小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月12日

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【芝居小屋】


皐月「おー 粋の奴頑張っとるやん」舞台袖でコソッ

つつじ「どすなあ。そろそろ脇役でもちょい名有りを割り当ててエエかもしれへんどすなあ 」こそっ

白「ガチガチだけどな。」むう。


つつじ「新人はんはあんなもんやろ
こんなん場数踏んだら馴れるもんどすえ?」

白「俺はガチガチならなかったし」ぷいっ

皐月「身内が御師匠やと面倒やな

お。そろそろハケて来んで」

つつじ「ほな わてらの出番やな
さーて。気合い入れて一丁


白「Σあ」

つつじ「へ? Σだああっ!!」ひいいっ





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【芝居小屋楽屋】



シロ「御免。 出前だ」びしっ

皐月「どんな出前の仕方やねん」

シロ「この量持ってくるだけで気合いが要るのだ そのくらい勘弁し

Σうお何があった」びくっ


粋「・・・。」ずーん。


皐月「エエ加減隅っこで拗ねとらんとこっち
来いや。御飯食べえ?」

粋「・・いい。」どんより



シロ「何があったのだ?」ひそっ

皐月「それがなあ、 見習いなりに今日はちょい役で出番あってん
で、ガチガチやけど上手くやってるやんって私らも見とったんやけどな」

シロ「ふむ?」


皐月「ハケる時になってよっしゃ
終わり!て気ぃ抜けたんか 早足で足もつれてスッ転んでお囃子の人等の所に勢いよくずしゃああ!て突っ込んでなあ」ため息。

シロ「Σ大惨事では無いか!」ひいいっ



皐月「うん。そんでめためた怒られてんねん。」

シロ「それはな。客も来ておったのだろうし叱られても仕方無いが」うーん。

皐月「いやそこは良くは無いけど まだエエねん

うちは大立ち回りが売りやから 結構ハプニング有るしな
ぶっちゃけ白も勢い余ってちょいちょい客席落下しとるし」

シロ「どんな芝居小屋だ。」引。

皐月「そういうの有りきで 今回ピタッと綺麗に収まるか!てのもお客さんの楽しみらしいで

やから お客さん達も他の芝居小屋と比べるとミスくらい多目に見てくれるんやけどな」

シロ「ふむ?」



つつじ「はいこちら。見習い衣装一式どす。」のしっ

シロ「Σうおおお!なんだこの重さっ!! 」ずしっ

皐月「な?こんなんで突っ込まれたら危ないやろ?」


シロ「Σそういう事か!」ずしっ

つつじ「お囃子の人も今回怪我無かったからエエんやけどなあ

多少のミスには目え瞑ったとしても ケガ人は絶対アカンのどす。
粋はんの場合 身体能力は有るのに最後の最後で手え抜いて人にケガさす所やった。
それはアウトって事で ごっつい怒鳴られとったわ」ため息。


シロ「ん?怒鳴られてたと言うのは。お前にでは無い よな?」

つつじ「白はんにどすえ」きっぱり

皐月「ボケーッとしとるけど怒る時ごっつ怖いであいつ。」

シロ「Σ俺でも怒鳴られた事無いのだが!?」

つつじ「いや あんさんエエ子やろ?」

シロ「Σ日常的に隙有り!と斬りかかっておってもか!?」


皐月「大して危なく無いんやろな」きっぱり。







庵「こんちゃー
シロ来てない?出前から帰らないって心配し Σうおうっ!?」びくっ



シロ「半人前とは辛いものだな」ずーん。

粋「だな。頑張れば頑張る程自分の未熟さ思い知らされるっつか やべ泣いて良い?」ずびっ



庵「何で2人して火の玉しょってんの?」

つつじ「凹む時は凹んだらええ。
そうして皆大人になるねん」うんうん。

庵「えーと、なんか解らないけど シロ置いてくから帰りにお重渡しといてね。」困惑っ







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家康「へー。そんな事が有ったの」ほうほう

庵「って事で シロは筋トレしてスッキリしたみたいだけど
あっちがヤバいからケア宜しく」すたすた。

家康「うん。わさわざありがとねー」手ふりふりっ




千様「シロ君が熱血バカで良かったわー」しみじみ。

蒼月「確かにね
つーかさ 怒鳴られるだけで良かったじゃん
ボコボコにされなかっただけでも儲けもんだろ?」

粋「それが無いから余計に辛い」じめじめどんより。



家康「まあ いっそ殴ってくれた方がって気もしないでも無いかもねえ」うーん。

蒼月「殴られたら殴られたで痛みでジメジメ増幅しそうだけどね。」


小太郎「なあ。そこまで怒る事なのか?
白だって落っこちたりはしてるんだろ?
キツ過ぎないかなあ?」わおんっ



家康「んーとね
それはね 白は落下しても絶対誰も巻き込まないように気を付けてるからだろねえ」

小太郎「Σえ。そうなの!?」ぎゃおんっ

家康「普段でも立ち回り見てたら解るよ
身体能力高い分破壊力の有る子だからね 誰か捲き込んだら命に関わるっての解ってるんだよ

だから基本

彬羽くらいしか捲き込まれてない。」きっぱり

彬羽「そうか。アレはわざと避けねえで居たのか。」ほう。



千様「あら彬羽君お帰りなさい」

蒼月「お前簡単に壊れないし別に良いじゃん」

彬羽「Σ良いわけ無いだろ!!」




家康「って事でね
あそこの客はほとんどがひ弱な人間だし。
そこで避け様の無い事故なら仕方無いけど、お前が手や気を抜いて誰かを捲き込んじゃったらどうなるかな?」

粋「Σう、そりゃあ」

家康「お前ね。お兄ちゃんより人間成分多いから忘れがちだけど 身体能力は『化物』なんだよ。
人相手じゃ下手すりゃクチャッと潰しちゃって終わりなんだよ

自分の手抜きで誰かの命を奪っちゃったら最悪だよねー?」

千様「あー そういう。」ふむふむ。


家康「だから 物凄く怒ったんだよ
ね?凄く怒れたから二度と手を抜かない様にって思ったでしょ?」



粋「・・・。」ぶわっ

小太郎「Σ泣いたあっ!!」ぎゃおおんっ!!

彬羽「Σどんだけ思い詰めてたんだ手前!!」

粋「だって!だってよおおおおっ」えぐえぐっ

蒼月「Σちょ こわっ!何歳児だよ落ち着けよっ!!」ひいいっ




シロ「本当にあの 脳ミソスッカスカのあやつがそこまで考えておるのか?」

家康「えーと。
あくまで私ならそう取るねって話なのは内緒にしとこうかな。」しれっ

シロ「おい。」

家康「いやーだって 凹みっぱなしで可哀想だっんだもん
良いんじゃない?それで今後事故無くなれば」あっはっは。

千様「殿、さっすが戦国生き抜いて来ただけあるわあ」うわあ。






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白「なんか気持ち悪い。」困惑っ



粋「おうこら手前!
何処の三下だコラ兄貴に逆らおうなんざ百年早いんだよっ!!」けっ


千様「あのボコボコなの誰?」

蒼月「お兄ちゃん倒してこの国のモノノケ大将の座をーって奴の成れの果てだよ。」



家康「さほど解釈間違って無いと思うから 私のせいじゃないよ?」

白「お前いったい何言ったんだ」むう。



千様「ますますお兄ちゃん離れ出来なくなっちちゃったぽいわねー」あらあ。

小太郎「ますますベッタリだな」うん。





粋「誰の御前と思ってやがる! 頭が高いっ!!」くわっ



小太郎「あ。シロみたいになってる」

シロ「Σ俺はあんななのか!?」




白「俺いったい何だと思われてるんだ。」むう。

彬羽「いや 実際身分は高いんだぞお前は。」



家康「色々自覚無いのは血筋 かなあ?」苦笑。




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