小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

8月24日

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【芝居小屋 控え室】





つつじ「あー。今日もやりきったわー」ぐてっ

皐月「お疲れー

まだひと仕事残っとるけどなー」



シロ「ん?終わったのでは無いのか?」


つつじ「おんやシロはん珍しい」ごろーん。


シロ「届け物を頼まれてな
彬羽からだ」がささっ

皐月「ん?何や?」




シロ「頼まれていた台本案 とりあえず7本考えたので目通し頼むとの事だ」

つつじ「有難いんやけど あん人の脳ミソどないなっとん?」

シロ「さすがにキツいらしく 休憩時間に延々紙に向かって唸っておったわ」

皐月「バイトの合間に7本てえぐいな」うわあ。

つつじ「あの、体持たんかったら続けて貰われへんし、こっちも困るからって前置き付きで
1本でエエで言うといて貰えへんやろか?」

シロ「承知した。

俺もあの常に全力出す性格はいかがな物かと思う」うむ。

皐月「で、その全力のあっきーは力尽きたん?
人パシらせるとか珍しいやん」


シロ「猛暑が落ち着いて来たのでな。飲んべの客がそこそこ入って残業だ。」

つつじ「成る程 同じバイトでも見るからに未成年は残業させられへんもんなあ。」納得


シロ「Σ未成年未成年と喧しい!元服はしておるわ!!」

皐月「言っても見た目はお子ちゃまやん

私と似たよな背丈で大人ですーは無理あるで。」


シロ「Σ己は仮にも女だろうが!」

皐月「仮とはなんや仮とは」




つつじ「そいや皐月はん
わてより数ヶ月年上なんよなあ」※180cm

皐月「ホンマ腹立つわ 昔はごっついチビ助やったくせに」※150cmちょい


シロ(Σただの幼馴染みのしょーもない会話だと言うのに メンタルえぐられるっ)くっ



つつじ「・・えーと。

あーそやそや 粋はんの稽古つけたらななあ
シロはんも見よります?」

シロ「思いっきり気を遣われた気がするが
どうせ暇だし見ていくか」ふむ。



皐月「はいはーい。 シゴキ場こっちやで」てくてく。

シロ「稽古場と言え 洒落にならん」






間。




粋「もう一本!よろしくお願いします!!」くわっ


白「脇が甘いっ!」


ずびしっ

どがしゃーーん!!




シロ「すまん。『役者見習い』に
稽古をつけておるのでは無かったか?」

皐月「お師さんがこの方法がエエ言うからには あんま口出し出来んからなあ」うーん。



粋「あ、ありがとうございましたっ 」かはっ

つつじ「こらお気張りやす
あんさんの頑丈さならまだ行けるやろ」ぺしっ




シロ「これで役者として何かが得られるのか?」

白「あれ?お前来てたのか」


皐月「少なくとも頑丈さはアップするやろけどな」


白「えっとな。

ほら、こいつ見習いになるって言われて
身内なんだし面倒見ろって押し付けられて俺なりに考えたんだけどな」

シロ(Σ考える脳があったのか!!)



白「俺の場合やってみたら向いてた系だから 基本の稽古何もしてないんだよな

もちろん見習いもしてない。」真顔。

つつじ「せやから 見習いどう教えたらええんか解らんで しばらく放置やったんよなあ」


粋「ぶっちゃけ放置のがラクだったかもしんねーわ」ボロッ



シロ「ん?つまり、これには差程意味が無いのか?」


白「稽古なんだからあるに決まってるだろ」きっぱり

シロ「は? いや 解らんのにどういう理屈でどつき倒しとるのだ?」




皐月「あかん。あっきーが残業やと通訳おらへん」

つつじ「こん人の頭の中 理解不能やからなあ」



家康「武道で使う筋肉や動きの直感的な物は芸能にも生かせる とかそんな感じ?」

白「それだ。」おおっ

シロ「Σまさかのマトモな考えだったか!!」おおおっ

家康「やほー 勝手にお邪魔したよ」

つつじ「それはエエけんど。

なんや 今のよう解ったなあ」ほう

家康「そりゃあね。
身内にそういうノリのが居るから」ふっ


皐月「徳川も大概脳ミソ筋肉やもんな」

家康「天海がインテリの皮かぶった体育会系だからねえ」ため息。


粋「Σあれ。まさか江戸城の奴等って 俺みたいにどつき回されて「無い無い無い無い。物のたとえだから
てか天海にそんなのされたら 城内真っ赤に染まっちゃうって」


シロ「で、お前はお使いか」

家康「うん。そのバイオレンス軍師にシソの葉買ってこいって言われたよ
ほーら こんなおっきいの見っけ
シロ「シソはあまり大きいと固いので喉にひっかかるぞ」

家康「Σなんですと!!」がーん。


粋「あのオカンならそれくらいどうにかなんじゃね?」



皐月「何気に割烹バイト進歩してるやん。偉い偉い」頭撫で撫で

シロ「確実にわざとだな?」イラッ

皐月「勿論や。」にやっ







白「女相手に木刀構えるな」

つつじ「皐月はん。遊び半分で薙刀構えるのやめえや危ない」



家康「なんでこの稽古場 普通に武器置いてるの?」

粋「こっちが聞きてえわ」



白「ちゃんと俺は素手で殴ってるぞ?」

家康「いや。そういう事でなくてね。
てか 稽古って殴り合いオンリーなの?」

白「勘みたいなのが身に付くかな?って」うーん。



つつじ「その辺どうなん?」

粋「急所に食らわないようにするので精一杯で それどころじゃねえわ」

皐月「なんや ギリギリの所での閃きとか無いんか」

粋「Σんなバトル漫画の奥義伝承シーンみたいなのポンポン出来るか!!」



家康「私が思うに これじゃ基礎体力はついても稽古にはなんないと思うよ?」

白「そうなのか?」ふむ



シロ「あの家康がマトモに見える」うわあ。



家康「私は常にマトモです

って事で 同じ体力勝負でも弱い所を直していく系にしたらどうかと思うんだよねー」

つつじ「と、言うと?」



家康「はい。そこのお兄ちゃん じゃない お師匠さんから見て 粋のダメな所は何かなー?」


白「えーと。

まず
「バランス感覚が無い。足元を見てない、動きが粗い、自分の位置が把握できてないからモタつく。把握してないから次に繋げられな

シロ「その辺はめちゃめちゃしっかり見ておるのだな」うわあ


つつじ(一個一個確実に覚えさせれば行けるタイプかもしれへんな
アクシデント起きたら一気に崩れるやろけど その辺は場数こなせば何とかなるやろ) ふむ。


シロ「何と無くだが。
こちらを師事させた方が良いのではないか?」

皐月「自分の技磨きやりたいから 手伝いはしても正式に弟子取らんのやって」

シロ「Σう。 ままらなんな」




家康「ふむふむ


よし!んじゃ ちょっとこの台借りるよー 」がたごと

粋「へ?何すんの?」

家康「いいからいいから
えーと。 そんで

念の為こっちはクッション系を」ごそごそ


一同「?」



家康「良し。 じゃ皐月ちゃん ちょっと薙刀借りるね」

皐月「へ?うん エエけど」


家康「よっしゃ では



さあ、今から私の薙刀避けながら この幅15センチ程の台の上を渡りきってみようか?」 大薙刀かまえっ

粋「Σムリムリムリムリムリ無理いいっ!!」ひいいっ




家康「おそらくお前に圧倒的に足りないのはバランス感覚!
だからドタバタするし 自分の状況が解りにくいんだよ

はい!いっちょ死ぬ気で養ってみよー」薙刀ひゅんっ

粋「Σいや解るけどせめて刃物は無しで「お前 竹光だとなめてかかるでしょ?」

粋「Σう」





皐月「なんや。偉いノリノリやな。」


挿音「あー あれ 昔あの殿が親父に叩き込まれた奴だわ なっついなー。

落ち着きねえからって 猛修行させられたの覚えててんだな」天井からぶらんっ

白「そういう事か。護衛お疲れ。」

挿音「おうよ。
つーか シソ萎びんぞ」キセルぷはー。





シロ「結局 脳筋だらけか」うーん。


皐月「んー まあエエんとちゃう?

少なくとも白のよりはなんか身に付きそうやわ」










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魄哉「今日は皆 帰りが遅いですねえ」

千様「ねー。お腹すいたわねー」お腹ぐー。



石燕「まーた白さんが迷子になってんじゃないっすか?
何なら見てき
蒼月「アンタ行き倒れるだろ

それになんかさー 見に行った奴が更に帰ってこなくなる気がするんだよね コレ」



千様「Σ何それ ホラー!?」


小太郎「もう先食べとくか?」わおんっ

魄哉「駄目です 刻んだシソ乗っけてからです
薬味って大事なんですよ
殿が帰ってくるまで待ちましょう」

蒼月「あの馬鹿殿 まともにお使いも出来ないのかよ」ちえー


石燕「何が起きてるんすかえね」正座ぐううう





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