小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

2月26日

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【割烹 春一】


がららっ


ひな「いらっしゃいま
あらシロさん」

シロ「客ではない すまん」きょろっ

朱禅「まーた大荷物抱えて
届け物か?」

シロ「うむ。あんの阿呆兄弟が忘れて行った舞台衣装だ
異常に重いので良い筋トレになるわ」ふんっ

庵「役者が衣装忘れるて何なの」うわあ。




シロ「時に 一二三が先に来ておるはずだが?」きょろ

ひな「へ? 来てませんよ?

ねえ?」

朱禅「おう。見てねえな」

シロ「Σんなっ!?」

庵「ちょい待ち!!ひょっとして あの子一人でここ向かったの?!」

シロ「新しい草履を履いて出掛けたいと言われ 家康が許可してしまったのだ!
子供の扱い解らんし 何度も通った道だしとゴリ押されたとっ

嫌な予感がして立ち寄ったら案の定!」あたふたっ







朱禅「あの。お宅の娘さんが」


彬羽「聞こえた。」湯呑みばりんっ




庵「Σ羽出てる羽出てる!!」

シロ「おおおお落ち着けええええ!」ひいいっ



ひな「いつもより強めに握りつぶし
これはヤバイですね。」湯呑みの破片っ

庵「どうどうどうどう!!」

彬羽「つまりは迷子だな

さっさと探せば問題ねえ」がららっ

朱禅「Σその前に羽引っ込めろ!!てか厨房カラス羽まみれえええ!!」ひいいっ



ひな「緊急用 魄哉さん特性お札っ!!」ぺた


彬羽「Σ!?」しびれっ

ひな「よっし!破られる前に一二三ちゃんを!!」

朱禅「お、おう!」


彬羽「だあくそ鬱陶しい!!手前ら覚えてろ!! 」しびびびっ





シロ(完全っに錯乱しておる)冷や汗ダラダラっ





ひな「迷子を見つけるにはまず情報です!

ご近所やそこのお客さんに一二三ちゃん見てないか
聞いてきて!!」彬羽押さえ付けっ


朱禅「了解!!」だっ


ひな「庵さんは万が一の為に 路地裏のアウトローさん達の聞き込みと牽制を!」

庵「らじゃ!」だっ


シロ「Σおい!逆だろ逆!!」





ひな「大丈夫です。庵さんは跡取り欲しかった父上様の方針で ある程度まで若様として育ってましたから。」

シロ「Σいやいや!万一を考え逆でも良かろうが!」

ひな「うちの人に任せると アウトローさん達の命が危険なんです」きっぱり。




庵「早速情報げっつ!!

チンピラが身なりのいいガキが居るから金儲けの予感とか言ってたって!」着物真っ赤っ

シロ「Σこっちも大概ヤバかった!!」ひいいっ


庵「大丈夫。返り血だから」どやっ

シロ「見れば解るわ!!」

庵「知ってる風なのにはぐらかそうとするから手っ取り早く」拳ぐっ




彬羽「ほう。拐かしか。 」ゆらあっ


ひな「お札、焼き切れました。
皆逃げてー」

シロ「Σ5分と持たなかっただと!?」ひいいっ




庵「あのちょっとコレは 無理無理とめらんない。」オロオロっ

ひな「庵さん無茶しないで。細切れもしくはミンチになりますよ!」

シロ「飲食店でやめんか!!

仕方無い。とめても無駄だろう
しかしそれでは目立ち過ぎる。コレを着こんで行け」

彬羽「あ?」ギロッ

シロ「Σ俺は悪くなかろうが!!

羽を引っ込める余裕も無かろうが あやつの派手な衣装かぶって行けばなんぼか誤魔化せよう
ほれ、被り物もあるぞ」

庵「Σえ。届けなくて大丈夫なの!?」



シロ「一二三溺愛しとるのはこやつだけでは無いのでな。

あんの阿呆も一二三保護の為なら即座に納得するわ」




ひな「だ、そうです。
何も気にせず早く見つけてあげて下さい」背中ぽん。


彬羽「う。 すまん」だっ








庵「今何貼ったの?」

ひな「背中に『芝居小屋デモンストレーション』と。

あんなゴリゴリの不審者が走り回ってたら番所のお世話になっちゃいますよ」ふっ


シロ(Σさすがは蛇の嫁っ!!)




朱禅「やっべ。何も手掛かり見つからねえ」ぜーぜっー

ひな「あ。忘れてた」


庵「ねえ。ほんとに愛あんの?」






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【町内会 社務所 (迷子保護所)】







白「あれ? 一二三?」 きょとん。

一二三「ぐすっ 白さんなんでここにおんだべかっ」涙ボロッボロ



白「休憩中にちょっとブラブラしてたら
芝居小屋どっちか解らなくなったから保護された。」えへん

一二三「えらい馴れた感じだな」ぐすっ

白「しょっちゅうだしな。

もう係のおっさんとも顔見知りだし 下手したらまた迷子になるから粋の迎え待ちだ。

あ、この菓子うまいぞ」

一二三(慣れすぎて我が家みたいになってるだ。)うわあ






戸がらすぱーん!!


彬羽「一二三は此処か!!」ぜーぜー

一二三「彬羽さん!」ぱああっ



白「よ。」菓子もぐもぐ

彬羽「Σなんてお前まで居るんだ!!」

白「見てのとおり迷子だ。」どやっ




粋「あー 居た居た
兄貴 今月何回目だよ

ん? お前もなんで?
何アホみたいな格好してんだよ」

彬羽「そりゃ阿呆の衣装だからな」イラッ




一二三「はー。知り合いが居て良かっただ。
怖くなかっただよ」ぐすっ

白「とか言いながら泣いてるけどな」

一二三「ほっとしただよおお」びええええええ





粋「あー。一二三も迷子になってたのか。成る程
お前もよくここ解ったよなあ」

彬羽「そりゃ道しるべに誘拐犯が転がってたからな」

粋「Σへ?」


彬羽「山童は怪力だ。


考えたら人間がどうにか出来るわきゃねえんだ」ため息


粋「つまりは お前がどつき回す必要ねえ状態だったと。」うわあ


白「嫌なヘンゼルとグレーテルだな」菓子もぐもぐ







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