小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

6月29日

 

 

  
テオドール「ほう。此方が 代々御家を護ると言われる名刀に御座いますか」ほー。

 


家主「我が先祖は この刀を帯刀する事で 幾度も危機を脱したとかで」

テオドール「つまりはラッキーアイテムに御座いますね。」にこっ


奥方「そう言う言い方をされると 神社のお守りみたいな。

と言うか この外国の方は?」ひそっ

家主「さあ?
観光客の相手をしている気分だが」うーん。

 

 

白「ごめん。連れだ」手招きっ

家主「Σあ。これは失礼を!」

白「いや、普通にこっちが失礼だ。 
テオ、日本じゃ人の家に上がる時はまず お邪魔しますだ。」な?
 
テオドール「Σげ。私、言い忘れておりましたか!?」 

 

 

粋「そこじゃねえよは置いといて

何? なんで揃って刀見学?」ひそっ

 

彬羽「俺等が出てくる時点で解らんか」

粋「えー・・

刀で怪奇現象つったら妖刀で辻斬りとかだろ?
それは無さそうだしよ」

彬羽「ん?刀を見てないのに何故言い切れる」

 


粋「血の匂いがしたら テオが反応してるだろ?」

家主「Σすんません!うちの宝刀 そんな荒ぶってませんから!!」

 

白「別に 観光客のフリして調べてたわけじゃないぞ?」

テオドール「で御座います!
私純然たる観光気分に御座います!!」キリッ

 

 

奥方「あの、確認致しますが
貴方がたは 幕府の使いの陰陽師の方ですよね?」困惑っ

 

粋「陰陽師?」へ?

彬羽「いや、その
 
まあそんな物だ」

 

 

テオドール「おや?
今回のは 本来は晴明さん案件だったので御座いますか?」

白「うん。
晴明の奴、縁側でうたた寝してたら 梅雨なのに急に天気良くなって
変な日焼けしちゃって 外に出れないらしい」  

粋「Σうっお。悲惨っ」

テオドール「そりゃしばらくは拗ね倒しておられますね

で、我が主が駆り出されたと」納得。


 


家主「で、その
うちの刀なんですが。

悪さはしないんですよ

単にその 私も武芸者の端くれ。故に解るのですが

最近 、どうも人のような気配がするのです」 刀ちらっ

 

 


 
白「なんだ 付喪神か。」ふーん。
 
テオドール「意外とそこ等にぽんぽん発生するので御座いますねえ」へー。


家主「Σんなサラッと言う事ですか!?」  ええっ

白「見慣れてるし」さらり。


テオドール「で御座いますよね。
普通に同居しておられますし」のほほーん

 
家主「Σうっお。ホントに本物の霊能者だった!!」ひえっ

 

 

粋「霊能者つか、
ホントの霊能者は 与一の持ち主の石燕なんだけどな」苦笑。

彬羽「シロの鬼切も忘れてるぞ
アレはどっちかと言うと妖刀だが

 

ふむ、害は全く無さそうだな。 
長く大事にされていたから 刀に魂が宿ったというだけの話だ。
むしろ誇る事だと思うがな」
刀掛けに戻しっ

 

家主「そ、それは良かった」ほっ

 


白「いきなり人型はやめるんだぞ。
この持ち主 絶対大騒ぎするタイプだ」な?

奥方「Σなるんですか!?人型!」えええっ

 

彬羽「いらん事をいうな」
首根っこ引っつかみっ。

白「俺等でも 与一の時、びっくりしたし」ぶらんっ

 


家主「なかなかド偉い家庭環境ですな。」引。

テオドール「慣れたらどうって事御座いませんよ?」けろっ


粋「人の世じゃ こんなの慣れんのが異常だって言われてんだよ。」

 

 


間。

 

 


家主「付喪神か。
悪い物で有るどころか
これはますます我が家の家宝となり崇められるであろうよ」刀拝みっ

奥方「そう言う物で御座いますか?
私は恐ろしゅうございます」おそるおそるっ


家主「これ、バチが当たるぞ
付喪神はその名の通り もののけ妖と言うより神に近い精神性を持っていると
 
どうした?」ん?

奥方「いえ、何か物音が」


家主「はて、こんな夜更けでは家の者も大概寝ておるだろうに。
そげに付喪神が恐ろしいのか?

私はもう少し 我が家宝と共におるので、お前も先に早く寝なさい」

 

 

 

 

 


粋「なになに何!?

こんな夜中にどしたの兄貴!?」どたばたっ

白「新参付喪神って 俺らの世界でも新人扱いで 誕生おめでとうってしてる奴等も居るから
結構 皆、気をつけて見てるんだ。」すたたたっ

粋「Σえ。あの刀なんかあったの!?」ぎょっ

 

彬羽「いや、あの刀がと言うか
  

バキャスッ!!

 

テオドール「お気をつけ下さいませ。 
貴方様 デケェんで御座いますから。」すたたたっ

 

彬羽「刀自身がどうしたと言う話ではなくだな  

粋「Σいや松の木の枝直撃したから!
すっげぇいい音したから少しくらい動じろよお前は!!」


彬羽「6月の癖に暑いのが悪い! 
やってられん!省エネさせろ!!」くわっ

粋「Σ最近暑くてリアクション面倒だったの!?」えええっ

 

 

白「話進まないから勝手に説明するぞ。
新人歓迎で わくわく野次馬してた 小妖怪がさっき駆け込んで来た

刀が狙われてるってな。」すたたたっ

テオドール「成程。 私のような素人目でも
付喪神云々は抜きにしても良い刀と判断致しましたし」


 
粋「Σえ。何!?
んじゃ盗賊団にでも目をつけられたのかよ!?」

白「新人が攫われたら可哀想だって 納豆小僧が泣きついてきた。」うん

テオドール「ああ。それで若干お召物がお汚れで。」あっ

 

一同(納豆嫌いにはキッツい。)うわー。

 

 


彬羽「魔王も大変だな」

白「うん。この着物 帰ったら捨てる」ねばーっ

粋「そこまで苦手なのに
納豆小僧に冷たく当たんねえの。 立派だよ兄貴」うん

 

 

 

 


家主「お、お前等 家の者はどうした!」

盗賊A「そらもう みーんな仲良くそこ等に転がってるよ
さっさと終らせて 早く医者に診せてやらねえとなあ?」にやにやっ


家主「Σくっ!先祖より託されし この刀は渡さんぞ!!」


盗賊B「おお。それそれ
何でも最近 江戸城のヒト等も気にしてるそうじゃねえの。
良いなー。欲しいよなあ?」

 

奥方「あなた どうされまし
 
Σなっ!何ですか 貴方がたはっ」あわわっ


 
盗賊D「おお。こら別嬪さん」おっ


家主「Σいかん!奥 逃げるのだ!!」

 

 

盗賊D「いやいや 逃さねえよ。
お頭 この奥さんも頂いて帰りましょうぜ」髪引っつかみ

奥方「Σきゃー!いやーっ!」じたばたっ


盗賊A「だな。
ほれ、旦那さん 多勢に無勢だ。アンタも解ってるだろ?
そんななまくら引っ込めて 大人しく後ろの高そうな刀を

ん?」

 


カタッ カタタタタタッ

 

盗賊B「?  刀 揺れてませんかい?」

盗賊C「地震か?」おや。

 


家主「Σはっ!護り刀殿っ!!」おおっ


 
がたたんっ


ぎゃんっ!

盗賊A「Σえ。」

 

 

 

襖すぱーん!

 粋「何だ今の音 Σうおおおお!?」びくっ


盗賊の首元に刀ぶっすり。

 


粋「Σいきなりグロい!!」ひいっ

 
テオドール「いえ。血の匂いが致しません
 
あ、ギリに御座います。
ほら首の皮1枚だけ切って 後ろの柱にぶっ刺さっておられますよ」

白「器用な奴だな」へー。

 


盗賊B「Σななななんだお前らは!」あわあわっ

白「悪い事言わないから逃げた方が良いぞ

俺等役人じゃないし。」


盗賊C「んなもん見りゃ解るわ!
畜生 顔見られたからにゃ仕方ねえ こいつ等も始末


Σあ"あぁぁぁぁあーーーっ!!!」メリメリメリッ

 


白「バカラス。顔面潰れるぞ」どうどうっ

彬羽「握力くらい加減出来る」

どちゃっ。

 

 

テオドール「奥様 大丈夫で御座いますか?」

奥方「ええ。護り刀さまのおかけで

Σひっ!」

 


粋「すんません。
一応 1言かけたからってことで
うちの兄貴がガチで泣かしにかかってんで 女の人は見ない方が良いんじゃないかなーって。」 

家主「これは 男でもキツイ」うわ。

 

 

白「逃げなかったんだから
このまんま牢屋行きな」ずーるずるっ

盗賊D「Σ血まみれの同僚引きずってこっち来ないでえええーーーっ!」うわああっ

 

 

テオドール「おや。この町の治安では盗賊団程度は珍しく御座いませんのに
偉くお怒りの様子で」はて?


彬羽「そりゃあな。
まだコイツは 自力で動ける程の物じゃ無かったからな
 
無理しやがって」眉間に皺寄せっ


粋「へ?刀?

 

Σちょい待て!それって」あわわっ

 

ぴしっ。ぴしししっ!

 

家主「Σ刀身にヒビが!」

 


ぱりーん。


奥方「Σ刀殿!?」ええっ

 

 


テオドール「砕けて しまわれました。」呆然


粋「無茶って こう言う事かよ」

 

 

奥方「私がっ あの様な者に捕まったりするからっ」ううっ!

家主「奥は悪くない。
刀殿 見事な生き様に御座いましたっ」くうっ

 

 

 

彬羽「・・・。」メリッメリメリッ

白「バカラ
ムカつくのは解るけどな。
今度こそ潰れて飛び散るぞ「返り血で色変わってる手前に言われたかねえ。なんだ。イメチェンか」ふんっ

 

 

 

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テオドール「何やら 悲しい幕引きになってしまいまして御座います」しんみり。

粋「うん。 惨殺現場みてえになってるおかげで 悲壮感はうっすいけどさ」

 


役人A「コレで死人出てないって マジか」引っ

役人B「Σ天海様の直属の御方で!
これは お疲れ様です!! 」最敬礼っ

 

 


奥方「ううう。私、あんな失礼な事を言ってしまった」しくしくっ

家主「言うでない。
怒っておったのなら
刀殿もお前を助けたりはせんよ」

 


粋「良い人等なのが また泣けんなあ」鼻ぐしゅっ

 

白「そんな悲しまなくても良いと思うけどな」

テオドール「確かに刀様は 日本刀らしく信念を貫かれて果てられましたが
あれを見てしまうと割り切れない物が御座いますよ」苦笑。

 

白「んーとな

確かに刀はあそこで終わったけど」えーと。

 

彬羽「付喪神は『神』だからな
人の想いで生まれた神は 消えてもまた すぐに生まれ変わる物だ
そう考えれば さほど悲しむ事でもない」

白「一番暴れてた お前が言うのか?」なあ。

 


粋「Σえ。そうなの!?」

テオドール「生まれ変わるって 何にで御座いますか!?」

 

白「よく解らないけど
神だった頃に縁の出来た奴の近くだって 前に晴明が言ってたような」

 

 


奥方「Σうぷっ」

家主「Σうお。どうした 
血を見すぎたか!?」

 

奥方「あーいえ。
ひょっとしたら?」お腹さすりっ

家主「Σまさか!

でかしたぞおおお!!」うおおっ

 

 


 

粋「早くね?」真顔。
 
白「折れてまで護るくらいだし
ここの家の奴が大好き過ぎるんだろうな」うん。


テオドール「あの、おそらく感動すべき所なので御座いましょうが

なんかこう イマイチ泣けないので御座いますが」苦笑。

 

 


彬羽「そうか。」

テオドール「今 さりげに目元拭われませんでした?」

 

白「バカラス 真面目過ぎだぞお前」
  


粋「えーと。

とにかくおめでとーう。」腹に話しかけっ

奥方「あら。気のお早い。
ありがとう御座います」照れっ

 

 

 

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