魄哉「あー やっとの休みです。
肩凝りがとれませんねえ」ほっと一息っ
家康「毎度政務お疲れ様だね
じゃ ちょいお茶淹れてくるよ」よっこらせ
千様「あ、殿 アタシもー」ごーろごろっ
障子すぱーんっ！
ウカノカミ「すみません！うちの子達知りませんかー！！」半泣きっ
家康「Σわーっ！！」茶ばしゃー
魄哉「Σすみません！どちら様ですか！？」ひええっ
ーーーーーーーーーーーー
彬羽「ウカノカミか
何があった」うわ。
白「神無月以来だな」うん。
ウカノカミ「その節はどうも あ！そちらのカラスさんには うちの子達が異物飲み込んだ際にもホントにお世話になりまして」ぺこぺこっ
蒼月「うちの子？ て事は子持ち？
俺はバツイチでも問題無
千様「はいはいはいはい。 どう見ても神様よこの子
バチ当てられるわよー？」
ウカノカミ「あの方は蛇？
眷属の御方とか？」えっと
白「ただの居候仲間だ」
ウカノカミ「Σえ゛」
家康「まあね。仮にも魔王だからね」うん。
魄哉「白君庶民派ですからねえ」苦笑。
蒼月「天海坊してんのに庶民派のアンタが言う？」
彬羽「ん？ちょっと待て
いつも連れてるのをうちの子呼びしてるのか？
と、なると 今捜しているのは」嫌な予感っ
ウカノカミ「はい！うちの子達が盗まれました！！」涙だばーっ！
魄哉「Σお稲荷さんの狐像ですか！？」ひええっ
蒼月「え。この人 御狐様なの？」
彬羽「いや 稲荷って言葉には色んな意味とタイプがあってな
稲荷神社ってのは 本来１人の神を奉ってる物じゃねえ
複数の神をまとめて奉り、その神々の使いが 神狐。
と言う事なんだが」
魄哉「その中でも 稲荷神社の定番みたいな神様がウカノカミさんですよね
つまり、人の世に浸透するくらい神狐さんとも仲が良いと言う事ですが」うーん。
ウカノカミ「今朝起きたら 偉く静かだなって
表見に行ったら 鳥居の左右の狐の置物が無くなってまして」しくしくっ
家康「Σえ。あれ 中身入ってたの！？」
ウカノカミ「はい。付喪神みたいな物です」しくしく
粋「え？じゃあ何
あの狛犬みたいな狐の像取り返さないと 可愛がってる狐と引き離されたまんまかよ！」えええっ
ウカノカミ「あの子達 私が居ないとあまり像から離れては動けないんです」ううっ
テオドール「成る程。 石燕さんと与一さんみたいな物に御座いますか」ふむ。
粋「えーと。じゃあ狐の像を捜しゃいいんだな！
あんなクッソでかい石の固まり そうそう担いで歩けやしねえし！運んでても目立つだろし
よし！九尾居んだろ！？ この姉ちゃんの神社の近くで聞き込みすんぞ」
九尾「いやおるがの。
わちが背に乗せるのはだーりんだけと
粋「Σ同じ狐として薄情すぎねえ！？
ほら ちゃっちゃと行くぞ」ほらほらっ
九尾「しゃーないのう」しぶしぶっ
粋「よっしゃ！ ちょい行ってくらあ！」
突風ごうっ！！！
白「別に聞き込みとかしなくても捜せそうなのにな」ありゃ。
彬羽「口を挟む暇もなく 突っ走ってったな。あの御人好し」あーあ。
魄哉「どうです？小太郎君
狐像の首にかかってた締め縄だそうですが。」
小太郎「ふんふん。良し！匂い覚えたっ」わんっ
ウカノカミ「Σああ！さすが訓練されたわんわんっ
ガタイが良いだけに逞しいっ」おおおっ
テオドール「犬の追跡能力にガタイは関係ない様な気が。」
家康「二足歩行でコミュ力満開のわんわんだからね
安心感有るんでしょ」
小太郎「良し 任せろ！
狐達はちゃんと連れて帰ってやるからな」わんっ
ウカノカミ「はいっ、よろしくお願いします わんわん獣人さん！」ほっ
白「あ。ウカノカミ
京に住んでる小太郎の彼女に似てるな」手ぽんっ。
蒼月「あーはいはい カヤちゃんね。
あの手の子は 浮気したらマジで手術されちゃうから気を付けろよ」にやっ
小太郎「Σ何の手術！？」ぎゃいいんっ
家康「追跡前から心折らないであげて」ひええっ
石燕「しかしバチ当たりな人も居るもんすねえ
つか人間っすよね？」
魄哉「妖怪なら妖怪で問題有るから 魔王様の住居に助けを求めて来たんだと思いますよ」
石燕「まだどっちか解らないんすか」成る程
シロ「小太郎へこむな
お前の事だ やましい事等なかろう。
さあ！狐共を取り返しに行くぞ！」びしっ
小太郎「・・ちょっとだけ ごめんなさい」きゅーん。
シロ「Σんなっ！？」えええっ
蒼月「ワンころも所詮はオスだって事だよ」ふっ。
白「よし。知り合いに動物の追跡得意な奴居るし」押し入れよいしょっと。
ウカノカミ「あの、あの獣人さんは？
何故に押し入れ？」えーっと
テオドール「申し訳御座いません
小太郎さんは 基本わんわんなので心が折れるとお散歩出来なくなるのです」
ウカノカミ「はい？」
彬羽「本来は九尾に頼みたかったんだが
行っちまったしな
他の狐で代用するしか無いだろ」やれやれっ
ウカノカミ「だから 何故に押し入れなんですか？」
ーーーーーーーーーーーー
晴明「まあな。他の妖狐の妖気を追うとなれば
同じ狐で間違いなかろ」こんっ。
ウカノカミ(Σ押し入れの中にとてつもなく広い住居が！
これが魔王の力ですか！！)ひええっ
晴明「いや あれは私の結界内ぞ
それの入り口をあの押し入れに繋げとるだけでな」
ウカノカミ「Σ何故に押し入れ！？」
彬羽「で、どうだ？」
晴明「狐は縄張り意識が強いでな。
匂いは解るが距離が有るな。移動が面倒だ
朧車はちと匂いが混ざるし なんぞ良い移動手段は」
カラス軍団「かーかーかーかーかー。」
彬羽「お前1人くらいなら 左右からぶら下げた板に座ら背手運べるらしいが？」
晴明「私は何処のゲゲゲだ。」
魄哉「あ、でもこれ良いですね
きっと似合いますよ」
晴明「Σ似合いたかないわ！
つか 乗りたいならお前代わりにやれ！」
魄哉「僕は明日またお仕事ですんで
こんなんに揺られたら絶対腰痛くなりますし」
晴明「くっ！ クソジジイめがっ」
家康(そもそも天海は本人が鳥なんだけどね。)
千様「えー。でもこれ楽しそうよねー？」ねえ？
テオドール「粋さんがこの場におられたら 絶対乗りたがられましょうね」ほうほうっ
与一「良いな」おおっ
石燕「アンタは風で飛ばされるでしょが。」
家康「私もちょっと乗りたいなあ」あははっ
晴明「仕方ない 今回のみぞ」
一同(チョロい。)にやりっ
白「お前等 結構役者だな」
彬羽「よし。晴明だけじゃ何するか解らん 俺等も行くか」カラス羽ばさあっ！
テオドール「で、御座いますね
コウモリ羽出します」血液アンプルごくんっ
ーーーーーーーーーーーー
ウカノカミ(普通に乗り物にされてる)朧車で追跡がらがらっ
白「バカラス 揺れてるぞ」背中にちゃっかり。
晴明「思ったのだが
普通にお主 乗り物扱いなのだな。」カラスのブランコぶーらぶらっ
彬羽「うるさい。」ばっさばさっ
テオドール「申し訳御座いません
私は馬力が御座いませんので 誰か乗せたら落下致します
ん？どうされました」
晴明「近いな」くんっ
ウカノカミ「Σホントですか！？ え！どこどこ！？」
白「こんな人の居ないとこ ん？
あの荷車何だ？」指差しっ
彬羽「ん？ アレはな
牛や馬の餌になる飼い葉を運んでる所だ。
一緒に運んでるのは 肥料を入れる桶・・」
晴明「やってしまえ。」指差しっ
白「よし。揺らすなよ」雷バチバチバチチチッ！！
彬羽「Σうっお お前人の背中で！」あだだっ
テオドール「おお！雷久々に御座います！」
白「上からなら此方のが早いし
石なら感電しないだろ 多分。」
ウカノカミ「Σ意外と考えてらっしゃる！！」おおっ
彬羽「Σこっちの事も少しは考えろ！」しびびびっ
盗人A「ん？ なんか変な音しねえか？」
盗人B「気のせいだろ。
まっさか神社の備品盗んだからってビビってんのか？」
盗人A「Σんなワケ有るか！
だいたいあんな所にこんな物 どうどうと置いてるのが悪いんだ
この手のは長崎とかで外国の奴に高く売れんだろ？」
盗人B「そうそう
まあ、盗られる方が間抜けって事で。
神様なんざ人間様の前では無力って事
ガラピシャーン！！！
盗人AB「Σぬわあああああーーっ！！！」しびびびびっ
間。
ウカノカミ「さあ！うちの子達を返しなさいっ！」
盗人A「Σなんだこの姉ちゃん！」しびびびっ
盗人B「Σあ！巫女！？
あの神社の奴か！？
畜生 追いかけて来やがったか」しびしびっ
テオドール「案外元気に御座いますね」岩影こそっ
白「だな。加減って難しいな
でもってお前 そこから出るなよ
今デカコウモリだし」
テオドール「かしこまりました。」むう
彬羽(物騒なのが動けなくて良かった) ちょっとホッ。
ウカノカミ「くうっ！ あの子達を誘拐してて何て口をっ
もういい 二人共どこーっ！？」荷車がさがさっ
盗人A「Σあ！手前こらっ」
ウカノカミ「Σあっ」
彬羽「居たか？」
ウカノカミ「肥桶の中に。」涙目っ
一同「Σやっぱり！！」ひいっ
晴明「ふんっ！」扇子ですぱーん！
盗人AB「Σ痛い！！」
晴明「Σ喧しい！嗅覚の鋭い狐にしたら地獄ぞこんなの！！」くわっ
テオドール「Σあの晴明さんが他人の為にお怒り！？
相当で御座いますよコレ！」ひええっ
彬羽「お前等 罰当たりにも程が有るだろ」生ゴミ見る目っ
盗人A「喧しい！この世に神も仏もねえんだよ！」けっ
盗人B「そうだ金だ！金さえありゃーどうにかなるんだ
これからは神様よりお金様の時代よ！」けっ
ウカノカミ「Σ何て事！？」がーん。
テオドール「だ、そうで御座いますよ？
我が『破壊神』様。」
白「うん。
神様怖くないなら俺なんてミジンコ程も怖くないよな」雷バチバチバチイィっ！！
盗人AB「Σ え」
彬羽「まあ 今回はな」うむ。
晴明「鉄槌食らわせてやれ」ふんっ
九尾「なあ。あの雷よ」こんっ
粋「うん。兄貴がお怒りだな」うわ。
ウカノカミ「どうどうどうっ！
二人は私が綺麗にシャンプーしてよしよししますから！
無駄な殺生はいけませんっ」
白「殺生はしない
はんごろし「Σだめです！この人達にもお金が必要な理由があったのかも知れません！」
盗人A「Σえ。なにこの女神様！？」ひええっ
晴明「だから神ぞ。」
盗人B「Σ本物！？
うおお！すんませんしたああ！！！」土下座っ
盗人A「マジで居るんだ神様！
一生崇めさせて頂きます！」おおおっ
彬羽「神の威厳は保たれたし セーフか？
ウカノカミが良いならお前がやる必要も無いしな？」ふむ。
白「俺は釈然としないけどな」むう。
晴明「もう２、３発殴っても良いとは思うがの
甘い奴等よ」ふんっ
テオドール「あの それよりも、早くお狐さん方を肥桶から出して差し上げた方がよろしいのでは？」えーと。
一同「Σあ」
お狐ズ「・・・。」しくしくっ
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