小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月23日

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鳩時計ぽぽーっ


魄哉「Σうっわ もうこんな時間っ
殿すみません江戸城行ってくるんで後よろしくっ」

洗濯物ていっ!

家康「Σ投げないで落ち着いて!
はいはいいってらっしゃーい」洗濯物かぶりっ


コマ『お手伝いしましょう』筆談カタカタっ

家康「あーありがたいけど ほら水で洗わないと駄目だし コマちゃん布なんて引きちぎっちゃうでしょ?」苦笑

コマ『では御持ちしましょう』よっこらカタタッ

家康「Σうお一気に!カラクリって凄い!!」おおおっ!




蒼月「つーか主君に汚れ物投げて寄越すなよ あのジジイ」うわー。

千様「人数多いから大変なのは解るけどね
殿も何気にきっちり川に洗濯行くしー」


小太郎「大変なの解ってんなら手伝ってやれよ」わんっ

千様「水仕事は手荒れるじゃない?」えー。
蒼月「寒いからやだ。」きっぱり。

シロ「こう見ると 家康はまだまだマトモなのだな」ジト目。






ーーーーーーーーーー





白「あれ? 家康とコマだ」

粋「お。ホントだ
珍しい組み合わせだな」

テオドール「お洗濯に御座いましょうか?」おや





家康「お。芝居小屋トリオお仕事終わり?今日は早いねー」洗濯物ぱんっ!

一同(つっくづく所帯染みてるの似合うな この殿。)


粋「今日は明日の打ち合わせのみだったんだよ
あんなもん毎日やってらんねえからさ」

家康「あーまあね お前達の所の大掛かりだもんね」

白「人間の見習いとか大道具が過労でヤバい事になるからな」うん。

テオドール「白さんでも疲労でぐったりの時とか御座いますよね」苦笑。

家康「うん。そりゃー死人出ちゃうね」わお。

コマ『芝居小屋とはいったい』カタタッ





粋「で、洗濯か
いい天気だもんな」

家康「だねえ ここの所曇とか多かったし 頼まれたの以外も洗っちゃおうと思ってさ」よっこらせっ

白「それ全部洗うのか?」覗き込みっ

家康「そだよー 干す所有るかなあ」あっはっは

テオドール「Σあ 白さん駄目で御座います!この流れはっ」



つるんっ

どぱーん!


コマ『その辺コケ生えてるので危険です』筆談っ

粋「うん。ちょっと遅いし兄貴平仮名しか読めねえから」あーあ。


家康「Σうおヤバい! 夜の雨で意外と流れがっ
テオちゃん番傘貸して! あの子流されちゃう!」ひいいっ

テオドール「Σか かしこまりました! Σあっ」


灰ざらああっ!

粋「Σモロ日光浴びたらそりゃあな!!」ひいっ



家康「ごめんカナヅチ先に回収するよ! さらさら流れて行ってるし こらちょっとは頑張って

Σあ。」

どぷんっ!



コマ『あの辺深かったみたいです』筆談。

粋「Σ家康うううっーーっ!!!」ひいいっ




間。







コマ『木製で結果オーライ』カタタッ


家康「まっさか 捕まれってコマちゃんを投げて来るとは」ずぶ濡れっ

粋「おう。洗濯物結んで命綱にしてな
プロの裏方なめんなよ」ヤケクソッ

白「助かったけど 何かと思った」へくしっ




テオドール「お二人共びっしゃびしゃに御座いますねえ」あーあ。

家康「だねえ。せっかく天気良いし そこのでっかい石の上で自然乾燥する?」

白「だな。石焼きしよう」のこのこっ

粋「水辺には近寄んなよー
こっちは俺がやっとくしよ」洗濯物よっこらせ

家康「ありゃごめんね よろしくー」へらっ

コマ『毎度お疲れ』筆談っ



テオドール「あ、私もお手伝い致します
日除けしてないといけませんので効率は落ちますが」手袋はずしっ

粋「お前それ 洗ってたら手に日光当たるけど大丈夫?」

テオドール「・・Σあ。」

粋「うん。洗ったの渡すから 家まで持ってってくれよ
干すのはえーと姉ちゃんはやんねえだろし シロ辺りに頼んでな?」










家康「いやーぽっかぽかだねえ
のんびりも良いなあ」のほほーん。

白「生乾きで気持ち悪いけどな」むすーっ

家康「お前ホント水嫌いだねえ」苦笑。


白「お前が色々平気過ぎるんだと思う
何でもへらへらしてて殿様感ゼロだし」

家康「Σグサッと来た」

白「貶してるんじゃなくて
何でそんな常に幸せそうなんだお前?」はて。

家康「ん?幸せそう?

えー そう見えるならきっとアレかな
私の見たかった物は見れたからかな?」うーん。

白「ん?天下って奴か?」

家康「んー。そうとも言えるかも知れないけど 何て言うかね

えーとどう説明しよう
ほら 私さ 昔てかまだ子供って言っていいトシに天海に会ったって話したよね?」

白「確か 信長の舎弟になってた時だっけ?」えーと。

家康「・・その名前は出さないでおこう。泣きたくなるから

まあその、実家が逆らう気無いよアピールする為に余所の怖い家に預けられてた時だね。
で、ずっとそんな怖い所だったからねー
打算も何も無しで 優しくしてくれる人ってのに初めて会ったんだよねえ」

白「ヒトじゃないけどな」ごろーん。

家康「うん。その辺は些細な事だよ
人間のが万倍怖いから」きっぱり。



テオドール(何か語りモードに入っておられる。)待ち時間手持ち無沙汰っ





家康「んでねー。脱走さえしなきゃ良いからちょくちょくてか入り浸り立ったんだけどさ
ご飯が暖かいのも 怖くないのもあいつの所しか無かったし」

白(昔話になると止まらないタイプだな) ふーん。

家康「だけどね
ある日突然 もう来ちゃ駄目って言われてショックだったなあ」

白「ん? 何かやらかしたのか?」

家康「いやいや
あいつね 山奥で世捨て人してるかと思ってたけど 世情はしっかり見てるタイプだから
世の中がグラついて来たから 私の身を案じたんだろうね
当時は理解できなかったけど。」苦笑

白「俺も理解出来ないぞ」きっぱり。

家康「えーと

ほら 私は武家の人間だから いずれ人間の世界に戻らなきゃいけなかったしってのも

解ってないね?「わからない。」うん。



家康「まあ ワケ有りだ。
そうしなきゃ私の命無かったかもだから拒否られたんだよ」

白「人って面倒だな」ふーん。

家康「そだよー
だから 私はこわーい所でまた1人で踏ん張らなきゃいけなくなってさ
怖かったから身を守る為に武道に打ち込んでたんだけどね。

世の中どんどん荒れていって
気が付いたら周りの人達に担ぎ上げられてさ 殿も天下狙いましょう!とか
怖がりの私に何が出来るってのにねえ」


白「お前とことん運悪いな」うわ。

家康「いやあの時代は結構皆そんなの」


白(多分 皆そこまでは無いと思うけどな。)えー。

家康(荒んでた時代の人間に迫害されまくった この子のが万倍悲惨だしねえ) うんうん。



白「で、戦に出たのか」ほうほう

家康「だねえ。いやー1度出て思ったよ。
私コレ無理だって
つか命がけなのに 周りの偉い人達も自分の事しか考えてないもん。信用出来ない人の為にどう頑張れば良いの」

白「やめればいいのに」むう。

家康「いやそれが 1度戦になったら逃げられないんだよ
始めたら勝たないと 領地の人達が酷い目に遭うからね?」

白「そういう物か」へー。


家康「そそ。それでね

拒否られたのがショックで もう二度と門を叩くまいと思ってたけど めちゃ悩んだ挙げ句訪ねてったんだよねえ
いやー あの時は怖かったなあ」苦笑。

白「?」


家康「あーその
この流れだから言うけど

私ね 天海に軍師になってって頼んだのさ
頭脳はもちろんだけど 1人で戦うのが怖かったんだよね
誰も信用出来ないし 他の人みたいに野望メラメラっでも無いのに 命がけなんて出来ないでしょ?」

白「ん?えっと

じゃ お前はケンカする為じゃなく
ケンカ続ける為に 魄哉に頭下げたのか?」

家康「だねえ。 もう誰かがどうにかしないとこの国ダメだと解ってたし

それでも弱っちい私1人じゃ踏ん張れる気がしなかったから
隣に信用できる人が欲しかったんだよね。
あ、コレ怒られるから天海に内緒ね」




白「・・えーと?」はて。

家康「うん。変な話だよね
お前からしたら そんなにケンカ嫌ならやめろだよねー

けど、そこでかなり拒否られたし怒られたけど 見事軍師ゲットだよ
んで、ズタボロながら天下統一だ」あははー。

白「うん。あちこちよく解らないけどな

それなきゃ今こうやって のんびり話出来て無かったのは解るな」うん。

家康「でしょ?」おおっ

白「で、お前が見たかった物ってなんだったんだ?」


家康「Σえ。
あ、話が横道に反れちゃってたか」はっ
白「いつもだろお前」きっぱり。



家康「んーとね。 私はね そんな感じで育ったから 憧れたのはこう言うのほほんとした日常でね

んで、天海に色々教えて貰ったから 他の天下取りたかった人はちょっと違う 夢に見た光景てのがあってね」

白「?」


家康「驚いた事に此処がそうなんだよねえ

人も化物もどっちでも無いのも神様だって対等に居るし
強いも弱いも一緒に居るじゃない?」へらっ

白「てっぺん取ってまで それが見たかったのか?」

家康「作ろうとしたのに 天海が普通に作っちゃってたから参った参った」あはは




白「ま、お前が血ヘド吐いて頑張らなきゃ そこも無かったとは思うけどな」うん。

家康「わお。お前にフォローされるとは思わなかった」おおっ


白「ボロボロ過ぎて可哀想になってきたからな」真顔。

家康「いや過ぎた事だしねえ
ま、結果オーライだ

そりゃ端から見たら私は幸せだろね
運良く出会えて運良く生き残った上 運良く良い物見れてるし」あははっ








粋「Σお前 居ねえと思ったらなんでガチ泣きしてんの!?誰かにカツアゲでもされた!?」えええっ

テオドール「いえその 心底良かったな とっ」ぼろ泣きぐすっ

コマ『変なツボにハマってもたか。』あーあ。







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