小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

7月19日





酒呑童子「あだっ!
本気でどうなってんだこの家は

え。来た道消えた!?」壁ぺたぺたっ


蒼月「なんだようっさいなあ
暑苦しいな赤鬼かよ」牢の中で体育座りっ

酒呑童子「Σなんだじゃねえよ 何捕獲されてんだ じゃなくてなんだこの部屋!?」

蒼月「俗に言う座敷牢「Σお前何やらかした!?」えええっ




蒼月「えーとね あ、説明めんどい
大丈夫だよ やらかす前だから
でもってジジイが全力で示談に持ってこうとしてる所だから」けっ

酒呑童子(Σまた何処のヤバい女にちょっかい出そうとしたコイツ!!) 冷や汗どばっ

蒼月「話つけて来る代わりに此処からしばらく出さないとかさー
動物から自由奪ったら悲しみで死んじゃうよホント」ふかーいため息っ

酒呑童子「お前は一生此処で飼われてた方が世の為じゃねえ?」うっわ



蒼月「はあ? 何それ現世の至宝をドブに捨てるのと同意語じゃん」真顔。

酒呑童子「よし、2度と出てくんな
俺は帰る」くるり




ぺたぺたぺたぺたっ


酒呑童子「・・・。」







蒼月「言っとくけど 此処の壁特殊な回転壁だから
入っちゃったらジジイでも無きゃ開けらんないよ」

酒呑童子「Σマジか!?」うえええっ!

蒼月「うん、俺もそれで閉じ込められたんだし
つかジジイ 壁直し忘れてんじゃんどんくさ「そう言う事は早く
言えよ! どうすんだよ!!」えええっ



蒼月「言ってもしゃーないじゃん 出られない物は出られないんだしさあ
あー暑苦しい どうせなら誰か女の子迷い込んで来て欲しかった」ため息っ


酒呑童子「お前はそれしかねえのか
しゃーねえ また文句言われそうだけど 力尽くで!!」くわっ




蒼月「言っとくけどジジイ元陰陽師だからね。
下手に殴ったりしたら指砕けるよ」






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【壁の外】




小太郎「ん?」ぴくっ

家康「どしたの?」

小太郎「壁の中から声がする?」わんっ

家康「Σいきなし怪談!やめてよ!?」ひいっ

千様「いくらアイツでも 自宅の壁に何か塗り込んでるって事は無いと思うけど
家康「Σ千ちゃんの発想が一番怖い!!」ひいいっ




白「あれ 何探してるんだ?」

粋「あー 春一で暑いてダレてた酒呑童子見かけたからさ
イカ食いに来いって引きずって来たんだけど
あれ?何処行ったかな」スイカ切り分けきょろきょろっ

テオドール「ホント 誰とでも仲良くなれる方に御座いますねえ」わお。






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【壁の中】




蒼月「折れた?折れた?ねえねえねえ」にやにやっ

酒呑童子「Σうっせえ!何処まで邪悪なんだお前は!!」右手じーん。

蒼月「俺1人が不幸とか有り得ないし
お前も痛い目見ないと不公平じゃん?」

酒呑童子「Σ俺は何1つ悪さしてねえわ!!!」


蒼月「鬼としてそれもどうなんだよ」



酒呑童子「あーくそっ 力尽くがダメならどうやったら出られんだよ」ちっ

蒼月「んー。俺が此処から出れたらワンチャン有るんだけどね」チラッ。

酒呑童子「は?」警戒っ

蒼月「確かに狐陰陽師やジジイには劣るけどさ 俺も術系ならそこそこの腕なんだよね。 つか原石っての?

真面目にお勉強とかしてないのに即席でアレやコレやこなしてるのはアンタも知ってるでしょー?」にやりっ

酒呑童子「・・つまり 此処の壁に物理攻撃通る様になるかもって事かよ?」

蒼月「可能性だけどね。
まあヤル気になれば実力倍増タイプだし 賭けてみても良いんじゃない?」



酒呑童子「ダミアンの奴が言ってた楽園追放ってのも 確か蛇に唆された奴等が」えーと。

蒼月「Σアンタ等普段どんな会話してんの!?
鬼の大将が何真面目に何のお話聞いてんだよ!!」えええっ


酒呑童子「そもそも俺は何もしてねえんだし
あの金髪坊主が戻ってきたら出して貰えるしよ」ふんっ

蒼月「Σく!思ったより冷静っ

けど、甘いな。 アンタは大事な事を忘れるね」ふっ

酒呑童子「あ?誑かされねえぞ?」


蒼月「あのジジイ めちゃめちゃ多忙だから江戸城で何か有ったら即飛んでかなきゃなんないんだよ!天海サマだし。
万一 今緊急事態でも起きたら それこそ最悪1週間は帰ってこないよ」びしっ

酒呑童子「Σ1週間!?」えええっ

蒼月「この前10徹してて さすがにヤバいって1服盛られて強制的に休まされてたね」うん。




酒呑童子「・・・いや 仮にも人閉じ込めといて それはよ」冷や汗っ

蒼月「俺蛇だもん
その気になれば1週間断食くらい 楽勝。」

酒呑童子「Σぐ!」




蒼月「どうするー?
俺も出たいし そこで干からびてかれるの見るのもダルいしさ」


酒呑童子「・・・・・・・・俺は蛇に誑かされただけだから悪かねえからな」ちっ

蒼月「あーはいはい。そう言う事にしといてやるよ」




酒呑童子「ったく 鉄格子やっちまや良いんだよな?」

蒼月「恨むなら自分の不運を恨めよ「喧しい 手前が要らん事しなきゃ巻き込まれてねえわ」



蒼月「じゃ、一思いにやっちゃって。

出来るならだけど」


酒呑童子「Σえ。ちょ うおおおなんだこれ!びくともしねえええ!!」ふんぬうううっ!

蒼月「ほら頑張んなよ
舎弟の鬼達が見たら泣くよー?」

酒呑童子「Σ逐一うっせえ! ど畜生があああーーーっ!!!」ぬおおおっ








数十分経過。







蒼月「ま、蛇ってああ見えて全身筋肉だし
物理で開けれるならぐにゃっと曲げて出てるんだよねえ」ため息っ

酒呑童子「Σだったら何でやらせた!?」ぜーはーっ

蒼月「暇潰し。」

酒呑童子「Σシバく!此処から出たら生ガワ剥がしてドブに捨てる!!」

蒼月「馬鹿なの?大蛇の蛇皮とか幾らで売れると思ってんの?有効活用しろよ馬鹿
これだから脳筋はさあ」はんっ

酒呑童子「Σだああああ!!」イッラアアアっ!





蒼月「あーもうダルっ
脳筋からかってても暑苦しいだけだし
お説教地獄だろけどジジイ早く帰ってきて此処から出してくれな




カチャンッ。

蒼月「ん?」



酒呑童子「普通に牢の鍵空いてんじゃねえか」ゴゴゴゴゴゴっ!

蒼月「Σげ」




酒呑童子「歯あ食い縛れや性悪蛇があああ!!」くわっ

蒼月「Σばっ! いい加減学習しろよ!」

酒呑童子「うっせえもう騙されっか!」






蒼月「入り口閉めんな!壁と同じで入ったら其処から出られないんだよ!
じゃなきゃ俺が大人しくこんな所に居るわけ


ぱたんっ。




酒呑童子・蒼月「Σあ。」






酒呑童子「Σだああああ!!」牢の中っ

蒼月「Σバカー! 暑苦しいいいっ!!!」ひいいっ


酒呑童子「Σ煩え それならそうと始めに言えよ!
つか何だよこのネズミ取り
なんでこんなのホイホイ入ったんだよ!!」






蒼月「牢の中に春画本が有ったから。」ふっ


酒呑童子「お前が1番馬鹿じゃねえ?」うっわ

蒼月「Σうっさいオスとして正しいだろ!
普通誰かの忘れ物かな?とか思うだろ!
ちなみに中身はモヤシ作のホラー絵だったよ!ホンットムカつく!!」うがあっ

酒呑童子(Σ化物絵師鳥山石燕のなら 落書きでも高値じゃねえのか!?)えええっ







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魄哉「Σはあ!?酒呑童子君が行方不明!?」

粋「みたいなんだよ 何処にも居ねえし!」

彬羽「一応保護者にも連絡したんだがな。」


茨木童子「あいつ何が有っても晩飯時には帰って来るのになあ
何か有ったか」うーん。

家康「何気に素行良いよね 酒呑童子」わお。





人魚「酒呑童子さーん! 婚姻届アタックは日に3回までにします!帰ってきてくださーい!!」うえーん!


魄哉「はい落ち着いて。 えっと普段どんな生活なんですか
とりあえず僕も心当たり当たりますね!」たたっ




彬羽「あんなでかい図体で迷子か。」困惑っ

ダミアン「申し訳無いが此処等のカラス達で捜索を頼む。
私も独自に捜してみるのでな」コウモリ変化ぼんっ!






魄哉(あ、蒼月君忘れてた

あーでも あの子なら3日くらいなら放置してもケロッとしてますし
後回しで良いですね

しかし、人間の世には慣れて無い子ですし 何ぞ事件に巻き込まれて無いと良いんですが)うーん。









酒呑童子「食えないのはともかくよ 水無しで生き物って何日持つんだよ」冷や汗っ

蒼月「だだだ大丈夫だろ
ジジイなんだかんだで細かいし
もうすぐ そろそろ反省しましたかー?とかってさ」


酒呑童子「お前 水分の事は考えてなかっ「Σうっさいな! 干からびる時はお前も一緒なんだよ!!」八つ当たりっ





白「あれ酒呑童子こんな所に居たのか」ひょこっ

酒呑童子・蒼月「Σえ」

白「こんな隙間有ったっけと思ったら 良かった良かった
あれ?蒼月は何でいるんだ」

蒼月「Σさすがはプロの迷子!!」おおおっ

酒呑童子「Σよく解らねえけど助かった!」



白「で、何でお前等牢屋に入って「Σわー!そのまんまそのまんま!
そこ閉めないで!」

白「え?」



ぱたん。

酒呑童子・蒼月「」

白「開けたら閉めないと蚊が入るんだぞ?」真顔。



蒼月「・・積んだ。」ずーん。

酒呑童子「冷えたスイカ食いてえええっ」どよよーん。

白「え? 」 きょとんっ







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