小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月6日







【芝居小屋】



つつじ「また面倒いもんが。」うんざり孫の手で背中かきかきっ


皐月「ん? 何やそのチラシ」

つつじ「業界の あー回覧板みたいなもんどす。
うちの子等で行きたがる子等おるやろか?」チラシ渡しっ

皐月「行きたがるて何かあんの?

あー・・ コレは なあ」うわ。









粋「Σ集団見合い!?」はいいっ

白「そんなあらたまったのじゃなく ごーこん て言うらしいぞ」

テオドール「参加資格、見習い限定に御座いますか
日本には面白い文化が御座いますね」にっこり。

粋「Σ他人事感半端ねえ!!」




テオドール「嫌なら欠席なされば良いのでは?
あ、お砂糖は何個で」紅茶こぽこぽっ

粋「Σ砂糖でけえよ!
つか 欠席していいのこれ!?」

白「ん? 行く奴居なさすぎて困ってるって言うから 行くって言ってたとかもう申し込んじゃったぞ」しれっ

粋「Σ人の名前でなんて事を!!」ひいっ

白「芝居小屋にも業界の付き合いってのがあるらしいぞ
よく知らないけど」適当っ


テオドール(芸能の世界は大変に御座いますねえ) しみじみっ





粋「だああ嫌だああ! そう言うのマジで無理!
もう蒼月とか1日見習いにして突っ込んどけよっ」
白「女の親から苦情が来るだろ」きっぱり。

粋「Σそれもそうでしたあっ!」

テオドール「安心と信頼の女好きに御座いますからねえ」うーん。



粋「うう、だからってなんで俺」ずーん。

白「いい機会だろ
お前 話しやすいけどそう言うのじゃないとかばっかでグチグチ煩いし 相手居る奴見るとすぐ拗ねるし。
ちょっと頑張ってこい」

粋「Σう」ぐさっ


テオドール「で 御座いますねえ
この国は今女性が少ないそうで御座いますし
受け身じゃキッツイのやも御座いません。」ふむ

粋「何もしなくても兄貴みたいなのにはどんどこ寄ってくけどな」けっ


テオドール「見事に皆さんストーカー気質に御座いますがね」真顔。

白「お前 油断したら天井裏や床下に誰か居るの羨ましいのか?」むすっ



粋「・・・頑張ってきます」




ーーーーーーーーーー



【会場】


粋「Σうっわ 皆派手派手っ」ひええっ

見習いA「人数合わせで行けって言われたけどさあ」ため息っ

見習いB「な? うちの店には正直意味ないもんなー。」

粋「へ?」



派手な見習い「お?なんだ 偉く貧相なのが居るなあ?」どやあっ

装飾じゃらじゃら上等着物にキンキラ打掛っ


粋 ・見習いコンビ(Σどこの成金!?)ひいっ



派手な見習い「お前等解ってんの?
此処で上手く乗客捕まえれるかどうかで将来決まるってのにさー」ははんっ


粋「あの、どういう事?」えーと。

見習いA「Σえ。解らないで来たのかよ!」

見習いB「ほら見ろよ女性陣っ
どう見ても何処かの若奥様かお嬢様ばっかだろ!
将来の為にパトロン捕まえる会だっての!!」

粋「Σあ、そう言う事!?」


派手な見習い「なんで趣旨理解してない奴が混ざってんだよ

まさか 集団見合いか何かと勘違いして来たんじゃねえだろな」うわー。

粋(Σ勘違いも何もそう言われて来たんだけど!?)えええっ




見習いA「あの、桔梗さん いや兄上さんからは何も説明無しで?」ひそっ

粋「むしろ兄貴が一番誤解してるフシさえある」

見習いB「さすが店のツートップ
こんな催しすら知らないか」へー。

粋(普通に適当なだけだと思う) 遠い目。



見習いA「そもそもうちの店は完全実力主義だからなあ

パトロンがお気に入りを出世させたくて 金を詰んだ所で上があんなだし。」

見習いB「な? さほどメリット無いんだよなあ」だるっ

粋(役者魂の塊のつつじがほとんど座長みたいな物だもんな
そりゃ 金で転ばねえわ) 成る程。



見習いA「まあ銭なら お宅の兄上が何かの気まぐれで お偉いさんの宴会に同席するだけですんげー額が店に入るし」ぼそっ

粋「ちょい待て 何それマジで?」えええ

見習いB「役者ってのはそっちの世界と境界曖昧だからな
あの人は いわば気難しい一流花魁みたいな扱いよ?」

粋「Σマジでかああ!!」ひいいっ


見習いA「徳川のお墨付きも有るんだろ?
そりゃーなあ」うんうんっ

見習いB「アンタが兄ちゃん目指すのも解るよ」肩ぽんっ

粋(それ 居候先の家主が江戸城のボスだからです!!)ひええっ




派手な見習い「はっ。お気楽な師匠と店の七光りか」

粋・見習いAB「あ"?」かちーん!



粋「はああ?実力無いからパトロン見つけに来た人に言われたかないんですけどー?」けっ

派手な見習い「はあ?何? 手前は実力有るってのかよ
知ってるぞ いっつも天才の兄貴と比較されて恥ずかしい万年見習い君?」にやにや


見習いA「いや自分も大概芽が出ないんで有名だろ」

派手な見習い「Σはああ?」むかっ

見習いB「うん。有名有名
この世界広い様で狭いからねー」はいはいっ





会場ざわざわっ



粋「Σあ やべ
おい、あんま騒ぐと後で怒られんぞお前等」はっ

派手な見習い「はああうっせえよ! ケンカ売ってきたのそっちがろがよ!

だいたいお前の兄貴もアレ 変わり種なだけでマジで業界で評判悪いからっ 伝統何だと思ってんだってすっげえ陰口叩かれてるから
あんなんに騙されるの素人だけだかんな!!」

粋「Σんなっ!!」むかあっ




見習いAB(あ、ヤバいこれ) うわ。


派手な見習い「だいたい見てくれが派手なだけだろあんなの!
身内だからって安易に師事するから万年見習いなんだよ!
教わる奴間違えじゃねーの?」やーい


粋「おう。言いたい事はそれだけか? ああ"?」元ヤンの堪忍袋の緒がぶちんっ


派手な見習い「Σ!?」びくっ

見習いAB(Σあああこの人も大概ヤバいのに!!)ひいいっ




見習いA「おおおお落ち着いて! 此処で暴れると 後々営業にも響くからっ」わたわたっ

見習いB「ほらお師匠さん大好きなの知ってるけどさ! その兄上さんにも迷惑かかるからさ!」どうどうっ

粋「Σぐっ!」



派手な見習い「な、何だよ
七光りでもその程度の自分が悪いんだろ」たじっ


粋「・・・。」じーっ

派手な見習い「だ、だからなんだよっ」


粋「女の七光りで売れようとしてる奴が良く言うな」ふっ

派手な見習い「Σぐはっ!」ぐさあっ!


見習いAB「Σ見事なカウンター!!」おおおっ



会場一同(気まずい。)ずーん。


見習いA「Σあ。ここの人等皆にダメージが」はっ

見習いB「いやもう殴り合いされるよりマシだって

それよりアレって」




粋「だいたい何だ お前のその格好
ウケようと必死か」扇子すちゃっ

派手な見習い「Σううう煩え「まあ、派手すぎて下品だけどな 伝統とか言う割に侘びさびも知らないのか」ふんっ



見習いA「Σなんか 兄上殿憑依してない!?」ひいっ

見習いB「だよなあ」うわー。


粋「自分は良いけど人はダメ 恥ずかしい奴だな
ああそうか。今の内にライバルは消しとか無いとヤバいもんな?」にやにやっ

派手な見習い「Σそんなんじゃねえし!何その自信!!

だああ ドでかい後ろ楯の有るお前と俺を一緒にすんなあああ!」抜刀っ!


見習いA「Σげ!コイツ 何持ちこんでんの!!」ひいっ



粋「プロ目指すんなら店の看板に泥塗ってんじゃねえええ!!」

どばきゃっ!

派手な見習い「Σぐはあ!!」

ばたーん!!


主席者一同「Σおおー!!」ぱちぱちぱちっ



粋「あー。スッキリした」ふうっ


見習いA「だから俺等も下手な事言わないのに」あーあ。

見習いB「つか今の何?
桔梗さんそっくりだった様な」ひええっ



テオドール「まあ一番近くであの方の一挙一動を見ておられる方に御座いますからねえ」ひょこっ

見習いA「あれ 雑用君」

テオドール「堅苦しい席で女性とお話など 泣いておられるのではないかと
我が主から迎えを仰せつかりまして」

見習いB「あの人ホントにスパルタなんだか甘いんだか」うわあ。



テオドール「しかし 心配無用に御座いましたね
なんかモテてらっしゃいます」おや。



何処ぞのお嬢様「え?え? お役者目指しててこう言う御人って珍しくない?」きゃー

何処かの奥様「やんちゃ系良いわねー」あらあらっ

粋「Σはいい!?」声裏返りっ



見習いA「それはそれで途方に暮れるんだな あの人」うわあ。

見習いB「世の中何がウケるか解んねえなあ」うん。



粋「え?え?
何? こう言うの慣れて無いんだけどっ!?」あたふたっ

派手な見習い「けっ。喜べよ
この世界それも実力だっての」ふんっ

上品な奥方「あら? 多少意地悪くなるくらい頑張る子はそれはそれで応援したくなるものよ?」にこにこっ

派手な見習い「Σえ」

粋「えーと。おめでとう? 」



見習いA「思いがけない人がまさかの1人勝ちかあ
まあ良いけどさ」

見習いB「だな。
アンタもわざわざ迎えに来なくて良かったんじゃね?」

テオドール「その様で御座いますね
お先に失礼しますか

あ、粋さーん。 白さんには心配無用に御座いましたと伝えておきますねー」番傘ぶんぶんっ



女性陣一同「Σん?」

テオドール「?」



何処ぞの奥様「Σえ?え? 外国の子っ!」きらーん!

何処かのお嬢「あなたはいつお披露目ですか!?」きゃーっ


女性陣わらわらわらわらっ


テオドール「Σいえあの 私は雑用で!!」ひええっ




見習いA「・・えっと」

見習いB「あの」そのー



粋「女ってのはつくづく舶来物が好きだなあ!!」どちくしょおおおっ!

派手な見習い「国籍は飾れねえええ!!」うおおおっ



見習いAB(不憫だ。)うわあ






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粋「・・・」ふて腐れっ。

つつじ「あーもう 次のは行かんでエエから「Σ頼まれても行かねえよ!!」うがあっ!





白「ん?あいつ芸風コピーの特技なんて有ったのか」へー。

テオドール「はい。ダブって見えるくらいにはそっくりに御座いました
さすがは お兄ちゃん子に御座います。」よろっ

白「大丈夫かお前。」


皐月「アンタがぽんぽん勾陣に戻したり使役しとるからうつったんちゃうの?」

白「俺は病原菌か何かか」むう。




つつじ(Σん? コピーて使い用によっちゃあごっつい原石なんちゃうん!?
上手く磨けば偉い事になるんちゃうんかこん人!!)えええっ

粋「けっ」ふて腐れっ





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