小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月31日

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【町中 大通り】




蒼月「ったくさー この寒いのになんで外出なきゃいけないんだよー冬眠しちゃうー」ぶつくさっ

石燕「アンタのツケ払いに来たからっしょか
毎度保護者さんに肩代わりして貰って恥ずかしいとは思わないんすか?」むう

蒼月「うっさいな。 つかお前は何で来てんだよ」

石燕「監視っす。 渡したお金で借金返す前に遊ばないか見張って欲しいとか言われやして」


フォントサイズ5 蒼月「・・ちっ」

石燕「んな事するかとか そう言うの無いんすね」ああうん。



蒼月「あ、うん やんないよ、やんないやんない

やだなー 俺ホント信用されてないじゃん 傷付くなー「はいはいはいはい。そんなだから信用無くすんすよ ちゃっちゃと払って帰りや

ん?」


蒼月「何だよ」



石燕(与一)「今すれ違った奴等だが、なんぞ偉く殺気に満ちておったな
あれは危ないぞ」どろんっ

蒼月「Σちょ屋外屋外!」ひいっ

石燕(与一)「安心せい、誰も石燕なんぞ見ておら Σぐほあ!!」

蒼月「Σ往来で自分に腹パンやめろ! ああもう1人喧嘩なら他所でやれよっ
通行人見んなこら!!」くわっ



石燕(与一)「という事で 少し様子を見た方が良いぞ
見て見ぬフリしてなんぞ事件が起これば また叱られるぞお前」げほっ

蒼月「あーもう面倒いな! 早く帰らないとこっち蛇なんだからね!? 命に関わるんだからねっ」しぶしぶ





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町娘「押し込み強盗ですって」うわー

町人「Σうっわ マジか!」ひいっ

野次馬の爺ちゃん「何でも赤子を人質にとって金品要求しとるらしいぞ」

一同「Σええええーー!」ざわっ




石燕(与一)「な?」

蒼月「いやお前なんで解るの?」

石燕(与一)「何度か負けて当然の合戦に参加すればお前も解る様になるぞ多分
結果私はくたばったがな。」どやっ

蒼月「Σそこまでして解りたくないよ!!」ひいっ




石燕「しかし赤ん坊っすか こら無茶出来ないっすねえ
不利になったら抱えたまんま逃走の可能性も有るっすし 計画的犯行っすかねえ」どろんっ

蒼月「いきなり戻んなよ
つか何? やる気?」ええー

石燕「人間なんか基本知ったこっちゃないんすが 種族関係なく生まれたての子供にゃ罪ないっしょ

さて、問題は自力で動けない赤ん坊をいかに安全に
うーん。あっしの妖怪絵具現化だと潰しちゃいそうっすね」むう。

蒼月「なんで化け物の俺より怖いんだよお前

つかもう俺行った方がよくない? 寒いし早く帰りたいし」えー。

石燕「最近の無法者は飛び道具持ってたりするんで1人は危険っすよ?」

蒼月「あーそか
でもまあ バカ殿かお前の飼ってるオバケレベルでなきゃ易々と当たる気しないね」へへんっ

石燕「与一さんはめちゃ長距離から急所来るんで解らんでもないっすが 家康さんも怖いんすか?」

蒼月「あのバカ殿 狙いつけるって段階が無いんだよ
銃抜いたら もう後は腕の角度とかそんなで感覚で狙いつけて撃ってくんだよ
あんなん避けられないっての」けっ


石燕(さすが戦国を生き抜いたヒトっすねえ)しみじみ。


蒼月「アレに比べりゃどうって事無い無い
最悪大蛇に戻って鱗で弾くし「ここ町の中っすよ。」


蒼月「・・一応 ガードつけてくれる?」

石燕「んー。即座に描けるのなら一反木綿とか?」紙がさごそっ

蒼月「Σ木綿で飛び道具防げるかよ! 真面目にやれよ!!」

石燕「じゃ笠地蔵でもわらわら出せば良いんすか?
地蔵に囲まれてじわじわ移動するっすか?」むっ

蒼月「Σ真面目でそれかよ!小回り効かなさ過ぎるんだよ!つか俺が怖いよ!!」きいいっ



フォントサイズ5
町人「Σお! 誰か入ってくぞ!」おおっ

商人「Σお待ち下さい 太郎吉が人質にああああっ」

商人の妻「お坊様!息子を助けて下さいいいっ」拝みっ



蒼月・石燕(Σあ。先越されたっ)はっ




蒼月「え?何?人がやる気になってるのに
何あれ虚無僧だよね?」

石燕「そっすね。 茨木童子さんが人里に来る時かぶってる でっかい笠?ザル?っしたね」

蒼月「ん?ひょっとして今のその茨木童子とか?
ほら あいつ人間に友好的だし」

石燕「それは無いっす あの人かなりの色黒っしょ?
今の人は曇ってる中でも解るくらい色白かったっす」

蒼月「お前よく即座にそんなの見えるよね」わお。

石燕「絵描きなんて物見てナンボっすから」きっぱり。




ざわわっ!!


町人「Σうおお 立てこもり野郎爆薬持ってやがる!!」ぎゃああっ

野次馬の爺ちゃん「いかん!皆逃げいっ」ひいいっ


押し込み犯「それ以上寄ったら 餓鬼道連れでドカンと行くぞコラアア!!!」やけくそっ



蒼月「Σちょ 虚無僧固まってんじゃん!つっかえないなっ」

石燕「あの状況だと動いた方が危ないっす!
これだから人間はホントにっ」ああもうっ


蒼月「しゃーない ダメ元で蛇眼かけてその隙に餓鬼救出するか」ちっ

石燕「Σいやそれめっさ至近距離じゃなきゃ効かないでしょが!」

蒼月「お前行ったら確実に爆散するだろ馬鹿」

石燕「Σいやいやいや!アンタもっヤバイっすから!
つか赤ん坊の安全第一っ!!」パニック!





町娘「Σあ!お侍さん今は駄目ですっ」ひいいっ


石燕・蒼月「Σ!」



押し込み犯「うお 何だお前っ
近寄るな!近寄ったら餓鬼の命がねえぞ!! 」爆弾おらおらっ



蒼月「あ。今の内に弓野郎に代わってあいつ仕留めらんない?」はっ

石燕「いや 仕留めたらアレ倒れるんで赤ん坊ヤバいっすよね? ガッチガチの新生児っすよ?」

蒼月「あー そりゃ取り扱い注意か
やば あの侍凄腕なら良いんだけど」ふむ。




石燕「Σあ!先に居た虚無僧 仕掛ける気っすよ!」はっ

蒼月「Σアレ無理だろ ヤバ気付かれたっ!」




ズバッ!!


石燕・蒼月「へ。」



虚無僧ぐらり

ばたーん!!




石燕「え!ちょ
あの侍なんで虚無僧の方斬ったんすか!?」えええっ

蒼月「え?え?えっと
ガキの命優先したとか? あ、ひょっとして押し込みの仲間って可能性も!?」はっ





押し込み犯「・・え?」ぽかんっ



白「芝居だ。」にやりっ

押し込み犯「Σえ」


ドガシャアアアン!!

石燕・蒼月(Σアンタかーい!) 脱力っ




白「よし 子供ゲット。」ふーやれやれっ

赤ん坊「びえええええええっ」


商人「太郎吉いいい!!」おおおっ




蒼月「え?何? ガキンチョ優先で回りくどい真似してたの?」ええー。

白「あれ?お前ら居たのか」

石燕「ん?となるとこっちの斬られた虚無僧さんは」ちらっ



むくりっ。


蒼月「Σ!?」びくっ



テオドール「あー 崩れない様に霧になるの難易度高う御座いました」笠外しぷはっ!


石燕「あー。
演技とはいえこの人に斬られるとか すっごい度胸っすねえ」うわあ。

テオドール「ミスしない方だと信じておりますので。
いやー流石に頭部は丸見えになるので急遽コスプレに御座いますよ」苦笑

蒼月「Σタイミングズレたら終わりだろ 怖いな!!」ひいいっ

白「だな。 刀ちょうど近くに居たシロから貸りた鬼切だしな」ガチ妖刀っ

テオドール「Σうわああ!タイミングミスったら終わる奴!!」背筋ぞわっ

白「うん。そうなるから教えなかった」きっぱり。



蒼月「怖いよこの人。」引。

石燕「成る程 久々髪の毛真っ黒バージョンなんで気付かなかったっすねー」

粋「ちなみに虚無僧と侍テイストの衣装は 俺が適当にそこの古着屋で選んだ」どやっ

蒼月「あれ?アンタ居たの?
冴えない裏方」

粋「Σ冴えなくて悪かったな!!
裏方他にもやる事あったんだよ!」むかっ

石燕「ん? そう言えば
他の押し込み犯はどしたんすか?」

蒼月「Σえ 他にも居んの?」

石燕「与一さんが すれ違った『奴等』って言ってたっしょ?」



白「そっちも上手く行ったか?」

粋「おうよ。 兄貴のでビビった上 タイミング良く石燕達も来たしよ
思った通り裏からトンズラだよ」

蒼月「ん?そっちは捕まえなくて良いの?」



白「言ったろ?
タイミング良くシロが居たって」



町人「Σうおおお!いきなり裏路地が氷漬けに!!」ひいいっ


石燕「あ、捕縛完了っすね」わお。



白「さーて 帰るか
役人来たらめんどいし」すたすたっ

テオドール「あ、待って下さいませ この格好動きにく Σうわああ急に晴れ間が」灰ざらああっ

粋「うっわ爆弾野郎アゴ砕けて無くね?兄貴に逆らうから」あーあ。



石燕「あ、シロさんは良いんすか?」

白「あいつが凍らせてるの人に見られるとかヘマすると思えないし
ほっといたら帰って来るだろ」すたすたっ


蒼月「手慣れっぷりが怖いよアンタ等」引きっ








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徳川忍「あのー お頭。
なんか押し込みがあった家の付近うろついてた変なガキが 忍軍に言えば解るとかなんとか言ってるって同心部屋から問い合わせが。」えーっと

挿音「Σはあ?どれよ?」

徳川忍「えっと白髪で気合いの入ったマユゲの「あー悪り それうちの身内だわ
釈放頼むって言っといてくれや。

っとに あいつ等毎度毎度毎度
人にケツ拭かせんなっつーの」キセルぷっはー。




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