小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月3日

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江戸城




魄哉「天守閣は関係者以外立入禁止なんですけど?」

晴明「気にするな。表向き親戚という事になっておるのでな」ふふんっ

魄哉「狐の親戚が居た覚えは無いのですが?」




白「昨日のあれのせいで 家の方に上がり込むの怖いんだろ」梅昆布茶ずずーっ

魄哉「大人しく巣に帰れ」真顔。

晴明「暇なのだ。雨だしそこらウロつけんしのー」

魄哉「そもそもアンタ インドア派拗らせて日光に当たると皮膚負けるでしょうが
雨の日こそ外出たらどうなんです「濡れるから御断りだ」きっぱり。




女中(天海様の家系って 国籍ごちゃまぜだなあ)しみじみ。

白「この紅葉饅頭貰って良いか?」

女中「あ、はい どうぞどうぞー
(この人は息子さん だっけ?
色素抜けてるし)」うわあ。



家康「あ、やっぱ来てた
晴明さん駄目だよ 今日天海忙しいんだから
仕事の邪魔したら色々怖いよー」ひょこっ

女中(あれ? この人は誰だったっけ?) えーと。



晴明「知っておるわ だからちょっかい出しておる」にやりっ

家康「うっわ。暇潰しの相手させる気満々だ」うわあ。

晴明「ほれキレろキレろ。
雨でダルいんじゃ はよ暴れろ」けけけっ

魄哉「羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶」ぶつぶつっ

家康(Σ読経で必死に心を鎮めている!)ひいっ




白「危ないから出来るだけ天守閣から離れた方が良いぞ」紅葉饅頭もぐもぐっ

女中「えーと。 つまり仕事の息抜きしろって御話ですね

ではお気をつけてー」たたっ

家康「ポジティブだねえ」冷や汗っ




魄哉「よっしゃ 我慢の必要無しっ
とっととのして静かにして頂きます!!」数珠じゃらんっ!

晴明「おお! そう来んとなっ」呪符ばらららっ!



白「思うつぼだな。」あーあ。


魄哉「この人には1度絡まれたら終わりなんですよ
とにかくしつこいねちっこい! 狐は執念深くて面倒臭いんですっ」くわっ

晴明「鳥はピーチクよう囀ずるのー」ぷーくすくすっ

魄哉「て事でいっぺんシバいて大人しくさせないと毎度終わらないんです。」けっ




家康「うん。そうかもしれないけど 煽られて全力でムカついてるよね?」

白「空気がパリパリって痛い」むう。



家康「で、お前の後ろに居れば安全だとは思うけど
そもそも何で居るのかな?」はて。

白「ん? あーちょっと俺もな
怖いのから逃げて

襖ばきゃっ!

彬羽「くおらこのボケ魔王が!!また要らん事ばっかしやがって!!」 うがあっ



魄哉「あの彬羽君 障子折らないで欲しいんですが」

彬羽「Σあ。すまん」はっ


晴明「で、今度は何をやったのじゃ?」わくわくっ

白「雨で暇だったから あいつの部屋の襖の上にタライ仕掛けて開けたら頭がいんってなる様に

家康「彬羽も何で毎回引っ掛かるの」うわー

彬羽「Σ近眼なんだ仕方ねえだろ!

人で遊ぶなこの馬鹿たれがっ」

タライがんっ!

白「痛い。」


魄哉「わざわざ持って来たんですか。」うわあ

晴明「まあ、はた迷惑はいかんな。「アンタが言いますか」




彬羽「で、 何だお前ら また何かいがみ合ってたのか」

魄哉「いがみ合ってません 鬱陶しいんでちょっと黙って頂こうかと」
彬羽「そうか。落ち着け」

晴明「案ずるで無いわ
こやつは周囲に被害の及ぶ暴れ方はせぬ」ふっ


白「やっぱちょっと痛い目遇わせた方が良いな晴明」たんこぶ。

家康「お前が言うの?」




彬羽「・・ あー まあ何があったか察しはつくしな
どうしてもやるなら素手で行け 素手で」

晴明「おい。符使わんかったら私は非力

千様「はあーい。もう能力無力化ゾーン入ったわよー?
江戸城壊したら色々問題有るでしょー」ひょこっ

晴明「Σあああ符がボロボロ地に落ちる!!」ひいっ



家康「ん?何で千ちゃんまで?」

千様「ちょうど良かったわー 江戸城大破防止代って事で
新作の着物欲しいのー」にこにこっ

魄哉「Σタカりに幕府中枢部来るのやめてくれません!?」

千様「いいじゃない アンタ稼いでるんだしー」


晴明(何が凄いって こやつ等そういう仲でも何でも無い事よな) うわ。





千様「はいっ。そういう事でちゃっちゃと終わらせてね 雨の日ダルいのー」

晴明「このテンションでやれと。」

魄哉「僕は構いませんが? 絶対負けませんし
それともあんだけ調子こいておいて条件悪くなったら逃げます?」

晴明「は? 誰がやらんと言うたか」むかっ




白「さっきの分 しっかり煽り返してるな」

家康「天海 負けっぱなし嫌いなんだよ」あーあ。

彬羽「おさまると思って提案したんだが それでもやるのか。
そもそも晴明は素手で何か出来るのか?」


白「出来るのか?」はて。

家康「典型的なインドア学者タイプだよね?」えー。




晴明「ふっ 稀代の陰陽師をなめるでないわ


平安京で妖怪相手にあれやこれやそれややっとれば人並み以上の体力くらいつくわい!」くわっ

魄哉「ああそうですか
僕は徳川忍の始祖です。」しれっ


彬羽「Σどう考えても格が違うだろ!」


千様「あら?晴明さん死んじゃわない?」

白「トドメは刺さないと思うけど
結構怖いとは思う」うん。



魄哉「では
参ります」

ちょりっ!


柱にすととととん!!

家康「Σっぎゃーーっ!!」ひいいっ



晴明「Σ待てこら
素手ではないのか 何かかすめたぞ!!」ひいっ

魄哉「おやこれはうっかり
振りかぶった拍子に 事故です事故。」ちっ


彬羽「寸鉄 か。」うわ。

千様「あー 挿音がよく使ってるわ
棒手裏剣とどう違うのか解らないのよねー」あらあらっ



白「反則しないと勝てないみたいで格好悪いから 事故やめような」

魄哉「そうですね 前向きに善処します。」指ぱきぽきっ




晴明「おい。私はここまで怒られる程の事したか?」

家康「うん。自覚ないならやっぱ殴られて」

晴明「Σアホかこやつのなんぞ食らったらくたばΣうおおっ!」伏せっ


魄哉「おや。さすがは狐
反射神経は有りますね」ほう。



一同(怖っ。)





魄哉「ほらほらどうしました! 仕掛けて来たのそちらでしょうが!!」

晴明「Σうおお 待て待て待てまてっ!!」ひいいっ




粋「あ。でも凄え
晴明何気にキッチリ避けてねえ?」

白「あれ? どうしたお前等」

テオドール「傘をお持ちしました。
彬羽さんにはお渡しする暇御座いませんでしたし」ひょこっ


彬羽「・・。」ずぶ濡れっ

家康「うん。雨ガン無視で突進して来たの凄い解るよ」


粋「おっ やっぱ避けてる
やっぱ運動神経は動物なんだな」へー。

テオドール「袈裟であれだけ動ける魄哉さんも大概無茶で御座いますがね」おおっ




家康「あ、そっか。あの2人平安京ではコンビ組んでたもんね」ほう

千様「それ関係有るの?」

家康「大有りだよ
相棒ならお互いの動きの癖くらい解ってるからね ほら見て

天海 攻撃の合間合間に足ばらい入れて来るでしょ
実はガンガン仕掛けてるのは全部フェイク。足狙って転倒させるのが本来の狙いだよ」ほらほらっ

粋「うん。お前もよく解ってるよな」 うわー。


家康「そんなんじゃ戦国で生き抜けませんよって散々しごかれたからねえ」遠い目。


テオドール「成る程。袈裟の袖まで使って目潰し狙って来ておられますし
殴打以外で戦闘不能を狙うタイプなので御座いますね」ほう。

千様「テオ君 ホント格闘技観戦は好きよね」

テオドール「見る分には私は全く痛く御座いませんので。」にっこり。

粋「何気に酷え」



家康「まあ それに気付いちゃったら 防御無視の容赦ないボディブローが来るんだけどね」

彬羽「体験談か。」

家康「人間の体だと 数日は胃がまともに機能しなくなるんだよねえアレ」ふっ



晴明(Σこちとら狐じゃぞ!聞こえるわ
だああそこまで知りたくなかった!!) ひいっ

魄哉「ひょいひょい良く逃げますねえ

仕事溜まってるんでそろそろダウンして下さい」


晴明(Σ殺られる!!)背筋ぞわっ




粋「Σあれ 魄哉キレてねえ!?」ひいっ

白「キレてなきゃこんなのなってないぞ」

テオドール「Σちょっ 目がマジに御座いますよ!!」ひいいっ




晴明「なんの! 一瞬の脚力なら鳥より狐のが上


がいんっ!!

晴明「Σぶっ!?」



粋「Σこの部屋何でタライぶら下げてんの!?」えええっ



晴明「あ、頭がっ」くわんくわんくらくらっ




白「あれ? お前が持ってきたタライじゃ?」

彬羽「いつの間に。」えええっ





魄哉「だから 最初に徳川忍の始祖だって言ったでしょう

ケンカしてるフリしながら罠仕掛けるとか忍有る有るでしょうが」糸きりきりっ

千様「んな器用なのアンタくらいじゃない?」えー。


粋「Σあ。凄い高い所に寸鉄がっ」

テオドール「アレから吊り上げておられたのですね」へー。

白「あ。最初の時か」手ぽん。

家康(私に投げたの目眩ましかあ) うわー。




晴明「お前っ 素手のケンカというルールだぞ」くらくらっ

魄哉「何言ってるんです
ぶら下げてたら御自分で頭打ち付けたんでしょう?
狐はすぐ真上に飛びますからねえ」ぷーくすくすっ

晴明「Σ万倍にしてやり返してきおった!」むかああっ


魄哉「僕の目的はあくまで煩い狐を黙らせる事ですからねえ
さて、気が済んだなら帰って下さい お仕事あるんで

不服ならもう一戦 お相手致しますが「仕方ない 今日の所は退いてやろう。」




彬羽「また量多いな 手伝うか
蒼月も呼ぶか?」

魄哉「ですねえ。
手は多い方が良いですし」書類よっこらせ





白「どんまいだ。」

晴明「Σ私は野蛮なのには向かーん!!それだけだっ」

千様「はいはいはいはい。
希望どおり相手して貰ったんだから帰りましょうねー」





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座敷童子「すまん。 晴明が帰ってきてから面白い事になっとるんだが。」

シロ「Σぶっ! 何だ良いトシしてその尻尾と耳はっ!?」


晴明「Σ煩い 引っ込まんのだ!!」くわっ



千様「能力無効化食らってるのに 結構本気で命の危険感じたからかしらねー?」あーあ。

彬羽「もしくは狐の身体能力使い過ぎて そっちの部分が表に出て来たか」うーん。



白「魄哉に頼んだら引っ込めて貰えるのに」

晴明「あの性悪 絶対指さして笑うじゃろ!! 」ぎゃんぎゃんっ





座敷童子「良いトシこいた爺が ケモ耳尻尾か」ため息っ

一二三「えー。もふもふで可愛いだよ」あははっ

晴明「Σぐ!」




粋「あ、幼女に言われんのはキツいこりゃ。」うわー。





魄哉「天罰ですね」

晴明「Σ!?」ぎくっ


家康「あ。おかえりー」

魄哉「おやおやその格好なら江戸城来れませんねえ
頑張って自力で引っ込めて下さいね?」


晴明「前っまえから思っとったが お前狐の数倍性格悪いぞ!」
魄哉「知ってます てか今更でしょう

そおれ 油揚げっ!!」ぶんっ



家康「Σ晴明さんせめて2足歩行でっ!!」ひいいっ





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