小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月3日

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江戸城






女中A「あれ?あんな庭師さん居た?」

女中B「天海様のお知り合いの庭師さんらしいよ
今年寒かったから庭の木見てもらうんだって」


女中C「そうそう。不審者じゃないよー
笹だんご貰っちゃった」うへー。

女中A「アンタね。」うわ。

女中B「何かこう。さすが天海様のお友達って感じだね」わおー。




庭師(茨木童子)(どんな影の支配者だよ 天海サマ)
枝ちょきちょきっ


女中B「あのー なんでそんなおっきなカゴ?被ってるんですか? 小さいのありますよー?」じーっ

庭師(茨木童子)「Σへ? あ、えーとコレは蜂対策でっ」

女中C「今って蜂居ますか?」えー

女中A「あーこらこらアンタ等 邪魔しないの」


庭師(茨木童子)「あ、マトモな人いた
えーと。すみませんが 今日1日この辺散らかしますんで皆さんでどうぞ」笹だんごの包みっ

女中A「Σえ うわすみませんっ」

女中C「わーい」ひゃほう。

女中B「じゃ休憩の時に皆で食べよー
邪魔しちゃ悪いし お仕事頑張って下さいねー」にこにこっ

庭師(茨木童子)「はいはい。そちらさんもお仕事頑張ってねー」手ふりふりっ



メジロちゅんちゅんっ


茨木童子「俺は桃太郎か。」ぼそっ

メジロ「ちゅんっ?」






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家康「あれ お前来てたの?」

茨木童子「お宅の軍師に仕事有るって呼ばれてな
あー。暑苦しかった」カゴばさっ

魄哉「すみませんねえ。 飛天君に頼むと庭が総マンドラゴラ化しかねない物で
おや?」

茨木童子「ん?」

魄哉「ツノ無いと なんか頭が寂しい様な?」

茨木童子「ハゲてるみたいな言い方やめろ」

家康「ごめん。悪気は無いんだよ」



茨木童子「人間の領分に入る時は極力引っ込めてるんだよ
あんま得意じゃ無いから 飛び出ても良い様にカゴ被ってるけどな」ぱたぱた扇ぎっ

家康「扇子いる?」

茨木童子「いやそこまでは。

あ、そうそう言われた木だけどさ。
健康面は問題無し 単に数日前まで雪降ってた異常気象だからまだ寝てるだけって感じで
だいたい昼過ぎには動き出す様に起こしといた。
お、お茶どうも」

魄哉「お、さすが いやー助かりました。」ほっ

家康「好み解らないから緑茶にしたよー。
てか天海 いつもなら木とか自然に芽吹くでしょ派なのにどしたの?」



魄哉「ヒント 今日は何の日でしょう?」

家康「Σあ。桃の木!?」はっ

茨木童子「当たり。ここ女中多いからなあ」うん。


魄哉「あの子達は 親元離れて住み込みでお仕事してくれてるんです
出られないわけでは有りませんがいちいち申請要りますし こう言う行事って大事なんですよ」にっこり。


家康・茨木童子(さすがは徳川のオカン。)すんごい納得。


魄哉「何です?」

家康「いや それじゃうちも今頃一二三ちゃんので大わらわだろうなーって」

魄哉「晩御飯ははしゃいだ感じのちらし寿司でしょうねー」うんうん。

茨木童子「あの嬢ちゃん ホント愛されてるな」しみじみ


魄哉「あ、帰り茨木君も寄ってきます?

何やっても基本どんちゃん騒ぎですし 皆1人2人増えても気にしないですし」

茨木童子「うん。ケガする気しかしないから良いや

仕事も終わったし」よいせっと。


魄哉「あ、お代はいつもの月末締めですか?」

茨木童子「あーそれで。
その辺置いとくとアル中バカが使っちまうし」はーやれやれ

魄哉「酒呑童子君 人のお財布手を出すんですか?」えええっ

茨木童子「いやうちの山 財産は皆で適当に使うかってノリだから」

家康「お前の管理もザル過ぎないかなあ」うわあ。

茨木童子「鬼にしちゃーキッチリしてる方だって

じゃ、毎度。またのお声かけお待ちしてまーす」ザルかぽっ




魄哉「支払いの時に貯金箱とかオマケでつけましょうかね?」

家康「即座に割っちゃうんじゃない?」うーん。




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【町】



茨木童子(んー。せっかくだし何か買って帰るか
味噌と塩さえありゃ後はどうにかなるけど
てか雛祭り? ってそもそも何する日なんだろ) ぶつぶつすたすたっ


ざわっ!


茨木童子「ん?」



町人「暴れ馬だーー!」ぎゃああっ

何処かの爺「若様お止め下さいい!!」ひいいっ

何処かの若様「わははは退け退け下々の者共おおおお!!」わははははははっ

馬「ぶひひひーんっ!!」パカラッパカラッ



茨木童子(うっわ 絵に書いた様なバカ若様。)うげー。

町娘「ほらお兄さん 逃げて逃げて危ないよ!」

茨木童子「え?ああうん
何?皆避難慣れしてるぽいけど この町じゃあんなの多いとか?」困惑っ

町娘「バカ様はさほど無いけど 降って湧いた災害はしょっちゅう!」きっぱり

茨木童子「Σなんでんな所住んでんの!?」えええっ



若様「Σこらお前等! 誰がバカ様かっ!!」かちーん。

町娘「Σぎゃ 地獄耳!」全力ダッシュ


茨木童子(本っ当に手慣れてる)引。


婆ちゃん「菱餅買えたよー あれ?おしづ何処行ったんかのー」よぼよぼぷるぷるっ

茨木童子「Σえ。 さっきの女ちょっ!婆ちゃん忘れてるっ!!」




何処かの爺「Σうおお若様 前っ前えええ!!!」ひいいっ

若様「Σあ、ちょ 退け婆っ!」わたわたっ

馬ぶひひひーんっ!





どがしゃーーーん!!



町人一同「」絶句。




茨木童子(脊髄反射で馬ぶん投げちゃった) 冷や汗どばあっ

婆ちゃん「兄さん力持ちじゃのー」おおおー

何処かの爺「Σ若様あああーーーっ!!」うぎゃあああっ!




茨木童子(いやこの場合仕方ない仕方ない仕方ない
トラブル多い町みたいだし 昔力士目指してましたとか何かそんなので誤魔化せる多分行けるきっと行ける) 必死に平常心っ





婆さん「あら兄さん
なんか頭についてないかい?」老眼細めっ

茨木童子「へ?
Σあ。 まさかっ」頭触りっ



ツノにょっきり。

茨木童子(Σ言い逃れ出来ねええええええ!!!)




町人一同ざわざわっ


茨木童子(どうする! 人間の中でこんなの下手すりゃ即リンチだぞ!?
殺られる前に殺るってのも また鬼に対する敵対心生んだら山の奴等俺の左腕の二の舞じゃねえの?
うわ どうしたらっ)混乱っ


婆ちゃん「なんか刺さったんかね? 老眼で見えんわー」うーん。


茨木童子(とりあえず 相手が戦闘体制に入る前に 人垣突っ切ってどうにか逃げ切る!!)くわっ





粋「とざいとーざいっ

枯れ木に花をーー」

茨木童子「お?」ぴくっ




粋「咲かせましょー!」灰ばさあっ!!

桃の花ぽぽぽぽんっ!!



町人ズ「Σおおおおっ!?」



婆ちゃん「おー 凄いのー
遠くはよく見えるわー」かっかっか。


粋「どもー 毎度お馴染み芝居小屋の宣伝っしたー!」わはははっ


盆栽屋「Σおおお!店頭の盆栽まで満開に!!」おおっ

町人「すっげー!」拍手っ



若様「おい。あの鬼何処行った」ボロッ

爺「鬼? 爺は見ておりませぬが?」はて。
若様「Σお前の目は節穴か! ほれさっきの黒い男だ 消えとるだろが!!」

爺「若様の馬が蹴り飛ばしてしまったのでは?」きょろっ

若様「Σ蹴ったらさすがに解るわ! 探せ探せ昼間から往来にモノノケがうろついておる等言語道断
白「これ以上ケンカ売ったら 呪うぞ若様」ボソッ

背筋ぞわっ!




若様「 ? ? 」きょろきょろっ

爺「どうされました?」

若様「あ、いや その。
・・帰るか」背筋ひんやりっ





粋「お。兄貴 どこ行ってたんだよ」

白「散歩。」扇子ぱたぱたっ


町娘「Σぎゃー!桔梗ちゃんよー!」きゃー!





粋「さーて、ではではお騒がせしましたー
続きは芝居小屋までお越しくださーい」カゴ担ぎどっこらしょ


茨木童子「助かった。」カゴの蓋そっと開けっ

粋「いやいやこっちは兄貴で慣れてるもんよ」ひそっ


茨木童子「慣れるのもどうかと思うけど。

助けられといて何だけど その、さっきの灰ってひょっとして。」嫌な予感っ

白「とっさにな。テオの耳元で紙風船パーンてな。」しれっ

茨木童子「それで灰になるって 生きてけんのかあの吸血鬼」うっわー。

白「大丈夫だ。あれくらいの散らかり様なら拾わなくても復活出来るから」しれっ

茨木童子「Σそういう問題!?」




庵「あれ?アンタ等も来てたの?
暴れ馬だって怖いよねー」

橋ばきゃどぱーん!!



町人「Σ橋が落ちたぞおおおお!!」ひいいっ

庵「・・あれ?」嫌な予感っ



町娘「きゃー!桔梗ちゃんが落ちたー!!」ぎゃあああっ




粋「Σだあああ兄貴いいいい!!」

茨木童子「Σカナヅチなのに何でこんな水に好かれるかなアイツは!!」

庵「Σごめーん!!」※貧乏神体質。






婆ちゃん「あーもしもし そこの兄ちゃん達」ちょいちょい

粋「え!何!? 今ちょっと忙しいんだけど!?」わたわたっ

庵「すんません!おっちゃんそのタモ網貸してっ!!」ひいいっ







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大江山




酒呑童子「Σうっお甘っ
最近のは旨えな
どしたのコレ。」

茨木童子「貰った。」

酒呑童子「ん? 仕事の報酬?」もぐもぐっ



茨木童子「んー なんつーか

ほら 雛祭りだし?」菱餅もぐもぐ。

酒呑童子「? 俺等関係ねえよな?」はて。







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