小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月11日

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彬羽「犬神か 気が進まねえな」ため息。

小太郎「いぬ?」わおんっ


蒼月「あー 土佐の方で偉い事になってるんだっけ?
向こう犬神発祥の地だもんね」


白「なあ犬神って「付箋の所だ。読み仮名つけておいたから読めるだろ」妖怪名簿ぽいっ

粋「え?何?なんかいつもと違くね?」


白「あー 成る程」名簿閉じっ

粋「?」




白「お前今回留守番な」

粋「Σえー!なんで!?」がーん。



千様「あら?妖怪絡みのトラブルなら 粋君連れてった方が楽なんじゃないの?」

シロ「いわゆる『お化け』に近いのではないか?
こやつ自分も化物の癖にビビりだからな」うむ。

粋「Σう!ぐうの音も出ない!」ぐはっ



家康「あーえっと アレはお前の為を思ってだと思うよ?」

粋「へ?」

家康「私も知識でしか知らないけどね
犬神って人に作り出されたモノノケなんだよね

で、その作り方ってのが非道の極みかつ 呪いが強力過ぎるから 平安時代辺りに禁止されたはず なんだよねえ」

粋「非道の極みって?」



家康「石燕ちゃんの人間嫌いが加速しそうだから言わない」目そらしっ

石燕 「甘いっすね
妖怪絵師なめちゃー駄目っすよ。
とっくに詳細知り尽くしてるっす」くっくっく。



シロ「ふむ。 度を越えて人に危害を加えてしまっては理由はさておき叩きのめすか、それでも言う事を聞かねば だからな。」

蒼月「犬神は強烈だからね。甘ったれ連れてったらぶっちゃけ死ぬもんね」

小太郎「Σうえ!そんなえげつないの!?」



石燕「従順な犬が人間の勝手で酷い目に合わされ尽くし化物になったのが犬神っす
人間が報い受けたくらいいいじゃないっすか
なんで犬神が狩られる側なのか 腑に落ちないっすね」むう。

家康「んー。気持ちは解るけどね
ほら、被害受けてる人達は犬神に酷い事した本人じゃないからね?」

石燕「それはそうなんすけど
白さんが人間とケンカすんなって妖怪の人等に指示出してるの理解できないっすね」ぷいっ


小太郎「人間だから人間に嫌悪しちゃうって奴かな? 」わおんっ

蒼月「アラサーなんだからもっと落ち着いて割りきれよ
嫌がってもアンタは所詮人間だよー?」

石燕「だから更にムカつくんす」きっぱり。


シロ「絵ばっか描いとらんで外でも走ってこい!鬱々グチグチ喧しいわ!!」くわっ!

石燕「Σぎゃー!お子様に怒られたっ!!」ひいいっ



千様「アタシには良く解らないけどー
白君も人の味方ってわけじゃないのよねー

妖怪全体が敵ってみなされると 人間って時々無茶やるから 弱いのから犠牲になるからって その辺ボスとして考えてるみたいよー?」

粋「あーうん。
俺は解ってるからそれ石燕に言ってやっ Σうおホントに走りに行った!
また行き倒れるぞ虚弱体質!!」ひいいっ





シロ「まあ そういう事だな。
お前を連れていけば相手に同情するだろう
しかし、決まりを破った以上 おそらくは命を取らねばならん。

お前がその場に居たら確実に数日引きずるだろうからな。」

粋「うん。そういう事だろうけどさ
毎度 洒落にならねえのは置いてかれるし」




千様「その辺過保護なお兄ちゃんなのよねー」

粋「あんなだけど 兄貴基本優しいもんな」うんうん。


蒼月「普段あの扱い受けててそれ言えるアンタのが凄いよ。」ドン引きっ





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一二三「Σぎゃ 白さん 髪の毛真っ黒だべ!?」びくっ

白「ぎゃって お前」むう。


魄哉「いやーちょっと色々と有りまして

どうにか禁呪使えないかと相談されましてね。
それが使える事は使えるんですが とんでもないエネルギーが要るんで術者の命が危ないって代物でして。」苦笑


家康「つまり、エネルギー不足すると髪の毛黒くなるの?お前」

白「自分でも忘れてたけど 半分人間だしな」うん。


小太郎「そんなヤバイ相手だったのか。」ほう

白「犬神自体はさほどなんだけどな。
あれ? バカラス あいつは?」きょろっ



彬羽「コレか?」

子犬「きゃうん?」尻尾ぱたぱたっ

粋「Σえ。これまさかっ」



白「そのまんま普通の犬ってわけにはいかないけどな

ちょっと不思議な犬なら此処にも居るし」指差しっ

小太郎「俺は狼な」わおんっ



魄哉「この子が人を襲ったのは確かですが、それは本来この子の意思ではありません。
それを断罪するのも何ですので、この子のみ時間を戻したと言う事です」にっこり。

蒼月「うん。そりゃ禁呪だね
やりまくったらこの世がヤバイね」

魄哉「ちなみにお手伝いしたせいで僕も軽く呪いかかりましたので もうこの禁呪使えませんよー
人生は一度きり 大事にしましょうね」

千様「サラッと凄い事言いまくってるわねえ」うわあ。



彬羽「コイツは小太郎にでも任せるとしてだ
問題は うちの大将が回復するまで普通の人間と大差無いって事か」ふむ。

子犬「くうん?」尻尾ぱたぱたっ

小太郎(Σサラッと親犬にされた!?)ぎゃおんっ


粋「え?兄貴 そんな消耗してんの?」

白「帰りに春一で丼鉢に何杯か食べてきたし 少し休めば戻ると思う。んだけどな」うーん。

蒼月「胃袋は人外のまんまなんだね」ああうん。



彬羽「それまではせいぜい1人にならねえ事だ
今まで見えてた物も色々見えなくなってるだろしな」

白「不便だな」むう。

家康「確か妖怪の世界って ボスの首取りゃそれが新ボスってシンプルなシステムだよね

お前かなり危険じゃないの?」

白「だな。」うん


魄哉「しばらく気を付けた方が良いで ん?」ぴくっ





石燕「とか言ってる間に後ろ!!粋さん殴る方の手で戸棚の方へ裏拳!!」

どごしゃあっ!!



白「良し。当たった」ふう。


石燕「ステルス使える妖怪っすか
初めて見たっすねえ」ふーやれやれ。

蒼月「アンタは何で見えるんだよ」

石燕「それしか能がないっすからね」きっぱり。




蒼月「アレが優しいの?」

粋「役に立ったし良いよもう」遠い目。

シロ「というか 今は『ただの人間』 では無かったのか?」うーん。


家康「うわ 戸棚大破だあ」わおー




一二三「なあなあ!このわんわん飼うだか!?」

魄哉「んー。どうしますかねえ
犬らしい人生を送らせるなら裏山の小太郎君の群れに入れて貰うとか

そこは追々考えますかねえ」




白「じゃ、とりあえず名前はシロJr.で。 」

シロ「Σ俺の子みたいになっとるではないか!!」



彬羽「よしジュニア 飼い犬の第一歩だ。
犬の検診も出来るって話だ診療所行くぞ」

犬改めジュニア「Σきゃうん!?」

一同「Σ飼う気だ!!」



シロ「Σおい、名前はそれで良いのか!?」




家康「あの、食費大丈夫?」

魄哉「まあ犬一匹くらいなら 今更ですかね」お茶ずずー。





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