小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

8月27日






家康「あー、昼はあっついけど さすがに夕方はいい風吹くねえ」

千様「そう?変わらず蒸し暑いけどー?」えー。

蒼月「オッサンだから体感温度低いんじゃないの」ははんっ

家康「Σあ。そうかも知れない」はっ

蒼月「認めんのかよ。おもしろくないなー」



シロ「ん? 何処からか笛の音が」

蒼月「俺じゃないよ」

千様「あらあら こんな山の中で誰が吹いてるのかしらー?」



白「面白そうだからって 笛の鳴ってる方に見に行ったりしたら怖い目にあったり誘拐されるらしぞ?」

シロ「Σわざわざ行かんわ!
子供扱いするな!」むかっ




テオドール「確かに姿の見えぬ笛吹きは恐ろしい物のイメージで御座いますね」ふむ。

粋「へ、そう?」

テオドール「西洋にはハーメルンの笛吹き男なるお話が御座いまして」



彬羽「ありゃ代金出し渋った町の奴等が悪い
何も怖い事はねえだろ」よいせっ

家康「お?何々その大きい桶っ」



彬羽「うなぎ屋の親父が腰いわせたんでな
捌くの手伝ったら山ほどくれてな」うなぎうじゃうじゃっ

家康「Σうおお凄っ!」


彬羽「土用の丑が終わるとなかなか数が出ないらしくてな
まあ まだまだ暑いしバイト料みたいな物だ」

蒼月「え?これ今から捌くの?」わくわくっ

彬羽「だな。
あ、包丁は腹に入れた方が綺麗に割けるんだが、やはりお前はそういうの気にするのか?」

家康「いや別に?
なんで?」はて。

彬羽「江戸の方じゃ侍が多いから切腹を連想させる腹割きを嫌い 背中に包丁を入れる

しかし、都の方じゃうなぎを食える身分となると 武家より公家のが多いんでな
その辺気にせずやりやすい腹から切るって話だ」

一同「へーー。」感心っ




粋「あの、俺笛吹き男の話の方が気になるんだけど。」

白「一二三辺りに聞けば絵本貸してくれると思う」

粋「Σまさかの幼児向け!?」えええっ



テオドール「うわ。うなぎって蛇みたいなので御座いますねえ」ひええっ

蒼月「俺にケンカ売ってる?」

家康「あー全然違うよ

蛇は鰻より肉が固くてさあ
噛みきれなくて苦労するもん」あははっ

千様「食べた事有るのね」わお。

家康「負け戦で兵とはぐれちゃった時にね
いや。あの時は捕まえられて助かったよ」南無。

蒼月「Σ俺に手合わせんなよ!」




彬羽「うなぎも普通に焼いたらそこそこ固いがな」

テオドール「確か 一度蒸すので御座いますよね?」えーと。

彬羽「だな。それから焼くと独特の柔らかさが出る」すたすたっ


千様「Σえ。もう捌いたの!?」えええっ

テオドール「一瞬で御座いました。
プロとは恐ろしい」感心っ





間。





庵「ちわー。
お昼に来た時忘れ物

何してんの?」

粋「ささやかな抵抗」ふっ

庵「いや意味解んないから
なんで庭で鍋グツグツしてんの?」



粋「あのさ。
うなぎって高えだろ?」

庵「ん? あーまあね
そういや今年食べてないなあ」うーん。

粋「わざわざ高いの食わなくても其処らでドジョウ取ってくりゃ 充分旨いし似たような物なんだよ

んでさ
うなぎ調理中のカラスにポロッと言っちゃって
姉ちゃんにせっかく人が作ってるのにそう言う事言わない!て怒られてさ」

庵「おバカなのかな?」うわあ

粋「Σ絵本の中身が衝撃的過ぎてボケてたんだよ!!」うがあっ


庵(よく解んないけど ビビりの失言かな
うん。把握) うんうんっ


粋「で、なんかこう
いたたまれなくて流れでドジョウ取ってきて 煮てます」ふっ

庵「Σうなぎ有るのに!?」えええっ

粋「いやさ。最後の子供達が笛の音につられて水にぼちゃぼちゃ落ちてくのとか怖すぎて「Σいったい何の絵本見たの!?」ひいっ




粋「って事で色々どうしよ?」

庵「今は正気?」えーと。

粋「うん。パニック収まったら俺何してるんだろうなって」

庵「いやマジで何してんの。
あーうん。 私はアンタの庶民の味方と言うか おばあちゃん家で出てきそうな料理嫌いじゃないけどね」※元長屋お隣さん。



粋「あ。んじゃ食ってく?
1人じゃ寂しい物が有


家康「あ。居た居た
うなぎ焼けたよー

あれ いおりん来てたの?一緒にどう?」のほほーん。

庵「Σ良いの!?わーい いただきまーす」ひゃほうっ

粋「Σだよな!そうなるだろうなあっ!!」ちくしょおおっ



白「お前はいいのか?」

粋「Σい、要らねえし」けっ


シロ「またガキの様な真似を」ため息っ

テオドール「せっかくわざわざ呼びに来て下さいましたのにね」苦笑





間。





家康「ぷはーっ 美味しい
やっぱ夏バテには鰻だねえ」ぷはっ

千様「いつバテてたの?」もぐもぐっ

蒼月「つーかアンタ 夕方は涼しいとかさ」

家康「いやそう思った方が有り難みが増すでしょ?
高級品なんだし」お茶ずずーっ

シロ(将軍のセリフか?)もぐもぐっ



白「魄哉達も早く帰って来れば良いのにな」鰻の尻尾かじかじっ

一二三「魄哉さん達の分は 帰ってきたらアツアツの作るだって言ってるから問題ねえべ」もぐもぐっ


家康「あ、石燕ちゃんは締切前だから部屋の前に置いてきたよ」

千様「あー 与一さんはオバケだから基本食べられないし
その辺可哀想よね」ふむ。






庵(やっぱ尻尾の方から食べるのか。
春一でも焼魚は尻尾から行くし) じーっ

テオドール(頭とか着いてるのは面倒なので御座いますね
毎度 食べやすいド真ん中から行く辺り
迷わず好きな物からと みみっちく無くさすがに御座います。)ふむ。



庵・テオドール「・・・・。」

一二三「?」





熱い握手がしっ!!



シロ「あ奴等の精神面では何が起きとんのだ?」引。

千様「お前強いなお前もな 的なのじゃないのー?」

家康(信者と1種のストーカーだからねえ)苦笑。


白「ガン見されてると食べにくいんだけどな。」

彬羽「アホ程米粒着けて何抜かしやがる。」



蒼月「満腹になって思い出したけどさ

さっきの笛?
あれ何か変じゃ無い?」肝吸いぐびっ

千様「変って?」


彬羽「笛?」

一二三「さっき 其処ら辺にハーメルンの人が居たぽいだよ」

彬羽「は?」



家康「あ、そっか
言われてみればおかしいね」ふむ

庵「? 何が?」鰻もぐもぐっ



白「此処、一般の人間は何となく入りたく無くなる様に 鳥居で弱い呪いかけられてるだろ」

庵「Σあ」はっ

蒼月「一般人が巻き込まれたら ひと溜りも無い様なドンパチしょっちゅうやってるもんね」うんうん。

家康「だから入ってくるとしたら
誰かへの明確な殺意とか、弱い呪いじゃ効かない妖怪とかになるんだよねえ」

千様「ね。殺意は8割殿にだけどね」さらり。

庵「へ、へー。」わお




彬羽「笛か

ひょっとして 例の奴じゃないのか?」ふむ。

白「ぽいよな
危ない危ない」うん

シロ「む? 心当たりが有るのか?」


彬羽「狸囃子と言ってな
夜になると笛や太鼓の音が何処からか聞こえて来るって謎現象が有るんだが

実はこの現象を意図的に起こして居る妖怪が居てな」



白「一言で言うと 笛の音につられて出てきた奴を襲って身ぐるみ剥いで
何なら隙見て家に押し入って来て 食べ物強奪してくらしい」真顔っ

家康「それ、ただの強盗じゃ無いの」引。

白「それ専門にしてる妖怪が居るらしいぞ
金縛りや何や使ってくるから 腕に自信が有っても下手に寄ると危ないらしい。」うん

シロ「Σん?ちょっと待てい!
お前 はなから知っておったのか!?」

白「だから笛についてくなよって言ったろ。」ん?

シロ「Σアホかあの流れで真面目な話と思わんわ
それならそうとちゃんと言え!」


テオドール「この方の場合 ボキャブラリーと表情筋の問題でそれは難しいかと。」苦笑。

庵「むしろ 教えてくれだけマシ?」うんうん。

シロ「Σお前らはお前らでタッグを組むなややこしい!!」うがあっ

千様「えーと。その狸囃子って妖怪は
着いてなか無きゃ他は強盗にさえ気を付ければ良いの?」

彬羽「今の所 そうらしいな」

蒼月「なんだ 騒ぐ事無いじゃん
間違って乱入して来ても このメンツじゃ1発で終わりでしょ

なんならバカ殿がズドンって仕留めて 師匠が焼けば狸の丸焼きで1品増えるじゃん」

白「師匠呼び久々だな」

家康「てかまだ食べる気?
若いねえ」わお。



一二三「狸囃子って狸なんだべか?」

彬羽「知らん」きっぱり。



庵「ん? Σあれっ」 はっ

テオドール「お茶のお代わりに御座いますか?」

庵「いや違う違う違う!

やば!粋の奴 まだ庭で拗ねてんじゃないの!?」

一同「Σあ。」はっ



千様「Σ居ないと思ったらっ
え?アタシ!?アタシ強く怒りすぎた!?」えええっ

家康「いや 千ちゃんのは正しいと思うけど」


一二三「危ないべ
粋さん強いけど 注意力さんまんだべ!
狸にでも不意打ちされたら 大ケガしかねねえだ!!」たたっ

蒼月「Σ幼女に言い切られてるし!」


庵「庭の隅っこ!こっちこっち早く保護したげてっ」わたわたっ


彬羽「ん?コマ!コマは何処だ!!

あいつのセンサーなら妖怪でも侵入してりゃ ある程度解るはずなんだが」きょろっ





ーーーーーーーーーーー




コマ『ゴリッゴリの侵入者ですが。コレどうしよ?』筆談っ



粋「そうかそうか ドジョウ好きなんだ
いくらでも食ってけよ どうせ誰も食べてくんないしさー」

狸囃子「あの、普通に貰うのは性質上抵抗が有るんですが」困惑っ

粋「遠慮とか良いって ほら食えよ」ほらほらっ




千様「あら?」

シロ「てっきり 後頭部でも殴られて伸びておるかと思えば」ほっ


テオドール「ホント コミュ力の化け物に御座いますねえ」

庵「妖怪困ってるけどね」うん。



狸囃子「あのー。私、お囃子を演奏したお代を払ってくれない人をどついて 金目の物を無理矢理回収する妖怪なんですが

この人お囃子注文して無いし
良いんですかね?」おそるおそるっ

白「あれ?お前そういう奴だったのか」ありゃ

テオドール「人間側が自分に都合の悪い所は隠したパターンに御座いますね」成る程っ


一二三「モロに笛吹きさんだべな。」ありゃ

家康「Σ確かに!」はっ




彬羽「ん?お前 こんな所で何してるかと思えば
ドジョウ煮てたのか?」

粋「Σえ。いやコレはっ!」はっ


彬羽「ん? 味付け良いんじゃねえのか
秋冬向けだとは思うが」

粋「Σえ。マジ!?」おおっ

家康「お! いいね生姜多目で熱燗で!! 」

彬羽「それだな。」うむ


粋「え?え?
なんかウケた!?」おおおっ

蒼月「つか 夏に鍋でグツグツ煮込む系とか あっついだろ」

粋「Σそういう事!?」





狸囃子「なんか知らないけど
仲直りしたんなら良かったですねえ」ドジョウもぐもぐっ

白「だな。
支払い大事だな」うん。




>サイトトップに戻る