【芝居小屋】
皐月「なーんや。
ようよう 営業出来る気温になったと思たのになあ」うーん。
雨どじゃー
粋「うわ、じゃんじゃん降り」
テオドール「日本の秋はややこしゅう御座いますねえ」
白「よし。てるてる坊主作ろう」
粋「Σうおお兄貴それダメそれダメ!
衣装部屋で てるてる坊主作んな! 1枚いくらすると思ってんだよ!!」ひいっ
皐月「アンタ もうすぐ出番やで
んな暇あんのか?」なあ。
白「ん?そっか
じゃあ、完成させてぶら下げとけ。
頼んだ」どしゃっ
テオドール「キッチリ首を締めて軒先に吊るせばよろしいので御座いますね?
おや。等身大だと重
粋「Σ役人呼ばれるからやめろおおお!!」うわああっ
白「さて、出番だ出番」すたすたっ
粋「Σちょコラ兄貴!
秒で飽きんな!どうすんのこれっ」
皐月「あー。それ古着で買うた イマイチ使えん古い着物やしな
てるてる坊主にしてエエで。
派手な方がお客さん喜ぶやろし」
粋「Σこんなのぶら下げてたら むしろ客逃げるわ!!」
テオドール「しかし効果は抜群だと思われますよ?
彬羽さんの話だと
てるてる坊主は本来 水害等を鎮める為に 生贄を木に吊るしていた事の名残であると
粋「Σカラスも寄りによって何でコイツに 黒い日本文化教えるかな!!」ああもうっ
テオドール「経緯はともあれ
今はただのおまじないに御座いましょう?
我が主に託された以上 お遊びとは言え
Σうっお重っ!」ふんぬっ!!
粋「Σ軒先はやめろおおお!!」うわああっ
通りすがりの客A「え。何あれ」引っ
通りすがりの客B「あー。まーた変な事してんのか この店は
まあ 目は引くよな。
どーれ ちっくら中覗いてみるか 」わははっ
通りすがりの客C「はいはい 宣伝だねー
ああ驚いた。人の大きさだもんよ」あははっ
粋(通行人すら もう慣れてんのが微妙に嫌だ。)ずーん
テオドール「あー。思ったより重量があったので爪が」いててっ
皐月「剥がしたん?」あちゃー
テオドール「いえ。欠けた程度に御座いますが
うわ血が止血止血っ!」指抑えっ
皐月「え。まじないに 吸血鬼の血とかついて大丈夫なん?」
テオドール「何も術式とか使っておりませんし 大丈夫では?」血ちゅるるーっ
粋(え?テオって確か
ただの吸血鬼じゃなく 悪魔、しかもサタンの息子だよな
マジで大丈夫?)冷や汗っ
皐月「自給自足で美味いん?それ」
テオドール「・・微妙で御座いますねえ」ちゅるるーっ
粋「あ。濃くてクドくて飲む気のしねえ 俺の血よりは美味いんだ。」複雑っ
間。
てるてる坊主「ああ!此処はどこ!?私は旦那様の元に帰らねばならないのにっ!」ぶらんぶらんっ
テオドール「悪魔の契約的な何かで
予期せず 呼び出してしまった様で」あちゃー。
つつじ「Σエエから中にしまっとくれやす!
動くんはアカン!人サイズでそれはアカン!!
大通りの皆はんビビり倒しとりますえっ!」ひいいっ
粋「えーと、すんません
どちら様?」よっこら降ろしっ
てるてる坊主「人の時の名前で良いのでしょうか?」えーと。
皐月「ん?アンタ人なん?
ちゅーか 声とか仕草
女の子?」あれっ
一同(坊主なのに!?)ええっ
てるてる坊主「あのー。何故に皆さん 驚いておられるので?」
皐月「動いとるからちゃうかな?
デリカシー無い事抜かしたらぶっとばすで 野郎共。」
テオドール「と言うか
顔面は 我が主が書かれたへのへのもへじを貼り付けた物で御座いますのに
どうやって喋っているので御座いましょう?」うーん。
粋「布の塊が動いてる時点で考えちゃダメじゃね?」ちょっとびくびく
皐月「で、アンタ何なん?
オバケなん?旦那様て何?」
てるてる坊主「何と言われましても ここ何処です?
あ、ひょっとして誰か降霊術とかされました?」きょろっ
テオドール「あーいえ
私がうっかり爪を引っ掛けて血が」そのー
てるてる坊主「あら。痛そう」
粋「Σえ。降霊術って事は
やっぱお化け!?」後ずさりっ
つつじ「何であっても こんなんお化けには違いないどっしゃろなあ」うん。
皐月「よし。人外ちゅー事なら あっきーに相談や」くるりっ
粋「Σ冷静すぎるっ」ええっ
皐月「そらな。
モノノケの事やったらモノノケのトップに任せるのが筋やろ
魔王様言ってもお宅の兄ちゃんアレやし そもそも出番中やし
ちゅーか。こんなん一般人がどうしたらエエねん」
てるてる坊主「勝手に呼び出しといてこんなんって」えー。
テオドール「申し訳御座いません。
正直な方なだけで 悪気は無いので御座います
と言うか 私もまさか自分の血にこんな作用があろうとは」うーん。
てるてる坊主「出来るだけケガとかしない方が良いですよ
見た所 貴方の血液、めちゃめちゃ魔力が高いです。
気軽に出血してたら 何が起きるか分かりませんよー?」
つつじ「ドジっ子相手に無茶な事を」苦笑。
粋(つか、1目で解んのかよ
このてるてる坊主 ひょっとして凄い奴なんじゃ?)ひええっ
間。
てるてる坊主「ええ。私は
かの大洪水の際、
嫁に来れば村を救ってやるとの水神様からのお告げがあり
皆の為に身を捧げた 古の大陸の娘で御座います」
テオドール「おや?
生贄は木に吊るされたのでは?」
彬羽「諸説有って どれが起源か解らん話では有るからな」うーん。
皐月「え?水神様って
村を救いたかったらアンタの命寄越せ言うたん?引くわー」
てるてる坊主「あーいえ
そこは村の人達の早とちりで
最終的に どっちも人外になったし まあいっかー。と」
粋「Σ軽っ!!
どんな水神だよ」えええっ
てるてる坊主「確かに非常識な方では有りますが
そこは人では無いので仕方が無いかと。
でも、とても不器用で優しい御方なんですよ」にこにこっ
つつじ「ほー。ラブラブなんどすなあ」
てるてる坊主「そりゃもう。
これも何かの御縁。
今度皆様にも御紹介を
白「あれ?皆何してるんだ?」襖がらっ
てるてる坊主「Σ旦那様!!」ええっ
粋「Σはいい!?」
彬羽「違う。確かに水神だが人違いだ。
他人の空似と言うか、水の眷属なら遠縁か何かでも不思議はない」きっぱり
テオドール「Σ把握と判断が早い!!」
彬羽「このアホが わざわざ大陸で嫁探す理由がないからな。
そもそもコイツは日本語さえ怪しいぞ」
テオドール「Σあ。言葉の壁が」はっ
白「え?え?」きょろっ
皐月「うん。ごめん
何さらしとんじゃ このクソアホ魔王とか ちょい本気で思ってもたわ」
白「Σえ」
つつじ「あのー 皐月はん?
まずは状況を説明したった方がエエんとちゃうやろか?」
白「クソアホ?
え? で、お前は何・・誰だ?」えーと。
てるてる坊主「Σえええ!私をお忘れですか!?」がーん!
白「え?
えーと。ちょっと待て 今思い出すから」ちらっ
彬羽「助けを求めるな。
安心しろ 知らん奴だ」
白「意味が解らない」困惑っ
粋「いや、兄貴
なんで即座に身に覚えがねえって言えねえの?」
テオドール「ストーカーホイホイな方に御座いますし
・・まあ、大人で御座いますからね」ふっ
粋「Σ後ろ暗い事が有るんすか 兄上!?」えええっ
通りすがりA「おや?空が晴れた。」
通りすがりB「おやまあ
あの分厚い雲は何処行ったのかねえ?」
彬羽「腐っても水神か」ふむ。
つつじ「気分1つで雨雲吹っ飛ぶんかいな
この御人 偉いカナヅチやけんどなあ」空見上げっ
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