?
水塗ったらそりゃ透けて見えるよってさ。

おや? 偉く乾くの早い水だねえ
もう文字見えないや」ふーん。

 

 


粋「ごめん。解説くれ」

彬羽「封筒が二重底だ。

あの野郎 そこに置いてる封の山を見て 『奇跡』に使うと踏んで1枚くすねてやがったな。」

粋「Σうっそ すごっ!!」ひいっ

テオドール「イカサマ関係なら プロレベルに御座いますねえ」おやまあ。

 

 


蒼月「で、どうなの教祖さま
調子が悪かった?もっかいやる?

ちなみに俺の師匠はマジもんの手品師だけど?」真顔っ


一同(いや一時期手品にハマってただけの坊主だろ。)

 

 

教祖「わっ私のは 手品では

蒼月「オッケー大将。
其処に置いてる値札付きの高級グッズ
ハリボテ剥がしちゃって」

白「こうか?」べりんっ!


教団員「Σああ器用に塗料だけ!!」ひいっ

信者「何の騒ぎで Σうおおおハリボテ!?」びくっ

教団員「Σああこら 入るんじゃありません!」しっしっ

 


蒼月「ちなみにだけどー

まず 『山の茶屋』
まあ山なら人がいれば 規模に関係なく出てる事も有るさ 

だからここで『古いの』って付け加えてやったら即、『子供』の話出して来たろ?
そりゃ建物は始めからボロくないもん。 て事は子なり孫なり居る物さ
万一外れたら茶屋なんて内外があいまいな物 客だったのかなー?で通せるよね

でもって『旅人と出会う』
茶屋が記憶にある様なら そりゃ多少すれ違いくらいするだろ 受け取り方の問題。

でもって俺の片目。
そりゃ何かなけりゃー こんな馬鹿でかい眼帯するよな事になんないよ。
その証拠に 傷自体は見えないから
具体的に潰れたとも 怪我したとも言ってなかったろ?

全部解釈がこっち持ちなんだよねー」ぺらぺらぺらぺらっ

 

信者「Σえ?

ああ ・・そういう?」疑いの眼っ


教祖「Σいや違う!これは言いがかり

蒼月「更に言うなら俺の女運の無さ。

こんなジゴロみたいな格好してりゃ一目で解るだろ 
女と絡めば多少なりとも不幸になるんだよ 当たり前だろ」ずばりっ


彬羽「解ってるなら襟元開けるな だらしない」きっぱり。

 

 

 

信者「そう言えば私の時も?
確かに奇跡に奇跡が重なって疑う心が無くなって行ったけど 」えーと。

蒼月「あ、その奇跡ってこれ?

乾きやすい南蛮渡来の揮発性アルコールでも混ぜた水かなあ」例の封筒に水べちゃあっ

信者「Σあ。それです」ああっ

 

教祖・教団員「Σ お前等いい加減にっ!!」

 

 

白「面倒だし腕っぷしでカタつけるか?」指ばきっ

テオドール「で御座いますね
縄張り荒らしは大罪に御座います!」 

 

 


教団員「えっとあの
何か 逆らってはいけない感が」ひええっ

テオドール「こちら、マジ物の神に御座います故」

教祖・教団員「Σえ」

彬羽「ややこしくなるからやめろ。」

 

 

 


ーーーーーーーーーー

 

 


【再び江戸城


石燕「しっかし蒼月さんで大丈夫っすかねえ?
基本やる気ゼロっすよ? あん人」


魄哉「大丈夫ですよ
蛇は人を誑かすプロですし。
何より あの子は人が積み上げた物を 足元から崩すのが大好きですから」

 


石燕「・・あんま 安心したくないっすねえ」

魄哉「めちゃめちゃ楽しそうに破壊活動に勤しみますからねえ」遠い目っ。

 

 

 

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