小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月19日






江戸城






九尾(人型)(ほうほう。位の高い人間が住む所は いつの世も大して変わらぬのう) ひそっ

粋(Σよくよく考えたら コイツこんな所入れていいの!?)ひそひそひそっ

彬羽(実物は伝説ほど悪さしてねえんだ。
玉藻前』とバレなきゃ問題ないだろ)ひそっ

テオドール(しかし また見事に白粉くさい方々に御座いますねえ)ひそひそっ

白(白粉もだけど 香も焚きすぎでクシャミ出そうだぞ) ついたての裏から覗き込みっ







公家A「本日は将軍家の宴のお招き 御武家のおもてなしとは真に楽しみにおじゃるな。」ほっほっほ

公家B「ほんにでおじゃる
雅なだけの都の宴には飽きた所におじゃる 」ほほほっ



粋(あれ?何気に武家にイヤミ言ってるこれ?)
えーと。




公家C「で、天海殿
今宵はどのような?
急なお招き 何事におじゃりますろう?」はて

魄哉「他意は御座いません
皆様とは個人的にお近づきになりたいと常々思っておりまして

思い立ったら吉日と 急な御誘い大変失礼致しました。」営業スマイルっ

公家D「ほう。 それで我等を選んだと?
これはお目が高い さすがは徳川の影の支配者よなあ」ほほほほっ






九尾(で、だーりんとこやつ等は芸人とその荷物持ちって事になっとるんじゃな?)ひそっ

白(だな。)うんうんっ

粋(でもよ。この中にマジで居んの?
俺 なーんも解らねえんだけど)





公家E「ほんにお目が高くておじゃる。」

妖気もももももっ!


一同(どう見ても居るだろ) うわあ。



粋「あの、全然解らねえんだけど」ええー。

九尾「お前はホントにだーりんの弟かえ?」うわ




テオドール「Σうわっ 凄いこっち見てますよ」ええっ

彬羽「向こうも隠す気もない様だな」

白「やっぱ ケンカ売ってるんだろうな」ふむ。

粋「お偉方に混ざってれば さほどケンカ弱くても兄貴にシバかれる心配無いってか
悪さしなきゃ特にシバかれねえんだけどなあ」

彬羽「コイツの知り合いに徳川関係者が居るのを逆手に取られたな

徳川と都の奴等は 同じ人間上層部でも別物だ。
お互い対立こそしてねえが仲は良くない
トラブルを起こすのは得策じゃねえしな」ちっ





公家A「ん? そこに何ぞおるのか?」おや

魄哉「ええ。余興に町で人気の芸人を呼んでおります
日頃より江戸城出入りの者ですので御安心下さい」

公家B「ほうほう、御抱えのではなく 下々の者をわざわざか
御侍は身分にこだわらんのでおじゃるな」ほほほっ




粋「なんだろう。なんかすっごいチクチク言われてる気がすんだけどっ」イッラアアアッ

九尾「この手の奴等も変わらんのー。」ため息


白「俺バカで良かった」良し。





魄哉(ホンットこの人等ウザいですねえ
まあ もはやほっとけないくらいに人に被害出てるみたいですし ) ちらっ

公家E「ん、 なんでおじゃろう?」にやにやっ

魄哉「これは失礼 見事な御召物だと思い見入ってしまいまして

では、まずは気分直しに華やかな女性の舞をどうぞ」


九尾「よし。行ってくるわ」すすっ



粋「Σえ」

テオドール「Σ九尾さんそんなの出来るので御座いますか!?」えええっ

白「そりゃな」うん。

彬羽「忘れがちだが ありゃ大陸の国複数の権力者を魅了した狐だぞ
上流階級の男たぶらかすのはワケねえだろ」




公家C「おおっ」感嘆っ

公家D「これはまた
まるで都の姫のごとき立ち振舞いっ」ほうっ



一同(平安京の伝説の悪女だしな。)うん。





彬羽「さて どうするか
九尾が時間を稼いでる間に あの三下妖怪にボロ出させる手を考えねえとな」ふむ。

テオドール「Σえ。此処でで御座いますか?」

彬羽「化けの皮を剥いでも人前じゃねえと意味が無えだろ
相手は表向き『人間のお偉いさん』だ

同等、もしくはそれ以上の身分の奴等を証人にした上で正体バラさねえと 此方が罪人にされかねん。」

粋「うわ 面倒臭えな」ええー。

白「だから魄哉が少しでも上手く皮剥がす為に あんなの集めてこんなのやってるんだろうけど

出来るだけ穏便にって どうしようかな?」ふむ。



テオドール「正面からやれない正体バラせないなら いっそコッソリ闇討ちとかは如何で御座いますか?」

粋「おい。」

彬羽「何度か試みたが 常に警備がごっちゃり着けててな 強行したら死人が出る」

粋「Σやったのかよ!!」えええっ




公家D「これ そこな芸人うるさいぞっ」

粋「Σあっ すんませーん!」ぎくっ

公家B「全く これだから下々の者は」はんっ






彬羽「右から左に受け流せ
京じゃ嫌味は日常茶飯事だ」真顔。

粋「お前 京生まれの癖にド直球な性格じゃねえかよ」こめかみに青筋っ



白「アホな事やってると宴終わっちゃうぞ
俺何も思い付かないしな」チラ見っ



公家Eにやりっ

白「Σ!!」むかっ




粋「Σげ。あいつ兄貴の正体解ってんじゃね!?」うええっ

彬羽「ぽいな
権力を盾に妖怪大将にケンカ売るとは大したものだな。」うわ



白「・・ふーん。」ほうほうっ

彬羽「おい。キレるなよ

相手は表向き『人間のお偉方』だ
此処で徳川方が呼んだ手前が暴れたら 都との関係がこじれてまた戦になりかねん」


白「うんうんそうだな理解してる」

粋「あの、棒読みなんすけど兄上」冷や汗っ







九尾「お粗末さまでした」 三つ指おじぎっ


公家A「おおっ 粗末なものか
なかなか良かったぞ」ごきげんっ

公家B「ほんに いっそ都に来る気はおじゃらんか?」いそいそっ

公家C「これこれ 抜け駆けはダメでおじゃろう」ほっほっほ



魄哉「お気に召した様で何よりです。
お次はこれまた町で人気の 新進気鋭の
Σえ。ちょっ」ぎくっ


公家B「ん?なんじゃ次は男か」ちっ

公家C「天海殿 こう言う時は綺麗所をじゃな
いや これが荒々しき武家風と言う事でおじゃろうか?」ほほほっ

公家E「まあまあ。お二人共そう言わず
この者がどの様な芸を見せてくれるのか じっくり見せて貰おうではおじゃらんか?」ぷーくすくすっ


粋(Σやめろ!それ以上刺激すんな!兄貴もう目座ってんだから!!)ひいいっ

彬羽(いくら何でも説明したし早まった事は とは思うがっ) 冷や汗っ


九尾(だーりん 殺気ダダ漏れとらんか?)あれっ?



公家E「お?どうした?
緊張で動けんか?」ほほほっ


魄哉「え。ちょっと白君 大丈夫で Σあ、ちょっと!!」



すたすたすたっ

公家E「え」


公家軍団「Σえ!」





ドゴメシャアアッ!!

粋「Σ顔面にグーパン行ったあああ!!」ひいいっ






公家E「・・がふっ!」がくりっ




しーん。







公家A「Σふっ 藤原殿おおおおお!!?」ぎゃあああっ

公家B「おまっ ちょ早くコイツを引っ捕らえんかい!!」えええっ

公家C「警備ー!警備の者はおられんかあああ!!」ひいいっ



魄哉(どうしようっ)冷や汗どばっ



彬羽「お前は人の話をどう聞いてたんだ馬鹿大将!!」

テオドール「あわわわわっ」オロオロうろうろっ

粋(やべえ!走って蒼月連れてくるか!?
あいつなら記憶消せるはず いやでもその前に騒ぎ拡まりそうだしっ) えーとえーとっ





公家D「おいお前!!どういうつもりじゃ
この様な真似 死罪ではすまぬぞっ!!」



白「うるさい 良く見てみろ」

ずいっ。

公家D「Σうおお血まみれ藤原殿っ!

ん? Σ ん!?なんじゃこりゃああ!!」ひいっ


顔面半分妖怪っ




白「悪い妖怪がアンタ等狙ってたから退治した 文句有るか」しれっ。




九尾「成る程。」おおっ


彬羽「そうか。 大概の妖怪は精神的に不安定になれば変化が解ける」はっ

粋「あ。そんでわざわざ真ん前から怒ってますアピしながら殴ったのか」手ぽんっ




白「粗っぽくて悪かったな。
これが武家風のもてなしだ」ふんっ

魄哉「申し訳ありません
この子は口の聞き方は躾られて居ないもので」ぺこりっ



公家A「ま、まあ 我等が狙われておったのなら
な? 」

公家B「あー・・。 で、おじゃるな。
しかし まさか藤原殿が」ええー





公家E(妖怪)「げほっ

何を嘘八百 誰がそんな脂ぎった奴等

白「何が違う?」
魔王オーラ全開っ

公家E「」フリーズ。





粋「うん。これは霊感とか全くねえ俺でも金縛りなるもん」うわー。

テオドール「もはや盾が御座いませんしね。
哀れに御座います」南無。





魄哉「はいでは 妖怪は専門家にお渡ししておきますね。」数珠で縛りっ

公家E「Σえ。うお動けん!!」ひいいっ




公家A「天海坊 御主何処まで計算済みじゃ?」

魄哉「始めに言ったとおりです。
これを機に 皆様とお近づきになれたら嬉しいですね」にっこり



一同(逞しい。)うわ。







テオドール「しかし よくお気づきになられましたね
あの状況で殴れば良し。という選択肢が出てくるのがさすがに御座います」尊敬の眼差しっ

白「単にムカついたから

殴ってもどうしたら怒られないかなって考えたら 殴った方が良いって気がついた」けろっ

粋「いや。それが思い付かねえって話なんだけど。」うわあ

九尾「だーりんのそう言う所も好きじゃわ。」いやんっ





彬羽「すまん。医務室は何処だ」

魄哉「Σあ。胃薬ですかっ」うわっ

彬羽「そろそろまた穴が空くかもしれん」よろっ







粋「あれ?これ 晴明呼べば早かったんじゃね?」ふと。

魄哉「出しっぱの煮物食べて食あたりで寝込んでます。」ため息

九尾「あー。 芋は火が通ってからがヤバイからのう」あーあ。








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