小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

6月25日







粋「うわ。相変わらずすっげー」見上げっ

白「あの橋よく落ちないよな」うん。

テオドール「Σえ?え? 日本ですよね此処!?

何建築で御座いますかこれっ」きょろきょろっ



粋「うん。俺も初め来た時はビビったわ
此処外からはゴミクズ町って呼ばれててさ」苦笑

テオドール「Σ名前の悪意!!」


白「そこらから拾って来た材木やボロきれ何かで無理やり家の形にしてるからな
見た目確かにゴミっぽい」うん。

テオドール「それは確かにその ですが
えっと。人は住んでおられるので?」ひええっ



白「居るぞ。
おっさん埋まってないか?」

入り口の布びらっ。

粋「言いたくなる気持ちは解るけど 言い方言い方」


おやっさん「お。久しぶり
元気だったかね?」へらっ

白「梅雨だし風びゅーびゅーだしな
あの橋とか落ちて何人か埋まってるんじゃと思って来たぞ」

おやっさん「あーそりゃすまんすまん

結構大丈夫だから心配なさんな」わははっ


テオドール(あれ? 思ったより普通の方 と言うか人間で御座いますよね?

しかし何か 其処らの人とは毛色が違うような) ふむ。




町の爺さん「お。白い兄ちゃん 遊びに来たんかー?」ぷるぷるっ

町のお姉さん「ほら 作治さんの育てた鉢植え 綺麗に咲いたでしょ?」

白「爺ちゃん。鉢落とすなよ」

町の爺さん「手が限界じゃああ」ぷるぷるっ



テオドール「あの ひょっとして 良く来られるので?」

粋「うん。まあ定期的にな」




間。





爺さん「お連れの外国の人は何処言ったんじゃー?」おや

粋「あー テオは此処初めてだからさ
キョロキョロしてたら 町の人が案内してやるってなってさ」

おやっさん「あー 外人さんから見ても 此処は異質かあ」わははっ




白「アンタが一番変だぞ
今だに知らないけど 名前なんなんだ?」

おやっさん「捨てたから 無い!」あっはっは。

お姉さん「あ、じゃあ私も捨てました」にこにこっ

爺さん「ほな わしもー」

粋「うん。ごめん 名前知ってるよ作治さん」

爺さん「はよボケたらええ」真顔。

粋「Σツッコミ辛えわ!!」





白「また人増えたな

こんな増えて大丈夫なのか?」

おやっさん「ん?」



白「1人2人ならともかく、これだけ沢山
人間が 1人で護りきれるのか?って話だ」

おやっさん「んー。人間じゃない御方の言葉みたいだねえ」おやおや



爺さん「ケンカかのう?」はらはらっ

粋「んー。兄貴に敵意無さそうだし 大丈夫じゃね?」




ーーーーーーーーーー



案内の兄ちゃん「あ、そこ布ですよ」

テオドール「Σうわっ!床がっ」あわあわっ

案内の兄ちゃん「踏み抜いたら偉い高さから急降下ですよ
気をつけて下さい」わははっ

テオドール「Σ此処天守閣の三階くらいはあるのですが!?
あああのっここ建築士の方とかはっ!?」柱にしがみつきっ

案内の兄ちゃん「居ません。
僕らが手分けしてやっています」

テオドール「Σまさかの素人工事!! 」

案内の兄ちゃん「建物だけじゃ有りませんよ

ほら あそこに見える畑も、少ないですが鶏なんかも飼って居ます。
まあ収穫物はあまり多くないので食事もカツカツですが」苦笑。

テオドール「はあ。あの
あれもこれも自宅で賄うのは大変で御座いますし、外で稼いで買い物をすれば良いのでは?」


案内の兄ちゃん「外に頼る気はありません
私達の世界は此処だけで充分です」きっぱり。

テオドール「Σえ。あ はい」びくっ



足元の布みしみしっ



テオドール(あの これってひょっとして
閉ざされた小さい国?)えええっ






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白「うん、そうだぞ。」あっさり。

粋「お前観察力有るな」へー。


テオドール「Σ大概ヤバそうな流れからこの軽さ!!」ああもうっ



おやっさん「何もヤバい事は無いよ
私達は多くを求めないから外は要らない
カツカツでも此処で平穏に暮らしいたい。それだけなんだね」床からにょきっ

テオドール「Σひいっ!」びくっ


おやっさん「はっはっは。此処の床も布だからねー」床戻し退場っ



粋「あのオッサン 爽やかに見えてキャラ濃いよな」うわー。

白「じゃなきゃこんな町作らないだろ」お茶ずずーっ

テオドール「へ?あの方が此処を?」

白「うん。 あのおっちゃんが作って皆住み初めたって言ってた
この下手くそな工作みたいな町にな

だよな?」床布べりっ!

おやっさん「うん。もうちょい優しく剥がして
使えなくなるから 盗み聞きして悪かったって」あーもう。


テオドール「めちゃ慣れておられますね」わお。

粋「そこそこ付き合い長えらしいもん
お。この茶葉前よか旨くなってる気がする」おおっ

テオドール「お茶も自家製ですか
徹底しておられますねえ」おおっ


白「だな。幕府に認められてない『国』なのに 凄いよな」うん。

テオドール「Σここ日本国内に御座いますよね!?」えええっ

白「うん。だからややこしいんだ」

粋「なーんせ 此処の奴等、もう外と関わるの嫌って奴等の集まりだかんなー」茶ずずーっ


テオドール「Σそういう所なので!?
え?でも お二人は歓迎されておられる様な」あれっ

おやっさん「そこは うちは来る者は拒まないんだよ
ただ外との交流はしませんってだけ
Σあ。ちょっ しつこく盗み聞きごめんって モグラ叩きはちょ Σあいたっ!」

粋「Σこら兄貴!人で遊ばないっ」

白「地面から頭出て来たら叩きたくなるのが人情「Σならねえわ!!」






テオドール「成る程 集団引きこもりかと思いましたが 微妙に違ったので御座いますね」成る程っ

おやっさん「あの人等の連れだけあって 大概変わり者だねえ」頭じんじんっ




間。




テオドール「ふむ。色々お話聞きましたが
つまり此処は 今の幕府が出来る前
戦国の終わりにつくられたと。」

おやっさん「そうそう。私等はもう戦に疲れた」

お姉さん「うちの親もそうやって流れ着いて

違う国や土地の者が出会うからケンカになる
なら個々で争わず暮らせば良いってなったとかで。」

テオドール「しかし 今は幕府が国をまとめて居ますので もう違う物同士の争いの心配は無いのでは?」


おやっさん「それで 外は安全かね?」

テオドール「Σそう言われるとキッツう御座います」うっ


爺さん「ワシは此処でええ。
此処でのんびり花を育てたいんじゃ」

白「誰も無理に出さないから安心しろ」

爺さん「アンタはいつもそう言う。
よし 特大のアサガオをあげよう ふんぬっ!」ぷるぷるぷるぷるっ
白「枯らしちゃうから要らないぞ」


粋(Σ爺さん血管切れる切れる!)ひいいっ




おやっさん「まあ色々と自分でも矛盾してるのは解ってるんだけどねえ
私等も疲れた。此処でのんびり過ごしても良かろう
出たければ出て良いんだし」


テオドール「何かこう
初めはユートピアでも作られてるのかと思いましたが」

粋「どっちかっつと 穏やかな老後をって感じだよなあ」うん。



白「ま、良いや

俺等はいつもの仕事終わらせるだけだし」よいせっと。


テオドール「いつものとは?」へ?

粋「賞金稼ぎ」袖捲りっ

テオドール「Σはいいい!?」

おやっさん「いやー此処武器無いから。
でもって孤立してるから 犯罪者や盗賊や山賊に狙われまくってねえ。
この人等のお陰でどうにか首の皮繋がってるねえ」あっはっは


テオドール「Σぶ、武器も無いってそれはっ」えええっ


お姉さん「滅びるなら滅びるでそれはそれで良いのかも」

爺さん「争うよりええ」うんうんっ

テオドール「Σえ?えええっ!?」



白「そう言う考え方も有るんだろ

ほら行くぞ」すたすたっ

粋「つか兄貴 なんで毎度此処の襲撃予測つくの?」ひそっ

白「この辺 イツマデの生息地なんだ。元戦場跡だし」

粋「Σイツマデって 家康が階段苦手になった元凶のトラウマ幽霊鳥じゃねえかよ!!」ひいっ





テオドール「色々頭が追い付きませんが とりあえず御2人は 定期的に臨時バイトがてら此処の人達をお助けしてると?」えーと。

粋「兄貴の稼ぎからしたら お尋ね者の賞金とか 微々たるもんなんだけどな」



白「変わってるけど あのオッサン死なすの惜しいだろ」さらりっ。

粋「まあコレだ」うん。

テオドール「照れの欠片も無い辺りさすがに御座います」おおっ




白「さて、今回多いな

後 空か。」ふむ

粋「あー 戦国に良く有ったって妖怪を傭兵に雇う奴か。
おっちゃん等は戦国忘れたいってのによ」ちえー


白「バカラス引っ張ってくれば良かったかな
高い所の燃やすと落ちた所火事になるし

テオ 行けるか?」うーん。

テオドール「はいっかしこまりまして御座います!」ぴしっ!




粋「あのそれ もちょいカッコ良くなんねえ?」

テオドール「直に齧りつかれるのは嫌だと仰られますので」お猪口スタンバイっ

白「噛まれるって食われてる感あって嫌だろ? いたっ」爪で指ぴっ!





テオドール「御馳走様で御座います」ふう。

コウモリ羽バサッ!!


粋(中身変わらねえのに 見た目こっええええっ)うわあ



テオドール「では。

参ります」くわっ

妖怪軍団「Σ!?」びくっ




粋「Σだああ 血の雨っ!」ひいいっ

白「テオも強くなったよな」テオの番傘挿しっ

粋「Σいや兄上俺も入れて入れて「狭い。」
粋「Σ酷い!! あーもう良い! 今更良いやどちくしょおおおっ!」既にドロッドロッ



白「あ、でも ちょっとキツそうなのも要るな」ふむ。

粋「へ?」

白「あれの時のテオの強みってコウモリ独特の速さだから
それ以上に速いのってなると 血でブーストしてもテオ本人がケンカ慣れしてないからな。」うーん。


粋「Σあ。確かに」

白「後 コウモリ羽でっかいから当たり判定大きいしな」




ビシャッ!!

粋「Σだああ言ってる傍から羽やれた!!」ひいいっ




テオドール「吸血鬼に血を流させるとは失礼な!!」くわっ!

粋「Σうおお 自分の血で相手ぶった斬ったあああ!!」



白「ホントに強くなったな」しみじみ。

粋「Σあいつだけ何か世界観違わない!?」えええっ

白「そうか?」

粋「いやどう見ても Σあっ」




ひゅるるるっ

ずずんっ!!


白「うん。羽やられたら落ちるよな」あーあ。

粋「ごめん。やっぱこっち側だった」ああうん





テオドール「あー。死ぬかと思いました」灰からざらざら復活っ

粋「いやずずんって あの高さ普通 いやもういいや」うん。


テオドール「数が数でしたので結構暴れてしまいましたが 大丈夫で Σげ!!」



おやっさん「ケガ無いかね?」

テオドール「Σははははいっ!!」びくううっ



白「あ、俺等も多分正体バレてるから気にするな」

おやっさん「そりゃあんだけ火出したりツノ出したりしてりゃーねえ」あっはっは

テオドール「Σ思ってた数倍柔軟!!」えええっ



おやっさん「いやしかし助かったよ

君達のおかげでまだ私達は静かに過ごせる。ありがとうね」頭撫で撫でっ

テオドール「は、はあ。」困惑っ








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テオドール「やっぱ釈然と致しません!!」がうっ

白「何が?」せんべいばりばりっ

テオドール「あの方達に御座いますよ!
武装はしないと言いながら 結局危ない事は白さん達頼りでは御座いませんか」

白「俺等は頼まれてないし 勝手にしてるんだぞ?」

テオドール「Σう。し、しかしっ」



家康「お? テオちゃんが白に口答えとか珍しいね」


テオドール「ちょっと気がかりな人達がおられましてっ

その、それに
確かにあそこの人達は楽しそうで御座いましたが 何か歪と言うか

その、ずっと閉じ込もって居てはいけないと思うので御座います。」むう。




一同「お前が言うか」驚愕っ

テオドール「Σも、元引きこもりだから余計思うので御座いますよ!!」



白「えっとな

あいつ等そもそも滅びるならそれで良いって言ってたろ? だから別に誰にも頼る気は無いんだ。
だから俺等が勝手にやってるだけな」

家康「あーあの『国』の事か
まあ驚くよねえ」苦笑。

テオドール「家康さんも御存知で「これでも一応殿ですから。」




白「まあ、俺等もいつも手助け出来るわけじゃないし
お節介も手の空いてる時だけだ」

テオドール「そこまでされて出てこられないなら ほっといても良いかと」憮然っ

白「こっちも見返り求めてないからな。

あそこ別世界みたいだろ?
だから、出来る範囲でもうちょっとだけ夢見させてやっても良いだろって話だ」



彬羽「あそこは いつ崩れても不思議じゃない砂の城だからな。
戦国で壊れかけたあいつ等がそれを望むなら 他の奴等があれこれ言うべきじゃねえ

そう言う生き方も有るって奴だ 否定からは何も生まれねえぞ?」

テオドール「・・うーん。」むう。



蒼月「しっかし まさか不健康な生き方に嫌悪感感じるとかさ」ぷぷぷっ

家康「誰も不健康とか言ってないでしょコラ。」



彬羽「まあ成長したな。

そろそろ日本に来て丸1年だしな」

テオドール「Σあ。そう言えばっ」はっ





千様「はあーい。と言う事で 日本に来て生まれ変わったテオ君ハピバよー。」日本酒どんっ!

家康「千ちゃん 誕生祝いぽくするのにそれはどうかと」

千様「西洋のパーティて知らないもの
仮面被るべき?」


テオドール「へ?」きょとん。


彬羽「作れと言われたが西洋のはよく解らん」見様見真似ドイツ料理っ

シロ「充分凄くないか?」うわ


粋「Σあ!それでお前今日忙しいって!!」成る程っ

彬羽「家康やら魄哉やら千様やら 次から次に頼まれたらそりゃあな


テオドール「皆様ありがとう御座います!」うわあああっ

一二三「はいはい。いちいち泣かねえだよー」よしよしっ


テオドール「私 引きこもりやめて心底良う御座いましたっ」くううっ


粋「Σあ、コイツ根底に有るのがそこなのか」

家康「そりゃあそこの人等拒否っちゃうよね」ああうん。




彬羽「そういや 留守中にお前の母国の保護者。 アレから通信入ってたぞ」

テオドール「はい?」

彬羽「何でも あれから1年元気にやってるのか心配だから

今度 観光がてら来るそうだ」

一同「Σげ。」




蒼月「え?来るの? 明けの明星 」冷や汗っ

家康「下手したら国際問題とかにならない?」うわー




テオドール「やばっ 最近近況報告忘れておりましたっ」ひええっ

白「育てて貰ったんだからちゃんと連絡くらいしてやれ
アレで結構構ってちゃんだぞ お前の保護者」あーあ。

テオドール「Σそうなので御座いますか!?」えええっ

粋「兄貴 西洋魔王との会談で何話してんの?」なんとなく不安っ







一二三「明けの明星さんて誰だべ?」

千様「えっとね。
一般的には ルシファーさんね

名前出して良いのかしらコレ」うーん。






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