小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

2月25日

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家康「もう寿命かなあ」うーん。

小太郎「そっかあ。ダメかあ」しょぼん


千様「Σえ。ちょっ何の話!?」



家康・小太郎「この年代物の柱時計」ため息。

千様「あー 成る程」



挿音「なんせボッロいからなあ
下手に解体したら本体崩れそうだしよ」うーん。

シロ「お前でも直せんか」

挿音「文字盤見ろや。そもそもこの国のじゃねえだろコレ
開けたとしても仕組みが解んねーだろなあ」頭かきかき



石燕「そういや古いっすよねえ

何時代のもんなんすか?」


挿音「いや俺人間だから知らねーわ」

石燕「Σあ。忘れてた」


千様「アンタ化けもんより化け物ぽいわよね ほんと」

挿音「あ?どこがだよ」

小太郎「まあまあ」


家康「そう言えば 私がご飯たかりに来てた頃からあったなあコレ。
あはは。珍しいなーって見てたよ」

千様「あー。そう言えば
かなり昔からあったわねえ
アタシもご飯たかりに行ったら毎回この時計がボーンボーンて。

アンタより年上よー この時計」



挿音「つーか。うちに普通にメシたかりに来んなよお前ら」



家康「仕方無いでしょ 育ち盛りに今川で人質やってたんだから
おやつはノブノブに取られてたし!」

千様「アタシは普通に人間社会に馴染めなかったわ
しゃーないでしょ」どやっ


小太郎「魄哉 地域のボランティアやってたんだな。」うわあ

蒼月「いいんじゃないの? あのジジイ病的な寂しん坊だし」


千様「寂しん坊 確かにねえ
この時計見てたら思い出したんだけど むかーしねえ」しんみり

シロ「何か語り出したな」





千様「ほら、アタシ達って 寿命いつか解んないじゃない?
そもそも自然の摂理無視して作られた人工の生き物だし」

石燕「あれ?まさか真面目な話っすか?」

千様「どういう意味かしら?

まあそれでね。アタシはさっきも言ったみたいに人間社会に馴染めないから 色んな物と距離置けたのよ

けど あいつはその正反対だから色々とねー 」

蒼月「ジジイどこでも馴染み倒すもんね」ふむ




千様「ある日ご飯たかりに来たら
みーんな先に逝っちゃうから もう嫌だ状態になってていやー焦ったわ
何気にメンタル弱いのよねー」

小太郎「Σ内容の割りに語り軽っ!!」



家康「あーでも 余裕で想像つくね」うんうん

シロ「取り乱すのでなく 思いっきり影背負っておる感じだな
暗い部屋に時計の音が鳴っておって更に恐ろしいと言うかなんと言うか と言ったところか」

千様「あらやだ。シロ君エスパー?」

蒼月「俺もそれそのまんま想像したよ」



小太郎「でもさ。確かに寂しん坊がその宿命って辛いよなあ」

家康「だねえ。皆長生きしないとねえ」うんうん





挿音「つーかよ。殿、そのメシたかりに来てた時と基本デザイン変わらねえの何でだよ
俺がシロよりちっさい時からほぼ同じじゃね?」

家康「知ってる?鳳凰の生き血を飲むと不老不死になるんだよ」どやっ



蒼月「Σげ!飲んだの!?」ひいいっ

シロ「Σおまっ!! 人間やめておったのか!?」

家康「Σいや信じないで!!
あいつの生き血とか 飲む前に死んじゃうって!!」

挿音「まあ、そんだけえげつねえ人生送ってる親父が 誰かを同じ道に引き込むわきゃねえけどな」




千様「そもそも効果無いと思うわ」きっぱり

石燕「人間ってレアな物は効果あると思っちゃうんすよねえ。」うんうん

シロ「お前はどこポジションなのだ?」



小太郎「えーと。んじゃ 家康は普通に年齢不祥なだけか?」

家康「生き血はともかく 人外の側にいたら何らかの影響あるって奴じゃない?」




一同「成る程!!」おおっ

挿音「こっち見んな。」


蒼月「悪いけど 妖怪と殴り合い出来る時点で人間じゃないよ」きっぱり




千様「あ、そうそう。アンタの親父様が暗い所でどんより闇堕ちしかかってたの
アンタ拾った直後の話ね」

挿音「Σはあ!?」

千様「無茶ばっかしてないで長生きしなさいよー」


小太郎「あー。そういう」

シロ「幼い我が子にも先立たれるのかとか考え込んで煮詰まったのだな」納得。



家康「とりあえず一緒に300歳めざそっか?」

挿音「形残っててもミイラじゃねえ それ?」




蒼月「て、事はこの時計はジジイが見送る次の友達って事か
まーた。闇背負わなきゃいいけど

Σって何してんの!?」






粋「悪い
俺が見た時には解体されてた」


時計バラッバラっ

白「うわ。中も凄いボロボロだなこれ」



一同「Σうっぎゃあああ!!」



挿音「何してんだこのガキャア!!」

白「ん?中綺麗にしたら直るかなと思って。」


家康「Σいやいや板力づくで剥がしたでしょ!
ボロいんだからトドメやめてってば!!」

白「後でそこ張り替えたらいいだろ」きょとん。



シロ「見事にバラバラだな。
無惨な」うーん。

千様「うわ。これどうやって入ってたのかしらっ」オロオロっ




白「掃除して組み立て直したらいいんじゃないのか?」

家康「それで直ればいいんだけどね。
そもそもこれ外国のだからね
直せる技術者が居るかどうかがねー」うーん。





挿音「あ。わりい

いけるわコレ」 かちゃかちゃ


家康「Σ技術者いたーー!!」

石燕「Σまさかの目の前!!」



挿音「開けてみりゃ結構どれも似たようなもんなんだな。
つか考えたらからくりの類 昔親父に習ったわ
よしゃはまった。」



ポーン ボーン。



シロ「Σうお ほんとに直った!!」



白「な?」

挿音「こんだけボロいと直ると思わねーもんな
お前じゃなきゃこんなんバラさねーわ。」キセルふー。



石燕「あのー。パーツの磨耗とかは?」


挿音「ロストテクノロジーって知ってるか?」

シロ「待て。 この時計どこの時代の何で出来ておるのだ」



挿音「親父の海外土産らしいからなあ
何があっても驚かねえわ。」

蒼月「アトランティス産とか普通に有りそうだよね」うんうん。


粋「普通じゃねえだろ。


つか兄貴すっげえお手柄じゃねえ?
結局ホコリたまってたのが原因なんだろ? よく解ったよなあ」

白「ん?違うぞ」

粋「へ?」





白「長い事開けられてないからゴキブリが住み着いたらしくて挟まってた
ほら。こんなでかいの」



千様「Σいっやああああーーッ!!!」

粋「Σうっぎゃあああ!!素手ええええ!!」ひいいっ

家康「見せなくていい!見せなくていいからポイしなさい!!」




魄哉「おや。時計の音が

直ったんですか?」うきうき
※ゴキブリ恐怖症

家康「Σやっぱその辺にポイダメえええ!」ひいいっ





白「どうしたらいいんだ」むう

シロ「外に捨ててこい」ドン引き。








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