小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

6月21日





【割烹春一】


がららっ


ひな「はーい いらっしゃいま あれ?」

主禅「お?どしたー?」

庵「あれ 小太郎 どしたの?」



小太郎「あ、いたいた 鬼コンビ」わんっ

茨木、酒呑童子「ん?」


朱禅「あの 一応飲食店だから 犬はちょっと「丸洗いして貰って来たから その辺の酔いつぶれ親父よりは清潔だぞ」わんっ


茨木童子「え? 何? なんか真面目な話?」

小太郎「うん。凄く困ってる
お前等どうやってツノ引っ込めてるんだ?」わんっ

酒呑童子「は?
んな物 特に何も考えなくても なあ?」

茨木童子「んー。強いて言うなら喋るなって言われて黙ってるのと同じ感覚?」うーん。

小太郎「そうか。
ごめん参考になんなかった」きゅーん。

人魚「あら?ひょっとして変化の仕方忘れちゃいました?」あらあらー


酒呑童子「Σは おまっ いつの間に!?」びくっ

人魚「お出かけする所が見えましたので 背中のカゴに入り込んで来ました」どやあっ

酒呑童子「Σマジか!」えええっ


庵「いや 何で気がつかないの?」えー。

茨木童子「筋肉バカ過ぎて 神経までバカになったかな」うーん。



朱禅「つか何そのでっけえカゴ」

酒呑童子「いやどうせ町行くなら 酒でも買って帰るかと」

ひな「どんだけ買い込む気ですか」うっわー



人魚「ちなみに私はヒレが乾けば勝手に足になります」ほらほらっ

小太郎「うん、年頃の女が足剥き出しはやめた方が良いぞ」

人魚「濡れたら尾びれなんでこの丈が良いんです」ぴらっ

庵「捲んな。」けっ



ひな「そっかー そう言えば小太郎さん
ただのわんわんじゃないんでしたね」よしよしっ

朱禅「そもそも犬じゃなくて狼だしな」苦笑。

茨木・酒呑童子(Σ普通に犬だと思ってた!!)驚愕っ



庵「んー。化け方なら飼い主達に聞いた方が良いんじゃない?

ほら 人型に化けてる鳥やら蛇やら
ベースが人型でも変化する吸血鬼やら妖怪ハーフやら色々居るし」



小太郎「それが全員見事に何も考えないで化けてたんだ」わんっ

庵「うん。ごめん
確かにあのメンツじゃいちいち考えてなさそう」ああうん。


小太郎「困ったなー 仕方無いからこのまんま行くか」ため息っ

ひな「あら?お出かけ予定ですか?」


小太郎「うん。デートっ」わんっ

酒呑童子「うん。ちょっと待てや」



人魚「えーと?人型になっててデートと言う事は」あらあ


庵「Σあああ!そういやアンタ 都に遠距離恋愛してる彼女いたっけ!人間のっ」

小太郎「そうそうっ
そんなマメに会えないから主に文通だけどな」わんっ

酒呑童子「Σ文通!? コレでっ?」肉球ガン見っ



テオドール「小太郎さんは読み書き出来る系のわんわんに御座いますよ」にょきっ


酒呑童子「Σうっお!何処から生えたっ」びくっ
テオドール「吸血鬼は招かれないと家屋に入れませんので
『いらっしゃいませ』と書かれてるあの入り口からで御座います。」



粋「お!小太郎居た居たっ」

白「急に居なくなるから 迷い犬の張り紙するかって心配されてたぞ」

小太郎「だって変化の仕方がさあ」きゅーん。

粋「Σう。なんかごめんっ」



人魚「しかし種族を越えた愛!良いですねー!」きゃーっ

小太郎「おっ! 応援してくれる奴珍しいな」わんっ

人魚「だって私もお魚ですもん
恋してる相手が哺乳類と植物ですもんっ
お仲間ですねー」きゃっきゃっ


酒呑童子「鬼を哺乳類とか あんま言わなくね?」

茨木童子「てか俺 認識植物なんだ。」なんとなく複雑っ



白「相変わらず色々凄いな 人魚。」

庵「うん。あの二人以外眼中に無いからまあいいかと」

白「何の話だ?」ん?

庵「Σへ あ。論点ズレてた」あははははっ


テオドール(この方毎度 私情駄々もれに御座いますねえ)苦笑。

粋「つか、人魚の姉ちゃんも大概だけど
小太郎の彼女も凄いよなあ

人型に化けれるって言っても本性動物だぞ?」

小太郎「そこ含めて愛されてるんだから凄いだろ」わんっ

粋「Σう。何この敗北感っ」



朱禅「俺らにゃ解らねえ世界だなあ」うーん。

ひな「え?」

主禅「ん? Σあっ」はっ



白「お前 自分が蛇なの忘れてたろ」

ひな「こんにちは。蛇を口説き落としたマニアです」ずいっ

主禅「Σぎゃーごめん!ごめんって!!」ひいいっ


庵「店長、 いちゃつくなら閉店後にして」けっ

主禅「Σ!!」



粋「まあ 本人達が良ければ良いんじゃねえの? 俺には解らねえけど」苦笑

茨木童子「俺には解る」きらーん。

酒呑童子「Σあ、やべ
コイツもそっち側だった」はっ


茨木童子「確かに四足歩行の動物、特に犬科哺乳類は造形が素晴らしい。自然の産み出した芸術品だありゃ

長距離を走るのに適した 屈強かつ細くしなやかな足。緩やかな曲線を描く長い首と鼻ヅラ
そして しっかりとフレームの入ったメリハリのある体を包む張り艶の有る毛皮

ひな「落ち着いて下さい ケモナーさん。」どうどうっ

小太郎(俺オスで良かった) わおんっ



人魚「植物なのに動物に憧れるなら ついでにお魚いかがです?」にこっ

茨木童子「せめて足が有れば「今は有ります」




粋「あの、今のめちゃ陶酔って感じで語ってたけど
今の何? 見た目の魅力語ってんの?それともフェチな話?」困惑っ

テオドール「エロスな事かどうかは解りかねますが
そもそも西洋では 絵画なんかでこれが美ですと言い張りつつ 実は女性の半裸描きたかっただけとか普通に御座いますからねえ

芸術とそういう話は紙一重かと?」うーん。

庵「Σそんなんあるの!?」えええっ

テオドール「えーと。有名な西洋の絵を数枚思い浮かべて頂ければ その中にいくつか聖なるなんちゃら的なテーマで半裸の女性の絵が有るかと」

ひな「あら本当」ふむ。

テオドール「宗教的に肌を出すのがはしたないとされているのに
人より上の神様や天使が脱いでるのおかしく御座いませんか?

つまり アレは描く側の趣味か
依頼した側の趣味である。と
でもって、その辺につけこむ悪魔も居ると噂に聞きまして御座います。」

粋「あー露出しまくって人間たぶらかすとかそんなんか」うわー。

テオドール「で御座いますね
人とは業の深い」うんうん。





小太郎「いや何の話だよ」わおんっ

白「マニアの話?」えーと。

小太郎「Σ失礼だな! それ言ったらお前等の親なんてウルトラマニアだろ!」がうっ

白「だよな。」※人間と化物のハーフ




朱禅「あれ? そういや俺も最近蛇に戻ってないな
どうするんだったっけ?」ふむ。

ひな「久々戻ってみる?」

朱禅「んー。戻るメリットねえけど
脱皮くらいはしといた方が良いかな
ちょっとそこの水桶浸かるわ」よし。


酒呑童子「おい。店は良いのか?「雨降ってきたしどうせ誰も来ないだろ」

庵「はいよ。本日休業っと」張り紙ぺたっ

茨木童子(適当な店。)うっわー



朱禅「お? なんか思い出して来たかも
小太郎ちょいちょい 感覚教えられるかも!」手招きっ

小太郎「Σホントか!」おおおっ

朱禅「えーと。まずはだ 化けたい変わりたい姿の全体図をボヤッとで良いから頭に浮かべて」

小太郎「うんうんっ 浮かべたっ」わんっ





テオドール「なんとかなりそうで御座いますね」ほっ

白「だな。
どうしても化けれないなら 晴明が術で無理矢理変化させてやるとか言ってたけどな」

粋「うん。絶対新技試したいだけだよなそれ」




朱禅「からの

手足を動かすが如く 力まず自然に!」くわっ

どろんっ!

小太郎「こうかっ!」

どろんっ!!


一同「Σおおっ」



小太郎(人型)「Σおおお!肉球がない!!」おおっ


粋「すっげ 朱禅教えるの上手 Σうおお!?」びくっ

朱禅(大蛇)「桶桶。」じゃぶぶぶっ


ひな「生臭いから脱皮は外でしてね?」平然。

テオドール「愛って凄いっ」ひええっ



小太郎(人型)「良し!これならオッケーだ!
早速京に行ってくる!」がらっ


粋「Σいやその前にっ」


庵「なんか着ろバカ犬ーっ!!」のれんぶん投げっ

小太郎(人型)「Σぎゃいいんっ!?」ひいっ


白「まあ 犬って基本全裸だもんな」ああうん。

テオドール「Σちょっ いらっしゃいませののれん退けられたら私この中居れませ Σうわああ!!」外にひゅーんっ

灰ざらああっ!




茨木童子「Σあ。役人に怒られてる」

ひな「そりゃ全裸で街中走ってたら怒られますよ」あらあらっ



粋「えっと。
仲間が出来て良かったな」肩ぽん

酒呑童子「Σ俺は最低でも下履いとるわ!!」うがあっ

茨木童子「うん。当たり前な 露出狂が」けっ





人魚「え?私いつも何も履いてませ
茨木・酒呑童子「Σだから言うなつつってんだろ!!」




朱禅(蛇)「で、ワンコロ連行されてるけどどうするよ」桶からざぶっ

白「飼い主に連絡かな」うん。

朱禅(蛇)「徳川忍軍か
うわ。ハンパなく怒られそう」ひええっ





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