小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

11月6日

 

 

 


からくり鳩時計ぽぽー。


彬羽「ん?もうこんな時間か。
すまんが後は鍋に入れて煮込むだけだ やっておいて貰えるか?」

テオドール「かしこましまして御座います!
バイトいってらっしゃいませ」にこにこっ

 

 

家康「お。今夜はおでんかあ」わーい

千様「冬って感じねえ」のほほーん。

 

 

 

間。

 

 

 

テオドール「固い物や味の染み辛い物は既に入っておりますねえ 
御忙しいのにさすが。 

全部まとめて煮込んで美味しく頂けるとは日本の知恵に御座いま  ん?」

 

 


粋「お? この匂い今日おでん?」ひょこっ

テオドール「あ。粋さん良い所に
おでんなので御座いますが その、確認よろしいでしょうか?」えーと。

粋「へ?」

テオドール「彬羽さんが割烹の時間なので調理を引き継いだので御座いますが

その、おでんは鍋に全部具を入れて煮込む物   と言う事で合って降りますでしょうか?」真剣っ

粋「うん。合ってる合ってる
何?お前真面目だなー
俺だったら何なら具切らねえでぶち混んで煮ちゃうわ」わははっ


テオドール「と言う事は コレも一緒に煮込んでも?」怪訝っ

ちっさいおっさん「よう。」右手上げっ

 

 

粋「・・・それ 大根についてた害虫じゃね?」えーと。

テオドール「成る程」ハエタタキ構えっ

ちっさいおっさん「Σわーっわーっ!
無礼者おおおおっ」ひいいっ

 


白「何騒いでるんだ? ん?誰だコレ」

ちっさいおっさん「狼藉者である!引っ捕らえろっ」ひいいっ

白「いや誰だお前」

ちっさいおっさん「Σ踏むな踏むなこら潰れるっ!

某は鍋奉行である!!」

 


白「何だそれ」

ちっさいおっさん改め鍋奉行「Σぎゃー!ぐりぐりやめいっ」ひいいっ

 

粋「Σ兄貴ストップストップ!踏まないにじらない!
俺も思わず脳が拒否ったけど!!」ひいいっ


テオドール「あの、鍋奉行と言うのは 鍋をする時に仕切りたがる人の事、と辞書に書いてたので御座いますが」混乱っ

家康「うん。本来はね」

 

石燕「あー、言葉遊び的な妖怪っすかねえ
分類的には一寸法師系っすか」ほうほうっ

与一「そんなのおるのか。」うわ

石燕「妖怪にゃ結構居るっす」きっぱり。

 

テオドール「理解が追い付きませんが 害虫でないならコレも鍋に」鍋ぐつぐつっ

鍋奉行「Σっぎゃー!煮える煮えるっ!!」ひいいっ


家康「Σテオちゃんこら違う!いくら日本人でもそんなの食べません!!」

 

 

 

間。

 

 

 

白「テオが知恵熱出した」むう。

粋「どっちかつーと日本語話せてるのが奇跡なボケッぷりだしなあ」ああうん。

 

 

鍋奉行「で、鍋はまだか?
裁いてやろうぞ」わくわくっ

与一「鍋の何を裁くと言うのだ」

鍋奉行「食べ頃。」

 


家康「はいはーい。ダシも出来てたし適当に放り込んで煮込んだよー

ちょっと早いけど 味見してみる?」鍋どっこいせっ

千様「きゃー食べる食べるっ」わーい。


鍋奉行「Σいかん 味の染みてない鍋等 言語道断
白「煩い 煮るぞ」

鍋奉行「Σすんませんでした!」ひいっ

粋「Σ奉行弱っ!」

 

石燕「その人に1度敵認識されたら怖いっすよー」


白「で、鍋奉行って何なんだ
なんで物食べるのに指図されなきゃいけないんだ」憮然っ

与一「ああ。指図されるの大嫌いな我が儘魔王であった」成る程っ

 


鍋奉行「ひょっとして 此処に某の居場所無い?」

粋「そう言われると ハッキリ言い辛いんだけど」冷や汗っ

 


家康「えーと。まずはこんにゃく」ぷるんっ

鍋奉行「Σ!!」

家康「は ダメだよねー

まだ味染みてるワケないない」ぼちゃんっ


鍋奉行「うむ!」うんうんうんうんっ


千様「あら 満足気。」

 

家康「えーとじゃあ牛スジ
はまだ固いか

えーと 真っ先に味が染みてそうなのは」


白「餅巾着。」きらーん。

鍋奉行「Σ!!!」

 

千様「なんか絶望してない?」

石燕「けど怖くて口パクパクになってるっすね」おやまあ。

 

家康「それお前が好きなのでしょ
まだ味染みてないから勿体無いよ」えー。

白「じゃあ たまご「それも同じだってば。」

 

白「家康の鍋奉行」ちっ。


家康「奉行じゃなくて将軍です
若い子はカロリー高いの好きだよねー。」やれやれ

 


鍋奉行「それよりお前 何だこの鍋は
本当に放り込んだだけではないか。
もっとこう 同じ具材はまとめて入れて見てくれを良くしないと」ぶつくさっ

家康「なんで私には態度でかいの?」

 

鍋奉行「大体ちくわぶはどうしたちくわぶは。
おでんと言えばちくわぶ
まさかちくわぶ抜きでのおでん等、 この鍋奉行の目の黒い内は

家康「うちのおでんは関西寄りだから ちくわぶなんて無いよ」

鍋奉行「Σ何いっ!?」がーん!

 

家康「あれ?知らないかな

おでんは関東発祥だけど 関西に伝わった際に雅な方々の好みに合わせて変化しててね
味噌ベースだったダシは薄く 醤油風味に。
でもって具材も西と東じゃ大分違うんだよね

これ用意してた彬羽が関西生まれだから 関西ベースなんだけど
その辺の細かいのはどうでもいいか


てか鍋奉行なのに ダシ見て関東風か関西風かも解んないの?」ふっ

鍋奉行「Σうっ!!」ぐさあっ

 

 

白「家康が怒った」 うわあ。


石燕「そりゃこの冷えてるのに
率先して寒い台所で大人数の分のおでんの用意して、駄目出しだけされるとかムカつくっしょ」

 

 

家康「だいたいね さっきから言おうかどうか迷ってたんだけど」

鍋奉行「な、なんだっ」びくびくっ

 

 

家康「煮込めば煮込むだけ美味しくなるおでんに

鍋奉行要る?」真顔っ


一同「Σあ。」

 


与一「Σ確かに!
他の鍋なら そこ煮えたとか教えてくれるならありがたいかも知れんがっ!」目からウロコっ


鍋奉行「Σやはり此処に某の居場所は無かったーっ!!」どちくしょおおおっ


粋「Σ家康容赦ねえええ!!」ひいいっ

家康「そもそもね。人の家に上がり込んで何でかい顔してるんだって話だよ
妖怪でも何でも まずはお邪魔します言いなさいっての

はい、テオちゃん 元気出しておでん味見してー。」すたすたっ

 

白「まさか 家康がマトモな事言うとか思わなかった」びっくり。

千様「普段怒らない人が怒ると怖いわー」うわあ。

 

 

与一「あの鍋奉行 どこに行ったのだろうな」何となく不安っ

石燕「これからどんどこ寒くなるっすし
鍋してる家なんて其処らにゴロゴロあるっしょ」

白「あの性格だと その内、具にされそうだけどな」うん。


一同「・・・。」

 

 

 

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鍋奉行「ほれそこ!魚が煮えたぞ
はよ食え身が崩れてしまう!!」ほれほれっ

 

晴明「鍋くらい好きに食したいのだがのー」困惑っ


座敷童子「晴明 これも式神にするのか?」

晴明「何処で使うんじゃい こげなもん」

犬神「ばうっ」お手っ

鍋奉行「Σあああっ!何をするこのデカ犬っ」ひいいっ

 

晴明「お。でかした犬神。そのまま待てじゃ

して 海老は煮えとるかの?」わくわくっ

鍋奉行「Σへ  いやまだ半生」

座敷童子式神にはしなくても使うんだな」ああうん。


鍋奉行「Σ使われるんじゃなくて仕切りたいいっ!!」どちくしょおおおっ

 

 

 

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