小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月3日

 

 

 

【割烹春一】

 

ひな「え。庵さんお引っ越ししたんですか?」

庵「そうそう。家賃やっすい所見つけてさ
元の長屋ボロかったし 決めるなら今!てね」にっこにこ

 


朱禅「だとよ 元お隣さん」

粋「日常的に壁に穴開けたり屋根飛ばしたりボヤ出したりして ホンットすんませんっ」

 


白「ん?でも この馬鹿が結局家賃払えなくなって 魄哉に取っ捕まって、
その時まとめて滞納してた家賃と修理費俺が払った。  というか取り立てられたぞ?」

庵「それでちゃんと直してくれる大家なら 引っ越しも考えたんだけどね」ふっ。

テオドール「そのまんま懐に入れられちゃったので御座いますね」成る程。

 


庵「で、すきま風ヤバいし 今年そこ引っ越さないと風邪ひくわって話よ」はーやれやれ

テオドール「粋さん うどん冷めますよ」きつねうどんちゅるんっ

粋「・・うん。」ずーん。

 

 

朱禅「で、即決するくらい安いってどんくらいよ?」

庵「んー。前の所より桁1つ下くらい?」

一同「Σえ」


粋「お前っ それ大丈夫なの!?」えええっ

庵「防犯の面なら 不審者くらいカウンター1撃で仕留める自信有るし」真顔。

テオドール「この前腕相撲で負けまして御座いますっ」ふっ

朱禅「一応女にか そりゃキツいな。」そっとお揚げ増量っ

 


彬羽「安いとは聞いてたがそこまでか。

何か憑いてるんじゃないのか?」怪訝っ

朱禅「お。おでんの仕込みおつかれー」

 

庵「やっぱ解る?」

彬羽「おい。」
庵「だって 安さには勝てないでしょ」

 


ひな「特売・・  あー勝てない」遠い目っ

朱禅「店の経営カッツカツだもんなあ」うん。

白(また芝居小屋の若手 ここで忘年会させてやるか。)ふむ

 


粋「Σいやいやいや 安かろう悪かろうって言葉もあるし!
つか何 オバケ出るのが解ってて引っ越したのお前!!」ひええっ

 

庵「安月給なもんで」ふっ

ひな・朱禅「ごめんなさい。」ずーん。

 

白「えっとほら
年末だし 思いがけない団体客が来るかもだしな
あんま気を落とすな」 ちらっ

彬羽(年末に団体客を送り込む気か
成る程。仕込みは余裕を持って だな)ふむ。


テオドール(さすが 言語無しで会話をされておられる。) お揚げはむはむっ

 

 

庵「と言う事で 居るの解ってはいたけど さすがに煩くってさ
誰か1発渇入れて貰えない?」

粋「Σ祓えとか言えよ 頼むから!!」えええっ

 

庵「Σ何を馬鹿な!オバケ居なくなったら通常の家賃取られるかもしんないでしょ!!」お膳ばんっ!

粋「Σすんませんしたあっ!」ひいっ

 

 


テオドール「えっと。お昼休み まだもうちょい有りますが?」

白「軽く小突いて帰るか」うん。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

粋「あのー、 一応だけど女の家なんだし
こう勝手にどかどか上がり込むのはちょっと

テオドール「気にしなくてよろしいかと
クッソ汚のう御座います」玄関ばーん!


粋「Σうっお!マジで汚ねえっ」ひいっ

庵「Σ言っとくけど 私が散らかしたんじゃないからっ」

 

白「と言う事は 部屋に取り憑いてる幽霊か。

出てこないと燃やすぞ」炎ぼぼっ

幽霊「Σ冬場の長屋は火気厳禁!」ひいっ


テオドール「あ、出てこられました。」

粋「あ。凄え 俺にも見える」


幽霊「この部屋に入居する人を脅かし追い出し続け 数十年ですから」どやっ

庵「私は出てく気無いけどな」けろっ

幽霊「Σあああ神経太い!!」

 


粋「まあ、怖くはねえもんな」うん。

テオドール「粋さんが怖くないって事は 本気で怖がらせる才能が無いので御座いましょうねえ」おやまあ


幽霊「くっ!

ええい 早く出ていかないとこれをこうだっ!」タンスがしゃーんっ

庵「Σあ!この半透明っ」むかっ

 

テオドール「ポルターガイストまで力技と言うか何と申しますか」

白「そっか。今までの奴は怖いんじゃなく迷惑だから出てったんだろな」成る程っ

 

粋「あのー。幽霊の姉ちゃん
此処にどんな未練が?」えーと。

 

幽霊「は?女にそれ聞く?」ああんっ?

粋「Σすっすんませんっ」びくっ

 


白「汚ないけど、これだけ散らかしても結構広いし
2人くらいなら住めそうだな

あ、昔の男と住んでた部屋とかか。」手ぽんっ

テオドール「Σおお!素晴らしい推理に御座いますっ」感激っ

 

幽霊「Σあああ 私は捨てられてなーい!!」ひいいっ

粋(あ、彼氏帰ってこなくなったのか。)成る程

 

 

庵「なんか住みたくなくなって来たかも」えー。

幽霊「Σ何でよ! ややこしい女だなっ」むかっ

 


テオドール「幽霊より そう言うドロドロがあった部屋と思うと 
あー キッツう御座いますねえ」ふむ。

粋「いや、長屋なんて前の住人の事気にしてたら住めねえぞ」

白「長屋に住んだ事無いし。」

粋「俺が前ーーに住んでた長屋な。
押し入れに 凄い血の跡が
テオドール「Σ見えないタイプで良う御座いましたね!」ひええっ

粋「うん。 即引っ越した」

 


幽霊「え。怖っ」ひえっ

庵「いやアンタのが世間一般には怖いから」

幽霊「いやいやいやいや 血とかモツとか無理無理っ」首ぶんぶんっ


白「お前ホントに幽霊か」むう。

幽霊「えー。日本の幽霊なんて海外のみたいにスプラッタじゃないでしょ?」

テオドール「確かに西洋のは 禍々しい武器を装備してて 生者を襲い、はらわたを引摺り出
粋「うん。もうやめよう」顔面蒼白っ

 


幽霊「うっわ。西洋野蛮」引っ

白「なんか さっきのタンスと言い
生きてる奴とあんま変わらないオバケだな」ふーん。

幽霊「オバケだからって十把一絡げにしないで貰いたいっ」どやっ

 

テオドール「何で御座いましょう
この生き生きした幽霊」うーん。

粋「うん。マジで全く怖くねえわ」

 

 

庵「ん?じゃあ生者として扱うべき?」ずいっ

幽霊「Σへ?」

庵「いや ポルターガイストも物理だし
オバケ扱いのが無理 こっちが無理」真顔っ

幽霊「Σじゃあ好きにすりゃ良いでしょ!!」きいっ

 

庵「よっしゃあ!!
なら此処に住み続けたくば 家賃を払って貰おうか!」ビシッ。

幽霊「Σは!? いやあの私のが先に此処に
庵「はい。こちら 私が此処に入居する際の契約書でーす」契約書ぺらんっ


幽霊「Σくっ!

あ、あのっ そこの人達 オバケ向けの先住件をどうにかする法律とかそんなん有りません!?」

粋「Σ法律!?」えええっ

テオドール「えーとえーと。 まずどれくらい前に死去されたので?」


白「死んでる時点で 無理だと思う」きっぱり。

幽霊「Σマジか!!」がーん。

 

 

 


庵「けど、私も鬼じゃ無いし

この寒空の下 幽霊1人追い出すのもどうかと思わなくもない」ふっ

幽霊「じょ 条件はっ」ごくりっ

 

 

庵「私が仕事行ってる間の掃除その他家事全般。
タンス掴んでひっくり返せるなら物に触れる!行ける行けるっ!」どやあっ

 

幽霊「Σううっ!無給でそれを!?」

庵「おやあ? 家賃を稼ぐ術の無い幽霊がそれ言っちゃう?」にやっ

幽霊「くっ

契約したるわっ!!」どちくしょおおおっ

 

 


白「えーと。
じゃあ 後で面倒くならない様に
今の契約内容これに書いて お互い親指に墨塗ってペタって」謎の紙ぺらっ

幽霊「何それ。」

白「年末は化け物トラブル多いからな
何かあったら契約書作っとけって バカラスに持たされてる」


テオドール「お符とかと同じ匂いが致しますね」くんくんっ

粋「あ、幽霊でも触れるって奴か」へー。

 

 

庵「はいはーい。じゃ 契約内容、家事する代わりに同居しますっと。

いや女の子で良かったわ。
オッサンだったら幽霊でも叩き出してたし」契約書さらさらっ

幽霊「・・女でも幽霊小間使いにするか普通」しぶしぶ拇印ぺたっ

 


白「よし。後はバカラスに保存頼んどこ

あ、そうそう
契約破ったら 俺が燃やさないといけなくなるから怠けるなよ」むう。

幽霊「Σそう言うの早く言って貰える!?」ひいっ

 


庵「よっしゃ 家政婦ゲット!
総合的に良い買い物したかなー。」満足っ

粋「つか 俺等来る必要無かったんじゃね?」


テオドール「あの謎契約書は我が主が居られませんと作れませんし、
結果として良かったのでは  ん?」

粋「ん?」

 


テオドール「あの、幽霊さんがおられるからこの御部屋が御安いのでありますから
つまり、この部屋に取り憑かれてる時点でイーブンでは?」おや

白「あ」はっ。

 

 

粋「・・兄貴 どうすんの?それ」契約書チラ見っ

白「まあ 本人も納得して契約したんだし」うん。

テオドール「で、御座いますね
面倒いんでスルー致しましょう」うんうんっ

 

 

庵「んじゃまずは 自分が散らかしたの片付けてね」

幽霊「Σあああ!張り切ってぶちまけなきゃ良かった」ひええっ

 

 

 

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