小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月18日

 

 

 

晴明「ふむ。五行で言う所の水滞じゃな」

粋「何それ?」


千様「何でもいいわよー 体が重くてダルいの早く治してー」ため息っ

 

白「晴明って具合悪いのも治せるのか?」

家康「陰陽師てのは元々学者の事だからね
物に寄っては医者の役割も果たしてたらしいよ」へらっ

 

晴明「まあまあ待て
まずはほれ手首を小指側に曲げてみよ」

千様「こう?」ぐいっ

晴明「うむ。それで手首の曲がりシワになる所 それにそってやや内側、間接の円い骨があるであろ?その付け根を軽く押すが良い。
指先でなく腹で円を描く様にの」

千様「えー こう?」ぐーりぐりっ

 

テオドール「ツボに御座いますか?」

晴明「うむ。
更年期にも効くぞ」真顔

千様「Σだっれが更年期よ!!」きいいっ


晴明「いや更年期にも聞くのであって お主の今の症状にも効くはずぞ?
どうせ暴飲暴食。
暑い暑いと水分摂りまくっておろう?」

千様「Σう」ぎくっ

晴明「それで水分過多になった上に 今年のこの悪天候
そうなると おなごは体調に出やすいのだ」

千様「へー・・

で?スッキリしないんだけど?」真顔っ

晴明「んな瞬時に劇的に効くか馬鹿者。」

 

 

飛天「やっぱ俺診ようか?」ごーろごろっ

晴明「お。居たのか 医者カラス
診療所は良いのか?」

飛天「いやー 台風の余波で屋根飛んじゃって」わははっ


粋「直撃食らってねえのに屋根飛ぶとか 常連の爺ちゃん婆ちゃん来たら危ねえもんな」うん。

飛天「住居兼ねてるからダイレクト雨漏りだし 避難させて貰ってんだよ」へらっ

晴明「お主 自宅水浸しでなんでそんな明るいんじゃ」えー。

 

飛天「ここの飯が上手くて 布団がふっかふかで掃除が行き届いてるから!!」きらきらっ


彬羽「飯は当然だ」台所で鍋ぐつぐつっ ※板前

粋「お前、布団くらい買えよ」

白「予備の一式やるから 家乾いたら持ってけ」むう。

飛天「Σえ。うそ やたっ!」わーい。


テオドール「あの診療所って掃除が行き届いてないので御座いますか?」ひええっ

飛天「あ、大丈夫大丈夫
患者ゾーンは常に綺麗だから
粋「Σ頼むからお前は自分をもっと大切にして!!」

 

晴明「あれくらいズ太いと 私が出る幕は無いのだがのー
というか 本業の医者がおるならアレに診て貰えばよかろう?」

千様「Σえ。あ その
飛天君のは効くけどいちいち怖くってー」目そらしっ

 


飛天「ちなみにアンタは?」

晴明「先日結界の入り口が破壊されての
生き埋めになりかけたので直るまで此処に住み着いとるわ」ふんっ

テオドール「その節は申し訳御座いませんでした」苦笑っ

 

飛天「道理で子供が多いと思った」なるほどっ

 

一二三「おままごとするだー!」どどどどっ

座敷わらし「Σ私をいくつだと思ってる!そんな遊び出来るかー!」だだだだっ

 

彬羽「一二三こら! 廊下を走るな危ない」

 

飛天「あー チビッ子とか曲がり角で誰かとぶつかっちゃったらなあ」苦笑

 

どかっ

犬神「Σきゃいいいーーんっ!!」きゃんきゃんっ

一二三「Σぎゃ!犬神ちゃんごめんだ!!」ひいいっ


粋「一二三の場合 ぶつかられた方が危ないんだよなあ」あーあ。

飛天「Σつか犬デカっ!」 

晴明「あれでも可能な限り小さくしとるのだぞ」はーやれやれっ

 

小太郎「犬神大丈夫か!?」わんっ

犬神「きゃいんきゃいんっ!」はうはうっ


白「小太郎のがちっさいのに ちゃんと上だって解ってるんだな 犬神」へー。

粋「犬って利口だかんなあ」

 

テオドール「成る程 モノノケの世界と同じに御座いますね」犬神よしよしっ

 

晴明「今のは別に お主がちみっこいとかそう言う意味では無いと思うがの?」

白「言われる程小さくない」むかっ


彬羽「手前等 この家壊したら雨ざらしなの忘れるなよ
ついでにメシ抜きだ」台所ののれんめくりっ


白・晴明「Σ!!」

 

粋「あれ? 兄貴達よりお前のが上じゃね?」

 

ばくんっ!

灰ざらっ

小太郎「Σあああ!犬神こらテオはエサじゃないいっ!!」ぎゃいいんっ

 

 

間。

 

 


千様「あーなんか頭もいたーい
コレはどうにかなんない?」

飛天「めっさ効くのは有るけど キツイ薬だからあんまオススメ出来ないなあ」うーん。


白「台風でそんななるのか」へー。

粋「なる奴はなるっぽいなあ」うーん。

 

晴明「ぬるま湯にでも浸かってのんびりしておけ
気のせいくらいにしてやり過ごすのが1番ぞ」

千様「えー ダルっ」だーらだらっ

 

ざらざら復活っ

テオドール「しかし 今年は確かに台風が多う御座いますからね
千様さんで無くとも多少は辛いかと」よっこいせ

白「そうか?」

テオドール「白さんも 此処の所やたら寝ておられたでは御座いませんか」

粋「いやそれいつもだしよ」きっぱり

 


晴明「確かに多いのう

ひょっとして水神がおるからか?」ちらっ

白「Σえ」

 

 

粋「Σあ!そっか
兄貴水凄え嫌いなのに やたら水に好かれるし!」はっ

白「え?え?」きょとんっ

テオドール「Σ と言う事は またなんぞ水の被害に逢われてしまわれるので御座いますか!?おいたわしいっ!」ひいっ

白「Σ!!」

 


飛天「ちなみに台風 何個あったっけ?」

晴明「1つくらい消えたか去ったか知らんが 近くに3つと聞いたが?」えーと。


蒼月「天災レベルのヤバい奴にモテモテ?」

粋「うっわ 普段が普段だから有り得て怖え」うええっ

 


テオドール「い、いざとなったら私の傘をお使い下さい」おろおろっ

白「また水か」ずーん。


千様(この子の水難ぷりに比べたら
アタシの不調なんて些細な事ね)ああうん。

 


白「けど、確かにおかしいな
じじいの話だと 俺に害あるくらいのは来ないはずなのに」うーん。

晴明「ん? どういう事じゃ?」

白「あんなだけどじじいはしっかり水神してるらしいから
孫の俺も 水に好かれて事故でボチャン程度は有っても、水が危害加えようとはしない  って事らしい」

蒼月「そんななのに何で毎度沈んでんの?」

白「・・・。」

蒼月「Σ あ、 ごめん」はっ

 

一同(カナヅチだからだ やめたげてっ!!)

 


晴明「ふむ。確かにな
そう考えると でかい水害がポンポン来る今年はおかしいな」ふむ。


石燕「白さん以上に水を呼び寄せる妖怪とか居るんじゃないっすかねー」ひょこっ


一同「Σあ」

石燕「魔王つってもそのヒト 水嫌いっすし
炎のが良く使うっすからねえ
水の分野じゃ上が居ても不思議じゃないんじゃないっすか?」へらっ

晴明「Σなるほど!」おおっ


家康「石燕ちゃん たまに凄いよね」わお

与一「霊感余り過ぎとは言え、自己流で色々出来る様になった器用な奴であるからな」うむ。


蒼月「典型的 基本が出来てない分 柔軟って奴だよね」ふんっ

石燕「ライバル視しないで貰えないっすか?
つか蒼月さんも真面目に勉強してないしょが」ほんとにもー。

 

 

晴明「ふむ。今のは目からウロコで有ったわ

その妖怪が実在するとすれば 早めに手を打たねばボロ診療所だけの被害では済まんのう」ふむ。

飛天「ボロくは無いんだよ
一部の患者がやたら壊すだけでさ。」タクアンぼりぼりっ

千様「まーた台所からちょろまかして来たわね」


粋「じゃ 一刻も速く Σって雨横殴りっ!!」ひいっ

テオドール「Σこれ危険では御座いませんか!?」ひいいっ


晴明「そらーなあ」扇子ぱたぱたっ

 


襖がらっ!

シロ「いや 探さんで良い」ずぶ濡れっ


千様「あらシロ君 どしたの凄いびしょびしょ」あらあらっ

シロ「Σおのれが足湯したいから離れの倉庫から良い桶出してこい言うたのだろうが!!」うがあっ


蒼月「チビッ子 何気に良い奴だよね」うん。

家康「千ちゃん朝から相当ダルそうだったからねー」うんうんっ

 

千様「やだごめんなさい忘れてたー

で、なんで捜さなくて良いの?」

シロ「ごめんなさいではないわ 全く

向こうから訪ねて来たのでな
ほれ、捜す手間が省けたぞ」

どどーんとそびえる巨大ナメクジっ


一同「Σぎゃあああああっ!!」鳥肌っ

 

白「ん?俺はナメクジに負けたのか?」

粋「まあ相手は 雨が無きゃ干からびるから必死だろし」えーと。

 

テオドール「Σににに日本のナメクジはこんなエッグイ色をしておられるのですかっ!?」ひいいっ

粋「色?」あれっ

白「派手なナメクジだな」

 

彬羽「アメフラシ
腹足綱後鰓類の無楯類。
刺激を与えると雨雲のような紫汁を出す 海産の軟体動物である」手ふきふきっ

粋「Σ雨ふらし!?」はっ


晴明「ああ、アメフラシの姿をした雨降らし 成る程」ほうほう

蒼月「Σ駄洒落かよ!」

晴明「妖怪なんてそんな物ぞ」きっぱり

 

シロ「会話は出来ぬが知能は高い様でな

ほれ見よ。此処からその紫の液体が流れ出ておろう?」指差しっ

千様「Σげ!ザックリ行ってる」ひいっ

シロ「此処は日本の妖怪の大ボスの棲み家で有るしな
どうにか助けて欲しくて這って来たので有ろうが
体が乾くのでやむ無く と言った所か」ふむ。

粋「お前ちょいちょい凄えな」うわー。

シロ「恐れなんだら問題ないわ。

それに どう見ても刃物傷で有るしな」ほれ

家康「Σあああ確実に原因人間っ
ごめんねえええっ」ひいっ

 

白「行けるか?」

飛天「軟体動物は施術した事が無いんだけどなあ」うーん。

 

白「行けるな?」小判っ

飛天「やってみましょう。」キリッ

 


彬羽「Σくおら!お前医学をなんだと!!」

飛天「覚悟の問題?対価を貰ったからには絶対失敗出来ないもんよ
って事で はい、治療始めまーす。手伝え手伝えっ」

 


千様「早く治ると良いわねー」

家康「あの 雨やまないんだけど
治るまではずっと大雨なのかな?ひょっとして」ひええっ

粋「まあ 飛天の治療とか俺でも号泣しそうだもんよ」

一同「あーー。」うん

 

千様「大丈夫よお。

飛天君なら 怖いけどすぐ治してくれるわよー」

晴明「どの口が言うか?」

 

 

 

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