小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

6月13日







茨木童子「ーーってさ
俺に言われてもどうも出来ないっての」ため息っ

千様「あらあらそりゃ無理ってもんよねー」あらあ。



粋「茨木どしたの?」

家康「ほら茨木ね。 ごく一部の村で農耕神として奉られてるでしょ?」

粋「あー何かあったな そんなの」うん。


白「確か
異常気象で稲が育たなくて村ごと首括るかってなってたの見かねて 稲急速成長させたんだっけ?」えーと。

茨木童子「両手足の爪と引き換えにな」遠い目っ

千様「大江山の外で植物関係の能力使うのって 代償要るんだったわねそういや」うっわ。


茨木童子「今考えたら 下手すりゃ右腕まで失くす所だった。
いやー危ない危ない」はーやれやれっ

粋「お前 今の時点で隻腕だろ
右腕失くなったらマジで困るんじゃねえの?」えええ
茨木童子「うん。その場のテンションで動くと恐ろしいよな」


テオドール「縁もゆかりも無い村の為に良くそこまで」うわあ。

白「なんか村の子供に懐かれたかららしいぞ。」

彬羽「鬼族は強い奴程 種族に関係なくガキの面倒見たがる習性があるからな」うむ。

テオドール(頭では理解できても極端すぎて理解不能に御座います)うーん。



茨木童子「で、そいやあの村どうしてるかなーとか やっぱ気になるから覗きに行ったら 村の年寄りに見付かってさ」

粋「あれ?お前社とか建てられて無かった?」
茨木童子「うん。拝まれた
でもって
子宝を授けて下さいとか無茶な願い事まで言われた」虚無っ

家康「仮に農耕神でも無理じゃない?それ」わお。

茨木童子「もしこれで願い叶うなら稲穂から生まれた稲穂太郎とかになるぞこんなん」真顔

千様「一寸法師より小さくない?それ」あらあ


茨木童子「そもそも授けろってのもなあ
悪いけど 両方腰曲がってるんじゃ仮に授かっても生むのキツいだろしなあ」うーん。

家康「なんだかんだでめちゃ真剣に考えてくれるね この子」わお。

白「そんなんだから懐かれてるんだと思う。」うん。




茨木童子「まあ 無理な物は無理。
人間甘やかし過ぎるなって先輩にも言われてるしな」ちらっ

白「俺先輩なのか」

茨木童子「破壊神でも神は神って事で」わははっ



家康「神様の定義ってなんだろうねえ」しみじみ。





間。







魄哉「えー と言う事で
農家から苦情が殺到したんで 物理的に網を張っていた所
麒麟がかかりました。」困惑っ

一同「Σんな鹿か猪みたいに!!」えええっ


麒麟娘「てめこら出せえええ!糞坊主!はげっクソハゲえええっーー!!」きいいっ
魄哉「微塵もハゲてません」



テオドール「あれ?麒麟って今は存在して無いのでは御座いませんでした?」おや

魄哉「ですねえ。
本来 白君の持ってる『この世の全て存在への断罪』の権利はこの麒麟が持つべき物ですし
不在だから 五行的に近しい存在の黄龍に委ねられたという「あの、黄色成分どこら辺に御座いますか?」


彬羽「話の腰を折るな
後で説明してやるから」

テオドール「かしこまりました!」ぴしっ


魄哉「えっと 何をどう話そうとしてたんでしたっけ?」えーと。

家康「天海がんばれー」苦笑。

千様「袈裟の裾噛られてるわよ」

魄哉「Σぎゃっ!何してるんですかこの子は!!」ひいっ

麒麟娘「うっさい出せハゲ!こんな檻に入れやがって!!」どすんばたんっ



シロ「成る程。こりゃこの世の裁判官なんぞやらせられんわ」ドン引きっ






間。







千様「そもそも 何で存在しない時期があるのー?」はて。

魄哉「良い質問ですね」ぜーぜー。


シロ「アレを手懐けるのは無理ではないか?」

魄哉「話したら解ってくれるかと思ったんですが。

えっとその 千様の言うとおり麒麟はかなり特殊な存在なんですよ」

白「コイツみたいに突然変異ってのでしか生まれないとかか?」指差しっ

粋「言っても俺 最近変化の仕方も解らねえんだけど」※勾陣。

彬羽(そりゃ兄貴にぽんぽん変化させられて記憶吹っ飛んでるからな。)


魄哉「いえ、それも違います

基本的に麒麟は 『生き物』の生まれ方はしないんですよ」

シロ「と、言うと?」



白「稲穂太郎か。」はっ

魄哉「誰ですかそれ」


家康「さっき駄弁りの中で爆誕した謎生物だから気にしないで
はい。白は黙ってようね お煎餅あげるから」どうどうっ



彬羽「しかし、当たらずも遠からずかもな 稲穂太郎」ふむ。

魄哉「だから誰なんですかそれ」

粋「ん?近いって草木から生まれんの?」




魄哉「いえ、大地から生まれます。
龍脈、つまり大地のエネルギーが形を成し生き物の形を取ったもの それが麒麟です」

シロ「Σ思ってたより神秘的な生き物だった!」おおおっ

テオドール「あの こちらの御兄弟も大概神秘的な生き物なので御座いますが」

白「居るだけで龍脈のエネルギー吸ってるらしいぞ」どやっ

粋「やり方忘れたけど 龍脈のエネルギー吸って変化するとかそんなんらしいぞ俺」


シロ「Σ微妙にカブッとる!!」おおおっ


家康「成る程ね
そりゃ代役頼まれるわけだよ」うんうん。

千様「龍脈ってそんなエネルギー余ってるの?」

魄哉「定期的に放出しないと世界吹っ飛ぶと言われてますね」さらり。

彬羽「お前ら 世界にとって滅茶苦茶重要なんじゃねえのか。」うわ

白「良し。 うやまえ「ドブに捨てるぞ」



家康「ん?じゃあ 麒麟が生まれたって事は
白はその この世の全てへの生殺与奪の権利だっけ? それ返納しなきゃいけないの?」

白「どうなんだろうな?」はて?

彬羽「確かに有耶無耶には出来ないな
問い合わせるか」ふむ。

シロ「問い合わせるとは 何処に」



彬羽「出雲に。」伝書カラス飛ばしっ

一同(Σガチ神様の総本山!!)ひいっ





白「権利無くても有っても好きにやるけどな」しれっ

テオドール「問い合わせの意味御座いませんねえ」苦笑。







間。






彬羽「出雲より伝令『少なくとも麒麟がマトモに育つまでは無理。続投求む。
て事で今の麒麟については任せた』との事だ」

家康「Σそれ丸投げじゃないの!?」えええっ

彬羽「だな。 そもそも場合によっちゃ世界滅ぼす生き物だ
そりゃ関わりたくねえだろな」ちっ



蒼月「うん。確かに元気良すぎ
挨拶したら噛まれたよ」ボロッ

シロ「Σおまっ! 相手はまだ子供であろう!?」えええっ

蒼月「後数年したら有望かな?って思ったんだよ
スッゴいお転婆だよね消毒薬有る?」

粋「お前それ腕抉れてねえ?」うっわー

蒼月「だね。マジで挨拶しただけなのに噛り取られたよ。
猪のガチ噛みレベル? Σ痛だだ染みるっ!」ひいっ



魄哉「蒼月君は子供には興味無いですからねえ
ホントに挨拶しただけでこれと言うのも」うわ。

家康「丸投げされちゃったけど どうすりゃいいのって感じだねえ」うーん。


千様「檻なんかに入れてるから怒るんじゃない?
アタシでも気分悪いわよー?」

魄哉「それは思いますがね

今、下手に出したら周り巻き込んで死にますよ」

千様「・・Σへ?」


彬羽「毛色を見ただろ
ありゃ黒麒麟。いわゆる索冥だ

気に入らなきゃ世の全てを滅ぼす 麒麟の中で一番物騒な奴だな」

千様「Σげ」

魄哉「加えてあの性格です
自由にしたら即この世潰しに行くでしょうね
まだ未熟ぽいのがせめてもの救いですがね」ため息っ

シロ「とんでもない物を丸投げされてしまったな」うわ




麒麟娘「なんだよコソコソと!言いたいことが有るなら此処来て話せ てか出しやがれっ!」うがあっ

一同(ホントどうしようコレ。)ひええっ



白「せんべい要るか?」

麒麟娘「Σ誰が鹿せんべいなんか食べるか!」

白「いや普通の醤油のせんべいな」

麒麟娘「え 何それ
Σいやいやいや お前らなんかに貰った物なんて誰が食べ

ぐううううううっ


一同「・・・。」




白「まあ食べてみろ 」ほれっ

麒麟娘「うっさい! どんなのか味見してやるだけだからなっ」ぼりんっ!





魄哉「お気に召したみたいですね。」わお

麒麟娘「うっま!」前足で抑えてぼりぼりぼりぼりぼりぼりっ

白「おかわり確か戸棚に有ったな」よいせっと

麒麟娘「Σえ!まだ有るの!!」わーい。


シロ「光の早さで餌付けされとらんか?」

彬羽「索冥は麒麟の中でも頭が良いとされてるからな」

粋「賢いか?アレ」ええー。





間。





白「初めて味つきの食べた時感動するよな」お仲間っ

麒麟娘「うんうんっ!
今まで木の皮とか草しか食べて無かったもん あと鹿から強奪した味のしない鹿せんべい
こんなん初めて食べた!」きゃっきゃっ



蒼月「檻から出しても暴れないね?」ふーん。

魄哉「さすがと言いますか 何と言うか」苦笑。



白「ん?お前野菜も食べてるだろ
畑荒らしてたから罠かけられたんだろ?」

麒麟娘「? 畑って何?」きょとんっ


千様「Σあ!そっかこの子
親も居ないんじゃ教えてくれる人が居ないから」はっ

家康「あー 善悪裁く以前の問題なんだねえ」成る程っ



麒麟娘「オヤって?」はい?

白「えっとな
お前じゃない奴等はな
だいたい親ってのが居て それから生まれるんだ」

粋(Σ兄貴が解説係になってるだと!?)えええっ



麒麟娘「生まれるって何?オヤから生まれるって?」

白「・・えーと。」困惑っ


粋「あ、やっぱ無理だった」


彬羽「心配したのとは違う意味で手強そうだな」ふむ。

一二三「キリンさんなのに 鹿さんみたいな子だべなー」おおっ



麒麟娘「んっと。あのちっさい子のオヤはあの黒いの?」

白「そうだけど 一二三は別に黒いのから生まれて無いぞ」

麒麟娘「Σどういう事!?」えええっ


テオドール「えっとで御座いますね
親でなくても 親にはなれるので御座います。
必要なのは心の繋がりに御座いますよ」

麒麟娘「心の?
此処の奴等はそういうので繋がってるの?」




白「どうだろう?」はて。

彬羽「教育上 そこは嘘でもそうだと言うべきじゃねえのか?」

シロ「この天の邪鬼に言うだけ無駄であろう」うむ。


麒麟娘「・・なんか オヤぽいね?」

一二三「んだべ。皆が親子ってなると何か違うだけどな
キリンちゃんもその内解るべ」

麒麟娘「無理じゃない?
なんか聞いてたら 生まれから他のと違うみたいだし」つーん。


白「ん?他の奴等みたいに暮らしたいのか?」

麒麟娘「出来たらね
けど、そもそもオヤっての居ないし 無理だとは思う」ふんっ




白「よし。ちょっと晴明呼んでこい」

粋「Σえ。なんで!?」

白「ややこしい事するから
俺だけじゃ無理だろし」

テオドール「あ!では私行って参ります!」たたっ


白「で、蒼月 ツケ肩代わりしてやるから手伝え」

蒼月「Σへ?いや 助かるけど何やりゃ良いの?」



麒麟娘「へ?何? 何するの」きょとんっ

白「えーと。親は後から出来る物じゃ無いんだけど
お前は親欲しいんだよな?」

麒麟娘「へ?それは うんうんっ」こくこくっ


白「じゃ、願いを叶えてやろう」にやっ

麒麟娘「Σどういう事!?」えええっ






ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー






村の爺さん「おやおや お前は元気だねえ
置いてかないでおくれ えーと、あれ?お前の名前は?」はて?

村の婆さん「やだよー 娘の名前を忘れるなんて
あら? 嫌だ私まで」おやあ?

黒髪の娘「とっちゃもかっちゃもボケ来ただなー」あははっ



茨木童子「Σいや確かに拝まれて頼まれたけど!!」えええっ

白「麒麟は親が欲しくて 年寄り夫婦は子供が欲しくて
俺達は麒麟をちゃんと育てて欲しい
ほら 綺麗に修まるだろ?」しれっ

茨木童子「Σ論理的に問題無いそれ!?」



家康「蒼月の催眠の力かあ」わお。

蒼月「まあね。陰陽師と魔王の協力有っても 種族的に格上の麒麟にかけるのはキッツかったよ

てか、知らないよー
俺の催眠は永久的な効果は保証出来ないからね。
何かの拍子で麒麟ちゃんの催眠解けて全部嘘だったってなったらマジ地獄になるよ」


白「それはそれで騙してた俺に恨み向くだろ
だから問題無い」しれっ

粋「問題ねえんだ」ああうん。

テオドール「勇者を偽りでも幸せな環境で育てて 最終的に恨まれる系の魔王様の様で御座いますねえ」しみじみっ

千様「具体例が浮かばないけど なんかラスボス感は有るわね」ああうん。


茨木童子「良いのかなあ
結局騙してる様な」うーん。

白「お前意外と素直だな」

茨木童子「いや素直って言うかさ
なんかモヤッとな」

白「あのな。俺らみたいに人間に神様って言われてもただの妖怪だろ?

でも 出雲にはもっとちゃんとした『神様』がいるだろ?」

茨木童子「ん?いきなり何?」

白「その神様達も生んだ親は居るだろ?
で、その前は? そもそもこの世界は誰が作った とか遡って考えると解らないだろ

ホントの事とか 俺等には解らない事のが多いけど 別にそれで良いだろ?」

茨木童子「へ?ああうん」たじっ



白「だから麒麟も気がつかないから知らなくて良いし
騙されたまんまで幸せならそれで良い。
解ったならそれはそれで良い
そう言う話だ」すたすたっ





茨木童子「ごめん。理解がおっつかないんだけど。」

彬羽「魔王の頭の中なんざ そう簡単に理解出来るか。」即答っ

テオドール「要約すると幸せならオールオッケーに御座います」のほほーん。

茨木童子「Σ要約し過ぎて軽っ!!」



粋「つーか兄貴
ワケ解んねえ事はマジでしっかり考えてるよなあ」しみじみ。




魄哉「まあ 地が賢い生き物ですし
仮にまやかしで有っても その中に本物が有ったと学んでくれと そう言う事だと思いますよ?」にっこり。

茨木童子「Σそう言ってくれればまだ解るんだよ!」はいはいっ

家康「あの子達の思考は 慣れてないと通訳要るからねえ」あっはっは。





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