小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月26日

 

 


【割烹春一】

 

がららっ


白「お。やってるな」

テオドール「練習台に参りましたよー?」

 

 

粋「へい、らっしゃい!

な?な? ここの制服似合わね?」ほらほらっ

テオドール「制服と言うか
ロゴの入ったただの甚平のような」うーん。

 


白「あいつあんなで 夏までに使える様になるのか?」

ひな「器用ですし やる気は有りますし
自分からアレコレ仕事見つけてくれますしで 助かってはいますが」うーん。

 

 

彬羽「味が濃い。」むう

粋「Σなんで!?言われた通りの分量だけど!?」えええっ

彬羽「火加減の問題だろ
具材に火が通る前に水分が飛んでんだ。」

粋「Σこんくらいしないと他のに手が回んなくね!?」

 


朱禅「まあ、厨房で 彬羽レベルにってのは無理だと思う

俺も無理だし」うん。

 


白「バカラスお前、
そんなだから来たバイトすぐやめちゃうし
残ってても 皆長持ちしなかったと思うぞ」

彬羽「いらん所で過保護にするな。
保護者は黙ってろ」むっ


テオドール「落ち着いて下さいませ
この方が 身内だからと言う理由で無闇に庇い立てするワケが御座いません

むしろ もっとやれと申されるガチ魔王に御座います。」

 

 

粋「ちえー

そりゃカラスからしたらダメだろけどさ。

試しに兄貴」ほれ。

白「どう違うのか解らない」もぐもぐっ


ひな「ね? 結構こんなもんです」


彬羽「食えりゃ何でも上手いって奴基準に言われてもな」困惑っ

 

テオドール「強いて言うなら やや香りに難が」うーん。

粋「Σへ?香り!?ショウガでもぶち込めば

彬羽「絶対やめろ。」

 


庵「まあ、彬羽の職人堅気で融通利かないのも、
キッツく言われても いきなりあのレベルは無理って 理解しつつ頑張れるのも 凄いよね」うん。

 

シロ「俺等 完全に芋の皮剥き兼 出前担当だしな」

朱禅「夏場は店内冷却って 大事な仕事があるぞ
彬羽がぶっ倒れない様 よろしくな」

 

粋(カラスがマジで暑さでへばった時の サポートって感じで行けば良いか)うん。

ひな「バイト馴れしてる人はホント助かりますよ」うんうんっ

 

 


間。

 


【遅い昼休み】

 

 

白「意外と客来るんだな。」へー

ひな「お陰さまで 今年は商売繁盛です」


粋「Σうお あの婆ちゃん財布忘れてっててる!
ちょい俺届けてくらあ!! 

ばーちゃーん!!」だだっ!

 


テオドール「あー。確かに評判は良くなるやもに御座いますね」

庵「まあ、お年寄りも安心して来れる店にはなったね

私も見習わないと」うん。

 

白「変な所で役に立ってるんだな」ふーん。

 

 

粋「あー追い付いて良かった ただいま

Σあ!やべ 兄貴の方 出しっぱなし!」はっ

白「ん?」

 

粋「あ。そっちの兄貴でなくて」


テオドール「『アニキ』と言うのは
飲食業界で先に消費したい、つまり古い方の食材の事に御座いますよ

『古いの』では お客様が聞いて良い気はしないので そう言う言葉を使うので御座います」どやっ


白「なんでお前が詳しいんだ?」

テオドール「粋さんが バイト初日の後 めためた語られておりました」

 


ひな「成る程 復習は完璧みたいですね」ふむ。

庵「あー。いるいる
今日あった事 全部周りに話したがる子供みたいな奴」うんうんっ

シロ「物事は繰り返す事で覚えるからな
その気質で良かったな」ほう。

 

粋「俺褒められてんの?」複雑っ

テオドール「使えねえ奴扱いはされてないのでよろしいのでは?

てか毎日の報告を聞く限り
私もそこそこ出来そうなので御座いますが」


ひな「シフト入ります?」真顔っ

テオドール「どんだけ彬羽さんのへばる夏が怖いので御座いますか?」

ひな「若干流行ってきたら それはそれで怖いんですよ」大真面目っ

 

テオドール「あーその、

私はメンタルがクッソ弱う御座いますので

灰になって異物混入しそうなのでやめておきます」チラ見っ


彬羽「俺はそんな怖いか?」真顔っ

白「厨房で外国人泣き出したら 客も困るだろうしな」うん。

彬羽「Σそこまでか!?」

 

ひな「真面目で妥協出来ないだけなんですがねえ」苦笑

彬羽「客に提供する物に妥協しちゃいかんだろが」ずーん。

 

 

白「クソ真面目がガチガチでお前等も大変だな。」茶ずずー。


庵「ん?そうでもないよ
彬羽意外と職場では力抜いてるし。
自分の仕事には妥協しないけど。」

白「へ?」


ひな「ですねえ。
真顔でボソッと冗談言ったりしますし」

白「へ?」

 


粋「ああ。俺もちょいビックリした

あれだな 自分主体でやれるから気持ち穏やかって言うか」

テオドール「Σあ、仕事中は 魔王の副官ではない役目に没頭出来ると言う!」はっ

 


白「なんだ お前仕事に逃げるタイプか」ほー。

彬羽「どんな言い回しだ」おい。


九尾「Σ待てい!
それむしろ わちがだーりんに言いたいセリフぞ!!
なんか狡い 混ぜるのじゃっ」どろんっ

 

庵「店長 飲食店に獣が入り込んでまーす
駆除して良いですかー」

朱禅「うん。店内で殺生やめて」

 


ひな「はいはい。そう言うのは他所でやって下さいね


はーい。いらっしゃいませ
こちらの席へどうぞ」にこっ

 

 

白「背中越しに中指立てられたぞ」おい。

テオドール「まあ。席に半日居座られると邪魔では御座いますしねえ
そろそろお暇致しましょうか」気まずっ

 

九尾(いや だーりん結構注文もしとったが。

あ、長居されると
カラスがキッツイのか)こんっ。

 

 

シロ「まあ、あの魔王に振り回されっぱなしでは ストレスも貯まるわな」うむ。

 

粋「うん。
その辺知ってるからか 多少シゴかれても何も思わねえんだわ
よろしく 師匠」へらっ。

彬羽「Σむしろやりにくい!」ぐっ


ひな「はいはい、また胃傷めますよー」



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4月25日

 

 

 


雨どじゃーっ!!!

 

 

ちんぴらA「だああ冷てええっ!」

ちんぴらB「やべえ ブツが濡れちまうっ
かと言って 其処らの飯屋に入るのも」くっ

ちんぴらC「お!おあつらえ向きの小屋がある!
あそこで雨宿りだ」

 

ばしゃばしゃっ

 

 


扉ぱたんっ

 


ちんぴらA「あー 助かった」着物絞りっ

ちんぴらB「しっかし何だこの小屋。
なんで町中にこんなもんが有るんだよ

助かったけど」きょろっ

 

 

 


魄哉「おや、御相談ですか?」

ちんぴらC「Σなんか居た!!」

 

 

魄哉「あ。すみません いきなり声をかけまして
大丈夫ですよ、この建物の中の声は 決して外には聞こえませんので」

ちんぴらA「あの、何が大丈夫なんすか?それ」おそるおそるっ

 


魄哉「何って 貴方がた
人生相談、もしくは懺悔に来られたのでは?」

ちんぴらB「Σまさかの江戸の町中に懺悔室!?」えええっ

 


魄哉「普通に愚痴吐いてスッキリして帰られてく方も多いですがね」にっこり。

ちんぴらC「つか、坊さんが懺悔室待機って シュールだな」うーん。

 

魄哉「坊主は説経かまして来そうで嫌だと言う人の為に
神父服も用意してますが?」

ちんぴらC「Σ要らん要らん!
何その変な所に行き届いた心遣い!」

 


魄哉「そうですか。

で、どうしましょう?
お1人ずつお話しますか?
もちろん 3人御一緒でも構いませんよ」

 

ちんぴらA「あ、いや 俺等はそう言うのじゃなくて」そのー。


ちんぴらB「此処がそんなんと知らなくってよ。
雨宿りに駆け込んじまったのよ」

ちんぴらC「そうそう。
商売の品届ける途中だったんで 濡らすわけにも行かなくてなあ
雨がやむまで居させてくれよ」

 

魄哉「はあ。それは大変でしたね

構いませんよ」にっこり。

 


ちんぴらA(よっしゃ!人の良さそうな坊主で良かった!)

ちんぴらB(金髪で袈裟がド派手なのが気になるけど

坊主は坊主!お人好しでチョロいもんだ!)

 


魄哉「でも世の中ギブアンドテイクです。

雨で誰も来ないだろうしで暇なんで
その間 話し相手になって下さいね」にっこり。

ちんぴらC「Σえ。 やっぱ話すの!?」げっ

 

 

魄哉「いつもいつも此処に居るワケでも無いと言うのに おのれ季節の変わり目ですよ。
こちとら市政の皆さんの声を聞こうと 必死こいて仕事片付けて来てると言うのに」ふかーい溜め息

 

ちんぴらB「おい。坊さんが愚痴り出したぞ」

ちんぴらC(つか市政の声って
この坊さん 偉い奴?)えー

 

 

魄哉「と言う感じで愚痴どうぞ
吐けばスッキリしますよ?」

ちんぴらA「アンタどんだけ愚痴聞きたいんだよ」

魄哉「人の心を軽くするのも 僕の仕事ですので」

 


ちんぴらC「あー 解った解った
実はよ うちの上司?が偉いパワハラ野郎でよー。」

ちんぴらB「Σえ!おい!」


ちんぴらC「外には聞こえねんなら問題ねえだろ。
坊さんにゃ守秘義務とかってのが有るだろし

なあ?」

 

魄哉「はい。他言はしませんよ」

天海大僧正

 

 


ちんぴらB「ま、まあ 名前とか具体的じゃないなら」

ちんぴらC「んでよ
そのおやぶ 上司がよー

今日中に品物運べって指示して来たんだけどよ
俺等それ聞いたの今朝よ?

 

ドタバタ半端ねえっての
しかも雨まで降ってくるしよ

やってらんねえわ」ため息っ

 

 

魄哉「そこでやってらんねえなら 転職しては?」

ちんぴらC「事も無げに言うんじゃねえよ」イラッ


ちんぴらB「辞められたら苦労ねえよな」ため息っ

ちんぴらA「つーか。辞めたら辞めたで 俺等みたいのは食ってけねえよ」

 

魄哉「ふむ。負の連鎖ですねえ

しかし、此処で嘆いて居ても 何も変わらないんですよ?」

ちんぴらC「いやここ 愚痴吐く所じゃねえの?」えー。

 

魄哉「話に寄ります

3人寄れば文殊の知恵と言いますが
3人揃って現状維持しか無いと思うと言う事は なかなか由々しき事態です。

この辺も整備していく必要が有りますね」ふむ。


ちんぴらA「いや、何の話?」

 

魄哉「すみません 年寄りなんで思考が口から漏れるんです」

ちんぴらB「アンタいくつだよ。」おい

 

 

魄哉「気にしないで下さい

さて、この暇な年寄りにもっとガンガン愚痴聞かせて下さいよ」

ちんぴらA「いや めちゃ気になる
ガンガンて言われてもなあ。」困惑っ

 

ちんぴらC「転職・・か。」ぼそっ

ちんぴらB「Σうお!ちょっと真面目に悩み出してる!
懺悔の力凄え!!」おおおっ


ちんぴらA「懺悔か?これ。」

 

 

魄哉「では、お話されないなら こちらが話しても良いですか?

狭い小屋の中、無言でひたすら雨がやむのを待つと言うのも何ですし」

 

ちんぴらA「あー。それなら」うん。

ちんぴらB「大した相づち打てねえけどなー。」

 

 

魄哉「では、今を遡る事 数十年の話なんですが ーーー」

 

 

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家康「おー。晴れた晴れた

雨の後は綺麗に晴れるねえ」

挿音「おう。天気は良いんだけどよ


何が有ったよコレ」

魄哉「将来有望な公務員の卵さん達です」どやっ。

 

ちんぴらA「マジか! 俺でも知ってるあの武将にそんな苦労がっ」

ちんぴらB「生まれてこの方 ずっと運がねえ運がねえと思ってたが 
そうか、逆境は力になるっ」くううっ

ちんぴらC「採用書類なんざ初めて貰った
しかもこの俺が公務員っ」じーん。

 

 

家康「あの、これ多分
3人共同じ事の話してるんだよね?
何? 何を話したんだか見当つかないんだけど」えーと。


魄哉「守秘義務が有りますので」ふっ。

挿音「また口先三寸で何誑かしたんだよ。
坊主怖えな」

 

 

魄哉「いやー。 城下に来てて良かったですよ
だから懺悔室やめられないんですよねえ

あ、此方は こっそり持ち主に返しておきますね」盗品の包みっ

 

ちんぴらC「Σお!お待ち下さいっ
貴方様は何者で!?」


家康「知らない方が良いと思うよ?」苦笑

挿音「アンタが言うか」

 

 

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