小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月4日






【峠の団子屋】


挿音「最近よお
要人が1夜にして衰弱意識不明になるって事件が多発してんだけどよ?」
白「へー。」団子もぐもぐっ

挿音「へーじゃねえわ。
お前何か知ってんじゃねえの? 人間の仕業じゃねえだろどう見ても」


白「熱中症って奴じゃないのか?」

挿音「いや確かにまだ残暑厳しい日も有るけどよ
・・なんか 実際見たらそう言うのじゃねえような」うーん。

白「忍も大変だな」もぐもぐっ


挿音「親父も把握してるはずなの動きもねえし 俺等に指示もねえしよ

現場は忍含め 人間の入れる所じゃねえ所も有る。
と、なると やっぱ化物がらみかと思ったんだけどな」ため息っ

白「お前案外真面目か」
挿音「案外ってどういう意味だコラ」


白「上が動いてないなら気にする必要無いだろ
もう何か掴んでるんじゃないのか?」

挿音「かもしんねえけどな」ふむ


白「必要ならその内何か指示有るだろ
やらなくて良いならそれで問題ないない

あ、団子代置いてくぞ」ちゃりすたすたっ

挿音「こら待て 図々しさの権化
お前絶対何か知ってんだろ」




トンビぴーひょろー。




挿音「ま、 妖怪側のボスが把握してんならいっか」ごろんっ





ーーーーーーーーーー








白「めちゃめちゃバレてた」むう。

家康「Σげ! またどういう事だとか私が詰問される流れっ」ひいっ


白「頑張れ 多分死なない死なない」

家康「Σあの子加減下手なんだもん うわあ嫌だあああっ」うわああっ



蒼月「馬鹿殿何騒いでんの?」

彬羽「ちょっとな
忍差し置いてこっちに秘密裏に仕事頼んだんで色々とな」茶ずずーっ

千様「?
幕府の秘密のお仕事するのが忍じゃないのー?」

家康「だから 挿音が加減下手ってかする気無さすぎて ターゲットの命が危ないんだよ」真顔っ

千様「忍頭からそれじゃ そりゃ忍軍には任せらんないわね」ああうん。



シロ「ふむ? ターゲットと言う事はだ」

家康「ぶっちゃけ これから何かやらかそうとしてる人で そこそこ身分と家柄があって手出ししたら面倒な人をね
やからす前に行動不能にして貰ってまーす」へらっ


蒼月「あー、噂には聞いてたけど やっぱアンタ等主体なんだ」納得。

シロ「古来の御偉方も政敵を呪ったというしな」引。



白「ん? 俺等呪ってないぞ」

シロ「む?」

蒼月「聞いた話じゃ 警備はもちろん天上裏に仕掛けもしてて
猫の子1匹入り込める状態じゃないって状況でも翌朝ぶっ倒れてるって事だけど?」



千様「この子等に闇に紛れて大人しく暗躍とか出来るわけ無いものねえ」あらあ?

シロ「妖怪に言う台詞では無いな」うむ。



白「俺はやってないぞ
ターゲット燃えるし」しれっ

家康「うんやめて。絶対やらないで」背筋ぞわっ

彬羽「俺も知らんな」

シロ「お前がやると炸裂音と破壊音でバレバレであろ」

蒼月「つかガタイ的に一番忍び込めないだろ」


千様「あら? となるとー?」えーと。




襖がらっ!

粋「兄貴ー 用意できたけど

Σうお何!?」びくっ


蒼月「いや無いでしょ
こんなんにそんな手際良い真似出来ないって」はんっ

粋「Σいきなり何!? 」




シロ「いやな。最近多発してる怪事件の実行班の話をな」

粋「Σう」ぎくっ

千様「あ、確実に1枚噛んでは要るわね」




白「ほとんどバレてるから隠さなくて良いんだぞ」しれっ

粋「Σそなの!?」



家康「じゃ 百聞より一見
皆で見物する?」

シロ「Σ秘密裏にではないのか!?」

家康「もし見つかったら蒼月に記憶消して貰えば良いし」がしっ。

蒼月「Σはああ!?ちょ何勝手に面倒な事
家康「そうそう。お前がアポ取りたがってた太夫さん?
一見さんは御断りだけど 私これでも殿だしコネ有るんだよね

なんなら紹介してあげても「ほら行くよ 何ボサッとしてんだよハゲ」すたすたっ



テオドール「解りやすい方に御座いますねえ」ひょこっ

千様「あらテオ君もお手伝いしてるの?」

テオドール「微妙にで御座いますが」にこにこっ


家康「・・ハゲてません。」





ーーーーーーーーーーー




【某 お屋敷】





家康「えー 此方が1週間後に
一斉蜂起とか号令かけて 各地で同時に暴動起こして天下を我が手にとか画策してる一派のボスのお屋敷です。」

シロ「Σそこまで解っとるならさっさとしょっぴかんか!!」


家康「大人の世界はそう簡単に行かないんだよ
物的証拠が無くてねえ」ため息

蒼月「まあね。それなら号令かける大将が動けなきゃグダるよね」ふーん。

家康「そそ。このタイミングでボスが弱ってくれたら 下もオロオロするでしょ?
そこをつつけばもういくらでも ねえ?」にこにこっ


千様「殿って やっぱそう言う所は殿だわ」うわー。

家康「比較的平和的な解決法だと思うけど?」


シロ「ま、まあ 血は流れんか「比較的ね」



彬羽「普通に取り調べは厳しいみたいだからな」

白「江戸城の拷問部屋は見ない方が良いぞ
夢に出るから」うん。

粋「Σ魔王に言われるレベル!」ひいっ




千様「ねえ。駄弁ってて大丈夫?
見張りぽいのウロウロしてるけど」

家康「あー まあ時期的に警備も強化するよね

じゃ。いつものでよろしく」

粋「おうよ」
テオドール「かしこまりまして御座います」

シロ・蒼月「Σえ」



千様「Σえ!? 何かするのってこの2人!?」えええっ


蒼月「キングオブヘタレと この世で一番どんくさい奴じゃん!!」えええっ

テオドール「Σすみません どちらがどちらで御座いますか!?」

粋「Σどっちも大差ねえよ! じゃ蒼月お前がやれよ!!」





蒼月「え。俺の蛇目使えば 暗殺でも泥棒でも簡単に出来るけど?」真顔。

粋「Σそういやそうだった!!」


家康「お前すぐ面倒臭がるんだもん」

蒼月「なんでこの俺が野郎のお願い聞かなきゃいけないんだよ」ふふんっ


千様「よくよく考えたら隠密向きなのよねえ この子。」あらまあ


白「だから俺等はやってないて言ったろ
じゃコイツらしか居ないし」ほら。

シロ「確かにそうなのだが
こやつ等にその様な事が」えええっ



テオドール「では グダグダしてると朝になりますので

ちゃっちゃと参ります。」

懐から小瓶取り出しっ



千様「なあに? それ」


テオドール「飛天さんの試作品
血液のアンプルに御座います」きらーん。


シロ「お前また血を抜かれたのか」うわ。

白「あれで長持ちさせられる様になれば テオにくれくれ言われなくなるって言うから」ずーん。

粋「注射苦手なのに頑張ったよな」うんうんっ




テオドール「今は3日が限界に御座いますが
もっと長く保管出来る様に試行錯誤されていると

あ、次の採血は明日だそうに御座いますよ」ごきげんっ

白「Σ!」びくっ



千様「あら?今月の満月っていつ?」

彬羽「10日だな。
それまでに完成させねえと 今度こそ噛みつかれかねねえしな」うーん。

蒼月「もうあの人のダメージ大差なく無い?」




テオドール「と言う事で

参ります」アンプルぐびっ

どろんっ!


シロ「Σ久々のバンパイア化!」おおっ



家康「見つかんない様に高い所でねー」

テオドール「かしこまりました。」コウモリ羽ばさあっ!



粋「おー速い速い」見上げっ


蒼月「ん?空から何やるの?」

彬羽「耳塞いだ方が良いぞ」

蒼月「へ?」




キイイイイインッ!!

蒼月「Σぎゃー!何何何なにっ!?」鼓膜しびびびっ


家康「あ、聞こえるんだ
若いねー」あははっ

蒼月「え?なんて?」鼓膜けいれんっ


シロ「おい。今のは」鼓膜しびしびっ

白「テオはえーと。 もすきーと音ての出せるだろ?
吸血鬼だから」

千様「ねえ、吸血鬼てやっぱ蚊なの?」


彬羽「吸血鬼化した上で モスキート音を出すと威力が増すらしくてな

ほれ 見てみろ」






見張り「きゅ 急に耳なり目眩がっ」へたっ

見回り「なんだ雨でも来るのか」耳じんじんっ




蒼月「Σうっお隙だらけ!」

シロ「成る程!ここで侵入か!!」おおおっ


粋「いやいや違うって

誰かが侵入ましたって形跡は残すなって言われてるし」

千様「へ?て言うと?」



粋「俺もちゃっちゃと参りましょう」どやっ

懐からカイコずるんっ!


シロ「Σいやいやいや無理が有る!」

蒼月「Σドヤんな!カイコちゃん大概でかいだろ
どうやってんな物入れてたんだよ!!」




白「お前 メス相手にでかいでかいって。」うわ

カイコぷるぷるっ

蒼月「Σあ。ごめん」はっ


家康「虫相手でも女の子には素直なんだね」ああうん。




粋「よしよし。お前はそれくらいのが可愛いから

よしほら 気分直しに沢山食ってこい」にこっ

カイコこくこく

ぱたたっ


千様「え。」

シロ「Σまさかっ!?」はっ




彬羽「カイコの餌は生態エネルギーだ。
猫の子1匹入れんでも虫ならな
入り込もうとすれば何処からでも
白「あ。格子に挟詰まった」


カイコ格子にみっちり。


家康「Σしまった!ここの所頼みまくってたからふくよかになってる!!」ひいいっ





見張り「ん?何だお前等!」

シロ「Σしまった!」はっ



白「迷子だ」くわっ

見張り「Σえ。あ、番所はあっちです」びくっ

白「そうか。助かった」すたすたっ

見張り「あ、はい
お気をつけて」ぺこぺこっ


千様「スッゴい力技」うわー。

蒼月「本能に直で威嚇したよね 怖っ。」



家康「まあ 引いてくれて助かったけどね あの人」空見上げっ

シロ「Σうおお 上空で戦闘モードに!!」

彬羽「テオこら 町中で衝撃波吐くなよ」





粋「あの それよりカイコどうしよ」オロオロっ

白「ホントどうしよう?」うーん。

家康「もう蒼月に記憶消して貰う前提で普通に助ける?」

蒼月「記憶は消せても 絶対何か壊して証拠残すだろアンタ等」



カイコじたばたっ


粋「Σあああ 苦しそうに!」ひいっ


白「バカラス カラス天狗なら風とかで押せないのか?」

彬羽「飛天の大天狗の団扇が有れば出来るが」うーん。

千様「あれお屋敷も吹っ飛ぶわよね?」



白「ん?」ぴく

粋「何?何かいい案が


白「伏せろ。」

一同「Σえ」



突風ビュゴッ!!



千様「Σっぎゃー!!」着物の裾びらっ

蒼月「Σおおっ」





カイコ煽られぶわわわっ


すぽっ!

ころころころ。



粋「Σお!抜けた」おおおっ

白「でかしたテオ」良し。


上空ばっさばっさ。


家康「成る程 テオちゃんの速さとあのでっかいコウモリ羽なら突風ぐらいワケないね」松の木に引っ掛かりっ

彬羽「大丈夫かお前」

家康「めちゃ飛ばされたよ 耄碌したなあ」ふっ





見回り「おーい 大丈夫かー?」

見張り「笠飛ばされたわ。
今日は天気が悪いな やっぱ大雨かなあ」 うーん。






家主「ええい!騒々しい
このややこしい時期に嫌な天気Σおうっ!?」

カイコどすんっ


生態エネルギー吸引ずぞぞぞぞっ

家主「Σうおおおおおっ!?」へなへなっ




蒼月「うわ。相変わらずえっぐ」塀の隙間から覗きっ

シロ「あれ食欲では そりゃ人間は意識不明にもかるわな」うわ


家康「いやー毎度お前のペットに変な仕事させちゃってごめんね」苦笑


粋「あー良いって

ダチと浮気されるよりマシだから」ふっ

家康「何て?」はい?



粋「カイコの奴な
俺の生態エネルギーめっさ食うし懐いてるはずなのに ちょっと目離すとテオとかのもつまみ食いしてんだよ
でさあ、この前血液アンプルっての作りに行った時 どさくさで飛天も吸われてたし え?ちょっと酷くね?って
蒼月「蛇の俺が言うのも何だけど 虫相手に何言ってんだよアンタ」引。

粋「浮気なんてされた側にしか解らねえよ 」ふっ



千様「えっと
それなら なんでこんな他の人のエネルギー吸わせる様なの引き受けたの?」困惑っ

粋「姉ちゃん 解ってねえよ

見てねえ所で不特定多数と浮気されるくらいなら
俺の目の届く所で 俺の指定した奴と好きなだけ浮気すりゃいい!それならまだ許せる!! 」くわっ

彬羽「お前の弟 色々大丈夫か。」ドン引きっ

白「性癖は結構ヤバイかもしれない」うん。



見張り「えっと あのー」おそるおそるっ

家康「Σあ。すみません
なんかこの子気分が悪いみたいでっ」

見回り「あーいえ 絶叫聞こえてましたんで
自分等気にしないんで ゆっくりリハビリさせたげて下さい

心を癒すには良い月ですからねえ」うんうんっ


シロ(偉い誤解をされてしまった。)





粋「そっか満足したか 良かったなあ」壁に向かってふふふふふっ


千様「ペットだけで済んだら良いけど」うわあ。

蒼月「この人色恋と縁遠くて良かったよね」引。






テオドール(月って 見上げられたら困るんで御座いますけど!!) 木の影ひええっ





>サイトトップに戻る