小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月8日





白「ぐう。」縁側ですやすやっ

千様「あらあら さすが風通し良い所知ってるわねえ」のほほーん。

シロ「真夏でもだらしなく其処らで寝とるただろが コイツは」





家康「つか何アレ」うわ。


彬羽「輪入道の暴走族だ
夜中に徒党を組んで町中を走り廻って危険なんで捕縛した」

蒼月「何がやりたいの それ」引。


縄で縛られた輪入道軍団がたごとっ




石燕「人も妖怪も やんちゃなヒトってのは走りたがる物なんすねえ」しみじみ

与一「ああ 確かに人間でも 一定の年頃の奴はやたら馬を走らせたがるな」

石燕「鎌倉時代からなんすか?それ」

与一「むしろ昔のが多かったぞ
今はなんやかんやであまりやからすと幕府の奴等にキレられるしな」うむ。


千様「まあ 胴体が車輪だものねえ
走りたくもなる。のかしら?」えーと。


家康「てかまたギッチギチにきっちり縛り上げちゃって
持ち運びが楽そうだねえ」

彬羽「これなら逃げれんだろ」きっぱり。

石燕「彬羽さんの馬鹿力で縛り上げられたら痛いんじゃないすか?

もちょい緩めても良いんじゃ」よっこらせ

家康「石燕ちゃん ホント人意外には寛大だよね」


彬羽「やめとけ そいつ等の集団暴走はこれで3回目だ
甘い顔してるとつけこまれ

顔面に車輪ごすんっ!!

石燕「Σぶっ!!」


ばたーん!

家康「Σ石燕ちゃーん!」ひいいっ


与一「きゅうっ」どたーん!

千様「Σちょ 与一さん!?」ひいっ


彬羽「言わんこっちゃない!
与一にダメージが行くって事は石燕ヤバいぞ!!」

家康「Σあ!そっか
与一ちゃん 取り憑いてる対象が絶命すると消えちゃうから」はっ

千様「Σえ。それ 石燕さん生きてる!?」




白「蒼月」

蒼月「無理!数が多くて全部は無理っ!!」ひいいっ

輪入道ぼとり がんがらごんごんっ


家康「Σあ。でも結構金縛り出来てる!」おおっ



白「仕方ない 軽く燃やすか」炎ぼぼっ

輪入道軍団「Σ!!」



彬羽「Σいや待て!!」はっ

白「ん?」




家康「あの 石燕ちゃんが 息して無いんだけど」冷や汗っ

一同「」




与一「く、くたばってはおらん様だぞ
私が消滅しとらんしな」よろろっ

千様「Σちょっ 与一さん大丈夫!?」

与一「顔面が死ぬ程痛い」くらくらっ

蒼月「安心しなよ アンタはもう死んでるだろ」えーと。

彬羽「どうだ?」

蒼月「やられたね。
輪入道って走るだけの妖怪じゃ無かったよそういや」ちっ


家康「へ?石燕ちゃん打ち所が悪かったとかじゃないの?」おおっ

蒼月「いや単純に魂引っこ抜かれてる
車輪アタックは此処のせいぜいこのデカいたんこぶだけだね」たんこぶ指差しっ

家康「Σ充分大事なんですけど!?」ひいいっ

蒼月「全くだよ 魂食いとか俺とキャラかぶりじゃん。生意気だな」ちっ

家康「Σ論点が違う!!」


千様「え?与一さん
たんこぶで大ダメージ?」

与一「Σ普通に痛いだろが!
弓兵に耐久を求めるな!!」うがあっ

蒼月「うん。幽霊が痛いとかおかしいから

つかどうしよ 魂が無きゃ心臓はもちろん肉体なんて動かないし
このまんまだと臓器がやられてマジで数分でくたばるよ?」

千様「Σえ」

蒼月「そうなっちゃったら魂取り返しても入れる器がないし
あれ?その場合アンタってどうなるの?」えーと。

与一「Σ知るか!冷静すぎだろお前!!」

蒼月「うっさい キレてもどうにもなんないだろ」


彬羽「だな。あのアホも速攻輪入道共追っかけてったしな」うむ

千様「Σえ 早っ!」きょろっ


家康「ん?妖怪同士なら見分け着くの?
石燕ちゃんの魂抜いた奴を捕まえないとダメなんだよね?」

彬羽「無理だな この場合1体残らず全部捕まえるくらいでないと」

千様「Σ白君1人で!?
相手車輪だしあの数よ!?」ひいっ

彬羽「俺も手伝える物なら手伝いたいんだが」くっ

蒼月「あ。日沈むね」ありゃ

彬羽「近眼+鳥目じゃな」くうっ

家康「Σカラスって悲しい!!」


与一「おおおいっ 魂もだが石燕の肉体がっ!」おろおろうろうろっ

粋「Σうお!石燕どしたの!?」びくっ

与一「Σおお 良いところに!
実は悪質な妖怪に魂引っこ抜かれて体の方が先にくたばりそうなのだっ」

粋「Σえええ!蒼月お前 またしょうもない喧嘩で「Σ当たり前みたいに濡れ衣着せんな!!」



彬羽「落ち着け 体の方なら問題ないだろ」

与一「へ?」


千様「あ、そっか
与一さんなら 元々石燕さんの霊力で再構築された幽霊だしー
結構石燕さんと同じ様な存在なのよねー」

石燕(与一)「成る程 私が入っとれば良いのか」むくりっ

粋「Σ久々だと違和感凄え!」ひいっ


水ばしゃあっ!!




石燕(与一)「おい。」ぼとぼとびしゃびしゃっ

シロ「す、すまぬ

水をかければ起きるかと」ぜーぜー。

彬羽「お前等 頼むから落ち着け」





ーーーーーーーーー






がんがらがしゃしゃしゃっ!



長屋の住人「ん?なんか屋根の上が」おや。

おかみさん「なんだろねえ?車輪の音?」

長屋の住人「そらねえわ
屋根の上を走る車輪なんてあるかね」あっはっは

おかみさん「そうだねえ。ネズミかイタチだろね」あははっ



がしょんっ!


おかみさん「へ?」




ズドドドダダドダダダダダダッ!!

「「Σ足音!?」」ひいっ



だむっ!

だだだだだだっ



しーん。




おかみさん「・・えっと?」えええ

長屋の住人「いや。無いだろ
生き物があんな速さで移動出来ないって」ひええっ






【屋根の上】



輪入道A(Σげ! ぴったり追ってくる!!)ひいっ

輪入道B(Σうっそ怖っ! 2本足で嘘だろ魔王怖っ!!)

輪入道C(だからこんな所で度胸試しやめようって言ったんだあああっ!!)ひいいっ

輪入道DEFGH以下略(誰だあんなののダチに手出ししたの!
ワシ等基本同じ顔だぞ どれか見分けつかん!!)うおおっ



白(めちゃめちゃ居るけど どれ捕まえたら良いんだ) えーと。



輪入道F「と!とにかくっ
あれ怒らせたらヤバいて噂だぞ!捕まったらバラされかねんぞ!!」ひいいっ

輪入道E「落ち着け!ワシ等は同族でも見分けがつかんのだ

そこを生かして 散開っ!!」くわっ

輪入道軍団「おおっ!!」 散り散りばばっ


白「Σ!!」




輪入道B「成る程! あの人間の魂を持っとる奴が居る以上 一気に燃やしては来ぬはず
皆このまま逃げきるぞっ!!」がらがらがらがらっ


白(よし。片っ端から殴り壊そ
フォントサイズ5 う) 面倒臭いっ

輪入道F「Σうおお 何故か殺意が明確に!!」ひいっ






輪入道C「おおお落ち着け! 相手の場所を確認しつつ撹乱するのだっ
ほれ見ろ 明るい月夜だ!白いあ奴はハッキリくっきり見え

下駄がいんっ!

輪入道C「Σごはっ!!」



白「よし 1匹目」


輪入道軍団「Σ同胞ーーっ!!」ひいいっ


輪入道A「よく考えたら ワシ等も鬼火纏っとるだろ!
夜だと居場所バレバレだっ」

輪入道B「Σ勝っとるの数だけかい!」ひいいっ

輪入道D「Σ集まるな!散れ散れ

見ろ!奴は同胞を締め上げるのに気を取られとる
今の内に距離を取るのだっ」がらがらがらがらっ!


白「締めたら吐くかと思ったけど違う奴か
あれ? 頭しか無いけど胃袋何処だコイツ等」ぎりぎりぎりぎりっ

輪入道C「Σうおお折れる折れる!車輪バキイッ!てなるなる!!」ぎゃあああっ





輪入道軍団(惨いっ) 車輪ぞわっ


輪入道D「くっ 友を見捨てるのは辛いが
喧嘩するにもワシ等顔だけじゃ 奴には犠牲になって貰うしかっ」がらがらがらがらっ

輪入道F「だ、だなっ
とにかく奴は立ち止まっとる
月夜で良かったよく見え Σごふあっ!?」車輪バキャスッ!!


輪入道D「Σ同胞ーーっ!!」えええっ

輪入道B「Σなななんで!?あいつはまだあんな後ろにっ」




テオドール「目立つ御方に気を取られ過ぎに御座います」

輪入道B「」


輪入道D「Σえ。何このコウモリっ」えええっ

テオドール「はい。コウモリに御座います。
夜目も効きますし黒いので夜の闇にも馴染みやすくて御座いますよ 」コウモリ羽バッサバッサっ

輪入道F「Σ反則!吸血鬼は反則っ!!」ひいっ



輪入道A「ヤバい 全員散開ーーっ!!」

散り散りがらがらがらがらっ!




テオドール「甘う御座います








輪入道C「Σあっちこっちで断末魔がっ!」ひいいっ

白「テオ 俺の血飲んだら狂暴になるらな。
アンプルってのの最後の1個使ったみたいだし
また血抜かれるのか。」ため息っ






テオドール「あ、犯人これみたいで御座いますよー

ほれ吐きなさい」

カカトでぐりっ。

輪入道B「Σおうっ!!」 おえっ


白「あ。これが石燕の魂か」

魂ぷるぷるっ

テオドール「・・・なんか 物凄く血液ドロドロっぽい色の魂に御座いますねえ」 うわあ。





ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー



石燕「いやー 油断しちゃって申し訳ないっす」頭に包帯ぐるぐる巻きっ


彬羽「慣れてるとは言え 化物は基本人間を騙す物だ
油断はするなよ」やれやれっ

石燕「そっすねえ
ちっと平和ボケしてたみたいですんません」苦笑。


与一「消滅せんで済んで良かった」へたりっ

シロ「幽霊の癖に疲労するのか」ふむ。



石燕「で、あの輪入道さん達はどうなったんすか?
あの ひょっとして焼却処分とか」おそるおそるっ

粋「ああ そんなら大丈夫だって。
確かに あれだけ人間に害加えんなって言ってんのにってはなってたけどさ」

蒼月「なんか収まる所に収まったらしいよ」

石燕「へ?」


粋「ほら 噂をすれば」指差しっ



輪入道A「おらおらっ 荷が重いぜ走り甲斐があるぜ!」ひゃほう

輪入道C「これくらいの荷物なんのその 俺等のスピード見るが良いっ!」わははっ

輪入道D「Σこらお前サボんな!
今回お前のせいなんだからな!!」

輪入道B「Σサボっとらんわい!
ワシのおかげで早々に燃やされんで済んだんだろがっ」


荷車がらがらっ


シロ「工事現場に石材を運ぶ荷車だそうだ
まるで勝手に車が進む様だと 工事がはかどっておるそうな」

石燕「マジで勝手に動いてるっすからねえ」わお。




家康「輪入道沢山居るからさ
荷車も沢山用意できて助かってるんだよねー
ほら 台風で川とか決壊したりしたし
町中の屋根とかも直さなきゃいけないしねえ」ため息っ


千様「適材適所ね。さすが彬羽君」にこにこっ

彬羽「今回やる事が無かったんでな
ちなみに普通の人間には見えてねえから安心しろ」ふっ

粋「あの、俺に至っては騒いだだけなんだけど?」





輪入道軍団「うおお!これぞ労働の喜びっ!」きらきらっ



テオドール「なんかこのまま就職しそうに御座いますね」おやまあ

白「しばらくタダ働きするだけで良かったんだけどな

ま、いっか」うん。



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