小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月9日

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【芝居小屋前 大通り】





粋「お? なんだあの人だかり」



客A「えー!桔梗ちゃんの親戚なんですかーー!」きゃー!

客B「あ!ひょっとして芸能一家とか?
おじさん? お兄さん?も一般ぽくなーい」

客C「あ、あの 親戚ならプライベートの予定とか解ります? 」




焔「あー。それはちっとなあ 俺が怒られちまうわー」

粋「Σ爺何してんだーー!!」ひいいっ




白「撤収。」のれんの隙間のぞきっ
※桔梗ちゃん


粋「らじゃ! おりゃ来いクソジジイ!!」

焔「おいおい。そこはおじーちゃんいらっしゃいだろ」ずるずる




通行人一同( Σいくつの時の孫っ!?)







ーーーーーーー





【芝居小屋 楽屋】



焔「いやー。お前も出世したもんだなあ
じーちゃんも鼻がたけえわ」ぱたぱた

白「扇子返せ」むう。



粋「何してたっつか 何だよその格好」

焔「孫の職場に遊びに行くのに変な格好じゃダメだろ?
役者の身内らしく奇抜 かつ最新モードで決めてみた。」どやっ



皐月「身内は普通でいいんやで?」

つつじ「最新言うか でかいし見事に歌舞伎もんやなあ」




粋「で、なんで兄貴の身内だってバレてたんだよ」

焔「孫自慢。」きっぱり

皐月「自分から言うたな」


白「あ。出番の時間だ」すたすた。

皐月「そっち厠やで」

粋「Σ一人だけ逃げる気だ!!」


焔「酷えなおい。
そんなら爺ちゃん観客席で応援し
白「気のせいだった。 時間間違えた」くるーり



つつじ(心得とるなあ。さすがは祖父様)うーん。



白「ギリギリまでのんびりしてたいのに」ぶうぶつ


粋「あー 出番の間は俺がちゃんと見張っとくから」

焔「俺は幼児か何かか。」

皐月「こんなでっかい幼児おらんおらん」


つつじ「ほんま楽屋が狭あ感じるなあ

・・血の繋がりほんま有りますのん?」

白「なんで俺を見る。」


焔「なんで代を追う毎にちんまくなってくんだろな」うんうん。

粋「Σ爺 それタブー!」ひいいっ

白「別にいいけどな。」しれっ

粋「Σそんなら俺ならもれなくシバかれるのはなんですか兄上!!」

白「ノリ?」はて。



つつじ「まえーに こん人おばあはん似やと伺ったんどすが?」

焔「あーうん。このノリそっくりだな。」うんうん

皐月「どんな婆ちゃんやねん」


焔「女王様。」きっぱり

つつじ・皐月「あー。」納得。



白「怒るとこなのかこれ?」

粋「突っこみ所多すぎてもう解んね」


皐月「成る程。 キャラ濃いのは血筋か」納得。

白「俺は濃くないぞ?」

つつじ「濃いっちゅーか派手どすな。」うん



焔「お前らの父ちゃんは至って地味だったんだけどなー」

皐月「Σえ!この面子で地味とか無いやろ!」


粋「Σそれだ爺い!!」

焔「へ?どれだ」



粋「父ちゃんと母ちゃんてどんなんだった?」真顔。



つつじ「記憶ないんか」わお

白「あの時三才くらいだったからな」うむ。



皐月(あの時ってどの時や?)ひそっ

つつじ(一家離散時やろ? 三才でよう生きとったなあ
ちゅーか。わてらも聞いててええのやろか。)ひそひそ



焔「別にいいぞー

デリケートな話する気ねえし」

皐月・つつじ「Σ!!」びくっ


白「爺 俺より地獄耳だぞ。」

焔「伊達にトシとってねーわ。


そうだな。どうって言われると うーん」

粋「おうっ」正座。


焔「まあなんだ。 お前らのかーちゃんに関してはだ
いきなり駆け落ちしちまったから あんまり知らねえってのが本音なんだよな」

粋「あー。それ前にも言ってたな」



焔「ちなみに父ちゃんは すっげえ気使いの真面目な奴だったぞ」

白「親父本当に爺の子供なのか?」 真顔。


焔「お前 それは失礼だろ」むう。

白「だって ここの三人誰も気使い出来る奴居ないぞ?」



焔「・・あー それはだ。

えっと えー?」

つつじ「Σお祖父はん自信なくしてるやん!」


焔「あー ほらあの。
うちの嫁のおやっさん 昔に出禁食らったから忘れてたわ
胃炎持ちとか言ってたし あの辺じゃね?」

粋「まずばーちゃんの実家で何したんだよ」

焔「親御さんの目の前で大事な一人娘といちゃついてキレられた。」きっぱり



白「身内のこういうのキツいな」

皐月「アンタの口からそのセリフ出るとは思わんかったわ」うわあ。




焔「んでアレだ。うちの息子はそうだな

あ、
お前らの居候先の家主似てるわ」

白・粋「それオカンだろ。」



焔「それ本人に言うなよ?
見た目ナヨいの気にしてんだぞあれ」

粋「Σそう言う意味じゃねええ!!」

白「親父はオカン系だったのか」むう。


つつじ「ほんま濃い一族やなあ」うわあ。



焔「両親揃って無茶苦茶だから 子供なりに気を使った挙げ句オカン気質に育っちまってなあ」ため息。

皐月「真面目でそれやと気苦労凄かったんやろな」茶ずずー。



粋「マジか。
なんかショックが

えっともう一個。
鏡子とか見てて思うんだけど
幽霊って結構そこらにいるもんなんだろ?

なら親父とお袋もそこらにフワフワしてる可能性もあったり?」


白「仮にしてても俺らは解んないぞ」

粋「へ?そなの?」


焔「地獄太夫も鏡の姉ちゃんも むかーしの死者だろ?
つまりは周りに認知されるようになるにはそれなりの時間とこの世への未練が必要って事だ

更に言うと あっちの決まりで幽霊ってのは生前近かったもんには見えねえし会えねんだよなあ 」

粋「へ?あっち?」




白「おぼろ車とか会った事あるだろ?」

粋「ちょい待ち。 え?あの世ってマジであんの?」



焔「想像できるもんは大概存在してると思え」どやっ



皐月「うわー 世の中カオスやな」

つつじ「Σ何想像したん!?」





ーーーーーーー





魄哉「えー。似てませんよねえ?」




シロ「あやつは何と話しとんのだ。」

蒼月「半透明のお客さんでしょ?」


千様「殿 いちいち怯えないのー」

家康「無理無理無理無理 オバケ無理!!」座布団かぶりっ




石燕「あのー。あの人達何処かで見たような」

蒼月「あ。やっぱアンタは見えるんだ

そりゃ幼子二人遺しちゃったら成仏出来ないよねー」


一同「Σあ」察し。




魄哉「あの世の決まりらしいんで 内緒でお願いしますよ?」しーっ





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