小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月1日

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粋「やっべ忘れ物した!!」





シロ「ん?芝居小屋にか?」

粋「おうよ。取ってこねえと」わたわたっ


千様「明日どうせ行くじゃない 仕事熱心ねえ

何忘れたの?」




粋「兄貴の台本。」

千様「あのそれ。粋君が持ち歩く理由あるの?」




粋「見習いとしちゃーやっぱ勉強になるし
所々進行無視してたりてアドリブすげーてなるし
そもそも兄貴自分じゃその辺置き忘れるし」

シロ「おい。最後最後」

家康「二つ目から若干怪しいけどね」


千様「勉強熱心 でいいのかしらこの子」うーん。





家康「ま、行くなら傘持ってくんだよ。
雨降りそうだし」

粋「Σうげ!マジか
急がねえと

あーもう!傘立て適当に差してんの誰だよごちゃごちゃじゃねーかよ!」

あたふたがさがさっ



家康「ごめん。もちろん私だよ」どやっ


シロ「お前はなぜに逐一汚くするのだ」

粋「んっとに だらしないってレベルじゃ ん?」

もぞっ


シロ「ん?どうし Σ!!」















【居間】


コマ「カタカタ?」

白「うん。毎日よく叫ぶよな」うんうん










ただだだだだだだ



襖すぱーん!


シロ「こらあああ!お前か傘立てに唐笠小僧紛れ込ませたのは!!」くわっ

白「なんで問答無用で俺なんだ」むっ

シロ「こんなしょーもない悪戯する奴が他におるか!!」


白「俺でもそんな悪戯やらないやらない
驚くの粋と家康くらいだし」

シロ「Σ普通に俺も驚いたわ!!」心臓ばくばく




千様「ちょっとーだれか手伝ってー

粋君と殿が腰抜かしたわー」

蒼月「何?またお化けでも見たの?
いい加減慣れろよ」ぶつくさすたすた






白「そんなに怖いか それ。」指差し

シロ「Σうおお!思わず持ってきておった!!」びくっ


白「で、お前はなんでうちの傘立てに刺さってたんだ?」

唐笠小僧「Σ!!」びくっ




シロ「ん?待て。
ホントの本当にお前の仕業ではないのか?」

白「お前 俺の事馬鹿だと思ってるだろ。」

シロ「(阿呆だとは思っておるが、)
ふむ。 濡れ衣だったかそれはすまん

という事は誰か他の奴か

やりそうなのは既に腰抜かしておるしな」ふむ



石燕「誰がも何も 自分で刺さってたんすよね?」ひょこ

シロ「Σはああ!?何の得があって!」


白「自分でやってたのか?」

唐笠小僧「」こくこく。





一二三「それ、唐笠小僧さん達の習性らしいだよー」

シロ「いや、どんな習性だ」



一二三「えっと。彬羽さん解説よろしくだ。」にぱっ

彬羽「お前まで解説押し付けるようになったか。」複雑


シロ「あの、育児の悩みは後にして解説頼めんか」混乱っ



彬羽「一言で言うと。梅雨を控えたこの時期は唐笠小僧の繁殖期だ。」真顔っ

シロ「すまん。正気か?」




彬羽「子供が居るのに生々しいのもなんだろが

つまり、その辺の傘立てに刺さってれば この時期他の傘も乱雑に突っ込まれてくるだろが。
その中で好みを傘を見付けるという

言わば見合いみたいな物だ。」


シロ「言ってる事は分かるが なんだその無茶苦茶な生態は」どん引き




白「あ。思い出した
それで好みのボロ傘居たら 妖怪の世界に引きずり込むんだったな」手ぽん。

シロ「Σどんなシステムだ!!」

彬羽「元が無機物だからな。

その気になれば何でも妖怪の世界に引き込むぞこいつら」



シロ「・・要するに呪いか?」うーん。





一二三「けど、出来ても可愛い傘しか妖怪にしないんだべ?」

白「めちゃくちゃめちゃ疲れるらしいからな」うん



シロ「質問なのだが、その

それなら梅雨にはその2本の間に小さい傘が生まれると言う事で良いのか?」




彬羽「いや、傘だからな 無理があるだろ」引きっ

白「頭メルヘンだな。」びっくり



シロ「Σ何言ってんだこいつみたいな顔やめい!!お前らの世界がおかしいのだっ!!」




石燕「まあまあまあ。
想像も着かないから面白いんじゃないっすか。」

書き書きっ


シロ「静かだと思ったら唐笠模写しておるし

お前はそりゃ楽しいだろうな」むすっ


石燕「人間から見て 何がしたいのか解らないのが妖怪っすよ?

確かカラス天狗も 山に人が入るとちっさいドングリ顔に投げてくるんすよね?」

彬羽「Σその説どこまで拡がってんだ!!そりゃ猿か何かだ!
誰がんな真似するか!!」くわっ




石燕(与一)「成る程。鞍馬山には確かに猿も居るか」どろんっ

白「ん? お前 カラス天狗の知り合いでも居たのか?」



石燕(与一)「いや。私では無く
生前あのクソ上司が言っていた事は本当だったのだな。と」

彬羽「そいつの話題ムカつく様なんで言わなかったが

義経を鍛えた鞍馬寺の大天狗は飛天の親父だ。」きっぱり

石燕(与一)「そうか。
私らが苦労したのはアレの親のせいか。」けっ





シロ「飛天には しばらく来るなと言っておいた方が良いのでは無いか?」

白「八つ当たりで撃ち落とされそうだな。」うん

頭べしっ

石燕(与一)「Σあだあっ!!」

石燕「あーもう。スケッチ中に乗っとるのやめてって言ってんしょが
つーか飛天さん射たら体から追い出すっすよ」



一二三「戻り方荒いだな。」


彬羽「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い
面倒な餓鬼だ」ため息



一二三「魄哉さんが聞いたら泣いちゃいそうだな。」

彬羽「いや。たとえの言い回しだからな?」



シロ「お前、あっちもこっちも説明ばかり苦労しとるな」遠い目。





蒼月「ま、そのジジイは朝から元気に出勤したけどね。」

シロ「うむ。あれだけの胃潰瘍を3日で完治とはさすがだ」

蒼月「だねー。バケモノでも無理があるっての
生物やめてんじゃないかな。


ま、 この話しは置いといて



そっか。だから春一の傘立てに こんな見知らぬ唐笠が」まじまじ。


シロ「Σお前もか!拾って来るなそんな物!!」ひいいっ!




蒼月「いやだってさ。
こんな美脚の傘あったら思わず連れて帰りたく無い?
いやーホント綺麗だよねえ」

唐笠(2本目)「ぽっ。」




シロ「Σんな変態はお前くらいだ!!」

彬羽「Σちょっと待て!お前それも範囲内なのか!?」

一二三「連れ帰ってから口説くとか プロのワザだべ「Σ一二三こら何を学習してる!!」






白「え?この辺って人気の見合いスポットなのか?」

唐笠(一本目)「」こくこく。








家康「知らない傘 間違えて持って帰らないようにしなきゃね」びくびく

粋「お。おう」背筋ぞわっ




白「ちなみに 時々しまい込んでたはずの傘がなくなるのは
こいつらの仲間になって行っちゃったからだぞ」


家康・粋「Σ身に覚えがある!!」ひいいっ







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