小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月19日

 

 

 


【芝居小屋】

 

テオドール「ん?」ぴくっ

粋「どしたー?」大道具の手伝いがたごとっ


テオドール「えーと。例によって何も気付かれて居ないと

では、こちらもよろしくお願い致ししますっ!」ホウキぽいっ

粋「Σうお!? え何々!?」ぱしっ

 

 

【楽屋】


テオドール「失礼致します!
江戸城の方向にえっげつない妖気が
Σげ」ぎくっ


皐月「ほう そうなん?
で? 今から幕開くんやけど お宅の主様連れてく気か?」ああんっ

テオドール「Σえっあのっ
町中ででっかい妖怪が大暴れする方が問題ではっ」たじっ

 

皐月「Σやかましわ!毎度毎度ろくに芸も出来ん弟にヅラかぶせて代わりに置いてきよって!
アンタはプロの自覚があるんかー!!」

白「バレてたか」ちっ

皐月「なんでバレんと思った!」うがあっ

 

つつじ「あの皐月はん?

お客はん等に聞こえますえ?」どうどうっ


皐月「ちゅー事でアカンもんはアカン
少なくとも私の目の前で抜け出しは許さんでっ」ぷんすかつっ

テオドール「ええええ」困惑っ

 

 


襖すぱんっ!

 

彬羽「おい! 出前のついでだが江戸城の方に Σ!!」びくっ


皐月「あっきー、アンタもか」ゴゴゴゴゴッ


彬羽「お、おい。」おずっ

白「今回無理ぽいぞ
江戸城近くなら気がついてるだろうし あいつ等に任せて良いと思う」ため息っ


彬羽「まあ 晴明なり駆り出せば1発だとは思うが
論理的にどうなんだ」困惑っ

テオドール「本当に最悪の場合 魄哉さんが蹴り倒されますかねえ?」うーん。

彬羽「仮にも天海坊が 人前で妖怪蹴り倒したらまずくないか?」

 


皐月「はいはいっ!ここは離れとって良かったなー
ほんじゃ幕開くで がんばってなー」手ぱんぱんっ

 

つつじ「ごめんなあ。
皐月はんが怖いんで 間違ってもやけど影武者出来んようにしとくな 」縛り上げっ

粋「Σ何!?俺なんかした!?」ひいいっ

 


白「よし。仕事頑張るか」くるり


彬羽「皐月にゃ魔王でも逆らえねえのか。」うわ

 

 


ーーーーーーーーー

 

 

 

江戸城

 

 

忍「申し上げます 江戸城近郊にて妖怪確認!
特長から土蜘蛛と思われます

家屋敷を薙ぎ倒しながら城の方へと猛進中!」しゅたっ

 

女中A「Σえ。家屋敷ってそんなのどこから!?」ひええっ

魄哉「土蜘蛛なんで 地面からですかねえ?」

女中B「Σこわっ 町もだけど此処大丈夫なんですか!?」

魄哉「んー いつもこう言うの対処してくれる人達が今回動けないみたいですし
此方でどうにかしましょう」手紙がさっ

伝書カラス「かー。」


女中C「Σどうにかって!
大砲でも撃ち込むんですか!?」

魄哉「あの。市街地ですよ?

でもって皆なんで僕の所来るんですか?
一応此処 基本立ち入り禁止

女中トリオ「城内で一番安全だから!!」

 


家康「さすが信用されてるねえ」おやまあ。

女中C「あ。天海様の親戚の」えーと。

家康「やっさんでーす。どもっ

さて、どうしようか?
大砲よりはマシな火縄隊出す?」

魄哉「それも逃げ遅れた人に当たりかねないんでよろしくありませんねえ

んー。 あの子等やっぱ無理そうですか?」

家康「いやそれがね

こっち程の大きさじゃないけど あっち側でも小蜘蛛大量発生してるみたいで」

魄哉「Σまさかの真冬に大繁殖!?」ひいっ

 

家康「此処数日暖かかったから?
土蜘蛛って妖怪の中でもかなり虫寄りらしいし」

魄哉「うっわ 見たく有りませんねえ
と言う事は此方への助けは しばし期待できないと

仕方有りません」すくっ


家康「お?お前出ちゃう?」

女中トリオ「Σえ!?」


魄哉「んな事したら ますます仕事しにくくなるでしょうが

あ、 気晴らしにそこのお茶菓子食べてて良いですからね
大丈夫ですから 安心して避難しててください。」にっこり。

 

すたすたっ

 


女中C「はーい。良い子で待ってます!」正座っ

女中A「え?天海様って 怪獣みたいな妖怪と戦えるの?」冷や汗っ

女中B「そもそも 金髪だしあの見た目で物凄いお歳で子沢山みたいだし 
天海様って何なんだろうね?」

 

女中トリオ「・・・・。」えーと。

 

 


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江戸城 城下】

 

挿音「おっしゃ野郎共
親玉は任せろ 手前等は班に別れて付近の小蜘蛛を一掃!」

徳川忍「Σお頭1人でアレをやる気ですか!?」ええっ


挿音「むしろ巻き込むし 邪魔だから来んな」けっ。

徳川忍「Σさっさすが!」おおっ

 

 

家康「え? あの、対人なら確かに無敵だとは思うんだけどっ」えええっ

 

挿音「ごちゃごちゃ抜かしてねえでさっさと行け
ボサッとしてる間に被害が増えんだろ ほれ散開っ!」くわっ

徳川忍「Σごっ御武運を!!」しゅぱっ

 

 

挿音「さてと。

親父よ そこにデケえ寺有ったよな?」

魄哉「ですねえ
やるとしたらそこですね
既にお坊さん方は強制避難済みです」

挿音「お。さすがっ」

 

家康「え?あの
天海と恊戦って事だよね?」

魄哉「いえ。さすがに知り合い其処らに居そうな状況じゃ、人外丸出しでバトれませんので

『人間』である挿音に丸投げします」

家康「Σさすがに無理が無いかな!?」えええっ

 


挿音「お。とか言ってる間に 砂埃と あーこりゃデケえわ」おおー。

 

土煙と地響きずずーん!

 

家康「Σうお蜘蛛早っ!!」びくっ

 


魄哉「百聞より一見です
こう言う時に備えてちゃんと備えをしてますよ ていっ!!」石ぶん投げっ

がいんっ!


土蜘蛛「Σ!?」


魄哉「よし!寺の敷地に誘導しましょう!」すたたっ

家康「Σやるならそう言ってよ!
っぎゃーー!!怒った!こっち来たああっ」ひいいっ

 

 

間。

 

 


寺の木べきばき 壁どしゃあっ

 

挿音「お。来た来た」


魄哉「うっわ。寺院の癖にまた贅沢してますねえ」

家康「Σ坊主チェックは良いから!
てかお前来てるんならホント手伝ったげて デカイこれ!」ほらほらっ


土蜘蛛「シャアアッ!」威嚇っ

家康「Σわー!ごめんなさいっ」ひいっ


挿音「俺はどんだけ信用ねえんだよ
いい加減傷つくわ」うわー。

家康「Σいやお前人間でしょ!?」


魄哉「確かに人間ですが
幼少期より僕が叩き上げた 天才忍者ですよ?
御自分の副官と護衛を信用しないのはどうなんですかねえ?」

家康「Σう。そう言われると」

 

挿音「そうそう。
今回は使用許可降りてるしよ」ジャキンッ!

 

家康「へ? 何それ」

挿音「寄ると真っ二つになんぞ」

家康「Σえ」

 


ギュルンッ!

土蜘蛛「Σ!?」

 

魄哉「お。捕らえました」おおっ


家康(Σえ。蜘蛛に糸!?) 

 


挿音「まずは2本」

ずぱんっ!!

 


土蜘蛛「Σシャアアッ!?」ガササッ!

家康「Σ足取れた!?」ひええっ

 


魄哉「ほら大丈夫でしょう?

あんなの使いこなせる人間そうそう居ませんよ?」にこにこっ

家康「Σ確かに凄いんだけどね
親バカは良いから あの糸みたいな紐みたいなの何!?」ひええっ


魄哉「少しくらい自慢しても良いでしょうが

忍の体術はあくまで対人向け。
白君達が友好的とは言え モノノケ妖も跋扈するこの世ですし、 そちらとやり合う事も考えまして

科学と呪術を融合させて 硬度を自由に変えられる糸状の魔道具を

家康「つまりは毎度お馴染み オーバーテクノロジー?」冷や汗っ

 


魄哉「ちなみに基本は糸程の細さですので
使い手の腕にも寄りますが 硬さを変えれば刃物になります」

ずずんっ!
どしゃっ


家康「うん。解説してる後ろで 蜘蛛の足がどんどん地面に沈んでく」わお。

 


土蜘蛛「Σギギッ!」がしゃしゃっ

 

 


魄哉「おや。逃げますね」

家康「Σあ、賢い!
無駄に贅沢な寺有る有る 謎にでかい御神体ぽい大石を盾に!」

 

 

挿音「甘え。」


石ごとすぱんっ!!

 

家康「Σ刃物どころの切れ味じゃない!!」ひいいっ

 

 

土蜘蛛ずずーん!


魄哉「供養くらいはしてあげましょう」南無。

 

 

 

挿音「一丁上がりっと。

何か巻き込んだら終わりだしよ いちいち許可取らねえと使えねえから不便なんだよなあ」はーやれやれっ

 

家康「うん。万が一の時は助けにと思った私が浅はかでした」

挿音「あのデカさに銃は無理があんだろ」キセルすぱーっ

家康「Σお前達のが万倍無茶苦茶なんだよ!?」


魄哉「まあまあ。結果オーライです。

しかし

 

毎度 修繕費がかかるんですよね」

寺に切れ目ピシッ!

家康「Σえ。」

 


ガラガラガラッ 

どしゃずずーん!!

 

 

土煙もうもうっ

 

 

 

挿音「親父と殿はどうにか避けたけどよ

やっぱ周りも切れるわコレ」あーあ。

魄哉「しゃーないですがまた幕府のお財布がっ!」くううっ

家康「ひえええええっ」あわあわっ

 

 

 

 

 

彬羽「・・見たか?」

白「うん。

やっぱ人間と喧嘩するの良くないって」

テオドール「出番終わりに慌てて加勢に来る事御座いませんでしたねえ」苦笑。


粋「いやいやいや!あんなの人間じゃねえって!」ひええっ

 

 

 

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