小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

2月9日

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【大通り 市】


ひな「あら?何でしょう あの人集り 」

庵「大道芸人でも居んじゃないのー?」




一二三「おお!良く見えるだっ」わーい。

彬羽「そうか。」肩車っ


庵・ひな(Σ休日のアットホームパパが居る!!)



彬羽「ん?何だお前ら
お前らも野次馬か?」

庵「あ、いやー
もっと面白いもの見れたわ多分」うっわあ

ひな「一二三ちゃん 特等席良いですねー」にこにこっ

一二三「んだ!誰の頭にも邪魔されねえだよっ」

庵「そりゃ2メートルはね」うん。




彬羽「ひょっとしてお前らも見えな ・・Σすまん!」真顔っ

庵「Σ誰も肩車せいとか言わないから!!」


ひな「見えないなら見えないで良いですが
何をやってるんですか?これ」

一二三「えーと。
ノボリ有るだども 字が難しくて読めねえだ」むう。

彬羽「ん?どれだ

ああ また胡散臭いのを」ふむ。

庵「へ?何々っ? ガマの油とか?」


彬羽「『若返りの妙薬』とか書いてるな」バカを見る目っ

ひな「Σそう言えば周り女の人ばっかり!」はっ


一二三「あそこにおいちゃん居るだよ?」指差しっ

庵「あー 確かに居るけど うん」

ひな「・・毛根を若返らせたいんですね」ボソリ。


彬羽「人間てのはそんな若返りたがる物か」困惑っ

ひな「妖怪と違って若いまんま長くはいられませんからね
そもそも何でピークの年齢で加齢が止まるんですか」むう

彬羽「妖怪は人間より動物に近いものが多いからな
犬猫なんかも幼児期は短いだろ?
弱肉強食なんで ケンカ出来る時期が長くなきゃ生き残れなかった結果だな」

庵「どっちが幸せなんだろうねー」うーん。


焔「いつまでも見た目若えのも考え物だぞー?
俺なんて悪友共に後三回くらい嫁もらえんじゃね?とか言われるしなあ こちとら今も先立った嫁一筋だっつの」はーやれやれっ

彬羽「何処から生えた」


ひな「あの、それ褒め言葉なんじゃ有りません?」

焔「なんで何回も逃げられる前提なんだよって話だよ」

庵「あーそういう事か」成る程。



一二三「あれ?白さんと粋さんのお祖父ちゃん
おこんにちはだべ」ぺこっ

焔「おお。今日は偉く高いところに居るなー」わははっ



晴明「なんじゃ?こんな所でたむろって
猿回しでも有るのか?」ひょこっ

魄哉「常に何か行商が有る所ですしねえ」おやおやっ



彬羽「なんだお前ら
揃いも揃って」

魄哉「いやー今日珍しく仕事が早く終わりまして
昔話に花が咲いたと言いますか。」

焔「平安時代の想い出話なんざ そうそう出来ねえからな」わははっ

ひな「あら?酒呑童子さん達も平安時代とか何とか」あれ?

庵「Σえ。あの露出狂この高齢者軍団と同年代!?」えええっ


晴明「言うても種族で違うからな?
同じ哺乳類でもネズミと象では平均寿命が違うであろ?」

庵「あ、そっか」成る程




魄哉「で、何の出し物なんです?」

彬羽「若返りの妙薬だそうだ」


魄哉「あー あるあるですねえ」興味無しっ

晴明「昔から有るのう このネタ」ふーん。

焔「真ん前から強めに光当てて シワがねえ様に見せるとかそんなだろ?」

ひな「何で1人だけ美容業界あるあるに詳しいんですか」引。





商人「さあさあ皆様お立ち会い!
お待ちかね 若返りの妙薬。神水の効果
とくとご覧くださーい!」


一二三「お?始まったべ」おおっ


庵「マユツバ だよね?」

ひな「そりゃ生き物がポンポン若返ったらこの世に寿命とか無くなってしまいますし ねえ?」

魄哉「ですねえ そんなの有ったら閻魔さんから調査依頼来てますよ」のほほーん。

晴明「根拠が有りすぎて面白味が無いのう」うーん。




商人「はい 此処に取り出しましたる この大ガマ!
とくと とくとご覧下さいませっ」じゃん

ガマ「げこっ。」




焔「ガマの油売りと混ざってねえ?」

彬羽「いや ちょっと待て
この流れでガマと言う事はだ」



商人「ではでは皆様 刮目してご覧下さいませー!!」

ガマに水ぱしゃっ



一同「Σ!?」


おたまじゃくしピチピチっ!



商人「はい!この通り! いやー若返り過ぎてエラ呼吸で御座いまーす!!」



一二三「おおおおおー!」ぱちぱちぱちっ

彬羽「おい。」

魄哉「本物みたい ですねえ」うわお。



庵「Σえ!何々見えない見えない!」わたわたっ

ひな「Σえ?え?ホントに若返ったんですか!?」

焔「あー嬢ちゃん達は普通に見えねえわな」

魄哉「えーと。肩車はさすがにアレなんでおんぶでよろしければ
庵「Σいや要らない要らない!!」

魄哉「そうですか?
じゃ 晴明さんちょっと四つん這いに「呪うぞ生臭坊主が」




彬羽「どうなってんだ アンタも神の端くれだろ?」

焔「いや 言ってもうちの一族はレア物ってだけだしなあ

確かそんなの持ってる神さんも居るには居るはずだけどよ。
人間に流出する事なんて有るはずが」うーん。

晴明「ふむ。となると呪の類いか?」

魄哉「可能性は高いですね

もしそうであれば これは危険な代物ですねえ」うーん。





晴明「ではとりあえず 一般人が購入出来ん様にしておくか

ほれ 犬神。遊んでやれ」ぽんっ


犬神「わおおーん!!」

客「Σぎゃあああオバケ犬ーーっ!!」ひいいっ



彬羽「Σ待て待て待て待て!勝手に式神にしたのか手前!!」

晴明「いや 呪を解かれて存在しとる犬神は非常に珍しい物での
ちょいちょい餌やっとったら懐かれての。ちょっとしたクダギツネの様に「Σそれを式神化と言うんだ馬鹿野郎!!」



魄哉「あの。犬神君めちゃ暴れてるんですが
大丈夫なんですか?これ」

晴明「いや犬なら待てくらい出来「あの子呪いから解き放つ際に頭と記憶ほぼ初期化してるんで 躾前の子犬みたいな物なんですけど」

晴明「Σげ」


庵「Σ式神なら引っ込めて引っ込めて! 一般人踊り食いみたいになってるー!!」ひいいっ






間。





白「で、壊しまくって逃げて来たのか」へー。



蒼月「お前が着いてて何でそんななってんだよ」

彬羽「Σ高齢者介護任された覚えは無いぞ!!」

晴明「失礼な。後三百年はトシ食うつもりは無いわ」

シロ「もはや無茶苦茶だな」うわあ。



家康「で? やっぱヤバい物なの?」

魄哉「そうですねえ。
予想どおり 神の水どころか呪いの水って所ですねえ」ちゃぷんっ

粋「ん?何だよ 結局買ってきたのかよ」


魄哉「いえ 売り手が何処か解らなくなりましたので勝手に持ってきました。
市に商いの届け出してるはずですし 後で払えば問題無いでしょう」しれっ

シロ「Σお前それはっ!」ひいっ

魄哉「その辺は天海坊権限活用します」



家康「まあね。ヤバい物認定されちゃう物ならしゃーないよね」苦笑

千様「殿、軍師に甘過ぎよー」





テオドール「あれ?千様さん この手の興味無いので御座いますか?」きょとん。
千様「あーらテオ君 なんで興味有ると思ったのかしら?」 おほほほほほっ?



テオドール「??」びくびくっ

粋「うん。悪気無いんだろけど今のは失礼な」うんうん。

挿音「お前は思った事素直に口に出しすぎなんだよ
こういうのは 痛い目に遭いたくなきゃ胸の内にだな Σぶっ!?」
千様「Σアンタが言うんじゃないわよっ!」きいい


晴明「毎度お決まりの展開じゃの」あーあ。

焔「つーか。別にこんな物要らねえだろこの姉ちゃん」

千様「そうよ!だいたい話聞いてたらおたまじゃくしって!
このナイスバディがぺったんこになったりしたら勿体ないオバケが出るわよっ!!」くわっ

晴明「色んな意味で逞しい女よのう」しみじみ。




魄哉「つくづく うちの長男はメンタルが反抗期で止まってますねえ

あ、仕組み解りました」老眼鏡外しっ

粋(コイツは中身的に少し使った方が良いんじゃないかなあ)うーん。



焔「で、どんな仕組みよ?」

魄哉「呪の種類としては至ってポピュラーな物ですね
いわゆる『前借り』系です。」


白「?
どういう事なんだ?」

蒼月「えっと。手持ちが無いから 後々有るべき物を前倒しで使っちゃうって言う
ツケ払いみたいなもん?」

シロ「お前が言うとリアルだな」




粋「つまり 使った時点で若返っても その後一気に老け込むって事?」背筋ぞわっ

魄哉「前借りした量によっては一気に老衰しちゃう可能性も有りますねえ」うーん。

一同「Σこわっ!」


彬羽「一二三が聞いてなくて正解だったな」ため息。

焔「あー カエルか。
今頃一気にヨボヨボカエルになってるかもなあ」うーん。




家康「じゃ 副作用を無視すれば 確かに効果は有る物だったんだ。
そんなの人間がポンポン作れる物?」

晴明「意外と難しくは無いのだぞ?
私も陰陽道の基本から外れておらんしな」

粋「お前は何か違くね?」ええー。

晴明「物事は極めれば一般的に不可能と言われておる事も可能になったりする物よ

しかし、ある程度の制約はつくがの。それこそが人の技という証よ」


白「えーと?」混乱っ

テオドール「完璧で無いと言うことが 神様のした事でないという意味だと思われます
つまりこの水は人間製で御座いますね」解説っ

シロ「いや何故に外国人のが日本語理解しとるのだ」



魄哉「ま、これだけの物なら 作った本人も副作用に関して把握してたでしょうね

て事は名乗り出て来ませんねえ うわ。支払い済んでませんよ」

家康「問題そこなの?」





石燕「あのーさっきから聞いてて思ったんすけど
シニア組 誰か使ってみたいとかないんすか?
化け物の特性考えたら 使っても副作用とかあんまキツく無いと思うんすけど」挙手っ




晴明「・・要るか?」ええー。 ※年齢3桁。

焔「いや。むしろ使う理由がねえよな?」※数えてない

魄哉「確かに肩こり腰痛ギックリ腰老眼神経痛その他有りますが
まだ薬に頼る程ではありませんねえ」※1000年辺りで数えるのやめました。



白「1人だけボロッボロなのが居るな」

挿音「そこで使わねえんならくたばる寸前でも使わねえな この頑固ジジイは」キセルぷはーっ




千様「あら? じゃ皆興味無いのねえ」

蒼月「爺組でこれなんだから そりゃそうだよね」あははっ

石燕「妖怪ってつくづく便利っすねえ」

焔「ん?アンタは興味ありかよ 絵描きの兄ちゃん」

石燕「いえ 借金とか気持ち悪いんで無理っす」きっぱり





彬羽「で、コレはどう処理するんだ?」

魄哉「んー。 下手にその辺に捨てると何が有るかなんで
後で薬品使って消しますかねえ」

家康「はいはい 劇薬ならお前の実験室だねー

んじゃ持ってっとくよ」よいしょっと。


千様「殿、ホント殿様なのに腰軽いわね。」

家康「ふんぞり返ってたら健康に悪いよー
人間動いてナンボでし



粋「Σあっ足元!」

家康「Σへ! うお犬神ちゃんのしっぽ!? うわ踏むっ」わったった

犬神「Σきゃうん!?」昼寝から目覚めっ


つるんっ


家康「ぎゃー!!!」 がしゃーん!!

千様「Σ殿ーっ!?」ひいいっ






蒼月「・・え? あの若返りの水持ったまんま スッ転んだ?」えええ

粋「え?コレひょっとして え?」冷や汗ぶわっ





白「家康 ずぶ濡れだな。」うわ

家康「」絶句。

魄哉「Σ殿おおおおおおおお!!!」ひいいっ



晴明「若返って 一気に老けるのか」うわあ。

焔「人間てえのは気の毒だな」しみじみ。




魄哉「だだだ大丈夫です!
介護の一つや二つっ こちとら千年生きてますんで心得てますんでっ」あたふたっ

家康「Σやめて泣きたくなるから!
こら寄らないの!巻き添え食うでしょ 誰か何か拭くの頂戴!!」ひいいっ






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【その頃 割烹春一】




ひな「やっぱり 今後の為に買っておこう」すっく。

朱禅「へ?」 ※化け蛇旦那。





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蒼月「あれから数時間かあ」

シロ「計算から行くと そろそろらしいのだが。」うむ。



蒼月・シロ(なんで何も変わらないんだコイツ。)うーん。



魄哉「何故に若返りの効果すら出てないんですか?」困惑っ

家康「何でだろう?」鏡じっと見。

千様「実は何年分か若返ってたけど 見た目変わってないとか?」

魄哉「Σあ、そう言えば ここ20年ほぼ変わってない」はっ

晴明「おかしいじゃろそれ」




白「そういや家康って 年齢不詳だったよな?」あれ?

粋「あー なんか実年齢からしたらビビるくらい若く見えるんだっけ?
いくつか知らねーけど」うんうん。

テオドール「それはつまり 化け物並に一定の年齢から見た目変わらないと言う事に御座いますか?」ええー。





彬羽「お前まさか 爺さんになっても今のままなのか?」

家康「えー。 なんか嫌だなあ」


石燕「実は妖怪でしたオチとか無いっすよね?」

魄哉「た 多分。」冷や汗っ






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