小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

7月22日







千様「あら殿 お出掛け?」


家康「うん。ちょっと寄席にね」うきうきっ

千様「あらまた? ハマってるわねえ」あらあらっ




粋「この暑いのに よくあんな人が密集した暑苦しい所行くよなー」へー。

家康「いや お前達の職場と変わらないから
芝居小屋のが熱量的にはヤバいでしょ」


粋「まあ 稽古で見習いはぶっ倒れるけど」うーん。

千様「・・くれぐれも気をつけてね?」


家康「お前も大変だねえ
主役級だとキッツイでしょ」のほほーん。


白「え?」くわっ
粋「ごめん。今またどうにかして水舞台やらね?的な話出てて 兄貴気が立ってるから
落下フラグしか立ってねえから。」どうどうっ



テオドール「えーと。家康さん お時間はよろしいので?」

家康「Σあ!そうだった始まっちゃう!
テオちゃんありがとっ」だだっ





白「で、寄席って何なんだ?」

粋「Σえ、まさかの知らない?」えええっ

テオドール「確か プロの方が面白い話をする所 に御座いますよね?」えーと。



白「ふーん。
行ってみるか」

粋「Σえ」

白「芸の肥やしになるぞ? お前もそろそろ見習い卒業したいだろ?」

粋「Σぐ!」ぎくっ



テオドール「あの、私も同行してよろしゅう御座いますか!?」挙手っ

粋「Σ何でノリノリ!?」

テオドール「考えても見てください 相手は笑かすプロに御座いましょう?

我が主の能面的表情筋と プロの笑い!どちらが勝つのか見てみたいでは御座いませんか!!」くわっ!


千様「それ言うと白君意地でも笑わなくなるわよ」

粋「つーか 邪悪な笑いならしょっちゅうしてんだろ」


白(何見に行く気だコイツ等。)むう



千様「あ、でも
勝敗はともかくあれだけ殿がハマるなら見てみたいわねー
あれで結構センス良いし」

白「じゃ千様も行くか?」

千様「やたっ! わーいおごりおごりっ!」きゃー


テオドール「ん?何処の寄席かお分かりなので御座いますか?
確か芝居小屋と同じで あちこちに有ると聞いておりますが」

粋「そこは芝居小屋の情報網でだいたい解る。
確か今日の午後から講演してるのは」冊子ぺらぺらっ

テオドール「ホント裏方としては有能に御座いますね」わお。

千様「てか ひょっとして行きたかっ「見習いの安月給じゃキッツイもんよ あ、コレだ。」






間。





【寄席】




家康「あっれ 皆どしたの!?」



テオドール「本当におられましたっ!」おおっ

千様「粋君が調べてくれたのー
殿がハマるくらい面白いの聞きたくって」のほほーん。

家康「成る程ね。
あ、席空いてる所で良いから此処座りなよ
初心者向けに解説したげるし」にこにこっ

白「解説?」

家康「ほら 今からやるのはこう言うので こんな感じで見るんだよーとか。
見所みたいなの? 出て来る人の売りとかね」にこにこっ



千様「相当通ってるわねー」へー。

家康「もちろん 此処の所毎度来てるよ」

白「ふーん。

あ、なんか出てきたぞ」

テオドール「?

座布団に座られましたね。
芝居小屋みたいに動かれないので?」おや。

家康「今から始まるのは漫談って言ってね
ほらあの手に持ってる扇子。あれと喋りで全てを表現するんだよ
まあ、その辺は見てからのお楽しみだね」

テオドール「Σ扇子1本で御座いますか!?」ひえっ


白「ちょっと真面目に見るか」ふむ。

粋「Σまさかの仕事スイッチオン!!」

千様「普段ユルッユルな癖に負けず嫌いよね この子。」わお。






間。






テオドール「ブラボーに御座いますっ!!」拍手ぱちぱちぱちぱちっ!!

家康「Σテオちゃんちょっとスタンディングオベーションはやめなさいって!」ひいっ


噺家「おおこりゃ西洋の御客さん
有難う」わははっ





テオドール「・・周りの御客さんに笑われました。」恥ずかしっ

家康「そりゃーねえ」苦笑

粋「しっかしやっぱ凄いよなあ
無い物がマジで見えるっつか
なあ兄貴 Σめちゃ真剣!!」ひいっ

千様「アタシめちゃゲラゲラ笑ってたんだけど
この子楽しむ以前にライバル心メラッメラねえ」あらまあ。



テオドール「メラッメラ?」ん?

家康「そう言えばさっきから何か Σはっ!」


粋「Σ兄貴発火!座布団焦げてる!!」ひいいっ

白「Σあ」 はっ

千様「ちょっと貸して
そりゃ!!」座布団ばんばんっ

係員「Σちょ 御客さん何してるんですか!」

家康「Σすみませんボヤです!!」

係員「Σ火は何処から!?」えええっ





間。






粋「よっしゃ どうにか誤魔化したっ」ぜーぜー。

家康「他の御客さん達に悪い事しちゃったねえ」苦笑。

白「ごめんて」

千様「白君は集中し過ぎ注意ね
慣れてないんだから」めっ。

テオドール「やんわりと凄まじい事言われておられますね」うわあ。




家康「まあまあ、さて講演も再開だ
気を取り直して楽しませて貰お。
ほら 次は此処のエースが出るよ」にこにこっ

千様「え?どんなの?」わくっ


家康「お次はなんと
双子のお婆ちゃんによる 三味線弾き語り漫談だよ!
渋ーい歌声にも刮目有れ!だねえ」わくわくっ


千様「何か 思ってたのと違うんだけど」

家康「いやこれが凄いんだって!
練りに練られたプロの技ってね!!」きらきらっ

白「ファンかお前。」


テオドール「しかし双子のお婆さんと言うだけでもおめでたい事に御座いますね
お二人揃ってお元気と言う事に御座いますし」

粋「Σあ。そう言う意味でも有るのか!」はっ

家康「そうそう こう言う御仕事はめでたい席に呼ばれる事も多いからね

このエースお花さんとお香さんは引っ張りだこで 庶民は此処でしかお目にかかれないんだよ」

粋「へー。そんな凄いのか」ほうほうっ



白「あ。出てきた」







お花「・・・はー」

お香「どっこら しょっ」ふう。



一同(Σ思ってた数倍御高齢!!)


粋「えっと 色々と大丈夫なの?」なんか心配っ

家康「何とね あの2人は揃って99歳なんだよ いや凄いよねー」うんうんっ

粋「Σ凄いけどマジで大丈夫なの!?
座るだけで辛そうなんだけど!?」





お香「そこ、うるさいよ」

粋「Σあ。すんません!」びくっ



家康「お香さんは めちゃ地獄耳なんだよね
騒がしいといつまでも始まらないよ」しーっ



お香「ん。まず良し」うん。

お花「はい。皆が静かになるまで62秒かかりました

年寄りに無駄な時間を過ごさせんじゃないよ」けっ



家康「で、お花さんは体内時計がめちゃ正確」どやっ

一同(Σ寄席に要るか その特技!?)




家康「あの2人はホント凄いんだよー
ほらあの三味線 双子ならではの息ぴったり」ほらほらっ

白「俺の知ってる双子は息ガタガタだけどな」

家康「他所は他所 うちはうち。
って事で ほらほら三味線に合わせてこれまた息ぴったりの歌声がね」


テオドール(お笑い系ならともかく これは文化が解らない事には何とも)うーん。

息「凄いのは解るんだけど
あー 俺の修行が足りねえんだろな」うん。

千様「殿、あの
趣味が渋いのねえ?」えーと。

家康「そりゃあね
毎度出待ちしてるしファンクラブ入ってるし 今日も花束持ってきたし ほら同じの2つ」にへらっ

粋「ガチファン過ぎてくっそ怖えわ」引きっ


家康「今度の御二人の誕生日講演には お捻り弾もうと思って貯金してるし

いやー 語れる仲間が出来て嬉しいよ」肩ぽんっ

粋「Σぎゃああロックオンされた!」ひいっ



お香「そこ、うるさいよー」

粋「はい!すんません!!」びしっ

お花「はい。1.4秒かかりました。」ふうっ



粋「2度も はずっ!」くうっ!


家康「いやー お前のおかげでファンサ貰っちゃったね」あははっ

白「ファンサ?」

テオドール「ファンサービスの事に御座いますよ
今のをサービスと言って良いのか

・・あの?家康さん
かなりガチ目のファンで御座いますか?」あれっ




千様「あの殿 確か、かなり年上が好きとか聞いたけど」まさかっ

家康「バレた? 美人双子とかたまらないよね」ふっ

粋「Σマジでかああ!!」ひいいっ








お香「あの子等出禁にしちゃおうか」はーやれやれっ

お花「ちょっと警備のお兄さん達ー。」


家康「Σえ あ、ちょっと!?」



お花「私等は私等の芸見て欲しいんだよねえ」

お香「見もしないで くっちゃべってんじゃ無いよ失礼なっ」ふんっ

家康「Σごもっともです!」がーん。





千様「まあ 好きなアイドル語りたいだけのオタクのノリだものね」

テオドール「ちなみに 白さんなら芝居小屋の客席で見ないで喋ってるお客には」
白「下駄投げる。」即答っ

粋「あのそれ、兄貴のファンしてる様な人にはご褒美だから」


千様「何処にもそう言う層って有るのねえ」うわあ。





家康「ごめんなさいいい!!花束持参で来ちゃってはしゃいじゃったんですっ!!」ひいいっ

お花「あらまあ。」おおっ

お香「あー。しゃーない今回だけだよっ」ふんっ




千様「Σあらっ 乙女心っ!」おおっ









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