小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

7月2日







【幕府公営診療所】




常連の爺ちゃん「先生の針はようきくのう」ぷるぷるっ

飛天「あーうん。無理するとまた腰抜けるからな
動く時はゆっくりな」苦笑

常連の爺ちゃん「はいはい。毎度お世話かけて申し訳ないわ
気をつけ ん?」




戸蹴破りがしゃーん!

酒呑童子「医者カラス居るかああ!!!」どおりゃああっ!

飛天「Σ普通に入れ普通に!!」ひいっ


コウモリどろんっ!


ダミアン「それどころでは無いのだ!人魚殿がド偉い事にっ 」あわあわっ


爺ちゃん「あの 今コウモリが
飛天「よし解ったからお前等奥行こう奥!!」ああもうっ



爺ちゃん「いやあの、 その赤い兄ちゃんが担いどるお姉ちゃん
足が魚じゃ」えええっ

飛天「Σなんで剥き出しで担いで繰るかな!?」

酒呑童子「此方のが早えだろ!いいからとっとと診ろや!」うがあっ

飛天「えーと。
つまりこの姉ちゃんが具合悪いと
Σあ これヤバい!

とにかく奥だ奥!!」どたばたっ





茨木童子「その、世の中には色んな生き物がその」えーと。

爺ちゃん「さすが先生 影ではモノノケも治しとるんか」おおっ

茨木童子「Σアッサリ受け入れられた!?」えええっ



爺ちゃん「先生じゃしなあ
つか また腰抜けたわ」ぺたんっ。

茨木童子「Σ驚かせて申し訳ない!!」ひいっ





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粋「イカリムシ?」

テオドール「寄生されたら怒りん坊になるとかでは
彬羽「そっちの怒りじゃねえな。」うん


家康「船に着いてるイカリみたいな形してて
魚のウロコに入り込んで 体に食いつく虫だよ
でもってイカリ型してるからなかなか抜けないんだそうだよ」

粋「Σえ!人魚の姉ちゃんそんなのにやられたの!?」えええっ


彬羽「しかもイカリムシってのは 1匹見つけたら数匹~数十匹は食らいついてるもんだからな。
齧られた魚がショック状態になるのも少なくないらしい。」

粋「Σ何その拷問怖すぎる!!」ひいいっ





ちりーん。


白「よし。繋がったぞ」



テオドール「マヨイガを呼ばれたので?
何をされておられるのですか」

白「飛天に海水めちゃ用意しろって言われたんだ
イカリムシは海水には住んでないから これで追い出せるかもって。」

焔「いきなり海に繋げろとか言うから何かと思えば
そう言う事なら爺ちゃんも手貸すけどな。
ほれ 玄関こっち、裏口海の近くに繋げたからよ 存分に運べや」ほら。

粋「すっげえ器用だなマヨイガ」うわあ。




白・焔「出来なきゃ燃やすって言ったら案外出来た。」ふっ
家康「こう言う所は爺孫そっくりなんだね」ああうん。



千様「Σ酒呑童子君桶でかっ!
それに水入れたらめちゃめちゃ重いわよ!?」ひいっ

酒呑童子「こっちのが早えだろが!」ふんぬっ

茨木童子「隻腕だから俺あんま役に立たないしなあ。」うーん。

ダミアン「非力組は飛天殿の手伝いの方が「待てコラ誰が非力だ」



彬羽「落ち着け。海水を運ぶより海水に本人運んだ方が早いだろ」

酒呑童子「Σあ。成る程っ」はっ



飛天「あ、古い荷車で生け簀作れば海で治療のが良いかも。
先代殿、ちょいそっち持って」荷車よいせっ

焔「お前 物怖じしねえの親父似だな
良いけどよ。」※先代の日本妖怪大ボス






粋「酒呑童子パニクってねえ?
人魚の姉ちゃんそんな悪いのかよ」おそるおそるっ

ダミアン「イカリムシは血や体液を吸うらしくてな。
本来淡水に住まぬ人魚殿では耐性無さすぎて 一気に重度の貧血と脱水症状。 そして普通に痛かろう」

粋「Σうえええっ!?」ひええっ


テオドール「酒呑童子さん意外と人情派なので御座いますね」ちょっとびっくり。

茨木童子「それがな。昨日の晩 なんかウロコ周り痛いって言われちゃ居たんだとよ
けどまあ いつもみたいに『具合悪いから添い寝してー』とか抜かして来るんだろと思って無視してたとかでさ。
あいつなりに責任感じてんだろ」ため息っ

テオドール「すみません。いつもそんななので御座いますか?」ドン引きっ

茨木童子「そんななので御座いますよ」げんなり

ダミアン「しかし それが無いと一気に寂しいと言うか不安になるから恐ろしい」苦笑。



千様「茨木君はともかく、それで落ちない酒呑童子君ってひょっとして真面目?」あらぁ?

白「普通に引いてるんだと思うぞ」きっぱり。

テオドール「ストーカーホイホイが言われると説得力が御座いますねえ」うわあ。



九尾「呼んだかえ?」ひょこっ

家康「呼んでないから
病人いるから静かにね」しーっ

九尾「ん? 今運ばれていった人魚かえ?
チラッと見えたが あれはもうダメではないかのう」ふむ。

一同「Σえ」

九尾「どう言えば良いか 覇気が無いわ
あれから持ち直すかのう」ふむ。


飛天「いやいや大丈夫
あの姉ちゃんは『人魚』だぞ?」汗ぬぐいっ

ダミアン「ん?それはどういう」はて?

粋「あ!そういや初対面干物だった!!」はっ

飛天「そうそう。生命力がエゲツないんだよ。
人魚は干からびても水につけときゃ戻るからな」わははっ


テオドール「御二人共、凄い御人に愛されておられますねえ」うっわあ。

茨木童子「ごめん。俺九尾さん派」きっぱり

九尾「Σうおしまった! だーりんまたのっ!!」すたたたたっ



彬羽「じゃ このままで心配無いのか?」

飛天「いやーそれが
ほら、本人の生命力が強すぎてさ
イカリムシ引っこ抜こうにも 傷口が塞がっちゃっててがっちりガードしてるって感じでさ

1匹1匹摘出手術してたらさすがに泣き叫んで こっちと患者のメンタル両方がヤバくなって海水だよ
これで無理ならどうしようっ」くわっ

彬羽「そうか。目が充血してるぞお前」うわ

飛天「おう。やってて泣きそうだった。
とりあえず増血剤と栄養剤投与しまくったから少しは持ち直すだろけど」ふふふふふっ



千様「あの、それってウロコの傷ほじくったのよね?
それで海水って痛くない?」

飛天「んー。多少はな そっと入れればそんな染みないだろ
これで海水でイカリムシが死滅してくれれば



どっぱーーんっ!!

人魚「Σいったあああいっ!!」ぎゃあああっ


彬羽「あのアホ 容赦なく放り込んだな」うわ。



茨木童子「Σこらああ! 病人はもうちょい優しく扱え馬鹿たれ!!」

酒呑童子「Σあ!?早い方がいいんだろ!?」




千様「この子等と一緒に居て生きてる辺り 人魚ちゃんやっぱ凄いわ」ああうん。

家康「なんか一気に安心だねえ」苦笑。





間。





飛天「やっぱ無理か」ふむ。


茨木童子「あー お前の体液吸ったせいでイカリムシまで生命力上がってんのか」うわー。

人魚「みたいです。食らいつかれたたまんま痛いいいいーーっ」半泣きっ


飛天「どうするか。
塩水でダメなら薬浴?
いや 塩水無理なのに効くか?それこそかなり薬強めにしなきゃ効かないだろうし そうすると本体が」うーん。

家康「何より噛まれたまんまじゃ痛いしねえ。
晴明さん辺り何か知ってないかな」

千様「陰陽師に魚の治療法相談しても無理じゃない?」

家康「Σあ、コレそう言う事か!」はっ

彬羽「だな、本来金魚なんかがやられる奴だしな」うむ。







白「んーと。人魚
一応聞くけど 今は元気なんだよな?」

人魚「増血剤やらのおかげでどうにか
でもその分また吸われてて気持ち悪いですー」べそっ




酒呑童子(昨日の無視した俺のせいか?)悶々っ

ダミアン「ならばいっそ熱い抱擁でも「後々面倒な事になんだろ誰がやるか」



テオドール「面倒臭い! モヤモヤするくらいなら傍に居ておあげなさいっ!」フナムシぶん投げっ

酒呑童子「Σうお気色悪 Σあ」

つるんっ

ばしゃーん!!




人魚「心配してお水にダイブだなんて やはり愛ですねー!」きゃー

酒呑童子「Σ案の定面倒臭ええええっ!!」



粋「なんかバカップル ムカつくんだけど。」イラッ

家康「うん。酒呑童子 この子には勝てそうに無いね」はいはいっ



白「よし 調度いい

確認するけど2人共今日体調悪くないよな?」


人魚「まあ寄生されてますけどそこそこ」

酒呑童子「Σ待て待て待て!嫌な予感しかしねえ!」じゃばばっ



白「良し。
巻き込まれたくなかったら 皆生け簀から離れろ」雷バチチッ!

一同「Σえ」



彬羽「Σ水に触るな!濡れると感電するぞ!!」

家康「Σぎゃーー!」すたこらっ

粋「Σなんで雷!?」えええっ





白「じゃちょっとビリッとするけど頑張れ」


酒呑童子「Σなんで俺まで
Σいっだああああああーーーっ!!!」しびびびびびっ



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白「何処で使えば良いかよく解らない特技だったけど
使い道あったあった」満足っ

飛天「そういや血筋的には雷使えるんだよな」へー。

焔「俺等一応水神だからなー。コイツはカナヅチだけどな」わははっ





人魚「きゃー!スッキリしましたっ」わーい。

一同(Σホントに駆除完了してる!!)おおおっ


千様「良かったわねー
一時はどうなるかと思ったわー」ほっ

人魚「ですですっ ちょっとビリビリ痛かったですけど
酒呑童子さんが着いててくれましたしっ」きゃっ

酒呑童子「巻き添えの間違いな。」まだしびしびっ

人魚「とか言ってアレですね
闘病中の彼女の手を握ってる的な?」にこにこっ



テオドール「フラグえげつない事になっておりますね」うわー。

彬羽「人魚が無理やり立てまくってる気もするがな」うむ。



人魚「よし!此処まで来たら高砂屋です。善は急げそうしましょう!!」

酒呑童子「Σ何処までも行ってねえ! 頼むから離れろΣうお握力強っ!!」

人魚「うふふふふ離しませんよー」がっちり。



茨木童子(よし!俺はターゲット外れたぽい!!)よっしゃあっ

人魚「あ、茨木さんも寂しがらなくて良いですよ?
シャイな殿方も好きです」にこっ

茨木童子「Σどんな解釈!?」えええっ


ダミアン「ともあれ元通り か。」ほっ

粋「いやホッとしちゃいけない光景じゃね?
いやでも元気になったらコレが当たり前か」うーん。




白「さて帰るか
酒呑童子頑張れよ」すたすたっ

酒呑童子「Σ煩え元凶!
つか手前下僕使ってわざと生け簀に落としたろ!」
白「バレてたか」ちっ


テオドール「キューピッドとお呼び下さい」どやっ

酒呑童子「Σいっぺん泣かす!!」







爺ちゃん「おお。腰がスッキリじゃ」ひゃほうっ

家康「Σ電気治療!?」ひいっ

飛天「Σ爺ちゃん ひょっとして覗いてた!?」

爺ちゃん「大丈夫じゃ。先生の裏家業は内緒にしとくからの」しーっ

飛天「え? 俺いつからブ●ックジャック?」 はい?







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