小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月21日

 

 


家康「ーーで、そこの奥様がね
うちの息子がどの医者に診せても異常がないのに
どんどん弱ってくのは呪いのせいだ!て 嘆いててねえ。」

白「ふーん。」ごーろごろ

家康「いや、興味ゼロ?
手助けしてくれない?」

白「お家騒動って奴だろ?
人間のそれ嫌いだし」ごろーん。

 

テオドール「仕方御座いません
なんせ我が主の飼い犬様も 元はと言えばその犠牲者に御座いますし」

シロ「Σ誰が飼い犬か!!」むかっ

粋「即座に反応する辺り 自覚してねえ?」


千様「彬羽君も犠牲者て言えば犠牲者よねえ?」

彬羽「まあ 周りの言いなりになってた俺にも否はある」

 

家康(あ。こりゃ無理そう) そそくさっ

 

千様「けどねー。そのどんどん弱ってる子ってのがまだ幼いらしくてー
只でさえ まだ小さいのに家の跡取りにされちゃってプレッシャー凄いでしょうに 可哀想らしいのよねー?」ちらっ


粋「姉ちゃん 解りやすいっての」


白「ふーん。

じゃ 俺より人間に詳しい石燕
どう思う?」ごーろごろっ

石燕「あっしっすか?

そっすねー 人間が嫌いなのもあるんしょけど
そのお母さんが怪しいっす」

与一「Σ何故にだ!?」えええっ


石燕「あくまであっしの勘っすがね
家康さんがそこまで知ってるって事は 江戸城、つまり天海サマの耳にまで入ってるって事っしょよ?

人間って、呪われてるとかあんま知られたくない物っす
そんだけ恨まれてるって事っすし」

シロ「確かに そこそこの家なら家の名誉に関わるか」ふむ。


石燕「噂とかで話が漏れちゃうんならともかく、家康さんの話だと お母さん発信すよね?
幼子への呪いと決めつけてるのが不自然じゃないかな。と

と、なると その子が邪魔になる 例えば腹違いの兄弟とか居るんじゃないっすか?」

シロ「Σ成る程!」おおっ

彬羽「思わず自己紹介をしてしまったって奴か。

そして真偽はともあれ 呪いの主がその兄弟と見られれば自分や自分の子の立場が確固たる物となる。か」ほう

 

石燕「ま、人嫌いの変人絵描きの戯言っす
合ってるかは解んないっすよー」お茶ずずっ

 


蒼月「で、その子供って異母兄弟はマジで居るの?」

魄哉「居ますねえ」うわ。

 

白「石燕って こう言うやっちゃダメだろって事する人間の事はよく解るから凄いよな」うん。

テオドール「苦労されたので御座いましょうねえ」しみじみ

 


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【某 邸内】

 

 

朱禅「あの なんで俺まで?」ええー。

白「んーとだ。えーと
ほら こう言う所のゴテゴテした食べ物の苦手だし」

朱禅「いや お前の副官うちの板前なんだけど?」

 

彬羽「無理があったか」うーん。

粋「朱禅の奴 自分の特技理解してねえから 
下手に緊張させると何も出来なくなる可能性が有るって話だしなあ」

テオドール「そもそも何故に内緒なので御座いますか?」

粋「・・能力発覚したのが 浮気疑惑で夫婦喧嘩こじれたりとかそんなだったから」

テオドール「あーそれは説明しにくい」うわあ。

 

 

白「あ、そうそう
ここの子供が具合悪いらしいから お前病人食作ってやれ」

朱禅「ん?
まあ良いけど ホントなんで連れて来られたの?俺」

 


間。

 


朱禅「はいよー!夏バテには鰻のひつまぶしと肝吸いっ
更に山芋たっぷりとろろ丼

若様「Σうぷっ」気持ち悪っ


粋「Σ病人食だっつってんだろうが!!」

朱禅「病気なんて食ったら治るだろ?」えー。


彬羽「しまった。コイツも何だかんだで蛇だった」

テオドール「健康ならば美味しそうに見えるので御座いますがねえ」

 

白「ごめんな。コイツ悪気は無いんだ」

若様「あ、いえ
私なんぞを家康公が気にかけて下さっておられらる と言うだけで光栄に御座います
その、御使いの方々もあまり気を使わないで下さい」布団に正座っ


粋「Σ具合悪いのにんな無理しなくてもっ」おろおろっ

テオドール「Σお気にならさず横になって下さいませ!顔が真っ青に「すみません吐きそうで「Σ桶は何処で御座いますかあああっ!」

 


白「・・・」

朱禅「ん? なに?」

 

白「コイツ やっぱ呪われて無いのか?」ひそっ

彬羽「だな。 呪われてるなら朱禅の破呪の蛇眼で さっさと回復してるはずだ。
呪われてないなら どれだけ祈祷師や祓い師が来ても意味の無いはずだな」ふむ

 

粋「え?んじゃなんでコイツはこんな具合悪いの?」

彬羽「それは」うーん。

テオドール「とりあえず お母上にも会ってみた方がよろしいのでは?
石燕さんの予想どおりなら 嫌な予感が致します」

 

朱禅(何コソコソしてんだろ?)はて。

 


テオドール「とりあえず私こちら捨てて参りますねー」桶よっこらしょ

若様「Σあああ申し訳ないっ!!」ひいいっ


粋「あいつ ちょいちょい逞しいな」ひええっ

 

 


ーーーーーーーーーーー

 

 


若様の兄「私が弟を呪ってるなど事実無根です!!」


一同(なんで兄を差し置いて 弟を跡継ぎにするかなあ) うんざりっ


若様の兄「私が庶子の出だからでしょう。」真顔っ

粋「Σえ。口に出てた!?」ひいっ

若様の兄「いえ。皆同じ事を言いますので慣れました
事実なのでしゃーないと思いますし、 そもそも跡取りとか柄では無いのでそれで良いかと」しれっ

テオドール「めちゃめちゃ出来た兄上に御座いますね」わお。

若様の兄「そもそも私は弟が嫌いでは有りません
あの子は大人と違って 私を出自で判断しませんから」

彬羽「成る程 呪う理由がないか」ふむ。

若様の兄「Σ当たり前です!!」

 


白「こっちが跡取りしてたら 何も問題無かったんだろうな」ふーん。

粋「Σこら兄貴! 思っても口に出さない!」しーっ


若様の兄「ご兄弟でしたか。
くれぐれも兄弟仲良くして下さい」まっすぐな目っ

白「嫌だって言いにくいな」

粋「Σ嫌なのかよ!!」

 


朱禅「なに? お前等お家騒動調べに来たの?」

テオドール「ま、まあそんな所で」えーと。

朱禅「俺それこそ場違いじゃね?」えー

 

白「で、弟の母親っての知らないか?
まだ会ってないんだけどな?」

若様の兄「クソババ いえ、義母上は徳川の使者の方に挨拶もされておられないので?」はあ?

粋「うっわ こっちはホント仲悪そう」

若様の兄「まあ面と向かってくたばれと言われる仲ですし。
弟が跡を継いだって事を良く思わない者からなんなと言われる 
それは私のせいだそうです」けっ

テオドール「壮絶に御座いますねえ」ひええっ

 


白「そうか。
まあ 一番騒いでるのそのおばちゃんみたいだし どっちにしても話聞かないとな

あ、朱禅 お前此処に居て 愚痴聞きやってやれ」

朱禅「へ?」

白「俺等は色々調べるけどな
お前そう言うの慣れてないし、そいつストレス貯まってそうだから吐き出させてやれ 得意だろ」

朱禅「あーまあ 店のお客の愚痴聞きとかよくやるけどさ」

若様の兄「Σそなたは飲み屋か何かをしておるのか!?」おおっ

朱禅「飲み屋と言うか割烹で
あ 割烹てのは役者や芸者を座敷に呼んで良い店の事で」えーと

若様の兄「おおお!是非とも話が聞きたいっ」きらきらっ

 

テオドール「意気投合されましたね」おやまあ。

白「自分の母親の住んでた世界の事とかそりゃ聞きたいだろし」

粋「あ、成る程

あれ?カラス どしたの?」

彬羽「少し気になる事がな
弟の方の様子を見てくる」すたすたっ

白「うん。頼んだ」

粋「?」

 

テオドール「で、何故に朱禅さんをあちらに?」

白「んーとな。

様子見に行くならって石燕に言われてな
とりあえず その辺隠れろ」

粋「Σへ?」

 

 


朱禅「ーーーで、酉の市ってのがあって
そこで毎年熊手を買うんだけど 次の年には前の年より大きいのを買うって奴で」

若様の兄「成る程 翌年には上の物を買えるくらい商売を繁盛させるぞと言う」ほうほうっ

朱禅「そうそう。けど、これ買うの自体またキツくてさあ」

 


粋(めっさ話盛り上がってる) わお。

テオドール(この兄上様 ここに住まわせておくの何だか可哀想になって参りました)

 

白「来た。」

粋・テオドール「Σえ」

 

 

 

黒い影ずずずずずっ!

 

若様の兄「で?で? 酉の市もだが 市には大道芸人と言う者が居るのは本当か?」わくわくっ

朱禅「あーいるいる
有名なのだとガマの油売りとか 」

 

テオドール「Σ朱禅さんまで話に夢中で気づいておられません!!」ひいいっ

粋「Σ兄貴あれヤバイって!
俺でも解る殺意満々っ!」

白「朱禅が鈍いの忘れてた」扇子すちゃっ

 

 

朱禅「んでー ガマの油買って帰ったら うちのその嫁がさ。またこんな高いの買ってきて!って
パフォーマンスに騙されてんなって怒られてさ」

若様の兄「おお 嫁御がおられるのか
それは手厳し  ん?」

 

扇子ひゅんっ

黒い影「Σぶっ!?」 がいんっ!!

粋「Σ呪いに物理当たんの!?」えええっ


朱禅「へ?」見上げっ

黒い影「Σ!!」はっ

 

破呪の蛇眼発動っ

ばしゅっ!!

 

テオドール「あ。散りまして御座います」おおっ


白「手元狂ったらどうしようかと思った」ふう。

粋「Σあっぶねえええ!」ひいっ

 

 

朱禅「Σえ。なに?」えっえっ?

 

 

 

 

 


若様「あれ母上  Σうっわ 何ですかそのタンコブ!!」ひいっ

母上「ほほほっ な、なんでもないのよー
あ、申し訳御座いません。体調が優れませんで伏せっておりまして
これはこれは江戸城よりの
彬羽「そうか。 息子の病の原因が解ったぞ」

母親「Σへ」

 

彬羽「手前の母親が何をやってるか 子供なりに気がついて居たらしい
そりゃ ストレスで体調も崩すだろ」

母親「Σは!? ええええっ」

 

彬羽「安心しろ。
俺は何も見てない あくまでそう『思い込んだ』子供の話を聞いただけだ
跡取りとは言えガキだ。あまり要らん心配をかけるなよ」ふんっ


母親「え。Σあ!はいっ!!」

 

 

彬羽(大っぴらにしようと思えば 状況証拠だけで充分そうだがな。)


母親「母様イライラ溜まっててごめんねー!」よーしよしよしっ

若様「うん。兄上と仲良くしてね」ほっ

母親「Σう。 が、頑張るわっ あだっ」ズキッ。

たんこぶに扇子の跡くっっきりっ

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 


石燕「で、お咎め無しっすか?」へー。

白「つまらなそうだな」

石燕「んなババアに情けをかける意味が解んないっす」ふんっ


白「親がやらかしても子供に罪無いだろ
若様を呪ってた『黒い化け物』は消えたんだし それで片付くなら問題無しだ」扇子ぱったぱたっ

石燕「そりゃそっすけどねー」けっ


与一「ひねくれ者は置いといて
お前、いったい何処から計算済みだったのだ?」えええ

白「どこからだろうな?」にやっ

与一「Σお前も絶対こちら側だと思っておったのに!!」がーん。

 


テオドール「さすが我が主に御座います」感激っ

粋「兄貴 時々頭良くなるからなあ」うーん。

 


シロ「おい、客だぞ」襖がらっ

 


粋・テオドール「Σん!?」


若様の兄「いやー 

自分が居て家がギスるならと身分捨ててきた」わはははっ

粋「Σいやいやいやあっさりし過ぎだろ!!」

テオドール「Σそれで良いので御座いますか!?」えええっ


若様の兄「良いので御座います。
さーて、聞いてた割烹に遊びに行ってから 母上の故郷にでも向かうかなあ」お気楽っ

 


白「あ、やっぱ真面目な弟が跡取りで良かったかも あの家」ありゃ。

彬羽「珍しく誤算だったな」

 

 

 

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