小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月22日

 

 

 


【割烹春一】

 

がららっ。


ひな「いらっしゃ  あら 珍しい。」

朱禅「お?休みかよ 公務員」

挿音「いや仕事中なんだけ「サボるならバレねえようになー」皿拭き拭きっ

 

挿音「サボってねえわ。
こちとら忍だぞ? 一般人のふりして其処ら調べるのも立派な仕事だっつの」キセルすっぱー。

 


ひな「飲食店。」ギロッ

挿音「お。悪い」 

 

 


シロ「捜査は良いが 正直お前は一般人にはちと見えん。」

朱禅「お。出前おつかれー」


挿音「ん?今日バイトだったのかよ
何か出来る様になったのかよ?」

 

シロ「大根の桂剥きが1本分 途切れず出来る様にはなったな」どやあっ

挿音「・・何の料理に使うんだよ」

 


ひな「で、何を調べてるんです?
って忍のお仕事なら企業秘密ですか?」えーと。

挿音「だな。
あんま大っぴらに言えねえっつか
あーったく 面倒臭えわ」ちっ

 

朱禅「無意識にキセルを吸おうとすんな 
イライラすんな喫煙者」

ひな「相応ストレス溜まってますねえ

あ、あちらでお悩み吐き出して来たらどうです?」

挿音「あ?」

 


ひな「最近そこの角に小さな懺悔室が出来まして

悩みや人に言えない過去のあれこれ
心に溜まった淀みを吐き出してスッキリ。お悩み相談もしてくれるそうで人気なんですよー」

 

挿音「いや 何その宗教感ぱねえ胡散臭そうなの。
知らねえ奴に公務べらべら喋るわけには

ひな「なら 伏せて言えば良いじゃないですか
少なくとも市政の調査にはなると思いますよ?」

 

挿音「?
偉いグイグイ来んな。

まあ マジで不審なもんならしょっぴかねえといけねえし
ややこしくなる前に探り入れとくか

ありがとよ。ちょい行ってくら」すたすたっ

 

 

シロ「おい。

良いのか?」怪訝っ

ひな「私は喋るなと言われただけで オススメするなとは言われてません」しれっ

 

朱禅「あの あいつになんか恨みでもあんの?」

ひな「いえもう面倒なんで
店内で煙スッパスパされるくらいならとっとと  ねえ?」ふふふっ

 

 


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【懺悔室前】

 

 

挿音(すっげえ達筆で 看板に『懺 悔 室。』って力強く書かれてら

何か思ってたのと違  ん?)

 

 

町娘A「此処って評判良いよねー」


町娘B「あーだねだね。
友達が1度入ったけど
こっちの顔が見えない様に配慮してくれてるし、親身になって相談乗ってくれるし

ボランティアなのが凄いよねー」

 


挿音(無料かよ。

つか それこそ何かの情報集めてるヤベえ奴なんじゃね?)ふむ

 


町娘A「そいや 帰りにチラッと中覗いた人がいて

中の人 いかにも聖職者!って感じだったらしいよ
その手のって生臭も多いけど ちゃんとした人も居るんだねー」

 


挿音(いやいやいやいや、そう言う見た目マトモそうで第一印象良いヤツのがヤベェのが世の中だろ

小娘共が カモられてんじゃねえぞ)キセルすっぱー。

 


おばちゃん「で、兄ちゃん
入るのか入らないのかどっちだい

後つっかえてんだよ」

挿音「Σあ。わりっ

えっと。まだ心の準備が出来てねえから先行って「なら並ぶんじゃないよ! 根性の無い男だねっ」ずかずかっ

 

 

挿音「・・・悩み相談要るか? あれ」えええっ

 

町人「いえ。ああいう強がってる人程 人に言えないあれやこれやを抱えてる物ですよ

ああ早く順番回ってこないかなあ
私もね 妻に逃げられまして誰かに話聞いて貰わないと「うん悪い
俺はそう言うの聞く仕事じゃねえから」

 

町人「ああこれはすみません
誰かに聞いて貰わないと辛くって」どよーん。

 


挿音(あー なんでんな物が流行ってんのかと思えば
このオッサンみたいなのは 確かに知り合いには愚痴りにくいか。) チラ見っ

 

行列ずっらーーーっ。

 


挿音(いやどんだけ悩んでんだこいつ等。
多少胡散臭くても潰したら駄目な奴だろコレ

Σん!? ちょい待て最後尾何処だよ!? やっべさっき先に行かせたの間違いだったか!?) 

 

 

 

粋「ん?あれって」芝居小屋の買い出し中。

テオドール「おや。
変わった方が変わった列に。

あの方でも悩みとかあったので御座いますねえ」風呂敷包みよいしょっ

 


粋「忍だしなあ
苦労多いだろそりゃ。数日帰って来ないの当たり前の夜勤当たり前だし
心身共に疲れてんじゃね?」

テオドール「あー・・ 
人間は夜勤続きだと 精神やられやすいと言うそうで御座いますし」

粋「Σそうなの!?」ええっ

 

テオドール「私達夜の眷属、吸血鬼でも 病みがちに御座いますからそりゃ「Σいやお前等は日光浴びたら灰だろ!
何!?日光駄目でも夜起きてたら駄目って種族単位で呪われてねえ!?」


テオドール「呪いってか悪魔に御座いますし。

私は日傘のお陰で 精神健康に御座いますが」ごきげんっ

粋(Σどの辺が健康!?)

 

 

 


挿音(やべえ 列なっげえええ進まねえ!
他にも調べる物あんのに けど今離れたらまた並び直し Σあ、ちょっと進んだ

ええ。これ 夕方までに終わるのかよ)うええっ

 

 

 

間。

 

 

 


挿音「あーやっと順番かよ。


思ったより早えわ 相談とか時間かかると思ったんだけどな
此処の奴手慣れてんのかよ

つか何だこれ 偉く狭いな
相手の顔見えねえし こんな所で暴露してスッキリすんのか?わっかんねえなあ」ぶつくさっ

 

 


『はい。どうされましたか?
そうイラつかなくても 他に誰も居ませんので警戒する必要はありません。

心静かに 腹に溜まったものを


挿音「おう。声だけでモロバレだわ
江戸城抜け出して何してんだ親父」

 

 

魄哉「え?

Σげっ!? なんでこんな所 Σだっ!」頭がんっ!

挿音「こっちが聞きてえわ!、つか頭打ったろ 絶対打ったろ
んな狭い所でドタバタすっから」あーもう。

 

魄哉「いえあの本場の懺悔室ってこんなですし
え?え? なんでっ」あたふたっ

挿音「Σアンタがちょいちょい江戸城抜け出して行方不明になるから 家康が心配してんだよ!
オーバーワークで精神やられて徘徊してんじゃねえかってよ! Σあだっ!」がんっ

 

魄哉「狭いんで興奮すると危ないですよ?」

挿音「Σじゃかあしわ!!
何してんだって聞いてんだろがっ」頭ずきずきっ

 

 

魄哉「いえあの
その、思い付きで1度 皆さんの悩み相談したら 偉く好評でと言うか
皆 明るく見えても心に闇を抱えてるんだと。 
話を聞いてあげて楽になるならそれで良いかとそのー」苦笑。

 


挿音「なんで基本生臭なのに そう言う所は聖職者してんだよ。」

魄哉「其処らの坊主が僕より生臭で任せてらんないからですかね。」キリッ

挿音「寺焼いちまえ。」

 

 

魄哉「んな何処ぞのナマズヒゲみたいな真似出来ませんよ」えー。

 

挿音「えーじゃねえわ
ほれ帰るぞ。
アンタこれでも幕府の重鎮なんだからよ
ほれ、ここは今日で終わりだ 徘徊すんな頼むから」んっとによー


魄哉「Σえ。ちゃんと仕事片付けてから出てきてるじゃないですか!」

挿音「Σそう言う問題じゃねえっつってんだろ!!」うがあっ!

 

 

魄哉「いえ君も見たでしょうが!
此処が必要だからあれだけ列が出来るんです!
全てを救おうとか偉そうな事は言いません
せめて手の届く所だけでも 可能な限り話を聞くだけで救われるなら それくらいやろうでは有りませんか

民あっての幕府でしょう!!」くわっ!


挿音「Σくっ さすが政治家 
言い返せねえっ」

 

 

 

魄哉「君、明日から 町の人口ゴッソリ減ったら責任持てます?」

挿音「・・重低音で言うなよ」うっ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

家康「あー そう言う事だったのか。
まあね、天海が当たりキツいのは 私と晴明さんにぐらいだもんねえ。
そりゃいい相談相手になるだろね」うんうんっ

挿音「おう。さすがに毎日は色々と問題有るんで
曜日決めてやるってよ。

あー警護つけねえと」

 

千様「えー?あいつに警護要らなくない?」

 

家康「正確には 天海にじゃなく、
天海を狙って来たお馬鹿ちゃん達が一般の人達に危害加えない様に。
の警護だね

まあ それだけ行列なら警備員つけても不審がられないでしょ」

千様「あらあら大変ねー。

 

で、こっちは何事?」

 

 


彬羽「飛天によると
この辺の漢方が良いんじゃないかと言う話だが

1度飲んでしっかり休め
全てはそれからだ」な?

挿音「いや何の薬だよ「心身の緊張をほぐし ストレス緩和的なのだ。」

 

白「精神って 壊れたら戻すの大変らしいからな?
壊れる前にゆっくりしろ」営業スマイルにっこり。

小太郎「Σうおお完全に演技だ!
普段表情筋死んでるのに 役者業だから無理矢理やっちゃうプロの技こわっ!!」ぎゃいいんっ

 

 

粋・テオドール(普段めちゃめちゃタフなだけに
あんなのに並ぶとか 相当追い詰められてると見た) うん。

 


挿音「Σだああ鬱陶しい!
俺は健康だっつの!!」うがあっ

 

彬羽「Σこんな時まで片意地はってんじゃねえ!」くわっ

白「2人揃ってどうにかしろってわーわーぎゃーぎゃー無茶言われたんだ 仕方無いだろ
大人しく寝ろ。 でもって昼間動け不健康だぞ」

 

挿音「Σ2人って何の話だよ!
夜は墓場で運動会する妖怪の親玉に言われたかねええ!!」

 

 


魄哉「Σえ。そんな疲れてたんですか!?」がーん。

挿音「いやむしろアンタだそれは
どんだけ働きゃ満足なんだ!!」だあもうっ

 

 


千様「ねえ、めちゃめちゃ元気じゃない?
しっかり的確に突っ込んでるし」

粋「・・あれ?」えーと。

テオドール「でも、何かお悩みなので御座いますよね?」

 

挿音「Σむしろ今の状況が1番悩みだわ!!」どちくしょおおっ

 

 

 

 

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