小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

2月8日

 

 

 

千様「あら? カイコちゃん 久しぶり?
ここん所見なかったわよねー?」

 

カイコのそのそっ。

 

粋「あー こいつ 俺の部屋でちょっと繭になってて
今朝羽化したんだよな Σう。重っ」ずしっ

 


家康「ん?カイコちゃんって
元から成虫じゃ?
サナギって?」へ?

 

蒼月「何? またデカくなってるじゃん
蛇の脱皮みたいに サナギから出てくる度デカくなんの?」

粋「さあ?」 カイコ撫で撫でっ

 


石燕「虫系妖怪ってたまにワケ解んない事するっすからねえ

そもそも虫自体がワケ解らん生態っすし」

粋「そなの?」きょとん。


石燕「そのサナギってのも

青虫がサナギになると 
中で1度体がドロドロに溶けて 蝶やら何かに作り変わるとか何とかって話っす」

粋「Σマジか!
カイコすっげえええ!!」おおっ

蒼月「いや アンタのペットはデカくなってるだけじゃん
形状まんまなら溶ける必要ないだろ」きっぱり。

 


白「虫の妖怪か」ふむ。

一二三「タイムリーだべな。」うんうんっ

粋「何が?」へ?

 

襖すぱーん!


徳川忍「申し上げます!
西方より襲来した 芥の虫と思われる群れ
各地の刀、農具 その他諸々金属を食らい尽くしながら江戸に向かっております!!」

家康「Σうっお! 私に言いに来るって相当!?」ひいっ

 

徳川忍「天海殿より
ちょっと派手にぶっぱなしますんで、殿にちょい適当に言っててくださいと言付けされましたので まんまお伝え致しました!」くわっ!

家康「うん。すっごい素直だね」わおー。

 

粋「Σ芥の虫って何!?金属食うってどう言う!?

いやその前にぶっぱなすって 大砲とか?」えええっ!?

千様「んーと。あいつがやるなら どっちかと言うとー」

 


彬羽「成る程。向こうの空が暗いな」縁側開けっ

白「こっち来る前に閉めといた方が良いな」うん。


シロ「おい。鍛練中だぞ
与一に呼び戻されたが何事か」むう。

家康「んーとね。 ちょっと向こう見て」

シロ「ん?いったい何事


チュインッ

 

だむっ!!!


煙もうもうっ

 

 

 

千様「あらやだ。やっぱり軍師ビーム」

粋「Σ出るの!?
あいつビーム出るの!?」えええっ!!


コマ『私もいつか パピーの様な立派な兵器に』きらきらっ

与一「Σうおお からくり娘がまたいらん目的を!!」ひいっ

石燕「つか お宅のパパ上あれでも生身っす。」

 

白「けど、あんま減ってないな」ありゃ。

彬羽「数が数だしな

よし、せめて町の奴等に注意喚起してくるか

手前等 大型台風並の戸締まりやっとけよ」すたすたっ

一二三「Σえ!彬羽さん大丈夫だべか!?」ひえっ

彬羽「問題ない

虫に食われる程ヤワな体はしてない」

粋「Σ芥の虫って生き物食うの!?」ひえっ

白「バカラスなら堅いから大丈夫だとは思う」うん。


千様「筋肉って偉大よねー
て事で テオ君窓に板打ち付けよろしく」

テオドール「お任せ下さい
五寸釘の打ち付けで慣れております」にこっ

与一「どんだけ藁人形カンカンやっとんのだお前」引っ。

 

 

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石燕「芥の虫ってのは

残ってる物だと 初出が室町時代の書物っすねえ。
金属を好みもりもり食べて 食べ尽くして他の所に移動するって 有る意味イナゴみたいな妖虫っす

ちなみに金属が無くなると 人間ももりもり行くそうで 
いやー。怖いっすよねえ」あははっ

粋「笑顔で説明すんなよ」怖。

 

シロ「前から思っておったが
この手の怪異は何故に皆 江戸城を目指すのだ?」

家康「江戸城の宝物庫には そこらに置いとくと危険な呪具やら何やらも沢山有るからね
虫が光に寄ってくみたいに 強い妖気に呼び寄せられてる

らしい?」

 

小太郎「けど 西かあ

酒呑童子達や大嶽丸って大丈夫だったのかなあ?」わおんっ

粋「Σあっ!そういやあいつ等 京の都の近くか」はっ


蒼月「あれ? 犬、お前の彼女って京の都に住んでなかった?大丈夫なの?」

小太郎「あ、そこは大丈夫だ


晴明の最高クラスの御札買って渡してるから 悪い虫どころか悪い男も近寄れないぞ」ふっ。

 

蒼月「・・ お前 無害なわんころの顔して 意外とうん。犬ってそうだよね」わお。

小太郎「狼の世界じゃ 自分の財産奪われたら相手を屍にするまで止まんないからな」わんっ


千時「カヤちゃんって もう小太郎君の財産なのね」ああうん。

一二三「ワイルドだべー」ほうほう。

 

 

 

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【その頃 京の都】

 


人魚「助かりましたー
お酒買いに来たら 変な虫さんに襲われて」ひーん。

カヤ「Σえ。それ全部飲むんですか?」

人魚「違いますー
これはうちの旦那様にあげるんですー」

カヤ「Σへ!?旦那様ってこの近くに!?
それなら危ない 早く屋内にって あ、もう送りますっ
私の御札だあれば襲われないんで!」

人魚「Σ良いんですか!?」おおおっ


ダミアン「おお!人魚殿無事であったか!
山の皆が心配して Σおうっ!?」符に弾かれっ

カヤ・人魚「Σえ」


ダミアン「いたた。え?何であるか
見えぬ壁が Σってぎゃーーっ!!」芥の虫わらわらわらわらっ


人魚「Σ執事さーん!!」ひいいっ

 

 

 

【更にその頃 鈴鹿山】

 

大嶽丸「Σうちは託児所か!!」山の守護結界発動中。


茨木童子「仕方ないだろ
農夫バイト中に襲撃食らったんだし
カラスの里はジジババとガキしか居ないんだし ほっとけないだろ」

チビッ子カラス天狗軍団「びええええっ!!」うぎゃーっ


鈴鹿御前「おおよしよし。
悪い虫が来たら 全て妾がブチブチっと足ちぎって頭潰して火にくべてやるからな。
何も怖くないぞ」よしよしっ

大嶽丸「Σ母上 子供が引き付け起こします!」ひいっ

 

飛天「うちの里丸ごとお世話になってるそうですんまっせーん 助かった!!」ばささっ

カラスの年寄り「Σ若様ーーっ!よくぞご無事でっ」うおおおっ!

 


酒呑童子(うちの山の奴等は大丈夫だろか) そわそわっ

 

 

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シロ「Σうおおお! 隙間っ雨戸の隙間から入ってくるぞ!!」ひいいっ

家康「Σうわああキモいっ!!」鳥肌ぞわっ!

 


カイコもぞもぞっ

粋「Σおい何してんだ お前トロいんだから食われる食われる!」ひいっ

 

カイコの糸ぴーーーっ

しゅるしゅるしゅるっ!

 


彬羽「Σ粘着力のある糸で隙間を塞いだ

やるな!!」おおっ

 

白「あれ?お前いつ戻ってたんだ?」

彬羽「さっきな
てか手前等 俺が外に居るのに1個残らず締め切るのはどういう了見だ」

テオドール「え?でも木の板を打ち付けろと」はて?


蒼月「お前なら普通に開けられんでしょ? 
細かい事言うなよ
つか江戸城だけでなく この虫この家にもご執心じゃんかよ ウザいなあ」芥の虫ぷちっ。


家康「考えたら この家も地下にヤバい物封印しまくってたねえ」苦笑


白「て事は
この辺の虫は全部この家に集まって来てるのか?」

彬羽「ぽいな。
町の方は数える程しか居なかったな」


白「んー。
そもそも この虫はどこから来たんだ?」はて。

蒼月「虫なんて何処からでも沸くからねえ
せめて群れじゃなく 散ってくれたら良いんだけど」踏み踏みっ

粋「お前メンタル強いな」うわ。

蒼月「蛇だからね
虫に情けかける趣味ないし
つか虫ごときで騒ぎすぎなんだよ皆ダサっ」しれっ。

 

 

 

シロ「Σうおおおこら虫共!
鬼切を齧るな!あっち行け しっしっ!!」うわああっ

鏡子「Σいやああー
たからないでえええ!!」きゃーっ

 

蒼月「Σクソ虫マジ●す!!」しゅばっ!!


シロ「Σすまん!こっちも誰か手助けを!!
鬼切が消滅してしまううっ!」ひいいっ

一二三「Σぎゃ!彬羽さんの刺身包丁にも!!」

芥の虫わらわらっ

彬羽「Σああっ!コイツ等 板前の命に何さらす!」だだっ!


シロ「Σおいいいいいい!!!」

 

 

 


晴明「偉い事になっとる様じゃな」押し入れからよっこらせっ

粋「Σうおびびった!」びくっ

 

カイコの糸ぴーっ。

晴明「私は虫では無いわ失礼な
おいやめろ べたべたする。」

白「そっか お前の結界の出入り口、そこだったっけ」

晴明「うむ。
この状況だし 引きこもって居たかったのだがの

結界に穴ぼこ開けてピー助がどうにかしろと乱入して来たのでの」たんこぶっ

家康「あ。天海に怒られた?」

晴明「ダルいと言ったらカカト落とし食らったわ

さて、本題ぞ。
そこの吸血鬼。 確かお主、密入国の際に棺桶に色々入れて持ち込んでおるな?」

テオドール「へ? はあまあ
8割ガラクタに御座いますけど」

晴明「ふむ。
そしてその中に 日本に持ち込んではいかん植物等もあって 前に叱られとるよな?」


テオドール「マンドラゴラの事に御座いますか?」真顔。

晴明「待てい。 己の寝具に忍ばす物かそれ」

テオドール「ノリで入れた物の、
運搬途中下手に揺れたらギャーッと言うのではと 大変恐ろしゅう御座いました「アホじゃろお前。」

 

白「今更だ。
で、虫に マンドラゴラの悲鳴聞かせるのか?」

晴明「いやそれ人間共も死滅するぞ?
そうではなくよ
ほれ。こう言う感じの葉っぱの」えーと。

石燕「あ。コレっすか?」スケッチさらさらっ

晴明「お!これじゃこの葉っぱじゃ!」おおっ

 

テオドール「はい?
あ、 成る程。
取って参ります!」だだっ


彬羽「その手があったか」ほう。

白「どんな手だ? こらバカラス見えないぞおい。」背伸びっ

 

 

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鈴鹿御前「よっしゃあ!ファイヤー!!」びしっ


大嶽丸「母上 号令デカすぎです」

煙もうもうっ


芥の虫「Σ!!」そそくさブーン。

 


酒呑童子「Σすっげえ マジで効く」おおっ


茨木童子「はいはい、只今急速成長中だからな
次ちょいお待ちを」

植物の苗にょきにょきにょきにょきっ

 

酒呑童子「つか 何だよこの花」怪訝っ

茨木童子蚊取り線香の原料。」

酒呑童子「Σ成る程!!」おおっ


人魚「植物操作出来ると便利ですねー」わーい。

カヤ「そっかお姉さん 鬼さんの奥さんだったんですか」にこにこっ


ダミアン「えらく根性のある娘だな
おかげで山の鬼達も助かったが」困惑っ

カヤ「私のダーリン狼ですし。」にこっ


一同「は?」

 

 


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テオドール「さすがは本場のおハーブに御座いますねえ

防虫効果てきめんに御座います。」おおっ


白「火加減これくらいか?」ぼぼぼっ

晴明「一瞬で炭化せんかったら何でも良いわ

害虫はこの手の臭いが嫌いじゃからの。」

カイコの糸ぴーっ

晴明「お主は効かんようで良かったの。
てか とことん害虫扱いか?」糸でぐるぐる巻きっ


白「頑張って脱皮しろ」

晴明「Σ哺乳類は脱皮せんわい!!」

 

 

石燕「しばらくは国中 爽やかな香りに包まれそうっすねえ」わお。

千様「えー。国を丸ごとアロマテラピー。 良いじゃなーい」のほほーん。

 



 

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