小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月15日

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粋「すっげえ今更だけどさ

やっぱ兄貴の髪の毛真っ白って目立つよなー」

家康「これでもかってくらい今更だね」ああうん。


千様「何かあったの?」

粋「別に特別な事はねーんだけど、
ほら、俺見習い兼付き人でも有るから 兄貴がその辺フラフラしてる時も小間使いだろ?

そういうのしてると周りの奴等が兄貴見てちょっとギョッとするってか 驚くってかさ 改めて気がつくんだよな」うーん。

蒼月「見るからに異端だからね。
つか実際人じゃないしー
茶髪の俺でも結構視線感じるもん」

粋「Σえ。俺も茶髪なんだけど!?」

蒼月「アンタの茶髪は人でもギリあんじゃね?くらいだしー

何より俺はイケメンだし 多分そっちで見られてるね」キリッ

粋「あーはいはい。人生楽しそうで何よりだよ」



家康「別にいいんじゃない?
見られても白自身が気にして無いんでしょ?」

粋「うん。全く気にしてねーな
むしろ いきなり刃物向けられたり矢射かけらんねーならどうでもいいやって」



千様「絶対外でツノ出さないように見張っててね」色々察し。

粋「そりゃ勿論よ。」真顔。


家康「今なら漏れなく全員返り討ちだろうけどねー
」うんうん。




彬羽「まあその白髪だからこそ あの芝居小屋で売れてるってのもあるんだがな。」

千様「あら?そんなの関係あるの?」

彬羽「あの小屋のツートップ 2人とも白髪だろうが。」

粋「Σあ。確かに」


家康「何々?髪白いと売れる法則とかあるの?」

彬羽「法則ってわけじゃねえし 受け売りになるんだが」うーん。

蒼月「何?またジジイとのワケ解らない会話?」


彬羽「まずだ。 芝居小屋の主な客層をお前ら知ってるか?」

家康「ん?いわゆる庶民でしょ?
親しみやすくリーズナブルな価格で回転良くして とか天海が言ってたけど。」

彬羽「それだ。
その庶民の中でも特に多いのが 所謂年輩。
少し前の戦国なら寿命とされてた奴等も 今の幕府の治世ならまだまだ健在だからな?」


粋「あのー。 つまり庶民で年寄りの客が多いで良い?」おそるおそる挙手っ

彬羽「Σ難しい事言ってねえだろ!自信なくすな!!」



蒼月「お前さあ 話し方がいちいち小難しくてまどろっこしいんだよ
マジで頭良い奴はバカにも解るように話せるもんなんじゃないのー?」

彬羽「Σぐ」

粋「いやバカじゃねえし。 見習いとして今後の為に色々間違わないように確認しただけだし」

家康「あーよしよし。
頑張ってるねえ」苦笑いっ



千様「で、その年配のお年寄りがお客に多いのと 白髪に何の関係が?

あ、親近感?」

彬羽「それで人気が出ると思うか?」


千様「・・・えー

ダメ?」

家康「ムズいんじゃ無いかな?」うん。


彬羽「時代が変わり 安全に暮らせる様になったもののだ。
年寄りってのは何処なり体が悪くなって来るだろう」

粋「あー確かに」うんうん。

彬羽「で、だ
自分で動き回るのが困難になってくれば 生活にメリハリが無くなる
そうすると手近に刺激が欲しくなる
それが芝居小屋に年配客の多い理由だ」

家康「ほうほう。
そうだったんだ」へー

彬羽「そいつらにとっちゃ娯楽は楽しみで有ると同時に 夢中になる事で現実の痛みやら何やらをしばし忘れさせてくれる物でもあるからな

完全に人じゃない物はさすがにマズイが 多少浮世離れしてる奴等の方が そういう意味じゃ向いてるって話だ」

千様「あ。成る程」ほう。

蒼月「普通にその辺歩いてたら浮いてるくらいのが 役者にゃ適任って事なんだねー」へー。




粋「めちゃめちゃ勉強になりましたっ」きりっ

彬羽(腕は無いのにヤル気は有るから不憫な奴だな)うーん。






シロ「見た目や周りの目などどうでも良いわ
生まれつきだし仕方無かろうて」ふんっ
※こっちも白髪

小太郎「大丈夫だ、魄哉も頭金ピカだし」わおんっ

シロ「Σ待てい!あれと同じぐらい目立っとるのか!?」


蒼月「いや気にしてんじゃん。」

千様「いっそ黒く染める? 」

蒼月「えー それやるなら改名しなきゃダメじゃん」

千様「え。やだ めんどいからシロ君はシロ君で射居て。」あっさり

シロ「Σツッコミが追い付かんわ!!」



家康「気にする事無いって
彬羽なんて黒髪だけどデカすぎて周り引くもんね」あははー


彬羽「さらっと巻き込むな。

まあ そういう事で あの業界じゃ最近赤やら何やら派手なヅラかぶるのが流行ってるらしいな

その辺の意味解っててやってるのかは怪しいが。」

小太郎「へー。」

シロ「そもそもお前 毎度どんな話をしていたらそのような話題に辿り着くのだ?」


家康「たまに天海と経済の話とかしてるしその辺じゃない?」

蒼月「世間話感覚で凄い話してんなホント」うわあ。






粋「そっか。
華やかなだけの世界じゃ無いんだな」うんうん。



千様「あら。ホントいい勉強になったみたいね」

家康「これで一人前に近付くといいねえ」うんうん。






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粋「なあ 爺。
なんで俺には爺からもばーちゃんからも髪色の遺伝ねえの?」

焔「は?」




白「お前 俺がやたら目立つの気にして無かったっけ?」※婆ちゃん譲りの白髪

粋「それで売れてんだからいいじゃんかよ」ちえー

白「?」



粋「染めるか?いっそ染めるか?
確か赤とかも流行りなんだよな
元が茶髪だしそんな違和感なく行けるかも」うーん。


焔「お?爺ちゃんと お揃いすんのかー?」

粋「やっぱやめる。」即答。

白「よく解らないけど お前絶対何か間違えてると思う」







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