小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月11日

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爺さん「おやおや 良く来たねえ」にこにこ。

婆さん「ほらほら寒かったろ?早く上がんなさい」ほれほれっ



粋「あの 兄貴?」困惑っ

白「気にするな 上がれ上がれ」よいしょっと

テオドール「あの、どちら様のお家なので御座いましょう?」困惑っ








鍋ぐつぐつっ



白「外 雪凄いな」

婆さん「だねえ。 いやー来られないんじゃないかと思ったよ」

爺さん「寒い時はほれ飲め飲め」わははっ

粋「Σあ。どもっ」びくっ

テオドール(白さんのお友達 なので御座いますかね
偉く年代が違う気が致しますが)ふむ。


爺さん「ほれお前も遠慮しないで飲みなさい」お酒ぐいぐいっ

テオドール「Σへ!あのっ お気持ちはありがたいのですが未成年ですのでっ」わたわたっ



爺さん「おや? そうだったかの?」おやまあ

婆さん「おやー? 太郎吉と権蔵は1個違いじゃ無かったかい?」はて?


粋「Σどっちが太郎吉!?」

テオドール「Σすみません 権蔵は嫌で御座います!!」ひいいっ




粋「え?何これマジで何っ
お前何か聞いてないの?」ひそひそっ

テオドール「粋さんも聞いておられないのですか!?てっきり私だけ知らないのかとっ
そもそも連れて来られるまま来ましたが 何なんですかコレ
お呼ばれですか?怪異で御座いますか!?」ひそひそひそっ



爺さん「あー便所か? 雪で埋まっとるからその辺で
テオドール「Σ違います!そして嫌です!」
粋「Σ自宅の周りでやっちゃ駄目だろ!!」ひいいっ


婆さん「あれまあ 若い子は元気だねえ
いやー 一気に家が明るくなるよ」にこにこ。


粋「つか太郎吉と権蔵?だっけ
この爺ちゃん婆ちゃんマジで人違いしてんの?」えええ

テオドール「物凄い偶然で粋さんは似てたとして
西洋産の私そっくりな権蔵さんは無理が有りませんか?
ご老体に御座いますしひょっとして」うーん。


粋「あ。お前の方が権蔵?」

テオドール「Σあっ
まだ太郎吉さんのが良いです!!そっちで御願い致します!!」ひいいっ



婆さん「何をワケ解らん事言うとるのかね この子等は。」

爺さん「さあなあ?


あの子らどうしたんかね?かな子さん」

白「さあ?」しれっ

粋・テオドール(あ。ボケちゃってらっしゃるなコレ) ああうん。


粋「Σつか かな子って! 兄貴性別すら合ってねえ!良いの!?」えええっ

爺さん「何をボケとる ほれかな子さんじゃ髪の毛長いじゃろ?」

粋「Σかな子さんポイントそこ!?」


テオドール「Σああ白さんお婆さんにめちゃ髪の毛で遊ばれてます!
めちゃ編み込まれてます!!」

婆ちゃん「いやーかな子さんは髪の毛綺麗だねえ」編み編みっ

白「好きにさせて良いんじゃ無いかな」うん。

テオドール「Σドレッドみたいにされてますが本当によろしいので御座いますかっ!?」ひいいっ





間。





薪ぱちぱちっ




粋「・・なんでこうなったんだっけ?」

テオドール「今思うと 出際に彬羽さんが気を付けろとか言われておられましたね
という事は」遠い目。



粋・テオドール(いや何の怪異これ。)頭かかえっ


爺さん「ほれほれ遠慮せんと食え食えっ」干からびた数の子

婆さん「アンタらの為に作ったんだよー」カッピカピの黒豆っ



白「大丈夫だ。おせちは保存食だから結構まだいける」湯葉きんぴらごぼうぼりぼりっ

粋「Σいや生湯葉大丈夫!?」ひいっ

白「俺の胃袋をなめるな」


テオドール「くっ良く解りませんが 此処は流れを読んで権蔵・・太郎吉さんになりきっておもてなしされるべきに御座いますね

参ります!!」くわっ



白「あ、お前らはナマモノやめといた方が良いぞ」ひそっ

テオドール「Σ!」かずのこボリンッ

粋「Σなんでそれ行った勇者か馬鹿野郎おおお!!」


爺さん「なんじゃ顔青いぞ
便所なら雪に埋まっとるから外で
粋「Σはいはいはい!行って来まーす!」テオ引きずりっ

婆さん「かな子さんその髪気に入ったの?」にこにこ。

白「ギッチギチでほどけない。」







更に間。







粋「ホント何なんだろな此処。
あの婆ちゃん等には 俺等が知り合いに見えてるのかな?
それ意外は偉い頭ハッキリしてる感じだし
何よりカラスが行ってこい的な流れなら 普通の年寄りの家って事はねえだろし」うーん。



テオドール「そうで御座いますね」うぷっ

粋「お前大丈夫?」


テオドール「何とか。
しかし 今のショックでほんのり解って来たかもしれません」口元ぬぐいっ

粋「へ?」


テオドール「確か 今年いえ去年は年末から急な寒波で御座いましたよね?」

粋「ん? あー 大掃除くらいからな
場所によっちゃドカ雪で色々大変だったらしいな」

テオドール「その前の年はどうなので御座いました?」

粋「へ?

えー どうだったかな?
あ、ちょっと待てよ確か 年越しから雪つか吹雪で大掃除も凄え困ったような」

テオドール「やはりに御座いますか」ふむ


粋「それで何が解っ
爺さん「ほれ風邪ひくよ?中入りなさい」がららっ

テオドール「Σあ、はいっ
さあ粋さん中に」ぐいぐいっ

粋「Σえ。なんで急に!?」ええええっ





婆さん「おや権蔵さん。もう腹は良いのかい?」

テオドール「Σごんぞっ あ、はい お陰さまで」ひきつりっ

粋(やっぱ向こうが権蔵。
いやホッとしてる場合じゃねえだろ え?何?俺だけ解ってねえの? )困惑っ


白「安心しろ お前が鈍いのいつもの事だし」しれっ

粋「Σなんでこういう時だけ察しが良いの!?
つか頭何それ気に入ったのかよ
白「ほどき方解らないんだ。」くわっ


テオドール「で、何処まで演じればよろしいので御座いましょうか?」ひそっ

白「んー。 もうちょい かな?」

テオドール「かしこまりました
不本意に御座いますが ご、権蔵さん役に徹します」


粋「あのー兄上 俺もちゃんと太郎吉さんになり切るから そろそろ解説御願いしたいんだけど」


白「万年見習い大根役者が何言ってるんだ」ふんっ

粋「Σ今の言うそれ!
え?何拗ねてんの さっきの!? 三つ編みほどけないのひょっとして凄い困ってた!?」えええっ



爺さん「こらこら かな子さんを虐めるんじゃないよ」

婆さん「ほんとにこの子は
あたしゃそんな子に育てた覚えは無いよ」あーもうっ

粋「Σ育てられた覚えもねえええ!!!」




爺さん「Σな なんちゅう事を」お酒ぽろっ

婆さん「ひ、ひどい」よろっ

粋「Σ・・あっ!」


テオドール「失礼致します
お兄ちゃん酷い!!飲み過ぎだよに御座いますっ!!」

鍋でがいんっ

粋「Σあだあっ!?」



テオドール「えーと お兄ちゃん悪酔いが酷いみたいで
起きたらしっかりお説教に御座いますね」

婆さん「あらあ お酒勧めすぎたかねえ」

爺さん「それにしても親に向かってなんちゅー事を」ぷんすかっ

婆さん「しかしアンタ喋り方変わったねえ?」

テオドール「そこはほら これが今の町の流行りに御座いますよ」




白「テオの方が役者だな」ぷぷっ

粋「Σあいつなんであんな適応力凄いの!?」たんこぶ





白「さて。そろそろ良いかな
また雪が降ってきたし 戻れなくなる前に帰らないと」よいせっと。

婆さん「ええ。もうかい?」えええっ

爺さん「あー仕方ないのう この雪じゃ
気を付けて行くんだよ
また正月帰っておいで」



粋「へ?いいの?」きょとん

婆さん「いい訳ないだろ 寂しいねえ全く」しくしく

爺さん「こらやめなさい
ほら 土産な。帰っても食うもんなかろ」

粋「へ? ああうん ありがとう」ちらっ



婆さん「うう。じゃあまたね
元気にしてるんだよー」

白「だな。 またな」





どろんっ。


粋「Σへ!? あれっ 家ごと消えた!?」きょろっ

テオドール「うわ一気に寒っ!」ぶるっ



白「さて 帰るか」ふう。

粋「Σえ あ、いやいやいや!その前に教えてくれよ!!
何!?あの爺さん婆さん何っ!?」

テオドール「お正月前に亡くなられた方々に御座いますよ」

粋「Σえ」


白「なんかな この辺に年寄り夫婦の家があったらしいんだけどな
息子やその家族が町から帰ってくるの楽しみにしてたのに 正月前にドカ雪で家ごと埋まっちゃったとかでな 」

粋「Σえ?じゃあ」

テオドール「お子さん達が来るの待ったまま その気持ちのみ、この世に留まってしまわれたのでしょう
幽霊になる程の恨みも強い執着も無い分 思いが果たせねば永遠に待ち続けるだけに御座います。

その辺カピカピのおせちで察しましたので とっさに息子さんのふりをしたので御座います」

白「そういう事だ」うん。

粋「え?え? 俺ちゃんと演じれて無かったけど」おろおろっ


白「言ったらもっと演じれてないだろお前。
まあ、2人共満足出来たなら下手な嘘でも良いだろ


さて
俺等も埋まらなきゃ良いな。」吹雪びゅごおおおおっ


粋・テオドール「」

白「家どっちだっけ?」うーん。







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九尾「あー。凍えるかと思ったわ」雪まみれっ

彬羽「待機しておいて正解だったか。」ふーやれやれ雪はらいっ


家康「捜索班お疲れさーん」




蒼月「ねえ あの人なんでバッキバキに割れた餅持って半泣きなの?」引。

千様「さあ?」あらー




テオドール「あの1つ質問なのですが」

白「ん?」火鉢当たりっ

テオドール「あの、カズノコやお餅の状態から見て
今年のじゃ御座いませんよね?」

白「えーと。確か 去年の話のはずだな」




灰ざらああああああっ!!


蒼月「Σぎゃー!何なになになに!?」ひいいっ

白「なあ丸1年前の魚卵てヤバいのか?」

彬羽「Σヤバい所じゃねえだろ!! 」



粋「春になったら線香持っていこう」ぐしっ

家康「あの、その前にテオちゃんに線香要りそうなんだけど。」






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