小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月5日

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【割烹春一】




朱禅「へいらっしゃい! てお前らかよ」

粋「もう完っ全に居酒屋だよな 知ってたけど」

庵「今更今更 はいよ此方熱燗みっつー!!」




テオドール(割烹と居酒屋はどう違うので御座いましょう?)ふむ

彬羽「同じ飲み食いする所だが、芸者なり芸人なり呼べるのが割烹だ
簡単に言うと 持ち込み可か不可かの違いだけだな。」

テオドール「Σ心を読まれた!!」

シロ「いや 結構聞かれるので慣れとるのだ」きっぱり




白「持ち込みって 俺等を物みたいに言うな」むすっ

ひな「役者さんも芸人さんと言いますからねえ」苦笑。

テオドール「でも白さん何かやらかした時とか 毎度首根っこ捕まれてひょいひょい持ち歩かれておりますが
粋「うん。言わねーでやって」どうどう。


庵「えーと。話変えよう ご注文はー?」苦笑。



晴明「ほう。思ったより繁盛しておる様だの」ひょこっ

ひな「あら。いらっしゃいませ」

シロ「皆おせちに飽きた頃であろうからな」洗い物じゃぶじゃぶっ

晴明「ほうほうそうか。暇そうと踏んで来たのだが さて、どうするか」ふむ。

朱禅「ん? いや言っても席空いてるし
その辺適当に座ってもらえりゃ


晴明「よし。店主の許可出たほい座った

と言う事で やるぞ座敷童子」きらーん。

座敷童子「新年早々すまん。」はーやれやれ

シロ「おい。絶対いらん事やる流れだろコレは。」


粋「やるって何を?」嫌な予感っ

ひな「他の御客さんの迷惑になる事はやめてくださいよ?」ほんとにもー

晴明「いや迷惑なんぞそんな

迷惑かけるとしたらこやつにだの」くっくっく。

白「ん?」


テオドール「あのーいったい何を」おそるおそるっ



晴明「聞いたぞ!そこのお前っ
貧乏神体質らしいな!! しかも局所も局所っ
不幸はこやつ限定で発動すると聞いた
それでだ うちの座敷童子の幸運とどちらが勝つか試しに



庵「ちいっ 外したか」ちっ

壁にめり込む茶瓶しゅううううっ

彬羽「店のもん投げるな」

テオドール「茶瓶って刺さるので御座いますねえ」うわ。

粋「めちゃ気にしてるんだからやめてやれよホントに」あーあ。


晴明「少しかすったわ」心臓ばくばくっ





白「えーとな。
こいつも気を遣って 茶運んで来る時も距離とか取ってるし
あんまネタにするのはどうかと思う」むう。

晴明「ん? 被害受けとる割には寛容だな」おや。


白「確かに
店入った途端 いきなり神棚崩れて来たり 隣の客が喧嘩して熱い茶飛んできたり 席の真ん前で知らない子供が漏らしたり 店出た途端鳥が運んでたぽいでかい魚降ってきたりするけど

死なないから問題ない」真顔。

晴明「それ距離とっても意味無くないのでは無いか?」引。



庵「何?姿を消せと?」けっ

晴明「いやそうは言うとらん
だから試しに来たのではないか?」

庵「は?」半ギレっ

晴明「考えても見よ
座敷童子でその貧乏神体質が中和されるので有れば お前が知らずこやつに危害を加えてしまう事は無くなるのだぞ?

朗報ではないかの?」ふふんっ


庵「Σ確かに!!」ぱああっ




彬羽「今考えたな」

シロ「だな。今月のバイト代全て賭けても良いわ」ふっ

粋「晴明の信頼度すっげー」わお。




晴明「と言う事で 実験1
ちょっとそこに立て」びしっ

白「ここか?」

晴明「うむ、娘こらビビるな逃げるな 案外大丈夫かもしれ

ばりんっ!!


町人「Σああっ!すみません 躓いて戸を倒してしまったああ」



粋「Σ兄貴いいいい!!」ひいいっ



座敷童子「言っとくが私の幸運は家にもたらされる物。つまり今住み着いておる家の者 お前にしか効果は無いぞ」

晴明「あ。言われてみればそうであったな
いや うっかり」扇子ぺしっ

粋「Σうっかりじゃねえよ!
兄貴戸に刺さって あれ?戸が刺さって?」え?

テオドール「頭で戸をぶち破っておられますが 無傷なあたりさすがに御座います 」よいしょっと

白「普通に痛い」むすーっ




朱禅「正月早々 うちの玄関」ずーん。

ひな「こちら修理代となります」請求書っ

晴明「Σう。地味に高い」くっ


シロ「ふむ、やはり全く不幸が来ないと言うわけではなさそうだな」うむ。




テオドール「あのすみません お手伝いお願いします抜けませんっ」じたばたっ

粋「あ。お前の腕力じゃ無理か 貸してみろよ」よいせっ



ひな「となると 座敷童子さんの幸運で不運を相殺は出来ないと?」

座敷童子「根本的な解決にはならんが
晴明が被害を被る距離なら防げるやもしれんな」

晴明「Σえ」




彬羽「よし庵。
その白髪 戸から引っこ抜いてやれ。」晴明羽交い締めっ

晴明「Σうおビクともせん!! やめんかこら 嫌な予感しかしな Σはっ」ぴくっ





町人「あああ!暴れ馬がっ!!」

壁蹴破りっ
馬「ブヒヒヒーン!!」ぶるるっ

朱禅「Σ店がああ!!」ひいいっ


町娘「きゃー 突風っ!」いやーっ

ひな「Σ穴からお向かいの瓦がああっ!!」


商人「Σあっ 急に荷車の車輪がっ」

樽ばきゃ。

酒ばしゃーー





テオドール「Σ大丈夫で御座いますかああ!!」ひいいっ

白「帰って寝ていいかな?」酒でびちゃびちゃ

彬羽「馬は危ねえだろ。」暴れ馬押さえ込みっ

馬「Σぶひひひんっ!!」じたばたっ


シロ「見事に客が逃げたな」ふっ

庵「請求書増しときますね」けっ

晴明「Σこれは私のせいなのか!?」ボロッ




間。





庵「と言う事で旅に出ます。御迷惑をおかけし
朱禅「Σ待て待て待て待てーーっ!!」



白「あのな。それやられるとボコボコの俺の方が悪い事した気分になるからやめろ

こっちは差程こたえて無いんだからな」むう。

庵「Σうう。 馬に蹴られてコブ作って言われても
」くうっ




ひな「同じ女として言うなら
いっそスパッと踏ん切りつけさせてあげた方が良いのかもしれませんがね」遠い目。

晴明「あーやっぱそんな感じか」ほうほうボロッ

シロ「意外と頑丈だなお前」

晴明「防御に全フリしておるからな」どやっ

粋「暴れ馬相手に防御結界使ったのかよ」わお。




座敷童子「しかしあまり悲観的に考えるのもどうかと思うぞ?
この世は片方のみに偏ったままにはならん者だ」

庵「へ?」鼻ちーん。

一同(Σ半泣き!!)



座敷童子「例えばだ

ほら 私達座敷童子は家に富をもたらし、福を呼ぶがそれは不幸と隣合わせだ
現に 私が今ここでこやつに愛想を尽かして出ていけば・・」


晴明「なんぞ?」

座敷童子「いやちょっと 一連のやり取り思い返したら愛想尽かしそうになったというか」うーん。


粋「晴明破滅すんじゃね?それ」わお。



座敷童子「よし、後でじっくり話し合おう

まあ何だ 座敷童子が去ればそれまでの幸運にオマケがついて不幸がドッと押し寄せるのでな
お前の不運を呼んでしまうのも その内とんでもない幸運を呼び込む事になるのでは?と 見ておる」

庵「Σそうなの!?」えええっ


テオドール「運気のプロのお話となると 信憑性が有りそうで御座いますね」ふむ。

白「んー。何でもいいからとりあえず うどん。
俺等昼食べに来たんだぞ」ぐうううっ

粋「兄貴 マジであんま気にしてねえんだな」


シロ「Σあ。お前今から仕事か!」はっ

白「そうだぞ
だから釜玉うどんに餅入れてくれ」わくわくっ

朱禅「うん。力うどんな」はいはい。



晴明「うどん1つで最早嫌な事忘れとるな」

座敷童子「強い。」うむ




庵「あの、不運が転じて的な話は?」あれ?

ひな「御本人がもはやうどんの事しか頭に無い感じですし もう良いんじゃありませんか?」

庵「Σ良いの!?」えええっ



彬羽「コイツは常にこんなんだ
だから気にする必要は無 Σん?」

シロ「ん?どうした?」



彬羽「卵の黄身が双子だ」

粋「Σマジで!うわ。すっげ」


白「ラッキーだ。」おおっ




庵「あの ひょっとして
晴明「喜んどるから良いではないか」

庵「Σ私の幸運 ショッボイなあ!!」




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