小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月31日

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【冬の海】




ざっぱーん。


蒼月「ねえ 虐め?」

魄哉「他に適任が居ないんです 我慢して下さい」



家康「うっわ 海の上冷えるねえ」ぶるっ

蒼月「冷えるどころじゃないよ!! 俺蛇だよ寒波来てるんだよ!? 何これやっぱ帰る!」どたばたっ

挿音「残念。陸はもうあんな向こうなんだよなあ」櫂ぎーこぎこ

蒼月「Σうお!漕ぐのはやっ!」



魄哉「これはまた三日後が怖いですねえ」ぎーこぎこ。

家康「だねえ トシとると忘れた頃に来るよね」銃ふきふき。


魄哉「ほら キッツイのは僕らも同じですから
トウガラシ入りの懐炉が効いてる間頑張って下さい」

蒼月「だああもう!人間同士のゴタゴタに巻き込むなよおおおっ!!」





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【浜辺】



粋「大丈夫かなあいつら。」うーん。

白「戦馴れしてるのばっかだし大丈夫だ多分
おっちゃん。たこ焼きとりあえず五個な」


屋台のおっちゃん「はいよ まいどっ」


彬羽「買い食いするな。手伝わないならお前は何しに来たんだ」

白「買い食いに」たこ焼きもぐもぐ。


粋「海の上行くんじゃないなら手伝おうとしたんだろうけどな」ボソッ

彬羽「ああ。 水が嫌なのか」



粋・彬羽(種族的には水神の眷族なのに このカナヅチ。)うーん。


白「おっちゃん タコでかいな。」タコぐもぐも。

屋台のおっちゃん「そりゃー腐る程獲れるからなあ」あっはっな



粋「で、あいつら何してんだっけ?」

彬羽「海賊だ海賊
最近ここらで船が襲われて積み荷ゴッソリ盗られるるんだとよ
ぶん取った舶来物の銃火器武装してるってんで人間じゃどうしても被害が出る。
で、少数精鋭でって事だ

確かにタコでかいな。」もぐもぐ。

粋「Σお前も食ってんのかよ!」

彬羽「寒波来てんだ 何か腹に居れておかなきゃ残党狩りも体動かないだろ
ふむ。屋台だからと手を抜いてないな
店主 かなり修行を積んでやがるな。」もぐもぐ。


粋「おっちゃん 俺も1個!」

屋台のおっちゃん「へい!まいど!いやー助かるねえ 冬の海とかお客居ないからねえ」


彬羽「少数精鋭とは言え あいつらが出ちゃ不味い気もするが とめても聞かねえだろしな

で、こっちのダシのはひょっとして?」

屋台のおっちゃん「おう。こりゃ瀬戸内の名物でダシで食う奴よ。病み付きになんぞー?」

彬羽「やっぱりか。1つ頼む」ふむ



粋「あの、料理人の血が騒ぐのは解るけど
んなベラベラ喋っていいのかよ」タコ焼きはふはふっ

白「おっちゃん話聞いてないし 多分聞いても解らないぞ」もぐもぐ。





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家康「ぎゃー!撃って来た撃って来た!!」ひいいっ

挿音「下っ手くそじゃねえか。火薬が勿体ねえな。
伏せてりゃ当たんねえよ」

魄哉「さあ!蒼月君! 一気に幻術をっ!」びしっ

蒼月「Σ数多いんだよ 俺が死んじゃうー!」ひいいっ



挿音「つかよ。蒼月の幻術って目ん玉媒体でかけんだろ?
これ目を合わす前にズドンで終わりじゃね?」

魄哉「ですねえ。
こんだけ多いとは」うーん。

蒼月「なんでそもそも幻術なんだよ!
ジジイがその気になれば あれくらい一撃だろ!!」

魄哉「いえね。数は確かに多いですが
この族 初っぱなからめちゃ襲撃成功してるんですよねー
船から奪う前から装備は整ってた様ですし 何処から手に入れたのか吐かせないと後々の憂いになるかと。」

挿音「ま、親父がやっちまったら聞き取り出来る状態じゃねえわな」納得。

魄哉「人間は脆いですからねえ」ふう


蒼月「銃火気よりも海賊よりもアンタが怖いよ」



家康「まあまあ。味方だからいいじゃない。
よし、天海 ちょい数減らすよ 撃っていい!?」

魄哉「存分にお願いします。」あっさり



家康「よっしゃ!挿音 三秒顔出す援護よろしくっ」

挿音「あいよー」各種刃物じゃきんっ




蒼月「馬鹿殿偉く生き生きしてない?」

魄哉「昔っから政務の才能はゼロですが 戦は異常に上手いですからねえ
あ、大丈夫ですよ。 基本急所は外して利き手撃ってますんで」

蒼月「うん。やっぱアンタら怖い

んー。寒いから早く帰りたいんだけど あの数はなあ
この面子でも結構時間かかりそう ん?」

魄哉「?

イルカでも居ました?」おや。

蒼月「この状況でイルカウォッチングとか俺は馬鹿かよ。」







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白「イカだ」おおっ

屋台のおっちゃん「おうよ。この辺はイカも良く獲れるんだよ
一夜干しはこう火鉢で焼いて食うんだぞー」イカぱちんっ!


彬羽「ふむ。ゴテゴテ味付けせずにそのままか。
冬メニューにうってつけだな」ほうほう。

粋「いや 2人してどんだけ食うの?」


屋台のおっちゃん「なんだ 兄ちゃんは食わんか?コレはおっちゃんの奢り「いただきます!」びしっ





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魄哉「あの。蒼月君?これは」

蒼月「イカ。」

家康「うん。イカの大群って怖いねえ」ドン引きっ

挿音「吸盤って 武器になんだな」


蒼月「海見たらイカの軍団泳いでたからさー
試しに蛇眼使ってみたんだよね

いやーイカって人間より単純だからさ 簡単にかかってくれて楽々っ」あははっ

挿音「どんな幻見せたらイカが人間襲うんだよ」

蒼月「イワシの大群が空飛んでる幻覚。」きっぱり

家康「イカってイワシ食べんの?

まあ補食の勢いならそりゃあねえ。 」うんうん





魄哉「逆らうと今度はシャチ辺りが突っ込んで来るかもしれませんよー?」

海賊「Σぎゃああすんませんでしたああっ!!」ひいいっ


挿音「銃撃よりビビってねえか?コレ」

家康「なんか傷つくなあ」うーん。




魄哉「いやー助かりました
幻術が効くって事はイカってお利口なんですねえ Σあいたあっ!!」

蒼月「あ、まだ幻解いて無いから 触るとイワシと思って噛みついてくるよ」

魄哉「Σ僕もイワシですか!?」がーん。




挿音「さーて。じゃ忍軍に連絡して牢まで運ばせるか」伝書鳩ばささっ

挿音「イカまみれのコレ見たら さすがの忍達もビビりそうだねえ」





魄哉「せめてカツオとかになりません?」真顔。

蒼月「魚で良いのかよ。」




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粋「お!戻ってきた!」

白「おかえり。あれ? イカ漁に行ってたんだっけ?」はて。



蒼月「それが、なんか 上手く幻解けなくてさ。
ついて来ちゃったどうしよう」うーん。

船上 イカ軍団びっしりっ



彬羽「食材という事で良いのか?」

魄魄「Σいえこの子達は今回の功労者なんで!
イカの皆さん逃げてえええ!」ひいいっ


粋「いや イカの皆さんって何?」



蒼月「Σあ。ジジイすごっ 言葉通じた!」

家康「おおお!イカが一斉に海に帰ってく!」

魄哉「あの、これはこれでなんでですか?」

蒼月「こっちが聞きたいよ」





白「何が何なんだ?」はて。


挿音「あー。アホらしいからもういいわ
腹減ったし何かつまむ物売ってねえかな」はーやれやれ。

彬羽「あっちの屋台にイカの一夜干しが「イカはパス。」





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