小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

11月11日

 

 

 

【芝居小屋】


見習いA「なあなあ聞いた?
最近 変な店が出来たらしくてさ」ひそひそっ

見習いB「この辺じゃそんなの珍しくないだろ」

見習いA「それがさ
何でも願いを叶えます的な「うん。ボラれるか、変な宗教に引きずり込まれるからやめとこうな」

 

粋「その話 詳しく。」ずいっ

見習いA・B「うっわ またカモられそうな人が」うわー。

粋「Σ客として行くんじゃねえよ!!」むかっ

 

 

 

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【路地裏】


テオドール「うわ。いかにもな佇まいに御座いますねえ」わお。

粋「おう。
聞いた話だと ここの店主が 何でも願いを叶えてくれるって言うんだけど
なんかこう人間技じゃねえっつか
不可能だろ?ってなる様なって事で」うーん。

テオドール「対価として魂でも取られるので御座いますか?」

粋「いやそれが
対価無しなんだよ

尚更怖くね?」うーん。

 


白「ほっといて良いと思う」あっさり。

粋「いやでも どう考えてもおかし「俺はそうは思わない」


テオドール「?」おや。


彬羽「そんなに不安なら 手前入って何ぞ願い叶えて貰ったらどうだ?」

粋「Σえ。俺!?」えええっ

彬羽「当たり前だろ言い出しっぺ。
それで何ぞ不利益が生じそうなら助けてやるから試しに行ってこい」

粋「Σええええでででもっ」うええっ

 

白「何も無かったらラッキーだろ
ほら さっさと行け」

げしっ。

粋「Σあだっ!!」よれっ

 

店主「はい。いらっしゃい」

粋「Σあああ問答無用で蹴り入れられたあっ!」ひいいっ

 

 


テオドール「で、何故に今回ドライなので御座いますか?
普通に考えて 対価無しで願い叶え放題とか上手い話過ぎに御座いますし。
ホントにサービス精神のみでされている事でも それはそれで人間が堕落するのでは?」

白「人間が堕落しても俺には関係ないし」しれっ

彬羽「だな。その辺は徳川組の仕事だろ」

テオドール「あー。確かに」成る程っ

彬羽「だいたいお前 仮にも悪魔の端くれだろ
人間が堕落する事を憂いて良いのか?」

テオドール「Σはっ!!」


白「人間まざりの俺より人間ぽいよな お前」うん。

 

 

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店主「で、どの様な御用件で?
当店に参られたと言う事は それなりの願いが有ると言う事でしょう?」

粋(Σえ。この声 女!?
つか用件って 願い事言えって事? うわ 何も考えて無かったどうすればっ)あわあわっ


店主「あの、そんな緊張しなくても
ほら、普段からこれがこうなったら良いのになーとか この人をこうしてやりたいなーとか。こんな風になりたいなーとか」ほらほらっ

 

粋「・・・何かあったっけ?」緊張で頭空っぽ。

 

 

テオドール「ホントに本番に弱い方に御座いますねえ」覗きっ

彬羽「ほっかむりで顔は見えねえが 店主アレ途方にくれてんじゃねえのか」

 

店主「あの、えーと
ほらほら 例えば目標にしてる人とか 同じ様になりたい人居ません?」


粋「居るけど絶対無理。」きっぱり。

店主「アンタ 何しに此処来たの」困惑っ

 


彬羽(あいつ 本気でこんなのになりたいのか)うーん。

テオドール(確かに ご兄弟なのにキャラが違い過ぎると言うか)


白「俺みたいなのが2匹になったら この世滅ぶぞ」むう。

彬羽「良く解ってんじゃねえか。」

 


店主「えーとそれじゃ
ほら お金とかは?
やっぱ世の中金でしょ 」ねっ?ねっ?

粋「えー それもなあ
金が無きゃ幸せになれない場合も有るけど 
金で買える幸せって 結局金を使い果たせば去ってく物だし」ふっ

店主「Σ正論過ぎて何も言えない!!」

 


白「意外としっかり物考えてた。」へー

彬羽「だな。
状況考えて考えろって話だがな」

テオドール「はー。物は考え様 勉強になります」ほうほうっ

 


店主「えーと。えーとっ

そんじゃあ女! やっぱコレでしょ!
つか最近の男は草食過ぎるコレにしとけ!!」びしっ

粋「Σえーーっ!」

店主「もういいでしょコレで!
ほら本来生き物ってのは 子孫残すのが目的でオスメス居るんだし、はいはい 理屈っぽいお客さんにピッタリ はい解決!」

粋「Σいやなんで俺の願いアンタが決めるの!?」

店主「Σアンタが願いも無いのに来るからでしょうが!!」うがあっ

 

 


テオドール「店主さん 何が何でも人の願い叶えたいので御座いましょうかね?」


彬羽「どうなんだ?」ちらっ

白「なんで俺に聞くんだ」

 

 

粋「いやあの それに関してはそのっ 入り口で蹴躓いて入っちゃったて言うか 
その、別に何が何でも叶えたい願いとか無いかなーって。」後ずさりっ

店主「Σはああ 冷やかし!?

あーもう時間損した
ったく自由に出来る時間少ないのにさ 
ほら 帰った帰った!」しっしっ

粋「えーと。なんかすんませんで「うっさい!早く帰 Σうっわ!!」裾踏みっ


どたーん!!!

 


粋「え 大丈夫かよ


Σあああああーーっ!!」

 

 

こーちゃん(閻魔大王の孫娘)「大丈夫じゃない!痛いわっ!!」くわっ

粋「Σおおおおお前なんで!?」えええっ

こーちゃん「ん? Σぎゃっ!アンタだったの!?」ひいっ

 

 

彬羽「途中から素になってたろ
何度も話してんだ 声で解るだろって話だ」やれやれっ

テオドール(全く気付きませんでしたっ) 冷や汗っ

 

 

粋「ん?お前も話してるの俺って解って無かったの?」あれっ

こーちゃん「だって ほっかむり前見えないし

ちえー。マジで時間損した」ふんっ

 


テオドール「えーと。つまり

全部御存じで?」

白「閻魔のおっちゃんに頼まれて 此処借りたの俺だし」うん。

 

粋「Σこの禍々しい家 借り物!?」えええっ

白「ただ金詰んだら無条件で貸してくれるくらい どうしようもない普通のボロ屋だ」きっぱり。

こーちゃん「こんなん見る奴の気分次第」どやっ

 


テオドール「えっと つまり貴方が皆さんの願いを叶えていたと?
え?何故に と言うかどうやって?」困惑っ

こーちゃん「あーそれね
説明ダルいなあ」うーん。

 

白「閻魔もジジイだし色々手伝って欲しいけど
コイツ元引きこもりだから世間知らずだし亡者の裁判とか 危なくて任せられないだろ。

だから人間っ物の欲とかそう言うの勉強させてやってくれって言われて」

粋「確かに欲丸出しだろうけどさ」

テオドール「箱入りさんにはカルチャーショックだったのでは?」おそるおそるっ

こーちゃん「いや爺ちゃんの裁き見てるし こんなもんかと。」さらりっ

テオドール「Σ逞しい!!」

 


白「で、願い叶えるってのは勿論嘘だ

ちょっと良い夢見るだけだな」

化け狸「化かすのはお任せを」ひょこっ。

テオドール「Σうおう!置物では無かったので御座いますか!?」びくっ

粋「Σ道理で不自然に信楽焼置いてると思った!」

 


こーちゃん「願いなんてそんな簡単に叶ったら生きてる意味ないっつの
ま、いっか。煩いのにバレたし そろそろ勉強も終わりで良いっしょ?」

白「良いんじゃ無いかな」適当っ

 

テオドール「あの、そんなノリで 亡者の行く末委ねて良いので御座いましょうか?」

白「俺だってこんなノリで破壊神だしな「成る程に御座います」

こーちゃん「相変わらず納得早いな この信者。」

 


粋「しっかしなんだよ
あー緊張して損した    

ってカラス?
どしたの黙りこくって」あれっ


彬羽「いやちょっとな

何故にこう言う時は副官に相談無しか こんの頭スカスカ魔王と思ってな」がしっ。

 

白「逃げられなかった」ちっ

彬羽「Σ喧しい! 万一閻魔の孫に何か有ったらどうする気だ!」

白「お前 細かいから絶対1人で人間の中潜入とかダメって言うだろ
過保護だと意味無「何か起きたら社会勉強どころの騒ぎじゃねえだろがあああっ!!」

 


こーちゃん「・・じゃ 私帰るわ。 また爺ちゃんから御礼有ると思うけどありがとねー」そそくさっ

粋「あ、うん。
怒ったカラス怖えよな」

 

テオドール「Σ彬羽さん落ち着いて下さいませっ
馬鹿力でのこめかみぐりぐりは我が主が潰れますうううっー!!」ひいいっ

 

 

 

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【閻魔殿】

 

閻魔「へー。そんな事があったの」ほうほう

こーちゃん「だよ。
白髪に悪い事したかなあ」

閻魔「んーまあそこは ワシからカラス君にも話しとくよ

それはさておき 人の欲の深さ、しっかり学べた?」

こーちゃん「そこはね。しっかりと

何だね 何でもオッケーてなるとマジで引くわ人間共。
狸の幻だって気がついた時が楽しみだよってくらい」ふかーいため息っ

閻魔「まあね。そう言う物だよ」苦笑。

こーちゃん「爺ちゃん苦労してんだなあ 毎日あんなの相手にしてんだ。

ホントさ。あの白髪の弟くらいだよ 
願い何でもって言われて何も言わなかったのさ。」はーやれやれっ

閻魔「Σえ。あの子も来たの!?」

こーちゃん「うん。なんか間違いだったみたいだけど」

 


閻魔(いやいくら妖怪混じりだからって あの子ベースは人でしょ?
え?え? 何それホントにあの子生身?) えええっ

こーちゃん「爺ちゃん?」

 

 

閻魔「あの、こーちゃん あの子落とす気ない?  
ワシ腰痛いしそろそろ隠居したいし 跡取りにめっちゃ欲しいんだけど。」真顔っ

こーちゃん「あー。前にフラグ立ったの無慈悲にへし折ったわ 無理無理っ」ケラケラっ

 

 

 

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