小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

2月4日

 

 

 

【割烹 春一】

 

庵「でさ、危うく隣のおばちゃんが騙される所でさ

最近変なの多いからアンタ等も気を付けた方がいいよー」まったくもー。


酒呑童子「気を付けろって 普通鬼に言うか?」苦笑。

茨木童子「いやプロの詐欺師なら お前は気を付けた方が良いだろ」

酒呑童子「? 何でよ」

 

ひな「そう言う所 ですかねえ?」うーん。

酒呑童子「Σは!?」

 

 

朱禅「それより店内 異様すぎねえ?コレ」


酒呑童子「いや なんか今日調子悪くてツノ出っぱでよ」笠かぶりっ

茨木童子「たまーにあるある。
陰陽の気の乱れとかそんなのかなあ」虚無僧のカゴかぶりお茶ずずーっ

 


大嶽丸「凄まじく飲みにくそうだな」うわ。

 

庵(ほっかむりだ。)

ひな(ほっかむりですねえ)


朱禅「つか、誰コイツ」


酒呑童子「大嶽丸だ」

大嶽丸「深く考えるな 暴れるぞ」ギロッ

 

朱禅「あーはいはい
じゃ飲食代は魔王殿のツケな」はいはいっ

大嶽丸「Σホントに深く考えてない!」えええっ


茨木童子「俺等も用心棒代で飲食代差し引きだからなあ。」

 


酒呑童子「で、その詐欺師ってどうしたよ?」

庵「ん?

逃すと思う?」拳ぱしっ!

大嶽丸「用心棒要るか? この店」ええー。

 

 


間。

 

 


大嶽丸「しかし 陰陽の気の乱れか。
案外その詐欺が流行ってると言うのが原因かもな」お茶あちちっ

 

朱禅(猫だ。)

ひな(猫ですね。)

庵(猫舌の猫だ。)

 

大嶽丸「Σお前等 鬼には何も言わんのにそんっなに獣人が珍しいか!!」シャーッ!

朱禅「正直かなり」うん。

 

庵「耳しっぽ出る系なら結構居るけど
人っぽいので猫っぽいのは初めて見た かも?」


ひな「あ、マタタビつけます?」

大嶽丸「Σ真っ昼間から要らん!!」フシャーッ!

 

 

庵「で、陰陽の気の乱れが詐欺師のせいってのは?」

大嶽丸「マイペースか。

それはだな。晴明辺りに聞いてないか?
この世は陰と陽の2つの気がうまくバランスを取っていれば平穏となり。
どちらかが大き過ぎてもバランスは崩れ、良くない事が起きたり良くない考えがはびこる様になるものだと」


ひな「陽が多くてもダメなんですか?」

大嶽丸「文字のイメージで判断しがちだが   陽=良い物ではない。

陽とは活発に動く物 
えー、例えるなら お前等でも常に動いてたら疲れるだろ
それで眠って回復するのが 動かぬ陰と考えれば 理解出来るか?」

ひな「あ。成る程っ」

 


酒呑童子「へー。初耳だな」ほうほうっ

茨木童子「鬼は基本脳筋だしなあ」ふむふむ。

朱禅「あ、確かに。 すっげえ陽って感じ」

酒呑童子「だから なんで俺を見て言うんだよ」

 

大嶽丸「ちなみに 陰陽道では
鳳凰を陽、竜を陰の象徴として扱うんだそうだ」


茨木童子「あ、確かに良く寝てるな
あの魔王サマ。」ああうん。

酒呑童子「そういや黄龍サマか アレ」わお。

 


ひな「鳳凰、魄哉さんワーカーホリックですもんね」成る程成る程っ

朱禅「勉強になるなあ」

 

 

大嶽丸「と言う事で
其処らのバランスが崩れて人間共に良くない奴等が増えてるのかもな
この町はやたらと魔の者が多いし 1度バランスが崩れると厄介だぞ」むう。

庵「Σえ  どう崩れてんの!?」ひえっ

 


ひな「解決するには 魄哉さんを仕事漬けにするか
白さんに睡眠薬盛るのとどっちが良いですか?」真顔っ

大嶽丸「Σ例えだ例え!
あの2匹だけで 全部のバランス保ってるわけじゃないぞ!! つか発想怖っ!」ひいっ

 


茨木童子「まあ 多少悪魔の囁きがあっても跳ね返せる精神の強さが有れば 何も問題ないな 

多分。」

朱禅「あーうん。
春先の変質者みたいな物。 かなあ?」

 

 


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詐欺師「と言う事でー こちらの診療所の外壁傷んでますねえ」にっこにこ。

 


飛天「屋根吹っ飛んだから この前取り替えた所なんだけど。」あれっ?

詐欺師「Σ屋根が吹っ飛ぶ!?」

 

飛天「そうそう。内側もボロッボロでさ  象の群れでも突撃してきたのかって惨状で。
あ、こっちも総取り替えしたんだった
幕府の金だから良いけどさ」わははっ

詐欺師「さ、左様で。
(薬品でも爆発したのか? ここ診療所だろ?)」えええっ


飛天「そう言う事で 親切で言ってくれてる所悪いけど
特に今は直すとこは無いかなあ

掃除はする所有るけど。」へらっ

詐欺師「(Σくっ!この医者なら 腕は確かだがそれ意外はからっきしだと! チョロいと仲間に聞いて来たのにっ!!)

あ!そうだこっちのお手洗いは!!」ばっ!

 

 

飛天「Σあ、今使用中っ!」


便所入道「ノックしろよ」ずももももっ

詐欺師「Σっぎゃーっ!!」ひいいっ


便所入道「でもって先生。
コイツ この辺の壁が崩れる工事しましょとか言って 
後から此処もダメ此処もヤバい プロにしか解らん直さなきゃーとかって高額請求してくるタイプ」指差しっ

詐欺師「Σうおお物知り化け物っ!!」

飛天「Σマジで!?」ええっ

 

便所入道「だてに人の家覗く妖怪してない」ずももももっ

詐欺師「Σうお怖っ!

畜生覚えてろヤブーーッ!!」すたこらっ

 


がいんっ!

詐欺師「Σおぐうっ!?」

 

 

飛天「よっしゃ 当たった」ぐっ!

便所入道「先生 便所下駄投げるのは衛生的にどうかと」えー。

飛天「バイ菌にはバイ菌。
てか アンタもあんまり人の家の便所覗くなよ?」

便所入道「そう言う妖怪ですんで。」

 

 


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粋「ーーって事があったらしくて。」

テオドール「騙されかけた事より、 ヤブ呼ばわりがムカついておられた様に御座いますがね」

 


彬羽「また変なのに目をつけられやがって。」げんなりっ

 


白「飛天は医者の事以外 ホントに適当だからな。
自分の生活費計算しないで全部仕送りにしちゃうから いつもタカりに来るし」ふんっ

彬羽「なんで手前はそんなキゲン悪いんだ。」

 

粋「ヒント。兄貴を診療所に連れてく日でした。」

彬羽「・・採血痛かったんだな
」ああうん。


テオドール「申し訳御座いません。
アンプルも食用なので どうしても日持ちがしませんで。

直で噛みついて啜って良いと許可頂けましたら 
お嫌いなお医者に行かずとも「そっちのが嫌だ。」

 


彬羽「ともあれ 面倒な事になりそうだな 飛天の奴」ため息っ

粋「ん?その詐欺師なら 便所下駄アタックで伸びてたから 
ちゃんと番所に放り込んで来たって言ってたけど?」


彬羽「それがな。
挿音の話だと 近頃その手の奴等は同業で情報交換をして カモのリストを共有する傾向に有るとかでな」うーん。

 

白「ん?
じゃあ 1度狙われたら他のがまた騙そうとしてくるって事か?」

 

 

家康「平和になると そう言うの即沸くんだよねえ」あーもうっ

蒼月「いっそもっぺん乱世にしちゃう?」ダルっ。
家康「Σ冗談でもそう言う事言わないの!!」

 

千様「あらー でもそんな気にする事無くない?

常識知らずの白君がまだ無事なんだしー」ほらねっ


粋「甘えよ姉ちゃん。
兄貴のお使いやら何やらは 基本俺がやってんだよ」

テオドール「てか何回か御座いましたよね?未遂」

千様「Σマジで!?」ええっ

 

白「全員ボコボコにされてたけどな。」うん。

彬羽「スラム育ちはその辺の手口詳しいだろしな」ああうん。

 


家康「Σあ、顔面ボッコボコでしょっぴかれて 喋るにフガフガで腫れが引くまで取り調べ出来なかった詐欺師ってひょっとして」はっ!


粋「Σえ。ごめん!俺あの手のめちゃ嫌いで!」うわっ

家康「あー 良いんじゃない?

刑期終わっても二度と詐欺出来ないくらいにトラウマになってたし」あははっ

 

蒼月(コイツ等 何気に物騒だよなあ)

 


白「どっちにしろ気を付けた方が良さそうだな飛天」

彬羽「だな。
手前も気を付けろよ 
仮にも表じゃ名の知れまくった役者なんだしな」

白「その辺はあいつ等に任せるから良い」きっぱり。

 


テオドール「質問!五寸釘より大きい釘は御座いますか?」挙手っ

家康「Σ張り切らないで! 釘でナマモノ刺しちゃいけません!!」

テオドール「え?でも日本の拷問では 普通に爪の間に釘とか「Σ真顔で言わないで 普通じゃないから!!」

 


粋「俺が先に 普通にボコボコにした意味解ったろ?」

蒼月「うん。 慈悲だね」ああうん。

 

 

 

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飛天「Σええ!この高級布団が セットでこのお値段!!」おおおっ

布団の訪問詐欺師「はい。今回だけ!今回だけのお取り扱いとなっておりますっ」

 

 

彬羽(同日の午前中に2件カモられんのは最早才能かっ!!) ずーん。


飛天「あれ?お前来てたの?
あ、胃薬?」

彬羽「そっちもだな。 良く効く奴を頼む」胃キリキリキリキリッ

 

訪問詐欺師(Σやばっ! 顔立ち似てるし身内か!
いやただの身内じゃない コイツこの目付きはっ   

何人か殺ってる!!)背筋ぞわあっ

 


彬羽(こんの犯罪者が!
アホなイトコ持ってるこっちの身にもなれっ) ギロッ

訪問詐欺師(Σうおお 命の危機!!)ひええっ

 

※ただのド近眼です。

 

 

飛天「ほれ胃薬。

つかさ布団屋さん 個人的には欲しい
最近冷えるし すっごい欲しいんだけど」

訪問詐欺師「Σへ!? あ、はいっ

(さっさと売り付けてとっとととんずらしよう!
バカな医者め 中身は中古のせんべい布団の綿を再利用した物だっ)」

 

飛天「ぶっちゃけ 手持ち無いわ」真顔。

訪問詐欺師「Σ医者なのに!?」えええっ

 


飛天「医者が皆裕福なわけじゃないんだよ

それにほら 俺の場合幕府に雇われてる身だし
普通に公務員なんだよなあ」ため息っ

彬羽(いや 大概高給取りだぞ。お前) 胃薬ざららっ

 


飛天「って事で わざわざ来てくれて悪いんだけど

訪問詐欺師「ローンも可。」


飛天「・・マジで?」おおっ

 

訪問詐欺師「医者こそ体を大事にすべき! 医者の不養生との言葉が有ります!
ほら先生が倒れたりしたら 患者の皆が困るんです!

よってこれは必要な投資!眠りは大事ですよっ
本来なら一括のみですがっ 先生のみ特別にローンも可と致します!

み ん な の た め に !!!」


飛天「Σ!!」

彬羽「揺らぐな。」

 


飛天「・・彬羽 ちょっと貸してくれないかな?」ちらっ

彬羽「お前な。
考えても見ろ 
お前や町の奴等の為にって 他人の為になんでコイツが支払い待ってやる義理が有ると思えるんだ」ため息っ

訪問詐欺師「Σぎくりっ」

 

 

飛天「へ? 普通に良い人なんじゃ?」きょとんっ

彬羽(叔父上。まっ直ぐは良いが 育て方間違ってんぞコイツ) 困惑っ

 

 

訪問詐欺師「(マズイな。やっぱこの身内ぽい奴 勘づいてる
カモの方は全く解ってない様だし
あまりゴリ押ししないで 一旦退いてまた後日  とするか。)

あー なんかすみません。

生来のお節介なんでね。ごり押ししちゃったみたいで

また来ますんで その時要るなら要る、いらんならいらんとハッキリ言って貰えれば良いですから」そそくさっ


飛天「Σえ

ちょほら 彬羽!お前が変な事言うからっ
親切で言ってくれてるのに酷いだろ!」むっ

彬羽「お前なあ」げんなりっ

 

訪問詐欺師「あ、お気になさらず

あー やっぱ御兄弟でしたか いやはやお名前も似た感じですもんねー

では私はこの辺 Σえ」

 

飛天「似た名前って アンタ何で俺の名前知ってんの?」おやあ?

訪問詐欺師「Σへ!?」ぎくっ

 

飛天「いや どこで俺の名前聞いたのかなーって
ちょっと教えてくれるかな?」

訪問詐欺師「え?あの
飛天先生ですよね? 診療所の

そりゃ巷じゃ有名ですよ? 名言ってんで」

飛天「ふーん。そりゃありがたい

けどな

 

俺さ 医者としての名前 山田太郎なんだわ。」

訪問詐欺師「Σ何でそれ!?」えええっ!?

 


飛天「ちょっと色々あって戸籍無いんでさ

公務員やるなら色々書類がなあ。
で、書類様に適当に名前考えろって言われてそれ」どやっ

訪問詐欺師「Σいや適当過ぎだろアンタ!!」

 


彬羽(成る程
それで診療所の裏に 山田って表札かかってたのか。) 納得。

 

 


飛天「ふむふむつまりは 

そっか 彬羽の態度がトゲトゲしいと思ったらあーはいはい
さすがに察した」うんうんっ


訪問詐欺師「あ、あのー 今回未遂ですしそのっ

出来るだけ穏便に」ひええっ

 


飛天「今回はな。

けど。うちの患者の八割はジジババだ 年寄りカモられたら洒落になんねえ

皆の為に牢屋で反省しろ馬鹿たれーーっ!!」

 

右捻り込みアッパーがしゃーんっ!!

訪問詐欺師「Σぐっはああああっ!!!」

 

 

 

飛天「Σあ。また屋根に穴がっ!」はっ

彬羽「大馬鹿野郎。」あーあ。

 

 


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常連の爺ちゃん「いやー。詐欺師退治までしたのかい
先生やるねえ」

常連の婆ちゃん「ホント 先生の近くに居たら安心安全だよ」南無南無拝みっ


飛天「うん。それより神経痛に効く漢方試す?」

爺ちゃん婆ちゃん「試す。」キリッ

 

 


大嶽丸(Σ陰陽の崩れたバランスが 整っていく!!)おおおっ


粋「飛天凄えな」うわ。

テオドール「人の心に安定をもたらせば 陰陽のバランスも自然と取れる物なのですねえ」へー。

 

白「医者って凄いんだな」ほー。

彬羽「隠れながら言うな
そんな怖いか「怖い。」うん。

 

 

 

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